05節対愛媛3-1 ロペ、ボル、千葉。熊林効果有効

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2006年3月25日(土) 14:00 ベガルタ仙台3-1愛媛FC ユアスタ仙台



ボルジェス

チアゴ  ロペス
  
熊林 千葉 梁

磯崎 白井 木谷 菅井
      (中田)
高桑
サブは、萩原、池田、中田、関口、中島。
雲ひとつない快晴のユアテック・スタジアム仙台。すでに春分を過ぎ、日差しは初夏のように強烈だが、風には、まだ冬の名残りの冷たさがある。それでも、春本番は確実に近づいている。
入場者数は、99年にJリーグに加盟して以来の累計では200万人突破したが、少し寂しい12,812人。

攻守がいまひとつかみあわず連敗中のベガルタ。前節までの攻守を修正するため、熊林を左ボランチに投入、菅井を右サイドバックに移したのが、早速成果を上げた。
熊林が汗かき役で運動量豊富に中盤でつなげば、チアゴやロペスへの相手プレスも薄くなり、チャンスが出だす。前半は、互いの間合いが、まだ、ぎくしゃくしていたが、リードした後半には、ブラジルトリオと中盤の球回しの波長が合ってきて、サイドも高い位置をキープ、次々にチャンスを作る。今後のヒントとなるいいプレーも徐々に出始めた。錬度はまだまだではあるが、ブラジルトリオの早いテンポの球出しに、日本人選手の反応も合ってきて、いい距離間が出てきた。

試合前半開始は愛媛のペース。5分頃までは中盤でのせめぎ合い。6分、サイドでボールを運ぶものの、フィニッシュまでいけなかった愛媛がミドルシュート。ベガルタもチアゴのドリブル突破からシュート、こぼれを磯崎、クロス。8分、これまでのベガルタで少なかったサイド攻撃。熊林から左の磯崎に振ると右の菅井が動き出しよく、ゴール近くまで上がっている。
しかし、連係いまだいまいち、ベガルタのボールキープは続かず、10分、愛媛にベガルタ右サイドをえぐられ、ライン際からの折り返し、ピンチ。コーナーに逃げる。12分にも、再び右サイドえぐられピンチ。ここまでは、まだプレスが甘く、ワンタッチプレーで裏を取る相手に振り回され、ボールを奪ってもせっかくのカウンターが単発。

15分、ようやく相手エリア左隅でフリーキックのチャンス。梁が蹴るがヒットせず、上がっていた白井がスルーパスをいいタイミングで放つが、裏をとりかけた菅井はオフサイド。通らなかったが、これを何度でも繰り返せばいい。この時間帯までは、すでにぐんぐんあがっている菅井に比べ、磯崎は慎重過ぎる上がり。パスのタイミングが遅れてしまう。
それでもチアゴが左右に動いて空いたスペースに、徐々に上がるようになってくる。26分、相手ゴール近くまで上がった磯崎のクロスに、逆サイド駆け上がった菅井がヘッドでシュート、相手サイドの裏をついて攻め上がり、シュートもサイドバックが打つという形がようやく出た。

30分にも、白井から、チアゴ、磯崎とつないでサイド攻撃。ようやくベガルタもリズムをつかみだす。35分、カウンターからロペスが中央抜け出し、前を走るボルジェスにタイミングを計ったスルーパス。しかし、これはオフサイド。今日初めての決定機。そして 、36分、左サイドライン際のフリーキックのチャンス。梁のキックがゴール中央のロペスにどんぴしゃ、高い打点のヘッドをひねってゴール左隅に決め、先制!今季ホーム初ゴールはロペス。これでようやく固さがとれたベガルタ。選手の動きも積極的になり、プレスの動きも良くなる。愛媛も時折カウンターを見せるが、勢いづいたベガルタに中盤でつぶされる。
42分、梁がチアゴにいいパスを出し、チアゴがミドル打つも惜しくも枠外。44分にもロペスのバックヒールパスに、動き出した菅井が上がり、そのままシュート、惜しい。ベガルタのペースが出たところで前半終了。、

後半。開始早々、ハーフライン付近からの菅井のロングフィードが、ボルジェスにピンポイント、ワントラップで、DFの間のシュートコースに落として、DFを押さえ込みながらそのまま右足のシュート、2点目。ストライカーらしいゴール。バク宙。しかし直後、愛媛のコーナ(スローイン?)から上げられたクロスを中央でクリアしきれず、こぼれ球を押し込まれ、1点返される。セットプレーのでの集中切れの課題がまたも出た。

しかし、今日のベガルタは気温の上昇と共に、動きが良くなり、熊林や千葉がボールを奪って、カウンター、サイドの磯崎、菅井も上がり始めて、ようやくベガルタのリズムがで出し、相手のサイド攻撃を減少させる。マイボールでも出し所無く、やむなく後ろで回す、愛媛。10分、ボルジェスの突破から、また相手ゴール左でのフリーキックのチャンス。しかしこれは決まらず。直後、今度は千葉のクロスから、こぼれを、例によってDFひとりをかわし、ボルジェスのシュートはバーの上。

14分、今度は相手ゴール右からチアゴがフリーキック。ファーサイドでフリーになっていた千葉に合うが、DFに絡まれる。17分には、千葉起点で、菅井、ロペスとつながりヘッド。21分、相手コーナーキックの守備で菅井が左足首負傷。急遽中田が入る。中田も今日は前目でプレスにかかる。熊林が縦横無尽にカバーに入るせいか。22分、チアゴのフリーキックが、中央で張っていたロペスに合うが、ボールがこぼれて混戦。押し込もうとしたところで、ロペスにイエロー。25分、木谷が突破、イエローでとめられる。ファールが多くなる愛媛。

26分、乗ってきたボルジェスの突破を、ファールでとめるしかない愛媛。FK。そのチアゴの左からのフリーキックが相手ゴール前のクリアでこぼれ、ファーでフリーになっていた千葉の前に。DFひとりをかわしてのシュートは、シュート回転でファーサイドのサイドネットに突き刺さる鮮やかなゴールで3点目。狙っていたように思えるが。ホームでの日本人初ゴールはなんと直樹、千葉。

3点目を取ってベガルタはカウンター狙い。愛媛も前がかりとなるが、ボルジェスなども守備に入って、時折相手ボールを熊林や千葉がカット、カウンターで攻める。前半は慎重だった磯崎もぐいぐい前に出て、体でボールをとめ、高い位置での攻撃参加。日本人とチアゴとのパス交換もスピードアップしてかみあい、ボールがつながる。38分、左でフリーキックのチャンス、チアゴから熊林、フリーでボールを受け、シュートも枠外。

しかし、40分になると引いてしまったベガルタのゴール前で愛媛がボールキープ。サイドの攻防で抜きながら、クロスを入れてくる。ベガルタは中盤で押される。それでも42分、ベガルタがカウンターのチャンス、チアゴが持ち込んで、最後ロペスのシュートはキーパー。43分、時間のない愛媛がロングボールを放り込み、それがDFの頭上を越えヘッド打たれ、ゴール隅へ、最大のピンチ。高桑腕1本でかき出す。さらに詰められるところ白井が蹴り出す。最後、受けに回ってピンチを招いたが、そのまま試合終了。

修正要員として入った熊林が、攻守にいぶし銀の活躍。彼が動き回ることで、他の選手のマークを減らせる。まだまだ、活きのいいサイドチェンジの本領発揮までは行っていないが、呼吸があってくれば、チアゴやサイドの選手といい感じになりそうだ。
菅井の動き出しも良かった。高い位置での守備とオーバーラップは、最も監督の戦術を理解しているように見える。足首の怪我は試合終了後、歩いて挨拶にきたので、さほどでないと思うのだが。。。
後半の攻撃リズムが浸透すれば、ブラジルトリオに偏ることなくボールが回り、攻撃に厚みが出そうである。一方、立ち上がりの固さ、相手セットプレーでの守備集中はしっかり修正のこと。


シュート数:11-11、CK:3-4、FK:28-21 得点:ロペス、ボルジェス、千葉直樹 (愛媛)高萩 警告:熊林、ロペス (相手)八柄、永富、田中、菅沼、金守 主審:鍋島將起