38節対柏2-0、10人ビハインドから魂の勝利

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2006年9月9日(土) 19:00 ベガルタ仙台2-0柏レイソル  ユアスタ仙台



ボルジェス  

大柴 ロペス 梁
(中田)      
熊林  千葉
(富田)    
磯崎 丸山 木谷 菅井

小針

サブは、高桑、池田、中田、富田、関口。柏の山根、小林は先発している。
霧雨が降るユアスタ仙台。ピッチはスリッピー。15757人。ベガルタはどうしても勝たなければならない試合。 サポ席もシンプル檄メッセージだけの弾幕。果たして選手はどう受け取っただろうか。答えはプレーで見せてくれた。

大柴が今季初先発。4-3-2-1から4-2-3-1へと、梁と大柴をロペスの両脇に置く、新布陣。 2列目の二人がポジションチェンジしながら、相手の基点への守備もするので、柏の早い攻撃をかなり封じこめることができた。攻撃では、 マークがロペス、大柴に来るところ、フリーの梁が生き生きと運動量豊富に攻守に活躍。もし、梁がマークされれば大柴、ロペが動ける。 守備では千葉、熊林が守備的Wボランチとして役割がはっきりした。キープ力のある選手3人を前においたこの布陣は、 成果を上げたといっていいだろう。

前半。5分ごろまでは一進一退。とにかく今日の審判は細かく笛を吹く。そしてカードでゲームコントロールしようとする。 納得できないジャッジも多々あったが、選手は、とにかくその癖を早くつかまなければならない。7分、 菅井が上がってのクロスにロペスがフリーで長いヘディングシュート。枠外。これが両チーム初のシュート。その後も互いに中盤での争い。 今日は、柏のカウンターにも慌てず対処できている。10分、熊林にイエロー。ゴール中央30mのフリーキックを与えてしまう。これは壁。 以降15分まで柏がボールキープ。ベガルタは我慢の時間。16分、ボルジェス、ロペス、梁でワンタッチでつなぐ展開も、 シュートまではいけない。17分、大柴がまわりこんでのロングシュート、グラウンダーでキーパー。今日のピッチを考えると有効だ。18分、 梁にイエロー。21分、柏のリカルジーニョがこぼれ球をロングシュート、ホームラン。これが柏の2本目のシュートか。

23分、柏陣内のスローインから菅井のクロス、梁がヘッドであわせるが、ヒットせず。ベガルタは守備陣のカバーリングも良く、 相手に流れから決定機を作らせない。25分、大柴が抉ってファーへのクロス、ロペスが下がりながらヘッドであわせるが、バーに当たる。 惜しい。直後、柏がカウンターからベガルタ左サイドに突進、そのままシュートされる。が、ニアを塞いだ小針がナイスセーブ。 前半でスピードに乗られたのはこのシーンくらいで、今日のベガルタはプレス早めで相手に速攻を許さない。30分、ロペスにイエロー。 引っ張り合いで微妙だ。33分、梁からのスルーパスに抜け出した大柴がエリア内侵入、ニアから枠内にシュート放つが、 これは相手キーパーのセーブに阻まれる。しかし、ここまでベガルタの攻撃はかなり多彩。さらにコーナーのこぼれをつないで、 梁のパスにボルジェスがスルーシュート?狙いも、キーパー。

40分、柏ゴール左でのフリーキックのこぼれをつなぎ、最後は菅井のほうりこみ、キーパー直接。43分、逆に柏のフリーキック、 こぼれをリカルジーニョにフリーで打たれる大ピンチもホームラン。44分、菅井にイエロー。 五分五分からややベガルタ押し気味の感じで前半終了。

後半。柏がプレスして、押し込んでくる。しかし、今日のベガルタは気持ちで負けていない。5分、ボルジェスのロングシュート、枠外。10分、 リカルジーニョにエリア内をするすると侵入され、シュートされるが、はじき、こぼれもフリーで打たれるが、小針が反応。最大のピンチを防ぐ。 DFがやや集中を欠いた時間。そして、11分に菅井が相手ボールを蹴ってしまい。2枚目イエローで退場。これはイケマセン。 今日のレフェリーなら、クールに対処して相手にイエローを取らせるしたたかさがほしい。要反省。これで10人となり、嫌なムードになったが、 今日のベガルタには強い勝利への意志があった。右サイドを梁がカバーして、カウンター狙い。ボルジェス、ロペスにも守備意識が出て、 むしろ締まった。そして、15分、大柴から右サイドを上がる梁へ、梁が放り込み、ボルジェスが粘って、 ロペスに打たせようとするところ、DFのクリアを、いつの間にか侵入していた梁がラッセルして、そのまま右足で流し込み先制。 状況にめげない積極的なプレー。みんなが見たかった瞬間だ。

数的不利にもかかわらず、先制し、場内が激しい手拍子とコールに包まれると、むしろ押せ押せムード。18分、大柴に代わり中田が入り、 右サイドへ。これで相手のサイド攻撃を抑えにかかる。中央のスペースには、梁と熊谷が懸命に走り、守備。そして、 21分には、カウンターから右に流れた熊谷のパスに、ボルジェスが反転したところを足をひっかけられ、 蔵川一発退場でPKゲット。これをボルジェスが右隅にきれいに決めて2点目。 残り時間30分以上を10人では厳しいところ、相手も10人になってくれてイーブンとなった。

これで焦る柏の攻撃が単調になり、ベガルタのカウンターを警戒して止めにかかると、ファールと取られる、好都合な流れ。2点目が効いて、 ベガルタの守りも慌てない。33分、逆に梁と中田がスペースを使ってのカウンター、シュートまでもう一歩。 ワントップのボルジェスも懸命に走ってボールをキープして、時間を使う。35分、中央ディエゴがボールキープして、 フリーでのシュートも小針セーブ。37分、ロペスが侵入、クロスを入れるもDF。以後の柏の攻撃は、木谷、磯崎らが体を張って守備。 千葉も今日は落ち着いて、いやらしくディエゴにつきまとい、ほとんど仕事をさせなかった。43分、熊林に代わり、富田入る。終盤投入された、 中田や富田のしつこい守備も効果的で、次第にあせりの出た柏は、ブラジルトリオの運度量も落ちて、ベガルタのパスカットに合い、 ベガルタのカウンターに怯えながらの焦った攻撃で墓穴を掘った。10人になっても勝ちたい気持ちが怯えを上回ったベガルタが久々の完封勝利。

とりあえず、踏みとどまった。しかし、厳しい戦いはまだまだ続く。ロペスと熊林は2試合出場停止、菅井も次は出れない。しかし、大柴の復帰、 システムの修正もあって、迷いのないプレーは可能。代わりに出る控え陣が、相手を恐れることなくアグレッシブにプレーすれば、 勝利を手にすることはできる。自分の存在意義をかけて、強い気持ちでプレーしてほしい。

ところで、前半30分ごろには震度3の地震があって、照明が大きく揺れるハプニングがあったが、幸い短い揺れで終わり、 混乱はなかった。


シュート数:10-19、CK:2-2、FK:20-25  得点:梁勇基、ボルジェス(PK)   警告:熊林、梁、ロペス、 菅井2=退場 (相手)岡山、平山、蔵川=退場、北嶋、小林亮、中谷 主審:早川一行