87回天皇杯3回戦、対順天堂大1-2完敗

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2007年 10月7日(日)13時 天皇杯3回戦 ベガルタ仙台1-延長-2順天堂大 ユアスタ仙台



大久保  中原
(中島)      
金子    関口
(梁)       
細川 富田 
(菅井)       
田ノ上 白井 渡辺 中田

萩原
サブは、シュナイダー、永井、菅井、梁、中島。

試合としては、順天堂大が、早く厳しいプレス、速いパス・スピード、動き出しと連動の良さでベガルタを圧倒。ちょこちょことひっぱるマリーシア、あたりの強さまでもあって、どっちがプロが分からない、試合巧者ぶりを見せられた。完敗。

防戦一方のベガルタは、後半途中から、梁、中島、そして菅井を投入して、攻撃のリズム作るが、時すでに遅く、延長戦へ。延長後半、一度は田ノ上のシュートで追いつくが、順大の岡本君に、中央からフリーで延長後半終了間際に落ち着いたゴール2点目を決められ、逃げ切られた。

もう10月。午後の日差しはあるものの、冷たい風が吹くユアスタ仙台。6545人。順天堂大学の方はとくに鳴り物入りの応援はない。ベガルタ入団以来7年、トップでの出場機会のなかったキーパー萩原の初陣に、いい記念の試合としてあげたかったが。。。

前半。試合は最初から順大ペースで始まった。中盤の速いパス回しとプレスで、ボールと人が動くのは順大。ベガルタはボールを持った選手が孤立、二人三人と寄せられて、ボールを奪われる。3分、順大にコーナーを取られる。最初のタッチは萩原、良く触って外に出した。その後も順大ペース。ようやく7分、中田が上がって、クロス、しかし中原には届かず。10分、前へ前へと出足のいい順大が、カウンターからそのまま持ちこんでシュート、しかしバーの上。さらに順大のコーナーキック。しかし、これはこぼれをつないでベガルタが、カウンター。大久保が、いいタメからスルーパスを出すが、最後のクロスが精度を欠く。

12分頃にはベガルタのコーナーから中原が頭で合わせるが、枠外。さらに、右奥のフリーキックから広大がヘッドをフリーであわせるが、キーパーのセーブにあうなど、決めきれない。その後は一進一退。順大もベガルタゴール前までは、ボールを運ぶが、シュートは広大、白井らが寄せてフリーでは打たせない。前半は、攻められても、シュートさせない守備はある程度できていた。萩原はあまり守備機会はなかった。

しかし、17分、パスカットされたボールでえぐられ、グラウンダーのセンタリングをゴール前に入れられ、ボールがゴール前を横切る。危ない。20分、ベガルタも攻め込むが、クロスの精度がいまいち。ゴール前にも人が少ない。富田がさかんにサイドチェンジを入れて、攻撃にアクセントをつけるのだが、ボールを持つ選手にフォローがなくて、選手間が広すぎ。足元パスばかりなので、狙われてしまう。細川、金子に元気がないのが気になる。23分、久々に相手ゴール中央へボールがつながり、大久保シュートかと思われたが、スルー。

28分、順大ゴール右奥25mのフリーキックのチャンス。田ノ上のキックは、ゴールに向うがキーパー。その後も、お互いにパスカット応酬、順大のつめに、ボールを簡単につなげない時間が続く。33分、ベガルタゴール前でボールを回されて、コーナーを取られるが、これはクリア。43分、富田のスルーパスに大久保が走りこみ、コーナー。しかしゴールには至らず、やや順大ペースながら、シュートは打たせず、守ったという感じの前半終了。

後半。たたみかけてきたのは順大のほう。3分、中央にするすると持ち込まれ、フリーで打たれるが、萩原正面。10分にも、裏取られるが、萩原が交錯しながらとめる。ベガルタtの攻撃が単発なところを見透かして、ボール奪っては、速攻で次々と走りこんでくる順大。10分、ベガルタのコーナーのチャンス。相手ゴール前で、こぼれをつないで、ボールは回すが、シュート打てず。ダイレクトでのミドルシュートなどが、一本も出ない。すると、15分、順大に中央どフリー許し、絶対絶命、しかしふかしてくれて助かる。ついで17分にもゴール前に殺到され、萩原との至近距離1対1、しかし、萩原が足で止め、すぐ起き上がって2本目の相手決定機も防ぐナイスセーブ。後半は、にわかに忙しくなる萩原。

18分、関口がひとりでドリブルで上がり、そのままシュート、キーパー。ベガルタ後半はこれが最初のシュートか。22分、有効な展開ができていないのを見て、金子に代わり梁、大久保に代わり中島が入る。これで、ベガルタもボールをつなげるようになってくる。25分、早速中島が追い込んでコーナーを取る。関口の低いキックを中島すらし、中央で誰かが触れば1点というチャンスを作る。さらに、中央に侵入した関口が、切り返しての左足シュート、惜しくもキーパーが足1本で止めるが、ようやく得点の匂いがしてきた。梁がからんで、ボールをため、ワイドに展開するようになって、30分、35分と、相手ゴール前で細かくつなぐのだが、いかんせん、早いタイミングでシュートを打たない。出しどころを探っていると、詰められて、シュートを打てないまま、カウンターを食らうという流れが多かった。

37分、少しプレーに迷いが見える細川に代え菅井が入る。菅井、かなり前目。38分、順大のコーナーの後、中島へのパスが通り、中央から振り向きざまのシュート打つが、バーの上。40分、逆に順大のコーナーからフリーで頭を会わせられるが、バーに当たり、跳ね返りもフリーで打たれるがホームラン。決定的。助かる。44分には、関口のクロスから中島があわせるが、キーパー。攻撃陣がレギュラークラスで固まり、かなりチャンスは作れるようになったが、まだ相手を崩しきれず、順大のシュートミスに救われての、スコアレスで延長戦へ。延長は15分ハーフ。

延長前半。ベガルタがペースをつかむ。3分、5分とフリーキックのチャンス。しかしなかなかシュートが打てない。7分、カウンターから梁がドリブルで上がり、中央からシュート、しかしヒットせず。13分にもフリーキックから広大が頭であわせて枠内も、キーパー。

延長後半。2分、富田がいい飛び出しで中央をドリブルで上がるが、シュートを打たず。順大もベガルタゴール前でボール回すが、シュートはなんとかブロック。5分、コーナーのチャンスから、こぼれを広大がダイレクトボレー、しかしポスト。6分、順大に、ひとりでするすると中央に持ち込まれ、シュートまで打たれるが、バーの上。このころからマークが緩くなり、ピンチが続く。8分、ベガルタもカウンター、中島が持ちこんでコーナーへ。このコーナーを中原がどんぴしゃタイミングでヘッド、たたきつけるが、キーパーに阻まれる。決定的。

10分、富田が中央からのミドル、ようやくシュート売ったが、バーの上。しかし、12分、ベガルタゴール前で速いパス回しから、順大岡本に中央でフリーを作られ、シュートを決められる。しかし、直後の13分、前がかりで攻めるベガルタ、田ノ上がエリア内にドリブルで侵入、中原にあてて、ワンツーからダイレクトでシュート、これが決まって同点。最後の最後で、ベガルタらしい攻撃が出て、なんとかPK戦かと思われた15分、順大が一気の攻めで裏を取り、またも中央岡本がどフリー、落ち着いて決められ、勝ちこされる。そのまま試合終了。天皇杯で順大に通算2杯目を喫してしまった。

試合終了後、順天堂大学に対してエールが響いたが、ベガルタに対する皮肉というより、人もボールも動いて、ボールに対する執着心でもベガルタを上回るサッカーを展開していた、彼らに対する正直な賞賛であると思う。順天堂さんは、次の試合もがんばってください。

一方、ベガルタでは、結果もさることながら、若手選手の元気のなさが気になる。今季出場機会のない選手にスタメンのチャンスが訪れたが、積極的なプレーが少なくて、見せ場をほとんど作ることができず、キーパーの萩原以外は、交代を余儀なくされた。緊張感もあったかもしれないが、何が足りないのか、良く見つめて、絶対に次につなげて欲しい。ころんでもタダ起きないのがプロ。このままじゃ終われないはずだ。 再びアクティブなプレーヤーとして、ユアスタに登場してくれる日を待っている。

シュート数:14-16、CK:10-6、FK:27-18 得点:田ノ上信也  (順大)岡本2 警告:関口 主審:牧野明久