なでしこカップ:04節ベガルタ仙台レディース2-0浦和L、川村圧巻の存在感

2016なでしこリーグカップ1部 予選Bグループ4節 6月26日(日)13:00 ベガルタ仙台レディース2-0浦和レッズレディース ユアスタ仙台



小野  井上
(浜田)(美和)
中野   嘉数 
(安本)  
岸川  川村
(田原)  
繭 市瀬 北原 坂井

ブリトニー

サブは、齋藤、千葉、高良、田原、安本、佐々木美和、浜田。浦和Lは白木、後藤がFW。柴田、長船スタメン、楢本は欠場。

ベガルタ仙台レディースが浦和Lに快勝。ゴールを決めたのは、中野のこじゃれたシュート、ゴール前に詰めた嘉数であるが、いずれも起点は川村。屈強アメリカ女子などと渡り合ってきた、なでしこジャパンの力を見せ、白木をぶっ飛ばし、巧みな左右への展開で、ゴールを演出した。



数日前までは、仙台は30度近くになるとの予報で、蒸し暑い試合が予想されたが、結局、最高気温は24度にも至らず、北寄りの涼しい風が吹いて、観戦には爽やかなユアスタ。

試合の方も、ベガルタは、序盤こそ勢いのある浦和に攻めあぐんだが、要所でチャンスをものにして、守備での破綻もほとんどなく、浦和を一蹴した。

簡単に経過。
前半。
序盤は、裏に蹴り込む浦和Lに対して、予想していたか、ラインを上げてオフサイドにかけるベガルタ。しかし攻撃では、球際に勢いよく詰める浦和Lの前に、しばしばパスカットされ、リズムがつかめない。一進一退が続く。

13分、嘉数のパスを受けた中央の川村が、左の中野に展開、中野が巧みドリブルで、エリア内侵入、ゴールポスト脇までえぐると、折り返すてと見せて、左足アウトサイドでしばきあげるシュート、狭いニアを抜けて先制!ここまで、人数をかけて囲まれていた中野が、川村との、どんぴしゃタイミングで抜け出し、これじゃれたシュートを決めた。

この失点で浦和Lは動揺したのか、それまで、裏への展開で、ベガルタラインをしばしば脅かしていたが、失点後は、パス出しと前線のタイミングがズレ出し、パスミスが多くなる。逆にベガルタは余裕が出て、やや重かった動きがのびやかになる。15分、浦和Lのコーナー、バーの上。その後一進一退。ベガルタもラストパスの精度を欠き、シュートが出なくなる。

23分、こぼれ球を浦和Lが中央からシュート、バーの上。25分、ベガルタエリアアーク付近で浦和Lにフリーキック。25m。筏井の直接シュートは、クロス・バー。これは危なかった。27分、坂井がラッセルで前進、そのまま上がっていくが、クリアされる。その後、浦和Lの選手と交錯。両者が立ち上がる。30分、ベガルタエリア近くでボールを回されるが、FWの井上が戻って、後ろからボールを攫う守備。

依然、浦和Lは前と後ろのタイミングが合わない。要所で川村が詰めてボールにプレスしている。攻撃では井上が縦パスを受けて、抜けでようとするが、正直なトラップで、読まれてカットされてしまう。35分、浦和Lにえぐられてコーナーを与える。これはクリア。38分、浦和Lがベガルタの左サイドをドリブル突破、クロスを入れるもゴール前をボールが横切っていくのみ。追加時間1分。

最後、川村、小野とテンポ良くつなぎ、中野がクロスを入れるが、キーパー。前半はほぼ互角の展開も、1-0とリードして終了。

後半。
いきなり井上がドリブルでサイドを抜けパス、最後は、並走の小野が中央でダイレクトシュート、キーパー。どうやら、前半止まってボールを受けていたために、特長が出なかった井上を、スペースに走らせる指示が出たような感じ。さらに、その後、相手のFW白木のボールを、川村がノーファールでぶっ飛ばしw奪い、すかさず井上にパス出し。場内「おー」という感嘆の声が広がる。

2分にも岸川から裏の井上にパスが出て、走り込むがもう一歩。7分、浦和Lにエリア内侵入されるが、クリア。セカンド拾われるが、しのぐ。その後、カウンター、井上がキープ、追い越す嘉数とはもう一歩。そして8分、中央の川村から右の井上にパスが通ると、クロス、エリア内入りこんでいた嘉数が、ヘッド。キーパー反応も、こぼすところを再び嘉数が足で押し込んで、2点目。前半、ペナの外からクロスを出すだけだった嘉数が、大胆な攻撃参加で、2点目をゲット。起点はまたも川村。

2点リードしたベガルタが余裕を持っての攻撃。浦和Lはやや疲れたか。10分、坂井があがって、えぐりのクロス。これはクリアされる。13分、浦和Lのコーナー。ブリトニー直接キャッチ。すかさず、カウンター、井上のドリブルかのパスはミス。15分、坂井がロングシュート、枠内もキーパー。この時間になってベガルタの寄せが厳しくなり、浦和Lはリズムよく展開できない。

18分左サイド、繭から中野へのパスが通り、エリア内侵入からシュートも、ブロックされる。ここでベガルタは小野に代え、浜田を入れる。20分、浦和Lは一気に3枚代え。筏井に代え栗島、加藤に代え臼井、後藤に代え遠藤を入れる。尚、カップ戦は、5人まで交代可能。22分、浦和Lのコーナー。北川が蹴る。クリア。

25分、中野に代え安本を入れ、右サイドへ。嘉数は右に回る。26分、白木のシュートはブリ正面。27分、浦和Lに、ベガルタ左サイドからパスを通され、一瞬フリーでシュートされるが、ブリトニーが体を投げ出してのセーブ。この試合ほぼ唯一の流れからのピンチ。30分、浦和Lがボールを回して、ヘッド、バーの上。34分、裏を取った浜田から川村、最後は安本がシュート、コーナーを得る。こぼれを岸川シュートもヒットせず。

36分、浦和Lは、4人目、塩越に代え木崎を入れる。その後、ベガルタがカウンター、安本のパスに浜田もう一歩。37分、浦和Lエリア左角奥30mのフリーキック、中央ファールで終了。38分、岸川のシュートはブロックされる。39分、岸川に代え田原が入る。小柄ながら当たり負けせず、狭い地域ではマルセイユ・ルーレットで、ボールをキープする、クローザー。40分、繭がパスカット、しかし、シュートまで至らず。

42分、浜田が相手のバックパスをカット、キーパーをかわしかかるが、シュートは打てず。追加時間は3分間。ベガルタは、井上に代え佐々木美和を入れる時間使い。安本がFWに上がる。結局そのまま試合は2-0で終了。ベガルタが相手のカウンターでの決定機をほとんど作らせず、少ないチャンスは決め、勝ち切った。


それにしても、ボディバランスのいい浦和L選手から、スラィデイングでボールを奪い、球際では、ほぼ完勝の川村。奪ってからパスを出すのも早い。また他の選手がパスを出すまでに回り込むところを、一瞬でパスを出すスピード、さらに視野の広いサイドチェンジと、さすがの活躍だった。途中から川村がボールを奪う度に、オーという感嘆が、スタジアムにこだまするのが、気持ち良かった。

さらに今日は、守備陣も白木のポストプレーなどを遅らせて、裏への飛び出しを阻止した。特に、U-20代表の市瀬は、小柄ながら白木に体をぶつけて反転はさせず、囲まれたパス出し場面でも、落ち着いたボール捌きで、完封に貢献。今後が実に楽しみである。
そして、もちろんテクニシャン中野サンの、アウトで、狭いニアを抜いたシュート。しゃれてます。尚、このゴールで中野選手は代表含む通算100ゴールとのことです。

立ち上がり、少々動きが重かった時間帯があったので、上位チームと当たる時は、そこは修正していく必要はあろうが、今日はいい流れの試合だった。

シュート数:6-9、CK:2-5、FK:6-8 得点:中野真奈美、嘉数飛鳥 警告:なし  主審:宮崎真理 入場:1729人