ナビスコ杯準々決勝2対磐田0-0、善戦及ばず敗退

ナビスコ杯準々決勝 第2戦 2010年9月8日(水)19:00 ベガルタ仙台0-0ジュビロ磐田 ユアスタ仙台



中原  ソンホ
    (平瀬)
梁    太田
    (高橋)
斉藤 富田
    (細川)
チュソン 鎌田 広大 菅井
      
サブは、桜井、細川、一柳、千葉、永井、高橋義希、平瀬。太田、チュソンは連投。ベテラン陣が天皇杯に続きベンチ入り。磐田はジウシーニョ、前田の2トップ。西、船谷が先発。

霧雨、涼しいユアスタ。怪我の赤嶺、フェルナンジーニョ、出場停止の関口と飛車角香車落ちのメンバーの上に、120分やってしまった天皇杯から、太田、チュソン、広大がスタメンで出場と苦しい台所のベガルタ。

前半は磐田にボールをキープされるが、前田、ジウシーニョの侵入は体を張って何とか止め、フリーの決定機はほとんど作らせなかった。一方攻撃では、中原が激しくマークされ、ジャンプの時に二人がかりで体を当てられて、さすがの中原もまともに頭に当てることさえできない。これでベガルタの攻撃力はそがれ、単発的な攻撃となる。強引に折り返したいいプレーもあったが。研究されている。磐田も失点したくないので、戻りが早い。

後半、パスカット応酬からロングボールで梁が裏に走りこむなど、いくつかのチャンスはあったが、流石にフリーにはさせてもらえず。前半元気に走りこんでいた太田も次第に疲労が出てくる。後半、磐田は守備意識が高まり、時間をかけての攻め上がり、スコアレスドローもいとわない態勢。ジウシーニョがパスの出し手になるが、スルーパスがことごとく、はずれで助かる。

前田のカウンターをケアしながら、ベガルタも前がかりで攻めるが、大きく崩すまでは至らす。シュートも枠に行かない。結局最後は時間を使われ、スコアレスドロー。2戦合計1-2で磐田の勝ちあがりが決まった。

3日前の天皇杯の屈辱をすべて吹っ切ったわけではないが、今日は攻守に思い切りよくプレーをしていたと思う。厳しいメンバーでも、しつこく磐田の選手に寄せて失点は防いだ。ナビスコ敗退は残念だが、フルメンバーの磐田にここまでやれたのは、リーグ戦での対戦につながると思う。

直撃が心配された台風9号は福井から大きく南寄りのコースとなり、関東を横断。仙台では、霧雨で冷たい空気が流れてきたが、風雨共におだやか。3日前までの酷暑が嘘のように、長袖がほしくなる気温21度。ただし、湿度は67%と高いので、ピッチ上の選手には結構きつい状態だったかもしれない。7317人。磐田サポは50人位か。

前半。
開始早々、斉藤がハーフ・ライン付近からのロングシュート、大きくはずれるが、まずはジャブ。そのあとは、磐田がボールキープ、ベガルタエリアを伺う。3分、西に裏を取られるが、センタリングはライン割る。今日は西に対して梁らが詰めて、あまり有効な仕事をさせなかった。いらついた西は岡田主審にマークされる。さらに前田が侵入してくるが、センタリングは流れる。前半ベガルタはブロックを作り、前ではソンホと中原が守備に動く。以降中盤のせめぎあい、一進一退へ。

7分、ベガルタがゴールやや左35mのフリーキックを得る。梁のキックに、ファーサイド高い打点の中原が強引に折り返し、中央で太田が突き上げるヘッド、しかし、バーの上。ここまで激しくマークされ、まともにジャンプもさせてもらえなかった中原が、ここは見せた。8分、コーナーキック。決まらず。10分、30mフリーキックのチャンスに、ジウシーニョがハンドで、エリアすぐ外で再びフリーキック。梁のキックは沈むボールだったが、川口正面。

15分、ベガルタのクリアボールのこぼれを前田に拾われ、シュートされるがバーの上。15分、チュソンの放りこみ、中原の頭上。3日前120分出たチュソンだが、今日の方がむしろ動きがいい。18分、磐田に意表をつくミドルシュートを枠内に打たれるが、林がパンチで逃れる。このあと、太田にイエロー。そのあと、太田がドリブルでゴールライン際まで侵入、折り返しのボールは、中央フリーの中原の足元の入るが反応しきれず。20分、磐田にゴール付近でボールを回され、最後はDFの山本に枠内シュートされるが、林が抑える。ただその後は磐田もラストパスの精度がいまいちで助かる。

22分、太田のドリブル突破から、梁、ソンホとつながるが、スローイン。このスローインからダイレクトで富田が裏へのスルーパス、ソンホが走りこんで、キーパー前に行くが、先に押さえられる。27分、今度は菅井のセンタリングに、ニアにダイビングヘッドで飛び込んだ富田、枠外。さらに中原のボレーシュートと攻めるが、DF。30分、磐田もジウシーニョや前田が盛んに前からプレス。鎌田が躊躇していると詰めてチャージしてくる。35分、磐田がクリアミスすると、拾った太田がミドルシュート、バーの上。37分、また太田が旨くボールを運んで攻め込むが囲まれる。周りのサポートが遅い。

40分、菅井にイエロー。そのあと、チュソンが前で粘って、コーナーをゲット。2本続く。2本目はショートコーナー、富田が高いボールで放り込むが、中原とキーパーが交錯。43分、磐田に回され、コーナーを与える。これは守る。ロスタイム2分間。斉藤のロングボールが、うまくDFの間の中原に通るが、収められず。結局、前半はスコアレスのまま。

後半。
2分、突然ソンホがかかとを押さえて倒れこむ。そのまま平瀬と交代。今日は前から守備で相手ボールをカットしたり、涼しくなって少し動きが良くなってきたが、ここで怪我は痛い。5分、磐田がボールを回す。山本にイエロー。磐田はファールで止めるケースが増えてくる。7分、磐田ゴール中央30mでフリーキックをゲット。キッカーは梁。バーの上から落ちるシュート、川口の手先も越えたが、惜しくもバー直撃。残念。

10分、チュソンが攻撃に上がり、コーナーをゲット。左右2本続くがシュートに至らず。11分、今度は磐田にベガルタゴール右35mのフリーキックを与える。これを守って、カウンター、こぼれ球を富田がミドルシュート、枠外。14分、また磐田のコーナー、これは中原が頭でクリア。そのあと、チュソンがDFとキーパーの間に絶妙のスルーパス、平瀬が走りこんで追いつけば1点だったが、ころぶ。

17分には、菅井がフリーでクロスを上げるが、ヒットせず。シュートも打てた角度。後半、互いに展開が大きくなる。次第に磐田、ドロー狙いか、前田を残し、引き気味。25分、磐田の攻め、ジウシーニョがキープして、走りこんだ2列目にスルーパス。2本狙うが、いずれもライン割る。26分、平瀬から太田へパス通るが、トラップミス。太田、さすがに疲れている。28分、チュソンあがってチャージ、さらに相手クリアボールを至近距離でヘッドで弾く、怒涛の攻め。。

30分、鎌田の縦1本に、裏に斜めに走りこんだ梁が追いついてフリー、グラウンダーのシュートで狙うが、当たりがもうひとつで、キーパー。33分、太田が接触プレーで自らバツ。足をおっかなびっくりついている。高橋義希が急遽入る。37分、ベガルタゴール左30mで磐田にフリーキックを与える。このキックに、フリーでヘッド合わせられるが、シュートは枠外。今日もっとも危ない場面だった。そのあと、梁の左からのクロス、クリアされる。ゴール前では中原のマークが厳しい。

40分、ベガルタが左ライン際35mのフリーキック。ここで富田に代わり細川が入る。さっそくヘッドで競るが決まらず。さらにコーナーで、キックは浮き球でルーズになるが、押し込めず。そのあと、細川は右サイドバックへ。菅井がボランチに上がる。ドローでも勝ちあがれる磐田は時間消化の体制。少し焦りのあるベガルタは右サイドで細川がファール連発。なかなかマイボールにできない。

ロスタイムは5分間。磐田はベガルタのコーナー付近で時間使い。ボールを奪えない。時間ばかりが過ぎていく。ようやくうばって、攻め上がり、最後はこぼれ球を斉藤がミドルシュート、天井ネット。結局スコアレスドロー。磐田の準決勝進出、ベガルタの敗退が決まった。

途中から磐田が守備的になったとはいえ、決定機が多かったのはベガルタの方。しかし、ポイントゲッター不在では厳しい。また、連戦の太田や平瀬は、もう一歩というプレーになってしまった。ただ、守備では、前田、ジウシーニョ、西といったところはほぼ抑えることができた。そして、チュソンや梁の動き、フリーキックの感触が戻ってきたのは朗報。

一方、ただでさえ人手不足の攻撃陣で、ソンホと太田の怪我の具合が気になる。なんとか軽いことを祈るのみ。ふたりの復調は今後のリーグ戦に必要。

シュート数:11-8 CK:7-4 FK:17-15  得点:なし  警告:太田、菅井   (相手)ジウシーニョ、山本脩斗、西、古賀、菅沼 主審:岡田正義