10節:ベガルタ仙台 1-0 熊本、大胆な連携から宮崎ゴール、厳しい守備で勝利

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2025 J2 10節 4月20日(日)13時03分 ベガルタ仙台 1-0 ロアッソ熊本 えがお健康スタジアム


荒木 宮崎
(工藤)(安野)

情滋    武田
(名願)     
鎌田 松井
(真瀬)   
石尾 菅田 井上 髙田
      (奥山)

石尾のアシストから宮崎ゴール

サブは、梅田、奥山、真瀬、石井、工藤蒼、名願、梅木、安野、グスタボ。

熊本は、GK佐藤優也、DF大西、李、袴田、MF三島、上村、藤井、岩下、FW渡邉、半代、塩浜。神代、大崎、松岡、大本は、ベンチスタート。

主将で大黒柱郷家が欠場(疲労蓄積とのこと)で、ファン・サポには胸騒ぎの試合前だったが、チーム内競争が高まっているベガルタには、問題なし。

想定通りに、熊本の長所を消し去り、逆に、意表をつく連携から、前半で宮崎がゴールを決めて、1-0で勝ち切った。

これで4試合連続無失点3勝1分けで、3位に浮上。

とはいえ、まだまだ、勝ち点差が詰まっているJ2。

もっともっと求めて、上を目指したい。




"マンツー返し"、自在の荒木、SB髙田・石尾の上がりで惑わす

3313の形でハイプレスから、どんどんつなぐのを得意とする熊本に対し、前半、ベガルタは、相手のお株を奪うハイプレスと、大胆な動きで、マンツーマンをかわし、惑わせた。

とりわけ、荒木が、前後左右に神出鬼没の動きで、常にフリーで、つなぎ役となり、守備でも二人目、三人目となって、ボールを奪う。

そして、同級生宮崎とのワンツーや、落としの繋ぎの良さでチームにリズムを作った。


さらに、今期初めてスタメンの右SB髙田が、完全復活。

昨年の序盤の活躍を彷彿とさせる動き出しの良さ、真瀬もびっくりの、SBでありながら、ペナ内やゴール前への侵入を見せ、熊本のマークの混乱をさらに深めた。

また、左SBの石尾も注意深く守備もしながら、機を見て大胆な上がりを披露。

前半37分には、荒木とのワンツーで、ピッチ中央をドリブルで突破し、ゴール前で宮崎に横パス。これが決勝点につながった。

名将大木監督も、まさか、ここまでかき回されるとは、予想できなかったのでは。



松井、鎌田のハードヒットで、即時奪回

両サイドバックが大胆な上がりを見せられるのも、ボランチ陣のハードな守備と、攻撃参加があればこそ。

松井、鎌田共に好調で、熊本のショートカウンターや、裏狙いのロングボールにも加勢して、激しく当たってボールを奪い返す。

この日の主審が当たりの笛を吹かないのを見てとると、当たってボールを奪い、早いタイミングでパスを繰り出すので、他の選手も前向きでプレーができて、攻勢の流れを作った。

前半では、相手ペナ付近まで、両ボランチが顔を出し、人数をかけた攻撃が出来たので、相手も戻らざるを得なかった。


一方、郷家が欠場で、右サイドとなった武田は、髙田が上がるスペースを提供して、目立なかったが、背後のスペースの守備をするなど、この試合での役割は果たしていたし、後半には、鎌田に代わりボランチに入り、のらりくらりと逃げ切るボール回しで、らしさも見せた。

欲を言えば、追加点の起点になってほしかったが、これは今後、他の選手と、タイミングをいろいろ喋って貰いたい。



相手コーナーからの流れる連携から、宮崎ゴール

それにしても、先制点は鮮やかな連携から、宮崎が決め切る、気持ちのいいゴール。

相手コーナーのカウンターから、まず荒木が運ぶが、一旦戻し、CBのパス交換から、パスを受けた左SB石尾が反転から、猛然と中央で3人を振り切って、ドリブル前進。

荒木に渡すと、荒木が優しいスルーパスを前向きに走り込む石尾に通す。


この時、右SBの髙田まで、ペナ前まで上がり相手を攪乱。

実は、石尾は、その髙田にパスを出したのが、DFに当たり宮崎の足元にころがった感w

それを、待ち構えていた宮崎が、ダイレクトで巻くシュートでしっかり決めてゴール!


持ってるという事だろう。

ベガルタのゴールで、ここまでパスがつながっての得点は、久しぶりのような気がする。

"くま殺し"の宮崎、昨年も7得点中2点は熊本戦とのこと。やたら相性がいいようだ。

この得点の前にも、左の情滋が、前半18分、巻いたクロス(ヘッドはもう一歩)、20分グランダーのパスで反転左足と、宮崎のシュートを呼び込み、感触を掴んでいたのが、ここで結実。

宮崎は今期3点目。



またも、守護神・GK林がビックセーブで、4試合連続無失点

それにしてもタイトな守備で1点で勝つ試合がこの4試合で3回。

それを可能にしてるのが、全員のタイトな守備。

抜群の空中戦の強さを誇る、井上、菅田のCB陣に加え、今期初スタメンの髙田、オナイウ情滋や鎌田など、高さのない選手も、当たり負けしない強さ、球際の粘りが出て、チーム全体のレベルアップを感じる。

そして、GK林の、毎試合のように繰り出すビックセーブ。

この試合でも、前後半1回ずつ大ピンチがあった。

前半20分、松井のバックパスが石尾とタイミング合わず、中央で熊本大崎がドフリー。しかし、猛然と林が飛び出て、倒れ込みながら足でボールをクリア。

後半20分にも、左からのクロスに、体を当てた髙田の上から袴田にヘッドを枠内に打たれるが、ジャンプ一番ワンハンドクリア。

この2つのビックセーブで、チームのウノゼロ勝利を導いた。



終盤安野、名願、真瀬のしつこのプレイで締める

1点リードの後半、ベガルタは、前半のようにリスクを負って前に出るという事が少なくなって、前線に宮崎を残して、熊本のパス回しの隙を突いて、カウンター狙いのようになった。

勿論、隙あれば追加点を狙っていたと思うが、疲れもあり安全第一になっていたか。

次なる課題は、2点目、3点目をいかに取るかという所。


そこで期待される交代出場の選手だが、後半19分に真瀬と名願、29分には安野が入った。

3人とも隙あらばと狙っていたが、いいパスはなかなか来ず、人数をかけての攻撃のチャンスも少なく、追加点は至らなかったが、スタメンの選手同様、球際の守備では力を発揮。

真瀬は、自陣ペナ中央であぶないクロス2本をクリアしたり、安野は相手のCB陣に二度追い、三度追いして、起点を遅らせた。

また、一度、前向きのドリブルからDFの間からのミドルを狙ったが枠外。名願も仕掛けから2本シュートを狙う。

真瀬は髙田との"二段ロケット"、名願、安野は、相手が前かがりになった時、後ろの空間を狙える選手。

GW中の過密日程の連戦中に、チャンスがあると期待したい。




前半
12分、熊本、渡邉がFW腰打撲で、急遽大崎に交代。

37分、ベガルタ、宮崎のゴールで先制1-0。

前半のシュートは、ベガルタ4本、熊本2本、


後半
17分、熊本、FW半代に代わり神代、FW大崎に代わり大本が入る。

19分、ベガルタ、鎌田に代わり真瀬、オナイウ情滋に代わり名願が入る。真瀬が右MF、武田がボランチに回る。

29分、ベガルタ、宮崎に代わり安野が入る。

34分、熊本、三島に代わり黒木、藤井に代わり竹本が入る。

44分、ベガルタ、荒木に代わり工藤蒼が入り、ボランチ。髙田に代わり奥山が入る。武田がひとつ前に上がる。

前半のシュートは、ベガルタ2本、熊本2本。


シュート数:6-4  CK: 2-4 FK:9-10   得点:宮崎 鴻  警告:なし  主審:榎本一慶  入場:4,435人