FWの仕事

某テレビ番組の何週か前で、「プロとは何か」と問われたプロフェッショナルが、

 「必要な時に、必要な場所にいて、必要な事をする人」 と答えていた。

人によって、いろいろな定義や信条があるのだが、これは分かりやすくて、思わず納得。

どうも、「肝心な時にいねえんだよな、課長は!」とか、「そこじゃないでしょ!」と、部下、同輩、上司から苦情を賜るのが、われわれ一般ピープルの常である。

これをサッカーのFWに置き換えると、「点が欲しい時に、点が取れる場所にいて、点を取るか、アシストすること」ということになるだろうか。

最近の萬代を見ていると、以前のように、コンタクトを避け、きれいに裏を取って、かっこよく決める、というより、冷静にポジションを取って、果敢にキーパー近くに侵入するという姿勢が出てきている。
また、一時、消極的に見えた中島も、様々な角度から、やや強引でもシュートコースを作り、自分で決めにかかっている。これらは苦労した末につかんだ、大きな進歩だ。

勿論、FWだから、まず自分で点を取るのが個人の大目標。しかし、絶対に勝ちが欲しい試合では、チームの誰かが点を取って、勝てばいいのである。そのために、相手DFを押さえ込んだり、引き付けたり、アシストするのもプロの仕事の内。

さらに、今の戦術の場合、FWであっても相手の起点をつぶす、守備的な動きも求められる。次ぎの試合も、相手のエースのマークは守備陣の仕事だが、その起点になっているDF陣やボランチにプレスをかけて、楽にさせない事も、勝利に向けて大事な仕事である。

これからの一試合一試合、選手全員のハードワークは当然必要だが、とりわけ、スピードある二人には、強い闘争心の中にも、クールな計算を織り交ぜて、是非プロの仕事をやり遂げて貰いたいと思う。