VARと集中力

J1開幕まで20日となりました。

今年のJ1は、VAR(ビデオアシスタントレフェリ)が復活。また、新型コロナの影響を考えて、去年同様、少なくとも7月までは、前・後半に1回ずつ「飲水タイム」が実施されます。

その本来の導入理由とは離れて、選手のプレーへの影響や、見る側の観点から、いろいろと思うところがあります。

まず、VARについてですが、内容をよく知らなかった時は、テニスやバレーボールのような、観客も見れるビデオによる判定のチェックで、ほぼ機械的に、白黒つけるものだとばかり、思っていました。

しかしながら、サッカーの場合、テクノロジーとか、カメラの設置台数の制限から、結構VARでも明白でない場合もあり、かつ、いちいち試合を止めて、観客不在で、主審が熟考する、というスタイルだと、どうも調子が狂う。

実際、今年からVARも担当するベテランの審判からも、いろいろと難しい面の指摘が出ています。

だから、すべて従来通りにVAR無しで、明白な誤審や曖昧さもサッカーの内、という意見もあるでしょう。が、そこまでは思っていません。

スピーディーに、ゴールやオフサイドの判定が即座に示され、観客にも、すぐわかるようなものであれば、VARもしくはVAR的なものは、やってもいいと思っています。

勝敗は、単なる数字ではありません。プロの場合は、選手、スタッフ、チームを取りまく経済のエコシステムに、多くの人々が関わり、勝敗の積み重ねによっては、生活の環境を大きく左右する、重要なファクターです。

選手の努力の及ばない所、勝敗を左右する判定に、「できるだけ」明解さを取り入れるのは、当然の流れでしょう。

と、原則はそうでも、今は、VAR導入しても、なかなか微妙な点は残る。

微妙であるほど時間がかかるので、経過も見えず、試合の流れ、選手と観客の集中、盛り上がりも、ぶった切れて、いまいちな感があります。

さらに、今期も、前後半に1回ずつ、飲水タイムも実施されるので、微妙なプレーが多い試合では、さらに流れがブツブツになる試合も、出てくると思います。

飲水タイムの方は、新型コロナ対策で、やむを得ない面がありますが、これにVARが加わると、どんな試合になっていくのか。


サッカーは、他のスポーツと異なり、自動的にプレーが中断する機会が少なく、流れで展開しているスポーツなので、それを妨げるのものは、できるだけ少ない方がいいのではと思います。


個人的には、「VAR的なもの」は、ゴールライン・テクノロジーのような、即時機械判定できるところに限定しては、と思います。ただ、現状ではカメラの台数とか物理的な制限で、それすら誤判定もあるようなので、技術と環境整備の向上を、待たないといけないかもしれません。

当面、試行錯誤になるのでしょうか。