85回天皇杯3回戦 対仙台大2-2(PK戦8-7)

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3回戦 2005年10月9日(日)13:00 ベガルタ仙台2-2(PK戦8-7)仙台大  仙台スタジアム


バロン シュウェンク
 
  梁    財前
(清水)(大柴)

熊谷  シルビ
(関口)

 村上 根引 木谷 中田
小針
冷や汗ものの勝利

サブは、高桑、清水、関口、萬代、大柴。

地元宮城県代表仙台大学からのキツイお灸。主力メンバーで臨みながら、とても昇格をめざすチームの試合とはいえない。良かったと言えるのは、PK戦で8人が迷わずきっちり決めたことくらい。主力で戦ったのはいいとしても、延長戦30分間は余計だ。

 曇り空肌寒い仙台スタジアム。7084人。アウエーゴール裏に陣取った仙台大学応援赤い軍団約200人。試合開始前からハイテンション。人数では劣るものに、試合が終わるまで諦めず声を出し続けていた。それに応えるかのように仙台大は劣勢の展開でもワンチャンスを見逃さず、ひとりでベガルタのDFをかわしては確実に決め、追いついてくる。

 前半。仙台大学は3-3-3-1。ベガルタは熊谷が久々に先発。仙台大の池上はシルビーニョをマーク。開始早々ベガルタが押し込まれ、ベガルタ・ゴール前でクリアが小さくバタつく。ついで村上が抜かれフリーを許すが仙台大がパスミス。5分、初シュートを仙台大に打たれるが枠外。7分、ベガルタようやく木谷からのロングフィード、熊谷がエリア内でヘッドで合わせるが、DFに体を寄せられる。8分、木谷からバロンがポスト、これを梁がシュートするが、弾かれコーナー。これを皮切りにベガルは、この試合、何本もコーナーのチャンスを得たが、中央をがっちり固められ、ニアもファーも使わないワンパターンの攻撃に、得点につながったのは1本だけだった。11分、またコーナーのチャンス。ついでフリーキックを得て、財前から中田のオーバーラップ、エリア内に入るもクロスはDF。

 15分を過ぎると、ベガルタがボールを支配し始め、相手エリア内でボールを回す。小針、ヒマ。15分、コーナーからシュの頭に合うがバーの上。以後、ボールは持つがシュートが打てない時間が続く。ワンツーで相手はかわせるが、それで得意になっていると、その後を抑えられる。攻撃に厚みがない。仙台大はゴール前を固め、引き気味、完璧でなくても、粘り強い守備が徹底している。18分、コーナーのこぼれ、中央で熊谷フリーでシュート、ヒットせず。21分、熊谷のクロスに根引きがヘッドで合わせるが、枠外。ついで、シルビの左からの縦気味クロスに、バロンがどんぴしゃで合わせるが、キーパー正面。  25分、カウンターの仙台大がセットプレーからすばやくボール回し、中央からフリーでシュート、はずしてくれる。30分、中田と左に回った梁のコンビで、ゴール前、細かくつなぎ、最後はシュがノーステップで、コントロールしたシュートはおしくも枠外。35分、ベガルタがカウンターから、財前のミドルシュート、バーの上。40分には、梁がドリブルで前進、バロン経由、最後は、財前のグランダーのシュート、キーパー足1本でクリア。仙台大のGKが次第に神がかってくる。いやな予感。このコーナー、ゴール前でこぼれるチャンスも村上押し込めず、シルビのシュートをキーパーまたもはじき、コーナー。これも得点に至らず。攻めきれないまま、前半終了。

 後半。メンバー変わらず。村上と熊谷は走れる状態ではないようなのだが。。。ベガルタベンチにDFは一人も入っていない。2分、スルーパスに反応したシュがえぐってシュート、DFが弾きコーナー。シルビーニョの左コーナーキックの落ち際を、頭を横にしてバロンがあわせ、ようやく先制。しかしこれで前に出てきた仙台大が5分、カウンターからゴール前で左右にゆさぶり、ピンチも、ラストパスをミスしてくれ、助かる。
仙台大が前に出てきたことで間延びし、中盤にスペースができる。本来なら追加点のチャンスのなのだが。9分、左サイドを破られ、どフリーでシュート打たれるがはずしてくれる。小針忙しくなる。10分村上のクロスをシュが足上げトラップから、反転ボレーで狙うが、キーパー。15分、仙台大ゴール前中央、アーク付近でFKゲット。木谷が蹴るが壁。17分には、シュから財前、中田、とつないで中田のシュートは、角度なく、キーパー正面。21分には、左サイド40mのフリーキックのチャンス、シルビのキックはカーブしながら枠内もキーパー正面。22分、財前からオーバーラップした中田がえぐり、最後は中央の村上がミドルシュート、ホームラン。

 25分、財前に代え、大柴が入る。このあたりから仙台大が満を持してのスピードアップ、寄せを早くして、ロングボールを簡単に左右に展開、崩しにかかる。シュートまでに手数がかるベガルタと、どっちがプロだか分からない。26分、仙台大のコーナーキック、こぼれが枠内、あわやのところ、小針なんとかセーブ。30分、大柴のクロスに村上がシュートホームラン。カウンターの応酬の消耗戦の様相。そして33分、仙台大の縦1本、村上が頭上を抜かれ、そのままシュートを打たれ、同点とされる。前半から何度も狙われていたパターンをついに決められてしまった。 ここで熊谷に代わり関口はいる、トップ下気味。シルビーニョのワンボランチ。しかし、関口もなかなか相手を抜けず、ゴール近くまでボールは運ぶが決定機は作れない。大柴がバロンをターゲットにしばしばクロスを上げるも、バロンも疲れてきて動きが鈍い。37分、右45度のフリーキックのチャンスもつながらず。40分には、バロンから梁でシュートもバーの上。次第に焦るベガルタに対し、仙台大は、簡単に攻撃を組み立て来る。後半終了直前にもベガルタのコーナーのチャンスもモノにできず、ついに延長戦に。、

 延長前半。梁に代え清水が入り、ボランチへ。シルビがトップ下。右大柴、左関口。疲れが見える仙台大に対し、ベガルタがコーナーの連続で攻め立てる。シュが何度かフリーのチャンスでシュートするも、焦りからか枠を捉えられない。バロンの惜しいヘッドも相手キーパーにファインセーブされ、攻め疲れ。仙台大はカウンターでやすやすとクロスを上げ、シュートは少ないものの、13分には、ゴール中央で反転シュートを打たれ、枠外で助かる。
 延長後半。1分清水がドリブル突破、シュへのラストパス絶妙も、オフサイド。6分、コーナーから根引の頭にようやく合うが、枠外。7分、縦パスからシルビがエリア内に走りこみ、シュウェンクにパス、シュこれは落ち着いて押し込み勝ち越し2-1。時間帯からいってこれで勝負ありだろうと思いきや、中盤が間延びで球際競り負け、簡単にカウンター許す。11分、今度は仙台大に右サイド中田があっさり抜かれ、中央に折り返されて、フリーでシュート許し同点とされる。最後は仙台大が時間稼ぎに入り、PK戦へ。

PK戦。シルビーニョ、バロン、大柴、根引、シュウェンク、、木谷、関口、最後は清水まで、8人が落ち着いて危なげなく決め、ここだけはプロの面目を保った。仙台大も練習を積んだと見え、7人までが小針に触らせないシュートで見せたが、8人目がホームランでベガルタが辛うじて4回戦進出。

来週の対甲府決戦に向けて課題山積。ワンパターンのセットプレー、カウンターに対するサイドの守備の甘さ、、パスをつなくだけで満足してしまうメンタル、ボールを追わない緩慢プレー、相手ゴール内での強引さがない、備えのないベンチなど、数えたらキリがないが、この試合を良薬として、再点検、切り替えて練習してほしい。
そういえばFC東京の大熊氏が見に来ていた。池上君のチェックかな。。。

(0-0、1-1、延長0-0、1-1。PK戦8-7)

シュート数:36-7、CK:15-1、FK:40-19 得点:バロン、シュウェンク (仙台大学)角田、柿沼 警告: (相手)池上、大橋 主審:今村 亮一