10節対東京3-0気持ちで上回る快勝

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2006年4月18日(火) 19:00 ベガルタ仙台3-0東京ヴェルディ ユアスタ仙台



ボルジェス

チアゴ  ロペス
(渡辺)  
熊林 千葉 梁
     (中田)
磯崎 白井 木谷 菅井

高桑
サブは小針、渡辺、中田、金子、萬代。
桜も咲いて、珍しく夜でも15度と暖かいスタジアム。13,549人。2試合スコアレスドローが続き、どうしても勝ちたいという気持ちが選手から感じられた。節目の試合はシステムがどうたらなんて関係なく、勝ち点3をもぎ取ることが必要だったが、よく粘り、相手ミスを逃さず3点取って全員で勝ち取った試合。そして5試合連続完封でもある。

中2日で疲労はお互い様。しかし後半になっても相手のスピードに負けず、カウンターを食らわしての快勝。泥臭い勝ち方ではあったが、だからこそ相手に与えたダメージは大きい。 梁、熊林、菅井、中田、ロペスと足に痛みを抱え、コンディションはよくない。チアゴもつらそうだ。それでも相手のパス回しに、しつこくしつこく喰らいついて、チャンスを伺った。勝ちに行く姿勢がうれしかった。

前半立ち上がりは、東京Vの球回しを辛抱強く守る展開。いきなり攻め込まれコーナーを取られる。しかし中央で競り勝ち、しのぐ。高さでは負けない。とにかく後ろからのファールの多い、東京V。10分頃までキープされるが、ボールは持たれても、平本ら相手FWにほとんど前を向かせず、シュートコースは限定する。7分ようやくベガルタのカウンター、相手エリア付近まで行くがシュート打てず、逆にカウンター返され、角度はないものの、フリーでシュート打たれる。が高桑弾く。10分、ボルジェスのポストプレーから梁が上がってミドルシュート。コーナーゲット。ようやくベガルタにもリズムが出てきた。今日は足痛の梁に代わり右コーナーは熊林が蹴る。シュートまで至らず。

東京Vは、ベガルタの右サイドからしばしばえぐってくるが、いいクロスは蹴らせず、しのぐ。しかし相手コーナーが多くなる。緊迫感。17分、久々ベガルタの攻撃、相手エリア付近でボールを回す。ボルジェスがえぐるが、シュート打てず。次第に一進一退。中盤で、ベガルタも相手ボールを押し返せるようになってきた。25分、相手エリア左横でフリーキックのチャンス。チアゴのキックは直接ゴールを襲うがバーの上。ついで、スローインからロペスの大きなサイドチェンジ、菅井が上がってシュートはコーナー。こぼれを拾って連続コーナーで攻め立てるが、シュートは打てず。相手ボールを熊林がカットして、梁のカウンターもあったが、決まらず。30分、逆にカウンターを喰らい、コーナーからゴールサイドを狙われるが、白井と高桑交錯しながらも弾き出し、ピンチをしのぐ。さらにコーナーのこぼれをダイレクトで打たれるが高桑ナイスセーブ。

前半ここまで精彩を欠くチアゴ。動きが鈍く、パスも弱い。疲れているのか。35分、ボルジェスにイエロー。40分には菅井にイエロー。それまで流しに流していた審判が急にとり始める。ここでベガルタのいい展開。チアゴから磯崎、ボルジェスはたいて、ワンツーでまた磯崎がサイドをえぐってのクロス。ラインを割ってしまったが、いい流れで拍手が湧く。

そして、前半終了直前ロスタイム、相手のパスをカットした菅井から梁にパスが通り、中央をドリブル突破、前を行くボルジェスを相手に意識させながら、梁がDFの陰からの見事な左足ミドルシュート。ゴール右隅に入り、いい時間で先制!ようやく10番の仕事ができた、梁。リードして前半終了。

後半。カツが入ったのかチアゴの動きが良くなり、磯崎や菅井へのパスがいい感じで出始める。9分、チアゴから上がった菅井へのいいスルーパス通るが、もう一歩。そして10分、相手のパスミスを拾ったチアゴが、左サイドから逆サイドのボルジェスへのロングフィード、裏を抜けたボルジェスが右足できっちりダイレクトで決めて2点目。らしい得点。2点とったところで、足に不安のある梁がお役御免で、中田が入り、右サイドバックへ。菅井がボランチへ上がる。そのあと、引き気味のベガルタが押し込まれる。15分ゴール前で回され、ミドルを打たれるが高桑。ただ押されてはいるが、粘り強く守り、エリア内の侵入は許さず・。やむなくロングシュートをホームランする東京V。攻めきれず、疲れた東京Vはミスが出始め、焦り始める。カウンターで脅かすベガルタ。

18分、中田がボールカット、そのままドリブルで上がって、相手のがら空きのサイドをカウンター、中央のブラジルトリオで回すが、最後フリーの中田には戻さず。もったいなし。26分にも磯崎の上がりからロペスへのパスが通って、シュートもキーパーと、次々戻る足のない東京Vを攻め立てる。28分には、チアゴからサイドの中田へ絶妙のスルーパス、もう一歩決められないが、後半は別人のチアゴから面白いようにパスが走る。東京Vはフリーキックの「名手」大橋がコーナーをスタンド方向に蹴るなど疲労困憊。パスミスが増えてつながらず有効な攻撃ができない。

ベガルタは逆に 33分、ロペスからいいサイドチェンジ、ロングパスが前フリーのチアゴに通り、きつい角度ながら、狙いすました左足シュートが逆サイドに決まり、3点目。勝負あり。余裕の出たベガルタはボルジェスがまたぎフェイントで時間を稼ぎ、裏に走りこんだ菅井へパスを通すなど、時間を使うプレー。じれた東京Vは、主力FW平本が足払いでレッド、一発退場となり、ますます疲労。終了直前には、チアゴに代え、渡辺を入れる、お約束の締めの3バック。そのままベガルタが無失点で逃げ切った。

ボルジェスが4枚目イエロー累積で、次節出場できないのは痛いが、今のチーム状態なら、代わりの萬代らが入ってもいい形ができると思う。東京Vは敗戦のほかに主戦平本のレッドのオマケがついた。そういえば、ベガルタと対戦する相手は、ブラジルトリオを意識するあまり、ファールや退場が多くなっている。これは見えない効果。また、集中した守備で連勝し始めた相手をことごとく止めてもいる。もちろん攻撃の連係は完成形ではないが、次第に選手が思い切ってプレーするようになった。練習で錬度を上げていけば、まだまだ進化できるはず。ロペスも、もう少し動けるようになり、周りも、あのありえないサイドチェンジに反応できるようになったら、いつかはスペクタクルもあると思うのだが。まずはいいケアをして、次も取る。


シュート数:13-14、CK:6-12、FK:14-15 得点:梁勇基、ボルジェス、チアゴ 警告:菅井、ボルジェス。 (相手)戸川、平本=退場 主審:岡野宇広