2025 J2 17節 5月25日(土)13時03分 ベガルタ仙台 2-1 いわきFC ハワイアンスタジアムいわき
荒木 エロン
(工藤)(宮崎)
情滋 郷家
(髙田)
鎌田 武田
(マテウス)
石尾 菅田 井上 真瀬
(奥山) .
林
GK林ビックセーブ連発、菅田もカバー
サブは、梅田、髙田、マテウスモラエス、石井、工藤蒼、梅木、西丸、宮崎。
いわきは、GK早坂、DF堂鼻、遠藤、石田、MF柴田、石渡ネルソン、山下、五十嵐、坂岸、FW熊田、谷村。坂元、加瀬、木吹、大西は、ベンチスタート。

チケット完売で、4,610人入場のハワスタ。
朝方の雨模様にも拘わらず、1000人以上のベガサポが駆けつけた。
大宮の大敗から千葉とのスコアレスドローと、立ち直りをみせたベガルタも2試合無得点。
アウエー3戦目は、是が非でも点を取って勝ち点3を上げたいところ。
試合はフィジカルを誇るいわきに対して、五分の球際を見せたものの、位置取りやパス、シュートの精度で上回られ、大苦戦。
しかし、前半10分、オナイウ情滋の精度の高いクロスから、エロンが決めて、先制。
さらに、この日からチャントが付いた、GK林のビックセーブ連発、菅田の見事なゴールカバーなどで、枠内シュートを次々跳ね返し、1失点に留める。
すると、後半31分には、鮮やかな連携から、キャプテン郷家がシュートを捻じ込んで、2-1と勝ち越し。
最後は5バックで勝ち切った。
情滋、高精度クロスでエロンのゴールをアシスト
開始早々の、いわきのCKで、ドフリーの熊田のヘッドを、林がビックセーブで止めたのも大きかったが、勝因はなんと言っても、苦手な相手に前半10分で先制点が取れた事。
情滋が最初の仕掛けで、右足で精度の高いクロスを、ファーのエロンに送り、エロンはDF二人を空中で跳ねのけながら、ヘッドをたたき付けて決めた。
その後、いわきのペースになって、情滋も前を向けなくなり、流れが相手に行き、23分で失点したところは反省点だが、その後目を覚まして、中央からの攻撃など盛り返していった。
このところの情滋は、持ち前のスピードに加え、クロスの精度の高さで、競争の激しいMF陣の中で、しっかりとスタメンを確保している。
エロンも、他の選手との連携が良くなって、怪我から復帰後2試合目で、ゴールを上げた。気分良く、今後も点に絡んで欲しい。
球際バトルは互角も、相手のパス精度に苦しむ
それにしても、フィジカルにパスワークが加わった、いわきは、やっかいな相手。
ベガルタも、マッチョないわきに対して、球際では、ほぼ互角にやれていた。
とりわけ鎌田は、前半は囲まれても、粘り強くキープして、反転して、攻撃につなげていた。
ただ、ベガルタ左の五十嵐や、ボランチ山下などパスの精度は高く、ゴール前への2列目の参加などで、ベガルタのシュート11本を上回る13本、コーナーは11本と、かなり攻められた。
特に、左サイドでは、いわきのCB堂鼻が情滋を後ろ向きにさせ、背後からボールを奪いにかかる。
さらに前にいる五十嵐につながると、精度の高いクロスを次々入れられてピンチ。
前半23分の失点シーンもCB堂鼻に情滋がつっかけられ、アウトで五十嵐につながれると、ニアに走り込んだ谷村に、ピンポイントで合わせられ、頭で決められてしまった。
山下のプレースキックの精度も高く、CKのデザインプレーは冷や冷やしながら見ていた。
GK林の美技3本、菅田もカバーリングで勝利呼び込む
ベガルタの10本を上回る13本のシュートを浴び、枠内、それもダイレクトのシュートを打たれてしまったベガルタだが、GK林がビックセーブ連発。
開始早々のCKからのどフリーヘッドを弾き、前半42分にも中央からフリーでの石渡のダイレクトシュートをはじき出す。
さらに、試合終了直前の後半AT5分には、右コーナーから、叩き付けられたヘッドがバウンドして枠内に弾むところを、長い腕を伸ばしてパンチング。
少なくとも3点は防いでいた。
さらに、菅田のカバーリング。
2-1とリードした後半37分には、コーナーのこぼれをフリーで枠内にシュートされたが、カバーした菅田が反応よく、クリア。勝ち点3を死守。
美しい連係と、ねじ込んだ郷家の決勝点
1-1の後半、いわきが4バックに変えて来て、膠着状態が20分位続いたところで、エロンに代わり宮崎を投入。これが効いた。
相手のプレスをかわすロングボールを、ことごとく納めてくれるので、前向きに攻撃できる時間が作れる。
そして、31分の決勝点は、美しい連携からの、最後は泥臭い気持ちの入った郷家のゴール。
中央で武田がボールを持つと、鎌田が左のハーフスペースを走り出し、動きながらパスを受けると、すぐ前方にスルーパス。
情滋ではなく、宮崎のスピードに合わせたパスに、宮崎が追いついて、キーパーが出て来るところ、左足でゴール前を横切るパス。
これをファーから、走り込んだ郷家が力まずに流し込むシュート。
スライディングしたDFの足の上を越え、ゴールに吸い込まれていった。
ボランチ陣の連係、宮崎が信じて出した左足のパス。郷家のスタミナと読み。
派手さはないが、勝ちに拘るベガルタイレブンが紡ぎ出した、今期最高のゴールではないか。
オウンゴールかオフサイドか、と教訓
後半9分、石尾のパスミスをつながれて、左サイドからいわきの柴田にミドルシュートを打たれ、井上のオウンゴールに見えたプレーが、審判と副審の長い協議の末、オフサイドの判定になり、ノーゴールとなって、ベガルタとしては助かった格好。
DAZNのカメラは、斜め後ろの位置なので、選手の位置関係と関与は、そこまではっきり分からない。
また、映像だけでは、ゴールと認めて、主審がセンターサークルを指していたのかも、分からない。
形式的には、次のプレーが行われる(再開)までは、判定は変えることができる(競技規則第5条の2)ので、キックオフがなければ、最終決定をオフサイドに変えたとしても、ルール上は問題がないと思う。
副審は確信をもって旗を上げていたので、理由があるはずで、そこが知りたいところ、
いわき側としては釈然としないだろう。
それでも、いわきの監督も、主審の説明に一応納得していたので、現場ではそれなりの説明があったのだろう。
いわきの大倉社長が意見書を出すというので、何等かの発表があるかもしれない。
一般論として、VARは無くてもいいが、審判なりの判断の理由は聞きたい。
野球や相撲のように、観客に向けて説明が欲しいところだ。
勝敗については、2点を決め切ったベガルタが勝ったということ。
ここでの教訓は、判定は、VARが無くても変わることがあり、得点後のキックオフのやり方も、場合に応じて、工夫する必要があるといういう事。
西丸、リーグ戦初ベンチ入りも、出場は次回に
さて、この試合、昨年高卒で加入以来、リーグ戦のメンバー入りがなかった西丸道人がついにサブ入り。
先日の練習試合でゴールの結果に対して、すかさず起用してもらった。
残念ながら、かなりの苦戦で出場はならなかったが、また、地道にアピールすればチャンスは貰えるだろう。
西丸がどんなポジションで使われるのか、見てみたかった。
がんばってほしい。
前半
いわき3-4-1-2、ベガルタは4-4-2。
⚽開始10分、左MFオナイウ情滋の右足クロスを、ファーサイドのエロンが、叩き付けるヘッドで決め先制、1-0。
⚽23分、いわき、ベガルタ左サイド、五十嵐のクロスに、井上、菅田に競り勝った谷村がヘッドで決め、1-1。
前半のシュートは、ベガルタ、いわき、共に5本。
後半。
いわき、MF坂岸に代え加瀬が入る。右WBの五十嵐が左SBに回り、いわきは4バックか。
9分、井上のオウンゴールに見えたプレーが、オフサイドでノーゴール。
21分、ベガルタ、左SB石尾に代え奥山、FWエロンに代え宮崎が入る。
27分、いわき、柴田に代え大西入る。
29分、ベガルタ、CB井上にイエロー。4枚目。次節出場停止。
⚽31分、ベガルタ、抜け出した宮崎が左から横パス、ファーを走り込んだ郷家がぎりぎり流し込んで、2-1と勝ち越し。
35分、いわき、FW熊田に代え、木吹が入る。
ベガルタ、郷家に代え髙田が入り、右SB。真瀬が一列上がる。
AT1分、いわき、MF石渡ネルソンに代わりFW阪元、DF石田に代わり白井が入る。
ベガルタ、武田に代わり、マテウスモラエス、荒木に代わり工藤蒼が入り、5バック。トップは宮崎のみ。
後半のシュートは、ベガルタ5本、いわき8本。
シュート数: 10-13 CK: 4-11 FK:11-11 得点:エロン、郷家友太 (いわき)谷村海那 警告:井上詩音 主審:飯田淳平 入場:4,610人