2節対大宮3-1、セットプレー3発。フェルナンジーニョがアクセント

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2010年 3月13日(土)16:00 ベガルタ仙台3-1大宮アルデージャ ユアスタ仙台



中原 中島
(フェル)(レイナルド)
梁    関口

千葉 富田
 
朴 渡辺 エリゼウ 菅井
(田村)

朴がスタメン。サブは、萩原、鎌田、田村、永井、太田と5人しか入っていない、と思ったらJリーグデータセンターのトラブルらしく、レイナルド、フェルナンジーニョもベンチ入り。大宮は、予想通り、藤田、石原の2トップ。村上、杉山、藤本、マト、アンヨンハなどがスタメン。

開幕とあって地味ながらも色々イベントあり。自分は仕事があって、ぎりぎりの入場となったが、社長挨拶や、ベガルタ勝利で車椅子を寄付してくださる株式会社TESS、伊達な元気さんの紹介があった模様。そして仙台南高による、ベガルタファンファーレの演奏。骨肉腫に挑む大宮の塚本選手に対しては、募金活動も行われた(Qブロックではなく外だった)ので、少しばかり募金。

キックオフの頃は、まだ西日が差して暖かいバックスタンド。しかし、夕方になるにつれ、冷たい風が吹き始めた。試合前には、ベガサポから大宮の闘病中の塚本選手へのエールと、大宮サポの返礼コール。
選手入場時には、Challengeの人文字と黄色と青のストライプが、スタジアムを埋める。大宮サポもビジター席を埋める。17,978人。そして岩本輝雄アンバサダーのキックインで、7年ぶりのJ1のホームゲームが始まった。(ピクシー監督のようにゴールを狙ったするかなと思ったら、彼も大人になりました)

ベガルタは、前半30分から入ったフェルナンジーニョが、攻守ともに違いのあるプレーでキープ、アクセントとなり、相手のDFを休ませなかった。得点はPKとセットプレーからの2点、押さえられていた梁だが、結局、全得点にからんでいる。個々にミスあっても、粘り強く取り返したり、カバーするプレーがあって、最後まで走り切り快勝。前日、雪かきにかけつけてくれた仙台商業高の諸君にお礼もできた。

序盤は一進一退。互いに攻守の切替が速く、なかなかシュートまで行けない。カウンターからの速攻には、お互いのDFがよく詰めて、決定機を防ぐ。大宮はロングボールを盛ん入れて、藤田あたりに落とさせる作戦だったのか、あまりエリア内にドリブルで仕掛けてこないのが助かった。

大宮の攻撃に対して、ベガルタは練習通り、じっくりと構えてサイドで時間をかけさせる。大宮は潜りこむのを諦めて放り込んでくるが、その時には中央で準備できているので、石原や藤田に自由にはさせない。ただ一度、ラインを上げて、藤田と渡辺が1対1、一瞬裏を取られるが、エリゼウが危うくカバーして守る危ない場面があった。

一方、ベガルタの攻めでは、中盤でカットしてカウンターへ、というところで、富田が狙われ、ボールをカットされる。なかなか前線まではつなげず、遅攻になってしまう。途中コーナーのチャンスで中原が大宮選手と交錯、頭部打撲でしばらく動けない。

そんな中、やや動きがおかしかった中原を、30分にフェルナンジーニョに交代。これがチームを活性化させることになった。前線でタメをつくって、ラストパスを出すフェルの動きに、ベガルタが前に出て行ける。そして34分、コーナーのチャンスのもみあいで、渡辺がPKゲット。この梁のPKキックはキーパーの手をかすめ、ポストに当てるが、キーパーの背中に当たって、ころころとゴールに入る得点となり先制。2試合連続の梁の先制弾で勢いづくベガルタ。

しかし、これで前がかりとなった大宮の勢いを止められず、38分梁にイエロー。さらに、ベガルタ側のエリア角で2度のフリーキックを与えると、40分、大宮右FKで、村上のダミーの走りに、ベガルタの壁が割れるところを、フリーとなったマトに、左足で豪快に決められ同点とされる。アウトにかかってシュートがシュート、これは取れない。それより壁が早く割れたのは課題。同点となって再び攻勢を強めたベガルタは、相手サイドの裏を狙って菅井やパクも攻撃参加。

すると42分、右奥ライン際40mのフリーキックをゲット。ここで駆け引き。ラインを上げようとするマトに、菅井がわざと前に出て、相手の注意を引く。するとエリゼウが中央からするすると、サイドに流れて視界から消える。梁のキックを、ニアから菅井が頭で流すと、千葉がすらし、ころがるボールに、大外フリーのエリゼウが、裏を取って、ダイレクト右足で素早く流しこんで、2-1と、すぐさま勝ち越し。大宮のマトのフリーキックもそうだったが、J1では駆け引きが激しい。前半はこのまま2-1の1点リードで終了。

後半。
大宮はメンバーを変えながら、大きなサイドチェンジでゆさぶってくるが、強風もあって精度はいまいち。林のキャッチングも安定していて、攻め込まれて、ミドルは打たれたけれども、どフリーはほとんど許さなかった。また、後半でも走り負けず、しつこい守備からカウンターへとつなげた。大宮も時間が経つと疲れからか、パスミスが出始める。

3分、フェルが粘ってチャージ、コーナーゲット。5分、富田がチャージを受け、ボールを奪われ後追いプレーがファールとなって、フリーキックを与える。中央25m。またマトが出てくるが、キックは枠外。7分、中島がコーナー付近で粘り、菅井へパス。菅井からフェルナンジーニョにつながり、シュートも枠外。さらに関口がドリブルから侵入を図るが、DF3人に跳ね返される。いいチャレンジだったが、ひとりで行くにはキレ不足。9分菅井にイエロー。

10分、回りこまれてシュートされるが、林の正面。15分、村上のミドルはバーの上。16分、大宮のコーナー。クリア。18分、藤本にキープされ侵入されるが、最後は林。20分千葉のロングシュート。

すると23分、カウンターから梁がドリブルで前進。フリーの中島はトラップを入れてシュートを逃すが、コーナーをゲット。このコーナーからエリゼウのヘッドのセンタリング、一瞬フリーのフェルナンジーニョが頭で押し込んで、ダメ押しの3点目。高さのないフェルがポジション取りで早速ゴール。ダメ押し。26分パクにイエロー。28分にはカウンター、梁からフリーの中島へ。しかしここでもワントラップ入れている間に囲まれてしまう。

29分、チャンスを逃していると、今度は大宮がエリア内に入ってくる。パクがクリアでなく中途半端に味方にパス、これを狙われて、ベガルタエリア内での密集。押し込まれそうになるが、大宮のシュートは枠外。この試合、もっとも危ない場面。エリゼウが怒鳴る。30分にも、大宮がカウンターから一気にベガルタ陣へ。村上フリーで上がってくるが、パスを選択。これで時間ができて守り、コーナー。林のキャッチで終わる。

その後もベガルタは、運動量が衰えず、前節の磐田戦と違って、前からプレス、そしてカウンターと、「攻撃的」守備を見せ、大宮に大きな流れを与えなかった。
33分、今度はベガルタがカウンター、関口がドリブル前進、最後はフリーの菅井に渡すが詰められる。大宮の寄せも早い。34分、パクに代わり田村入る。これはサイン。37分、ベガルタがカウンター、中央フェルがフリーだったが、合わず。疲れてきた大宮を攻め立て、戦意を喪失させる。39分には、大宮エリア左角でフリーキックを得、さらにコーナーをゲット。

44分、中島に代えレイナルドを入れる。すぐにはフィットしていない感じだったが、ロスタイム(3分間)に、ゴールライン際から高速パス、これに梁が合わせてスライディングシュートと、決まらなかったが、今後に期待を持たせるプレーも出たところで試合終了。寒いスタジアムだったが、それを忘れさせる勝利。


磐田戦での反省から、リードしても、全体として守備でずるずる下がらず、後半でも、積極的にボールを奪いに行った。千葉などもボールを奪われても、これまでのように下を向いてそのままにせず、すぐに体勢を入れ替えて、奪い返しに行ったのが目を引いた。富田も相手ボールカットまでは激しかったが、その後のパスまでが少し遅かった。相手のマークも厳しかった。これは次なる課題。中島はダイレクトシュートをやって欲しい。J1では早いタイミングのシュートの方が成功率が高い。

そしてフェルナンジーニョ。回りをちょろちょろされて、マトがびくびくしていたのが分かった。キーパーにもいやらしくチャージしてミスキックを誘うなど、ボールのキープ力、パス出し以外にもプレーの幅がる。他の選手にも大いに参考になるだろう。今後も期待できる。パクは、まだ体が重そうだが、とにかく実戦に臨めた。もっと動けるようになると、面白い。

シュート数:13-16、CK:8-6、FK:22-24 得点:梁 勇基(PK)、エリゼウ、フェルナンジーニョ 警告:梁、菅井、朴 (相手)深谷、杉山 主審:飯田淳平