皇后杯準々決勝:マイナビ仙台L0-1S広島R、完敗。隅田、佐々木美和は途中出場

第45回皇后杯準々決勝 2024年1月14日(日)13:00 マイナビ仙台レディース 0-1 サンフレッチェ広島 広島広域公園第一球技場


廣澤

遠藤 中島 原
     (美和)
西野 太田
   (隅田)
高平 楓 國武 田畑
   
松本

プレスに慌て、シュート17本を浴びる

サブは、齋藤、松永、隅田、パウラ・ゲレーロ・サンズ、佐々木美和、カーラ・バウティスタ、ジャニスタ・ジナントゥヤ。

S広島Rは、GK木稲、DF呉屋、左山、市瀬、MF渡邊、柳瀬、立花、中嶋、上野、瀧澤、FW高橋美夕紀。吉野、大内、松本茉奈加、近賀はベンチスタート。

皇后杯2戦目、準々決勝。

なでしこジャパン屈指のドリブラー、中嶋淑乃と、テクニシャンで、WEリーグ5得点で目下得点王の、上野真美を擁する、サンフレッチェ広島レジーナと、広島で対戦。

形式上、マイナビ仙台レディースがホーム扱いだが、地元で1200人の広島サポが駆け付け、いつになく大きな声援を送っている、まさにアウエー。


さて、2023-24シーズン、既にカップ戦5試合、リーグ戦7試合、そして皇后杯2試合と、試合を重ねているマイナビ仙台レディースだが、依然、模索が続いている。

この試合でも、サンフレッチェ広島レジーナに、弱点を突かれ、シュート17本の猛攻を浴び、数少ない攻撃のチャンスでは、シュートよりパスを選択、シュートわずかに2本。

S広島Rに、決定機を10回以上作られており、シュートミスと、GK松本のワンハンドクリアなど奮闘がなければ、大敗となっていた試合だった。残念ながら、スコア以上の完敗。


相手の決定機は、ほとんどが、プレッシャーをかけられてのトラップミス、パスミスから、ボールを奪われてのシュート。

WEリーグのボトムス相手とでは、なんとか勝利を上げているが、個人個人の球際、スピード、連携、戦術が熟成している中位以上のチームとは、大きな差が出てしまっている。

今季半分を過ぎても、まだ、トラップの精度、パスのスピード、体の入れ方などが依然として課題。下位相手では、いい距離感でつなげてる試合もあるが、強いプレッシャーがあると、慌ててしまう。

これは地道に、やっていくしかないのか。


✅マイナビ仙台Lに対する攻略法は二つ。
攻撃の中心、高平が上がった背後のスペースを突く。ボールホルダーにプレッシャーをかけ、後ろ向きにさせてミスを誘う。

S広島Rは、前半25分から、これをやってきた。

逆に言うと、この二つを解消できれば、失点は減らせるのではないか。

勿論、選手は個人の質を上げるべく努力しているはずだし、対戦相手への対策も考えてはいるだろう。だが、まだまだ足りないということ。


✅それでも、良かった点としては、今季まったく出場していなかった隅田と、ここ数試合欠場の、佐々木美和が途中出場したこと。

これまで発表がないので分からないが、怪我だったのだろう。

とりわけ隅田は、まだ試合勘がいまいちではあるが、いいタイミングでのパス出しや、スペースを埋める動きは、チームの活性化に不可欠。今後に期待したい。

また、右MFには原をスタメン起用。田原をSBに下げ、ドリブラー、中嶋淑乃対策をした。

複数人で抑えにかかり、これは一定の成果を上げた。


ただ、それを受けて、中嶋は奥までいかずにパス出し、他の選手を潜らせる。

前半43分の失点は、中嶋とのワンツーから、瀧澤がマイナスの折返し、最後は上野の角度を変える技ありシュートで決められ、対応力の差を見せつけられた。

マイナビ仙台Lも、試合終盤になって、S広島Rが守りの入った時は、右サイドから積極的に攻めて、廣澤の落としから、最後、遠藤ゆめのシュートまではいけた。

ただ、この時も、一つ前の中央にパスを出す前に、シュートチャンスがあった。

この試合、相手が守りを固めている中央に、斜めのパスを入れる事が優先されて、何回かシュートチャンスを逃していたようにも見えた。

5バックで守りを固める相手に対して、コースが見えたら、もっと積極的に打っても良かったと思う。


「点差以上の完敗」とは言っても、勝負の綾はあった。

延長やPK戦もある皇后杯。

前半43分に失点し0-1、後半7分から20分まで、連続して7回の決定機を許したのだが、相手のシュートミスもあり、追加点は許さなかった。

1点差なら、同点にさえすれば、まだ流れを変えられる。

終了間際に、キーパーの松本がコーナーのチャンスで上がったのも、とにかく同点という事でやったのだろう。


不思議なのは、明らかに手詰まり、1点リードされた前半を経た後半頭、猛攻浴びた後半の20分を過ぎても、ベンチは動かなかった。

珍しく、パウラ、カーラ、ジャニスタをベンチに入れたのだが、アリバイだけだったのだろうか(オケケは皇后杯登録外で出られない)。

それほど、試合に出せないほどに、外国籍選手は動けず、使えない選手ばかりなのだろうか?


レギューラー陣は、いくらパフォーマンスが落ちても出られるので、競争意識もそこまで上がらないのではないか?

交代5人枠を有効に使った試合運びで、勝負するところを見たい。

前半
エンドチェンジ。マイナビ仙台Lは風上で、太陽を背にする。

15分、左コーナー、中島のキックに、西野がボールごと飛び込んでゴール、かと思われたが、その前にファールがあり、ノーゴール。映像では良く分からなかった。

25分過ぎると、S広島Rは、マイナビ仙台Lのボランチをなど激しくプレス、前を向かせて貰えない。

27分、S広島R、左から立花のクロスに上野がヘッド、枠外。
29分にも、田畑がパスカットされ、上野がフリーでシュート枠内。GK松本ワンハンドクリア。

33分、中島が相手ボールを奪い、太田が前方に送ると、右サイドから廣澤が左足シュート。これはキーパー。マイナビ仙台Lの前半のシュートはこれ1本。

その後、左右からクロスが入れられるが、精度いまいちで松本がキャッチ。

43分、S広島Rが右サイドでつなぐ。瀧澤が中嶋のワンツーから深くえぐり、マイナスの折返し、ゴール前に入ってきた上野が、左足でコースを変えゴール、先制許す。

前半のシュートは、マイナビ仙台Lが1本、S広島Rは7本。

後半
マイナビ仙台Lが風下。

前半、中島のひとりプレスが多かったが、後半はそれ以外の3人でプレスをかける、マイナビ仙台L。しかし、ボールは奪えない。

S広島Rは、前プレスを強め、バックパスをさせたところを詰めて、ミスを誘い、ボールを奪いに来て、あわやのシーンも出て来る。

後半7分から20分まで、ゴールの前プレスでボールを奪われるなどして、連続7回の決定機を作られる。しかし、枠外シュートが多く、追加失点は無し。

24分、S広島Rのコーナーの後のカウンターで、ようやく右サイドでボール運ぶがシュートは打てず。

31分、S広島Rは、FW高橋に代え、松本茉奈加を入れる。

34分、マイナビ仙台Lは、太田に代え隅田、原に代え佐々木美和を入れる。隅田は今季公式戦、初出場。

41分、左ペナ横でS広島Rのフリーキック。瀧澤のキックに上野のヘッド、GK松本ワンハンドクリア。

追加時間は3分間。
S広島Rは、時間を使い始める。

1分、ようやく右サイドでつないで、中央で廣澤の落としを、遠藤ゆめの左足シュートにつなげるが、枠外。

2分、左コーナー付近でフリーキックを得る。GK松本も上がって攻撃参加。しかし、クリアされる。

ここでS広島Rの上野が負傷?でピッチ外。

5分、S広島Rは、上野に代わり吉野を入れる。

結局、試合は0-1で敗戦。準々決勝で敗退。


シュート数:2-17  CK:3-9  FK: 12-7  得点:上野真実  警告:なし  主審:梶山芙紗子   入場:1,231人