02節ベガルタ仙台レディース1-1常盤木学園

2012プレナス チャレンジリーグ 4月15日(日)13時ベガルタ仙台L1-1常盤木学園 ユアスタ仙台



安本 伊藤

上辻 嘉数
   (井手上)
下小鶴 小野
     (田中)
山本 長船 坂井 中村

天野
サブは、齊藤彩佳、田中景子、井出上、髙橋 奈々、中原。

日差しの下を歩くと汗ばむが、日陰でじっとしていると寒いユアスタ。6,532人の観客を集めて、ベガルタ仙台レディースのホーム初戦がユアスタで、しかも同じ仙台のチームで、昨年のリーグ覇者、常盤木学園高との対戦という、粋なカード。

「サッカーを続けてくれてありがとう」
「仙台で俺達と一緒に歴史を作ろう」

サポの弾幕が、全てを語る。

さて、試合は、仙台Lが、前半押しながら、決定機を何度も逃していると、後半開始52秒、常盤木の鮮やかな速攻からの道上に先制点を許す。しかし、20分、ベガルタL伊藤の同点弾で、結局1-1のドローに終わった。

仙台同士の戦いということで、優勝争いはこれからの戦いで、という事で、まあまあの結果か。ただ、内容的には、まだまだやれる点がある。

ユアスタは思いのほか混雑していて、子供の数も多い感じ。入場無料のせいだろうか。フェイスペンティングや売店も開いていて、祭りの感じ。スポンサーさんと関連の里村選手ほか仙台ガールズの花束贈呈や、仙台市長の挨拶もあり。

前半。
とにかく、序盤は仙台Lが硬い。緊張なのか、体にハンガーでも入ってるかのような動き。それでも、常盤木の方も様子見ということもあるのか、あまりプレスしてこず、こちらもブツ切れのプレーが多く、お互いにぎくしゃく。

それでも、テクニックがある仙台Lが、徐々にペースを掴む。徹底してラインの裏にロングボールを放り込んで、そこにサイドの選手が走りこむ事を繰り返す。

8分、右からのクロスに、ファーサイド、どフリーの山本?が狙い済ましたヘッド、外す。14分にもエリア内侵入、17分には上辻が振り向き様の左足ミドルがキーパー正面。さらに20分過ぎると、ようやく仙台Lも硬さが徐々に取れて、大きな展開からチャンスを作る。ただ、ゴール前での飛込みやこぼれ球への反応がもう一歩で、得点できない。

嘉数と伊藤のワンツーや、伊藤のタメからサイド攻撃など、攻めにも多彩さが出て、球際では相手との間にうまく体をいれキープし、相手との差を見せるが、ゴールへの意欲がもうひとつという感じで、チャンスのエリア内で、ボールウッチャーになるのが勿体ない。

常盤木も35分過ぎから、道上にボールを集め、個人技でキープされるが、ここまでは仙台Lもなんとか押さえ、前半はスコアレスで終了。

後半。
ハーフタイムに指示があったのか、常盤木の選手が猛然とボールにプレスして、ボールを奪いに来る。そして簡単にワンタッチでつなぎ、道上に。後半開始わずか52秒、道上がDFひとりをうまくかわして、ゴールに右隅に流し込み、先制を許す。ゴール裏の常盤木の黄色の応援が、ドヤ声に聞こえる。

とにかく、道上は超高校級。食ってる物がほかの選手と違うのではないかと思わせるガタイに、落ち着いたプレー。キープ力があって、強引シュートもあれば、ポストもでき、意外に足が速い。さながら全盛期のディエゴの妹分という感じで、なでしこにも、いないタイプではないか。

さて、先制されて目が覚めたか、仙台Lは前がかりで、ラインを思い切ってあげ、CBも時折攻撃参加。中盤でのパス回しでも、本来の連携や個人技のうまさを出して、エリア近くまで盛んに仕掛ける。
ただ、常盤木も猛烈ボディアタックなど、激しい闘志を見せて守備。1対1の強さでは負けずにボールを奪うと、ラインの裏にボールを出して、道上を中心のカウンターを狙ってくる。

道上に裏を取られてフリーのシュート、天野正面。10分を過ぎると、仙台LもFWの伊藤が自在に動いて、ボールをキープ、ためを作る。コーナーも数本取って、チャンスを作るのだが、バーをたたいたり、相手キーパーのセーブに合い、どうしてもゴールを割れない。

それでも20分、スローインのチャンスからつないでクロス、中央フリーの下小鶴?がシュート、こぼれたところを、今度は伊藤が素早く押し込んで、同点。ようやくらしさが出てきた。

その後も、上辻の展開、伊藤のタメなどで、再三チャンスをつくるのだが、どうしてもシュートへの出足が遅れている。次第に疲れも出て、寄せがあまくなると、常盤木にカウンターを仕掛けられる。37分には、道上に引き付けられて、別の選手をどフリーにしてしまうが、外してくれて助かった。

ロスタイムは長身の田中選手を入れて、ハイボールを競り落とし、勝ち越し点を狙ったが結局ドロー。初の女性版「仙台ダービー」初戦は、痛み分けの勝ち点1ずつとなった。


レディースの選手にはテクニックのある選手が多いことが分かった。サイドの選手はスピードもあり、様々な戦術に対応可能かと思われる。また、長身選手やキッカーの上辻もいて、セットプレーも狙える。ただ、ボール際がまだ弱い。そして、もっとゴールへ貪欲になってもいいのでは。

調整不十分な面もあるだろうが、もう少しフィジカルをつけたい。高校生にふっとばされるシーンが何度かあった。もう少し筋肉をつけて、怪我防止と共に、球際で粘れる力をつけたい。もっともアマチュアで苦労してる面もあるだろう。飲食関係のスポンサーさん、っていないだろうか。

多くのサポーター、ファンが期待している。1年で昇格というのが、生半可でないことは、ベガルタのサポなら誰でも知っている。だが、十分に狙える目標。気持ちを切らすことなく、強気の攻めと、厳しい守り。それを可能にする体を鍛えあげて、がんばって頂きたい。そして、秋には喜びを分かちあいたい。

苦しくなったら、スタンドを見よ。君達はひとりじゃない。・・・どこかで聞いたことあるようなw


シュート数:17-7、CK:-5、FK:17-13 得点:伊藤美菜子 (常盤木)道上 警告:(常盤木)岡倉 主審:桐原純子