48節対福岡1-0萬代、エースの仕事。攻守に連係機能

  • 投稿日:
  • カテゴリ:
2007年 10月 27日(土)14:00 ベガルタ仙台1-0アビスパ福岡 ユアスタ仙台



中島  萬代
(田ノ上)(中原)
梁  関口

千葉  永井
 (ジョニウソン)
磯崎 岡山 木谷 菅井


サブは、萩原、田村、ジョニウソン、田ノ上、中原。福岡は登録上、長谷川のワントップで、宮崎はベンチスタート。ロペスが出場停止。福岡もアレックスが出場停止、リンコンが怪我と主力不在で、互いにチーム力が試される試合。

台風20号と、前線通過の影響で、昨日から激しく冷たい雨が降り続くユアスタ仙台。いつもなら、多少雨が降っても最前列程度しか濡れない、屋根付きスタジアムのバックスタンドも、風の影響か、今日はかなり上まで濡れている。薬飲みながらの状態だったので、日和って、上の席に行こうかと迷っていたところ、小さな女の子連れのファミリーでさえ、凛として、いつもの席で濡れながら構えている。チアリーダーも、ずぶぬれになりながら、スローガンを持って場内を回っている。それで、思い直して、合羽を出して、いつもの席に陣取る。ちとバツが悪かった。

冷たい雨にテレビ中継、14820人は仕方ないだろう。福岡サポも、生き残りをかけて、50人くらいは来ていたが、雨を避けて上段に集まっていた。

前半。5分ころまでは、福岡が出足よくボールを支配し、細かくつないでは、裏狙いのロングボールの攻撃で仕掛けてくる。しかし、中央ではベガルタの守りは厚く、シュートチャンスを与えない。ベガルタは慎重に相手のサイド攻撃を抑え、中央では、千葉、梁、永井がカバーし合いがら、人数をかけて守る。5分、ようやくベガルタがカウンターからのチャンス。中島から萬代とつなぎ、中央に切れ込んでシュート、枠外。7分、磯崎の縦パスから関口が走りこむが、もう一歩、キーパー。今日のベガルタはスリッピーなピッチにもかかわらず、強いパスを少ないタッチでつなぐ積極性が目立った。11分、福岡がベガルタゴール前で回すが、侵入できず、やむなくミドルシュート、しかし、これがドライブがかかって、あわや。12分にも、福岡がコーナーからのこぼれをミドルシュート、しかし、枠外。

13分、永井のスルーパスに、中島がエリア内左サイドに侵入、ゴールライン際から、触れば一点となる、キーパーとDFの間を横切る、グラウンダーのパスを入れるが、萬代は間に合わず。クリアされてコーナー。16分、ベガルタがカウンター、永井のヒールパスを受けた萬代が、ダイレクトでシュートも、バーの上。さらに永井は、中央から自分で持ちこんでミドルシュートも枠外。だんだんベガルタの攻撃にリズムが出てきた。その後、一進一退。中盤でのパスカット応酬。23分、ベガルタが福岡ゴール前でボールを回し、最後は中央、中島が絶妙のヒールパス、裏を取った磯崎が、エリア内キーパーと1対1、詰められてループで狙うが、惜しくも枠外。決定的。26分、福岡がサイドからえぐって、シュート性のロングクロスを入れるが、林がキャッチ。

その後、また一進一退で攻守が激しく入れ替わる。中3日の福岡には消耗となる展開。32分、右サイドでボールを受けた中島がDFひとりをかわして、シュート、これはサイドネット。決定的。さらに左サイドに流れた関口がセンタリング、中央に二人いたが、合わず。31分、福岡がコーナー2本連続、2本目が危険なところに入れられるが、林がパンチング。40分、萬代がポストプレーで倒され、相手ゴール中央35mのフリーキック。その後、関口がエリア内深く侵入するが、大きく戻してしまう。44分、永井のミドルシュート、枠内も、キーパーに阻止される。次第にベガルタのリズムになりつつも、得点は奪えず、スコアレスで前半終了。

後半。2分、福岡がベガルタゴールやや左30mのフリーキック。枠内も、林がパンチング。中3日の福岡の出足が鈍ったところ、果敢なプレスでボールを奪い、主導権を握り始めたベガルタ。しかしラストパスの精度がいまいち。7分、相手ゴール前でボールを回し、中央で萬代が反転、強引シュートは枠外。そして、9分、千葉が背後から相手ボールをカット、これを中島がドリブルでひきつけ、右サイドフリーの梁へ、キーパーの出鼻を狙った、梁の右足シュートはポストに当たったが、中央に詰めていた萬代がインサイドで押し込み、先制。萬代は3戦連発。これで、福岡も前に出てくる。11分、福岡がカウンターからの中央ドリブル、シュートは枠外。13分、萬代のポストプレーから、中島が裏に抜け出し、フリーでシュートも枠外。決定的。さらに13分、前係りになる相手のパスを、萬代がカット、上がっていた菅井にスルーパス、菅井キーパと1対1だったが、詰められて、シュートは枠外。決定的。

ベガルタは、相手に押し込まれながらも、根気よくプレスでボールを奪う。17分、千葉が中央からのミドルシュート。攻撃的な姿勢は崩さない。しかし、21分、福岡にゴール前でつなげられ、連続シュートを許すが、中央で人数をかけブロック。25分を過ぎると、福岡が疲れからか、足が止まり、パスミスが多くなる。パスカットから、梁が上がってのクロスも、中央もう一歩。28分、福岡がベガルタゴール中央25mのフリーキックも、決まらず。33分、中島に代わり田ノ上が入り、関口が前へ。37分、萬代のポストプレーから、梁がエリア内はいるが、もう一歩。38分、福岡に裏取られてクロスを入れられ、フリーでヘッドを許すが、枠外。40分、ベガルタが福岡ゴール中央35mのフリーキック、千葉が直接狙うがバーの上。

43分、永井からジョニウソンに代わる。ここから守備的へのシグナル。福岡がスローインからのこぼれを、フリーでのミドルシュート、枠内サイドに飛ぶが、これを林がファインセーブで弾く。コーナーとなるが、これで、勝負あり。ロスタイム3分も、萬代に代わった中原、関口らが、パスがつながらない福岡に対し、前からプレスをかけてミスを誘い、勝ち切った。

今日は元ベガルタの伝説のFWマルコス「代理人」もスタジアムに来ていた。前日、萬代の足をさすって「明日は点を取るんだ」と闘魂注入したそうだが、それが効いたのかも。というより、河北新報に元ベガルタの岩本輝雄氏が書いていた通り、全員がキーマンとなった試合。もちろんミスもあったが、ひとりひとりの選手がひとつ以上、いいプレーを見せて連係を高め、厳しい試合を勝利に導いた好ゲームだったと思う。

林は、こぼれ球からの決定的シュートを、ファインセーブ。
岡山は、いつもの通りだが、相手の長谷川に競り負けず、何本もロングボールを跳ね返す。
木谷は、集中を切らさず、相手に体を寄せてブロック。
磯崎は、相手のキーマンのひとり、田中を体を張って止め、いい形での相手クロスを阻止。
菅井は、梁と連係しての守備と、ここ一発の上がりで相手を脅かす。
永井は、しつこくプレスして、相手の攻撃をスローダウンさせる。
千葉は、得点の元となった、諦めないボールカットでチャンスメーク。
関口は、相手陣内で競争でボールを取りにいき、相手DFを脅かす。
梁は、主に守備で運動量豊富にスペースを埋め、得点の元となるシュートも。
中島は、触れば一点となるゴール前を横切る決定的パスのほか、得点にからむパス、決まらなかったが、積極的シュートも打ってチームのリズムを作る。
萬代は、FWらしい得点のほか、随所でポストプレーや、守備でのプレスで貢献。

自信を持って、さらなるブラッシュアップ。2週間後の決戦に備えて欲しい。いい休息、いい準備を。前進あるのみ。

シュート数:15-13、CK:6-5、FK:7-10 得点:萬代宏樹 警告:ベガルタなし (相手)久永、山形 主審:砂川恵一