21節対徳島3-1、前半不調、後半逆転。岡山、関口、佐藤。

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2008年 6月 21日(土)16:00 ベガルタ仙台3-1徳島ヴォルティス 鳴門大塚



中島 平瀬
(佐藤)(中原)
梁    関口
    
千葉  永井

田村 岡山 木谷 一柳
       (田ノ上)

サブは、萩原、田ノ上、富田、佐藤、中原。一柳が右サイドバックで先発。ドゥンビアの移籍、怪我人多発の徳島は、菅原、玉乃の2トップ。移籍したばかりのDF松本が先発。スクリーンを見ると、雨はふっていないものの、気温26度、湿度78%とかなり蒸し暑そうな鳴門。ベガサポのスタンドには「ガンバロウ、ミヤギ、イワテ」の文字が。試合前には、夫人が徳島出身という横綱白鵬から花束贈呈を受ける。

3対1なら快勝ではないか、勝ったらもっと喜べ、といういう声が聞こえてきそうだが、前半の動きを見る限り、今季最低の内容で、主力がごっそり抜けた徳島のガッツあるプレーに受身でミスを重ね、取られるべくして取られた先制点。「1対1で負けない、ボール際に厳しく、ラストパスを正確に」という、指示が全く実現されていない。走らない、プレスに行かない、弱いパス。挙句にキーパーとDFの連係ミス。これは、次ぎの試合に向けて、早急に原因をきっちりさせないと、また厳しいことになるだろう。それでも、後半逆転できたのは、交代で入った選手のアグレッシブなプレーだった。

前半。
前からプレスの出足は徳島の方がいい。2分、千葉がバックパスからもたついていると、プレスを受けてボールを奪われ、たちまちカウンターから徳島のコーナー。幸い今日の徳島にはフリーキッカーがいないので、セットプレーでは脅かされなかったのが幸い。3分、今度はベガルタがボールカットして、中島から関口と渡り、コーナーへ。5分、梁のミドルシュートはDFの壁。

前から菅原、玉乃がプレス、守備を固めて、裏へのロングボールに走りこむという、徳島のシンプルな攻撃に、脅えたようなベガルタの守備。輪をかけてマイボールで、少しプレスを受けるとたちまちパスミス。ベテランなのであえて書かせてもらうが、平瀬、千葉の相手へのプレゼントパスは、味方の帰陣の時間を奪い、相手のカウンターにつながる危ないプレーで、いずれも弱いパス。

9分、徳島の速攻に木谷が抜かれて、中央から玉乃にシュート打たれるが、林正面。その後も、徳島に守りを固められたベガルタは、中盤より前に有効なパスが出ず、シュートがほとんどない。逆にカウンターを辛うじてしのぐ展開。左に田村、右に一柳で守りを固めたはずが、時々フリーを作られる。それでも14分、徳島ゴール中央でフリーキックのチャンス。関口蹴るが、壁。19分、一柳のトラップが大きくボールカット、速攻につなげられれて、シュートされるが相手のミスで林キャッチ。一柳には伸びてもらわないと困るのだが。

20分、相手ゴール中央35mのフリーキック。壁。22分、徳島にひとりで持ち込まれ、シュートされるが、ミスで救われる。24分、右サイド上がった一柳から中島への縦パス、もう一歩。25分、左サイドを梁が走りこみ、ラインぎりぎりからのニアへ、キーパーはじくところ、中島詰めるがブロックされ、コーナー。しかしチャンスを活かせず。ようやくベガルタに流れが来るのだが、足元のパスが多く、スペースもつぶされて、遅攻が多くなる。28分、千葉がボールを奪われ、フリーになりかかるところ、木谷が追いかけてファールで止める。木谷にイエロー。これで思い切った守備ができなくなった。徳島がフリーキック、コーナーを攻めてくるが、いずれも相手ファールで終わる。

31分、久々、相手ボールカットから、永井がひとりでドリブルで持ち込む。しかしシュートのタイミングがずれてキーパーにブロックされる。コーナーをゲット。木谷がヘッドも打ち切れず。さらに、梁がえぐってのクロス、DFに当たってコーナー。しかしクリアされる。37分、引き気味の徳島に対して次々ロングボールで裏を狙うが、なかなかシュートまでいけない。こぼれを田村がシュートもブロックされる。ひとりが仕掛けても周りが動かず、単発の攻撃に終始し、決定機を作れない。

41分、今度は徳島が速攻。サイドからフリーでクロスを上げられるが、中央でクリア。そして43分、右サイドに張っていた菅原に、一瞬で、一柳、木谷がかわされ、反転シュートでゴールを決められた!しかしオフサイド。そしてロスタイム。簡単に縦1本を通されると、木谷と飛び出した林が交錯、がら空きになったゴールに押し込まれて、先制を許す。そのままリードされて終了。山形戦から続く、プレスに行かない、走らない、弱いパスの展開に暗澹たる気持ちになった。

後半。
ようやく攻めのスピードを上げるベガルタ。徳島で、プレスにうるさかった玉乃が負傷して動きが鈍くなったこともあった。5分、関口のクロスの低い弾道に、平瀬が頭で飛び込み、枠内も、キーパーの指先ファインセーブ、こぼれに梁が詰めるが、またもキーパー。調子に乗せてしまったか。8分、コーナからのこぼれを回すが、シュート打てず。ここでイエロー1枚貰っているCBの木谷を下げ、左サイドバックに田ノ上を入れる。センターバックに一柳が回り、田村が得意の右サイドに。これが攻撃を活性化させた。田ノ上がしばしば攻撃参加。

13分、関口のパスに、なぜか相手ゴール左45度にいた田村がミドルシュート、枠内も、またもキーパーのファインセーブでバーをかすめる。しかし、コーナーゲット。この右コーナーから、梁のキックに岡山が中央からフリーで体を投げ出し、頭で飛び込んで、同点。厳しい形相で、まだ同点と鼓舞する岡山。直後、前がかりの徳島がコーナーゲット。しかし、今日の徳島にはキッカーがいない。逆にベガルタが縦につないで、コーナーをゲット。こぼれを平瀬がシュートもオフサイド。

さらに攻め込むベガルタ。関口が右サイドをえぐって、エリア内フリーの中島へ、角度は浅いが至近距離フリー、攻めろ中島。でも打たない。中央へ折り返すが、梁も囲まれて打てず。16分、その中島に変えて佐藤が入り右サイドへ。右にいた関口が前目に上がる。佐藤がDFをサイドに引き出す。18分、田ノ上のクロスに平瀬がヘッド、枠外。出足が止まってきた徳島に対し、サイドも使った攻撃でベガルタが攻勢。そして、30分には、エリア内まで侵入した田ノ上が、大きな切り返しでDFをかわすとクロス、こぼれ球を関口がダイビングヘッドで押し込んで、2点目逆転。

後半は、相手のカウンターにも人数をかけてプレス、抜かれても遅れさせていたが、32分、不用意なバックパスから相手コーナーにしてしまう。さらにクリア時に、ゴール中央30mのフリーキックを与えるが、危ないシュートもなく助かる。35分、平瀬に代わり中原入る。キーパーなどにチャージに行く中原。ただ攻撃では、もうひとつキープできず。しかし、39分、関口からの縦パスにDFの間を走りこんだ中原がミドルシュート、これがポストに当たり、弾くかれるところを佐藤が左足インサイドでゴール隅に決め、とどめの3点目。

 その後の徳島の反撃も、2点差から時間を使うプレーができ、カウンターで攻められても、梁らが戻って守備。そのまま逃げ切った。


3点とも、起点は、ゴールに向かってのプレーや、一発で決まらなくてもシュートから得点につなげた。積極的姿勢が出て初めて何事か起こる。苦しんで逆転したこの試合から、気持ちを動きに変えて前へ前へ、ボールに相手よりも先に詰める姿勢を取り戻してほしい。相手の主力がごっそりいないこの試合は、まだ、徳俵。相手のミスに救われたところもある。水曜のホーム熊本戦は、アグレッシブに攻守ともプレーしてほしい。

最後に中島の事に触れざるを得ない。ゴールできなくても、裏への出足のいい走り、しつこい前からプレスが彼の特徴だが、このところそれが消えてしまっている。体調なのか、精神的なものなのか。このまま無理にスタメンで使い続けても、チームも本人もバランスを崩すだけだろう。試合を少し離れて調整させ、練習試合やサテライトで得点感覚を呼び覚ましてから起用しても遅くないだろう。他のFW選手にもチャンスを与えるべきだと思う。誰かと心中はいけない。チームも選手も生き残ることを考えたい。

そして、この試合の後半のように、中島前提の4-4-2より、中原か平瀬をワントップ気味、関口、梁、佐藤を並べる4-2-3-1風の方が、攻撃力だけでなく、各人の守備の分担もはっきりして、選手の持ち味が出るような気がする。

シュート数:11-10、CK:8-7、FK:18-10 得点:岡山一成、関口訓充、佐藤由紀彦 (徳島)菅原  警告:木谷、田村 (相手)なし 主審:北村央春