天皇杯2回戦対ブラウブリッツ秋田3-0、赤嶺復活弾、藤村デビュー

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第93回天皇杯 2回戦2013年9月7日(土)15:00 ベガルタ仙台3-0ブラウブリッツ秋田 ユアスタ仙台



中原 赤嶺
(柳沢)(太田) 
武藤   松下

梁  富田
    
蜂須賀 角田 広大佐々木
           (藤村)

サブは桜井、ジオゴ、藤村、へベルチ、太田、柳沢、ウイルソン。秋田は熊林、松田、半田先発。島川ベンチ入り。

登録上は3バックだが、佐々木が右SBの位置で4-4-2が実態。GK関が今季チームに復帰後、公式戦初出場。安定した動きを見せた。

試合は、開始53秒、CKのこぼれを佐々木が豪快に決めて先制。以後守備を厚くして秋田に持たせる感じに。秋田は前評判どおり、熊林がDFラインからトップ下まで動いてパスの中継役になり、機を見て裏を取る戦術。前半1-0で終了。

後半、ワイドに攻勢をかけたベガルタがフリーキックから、待望の赤嶺の頭で2点目、終盤にはカウンターから松下が決めて3点リード。終盤には藤村をボランチで出場させることができ、ベガルタにはいい展開となった。 

試合前までは何とかもっていた空から、試合開始と共に雨が落ちてくる。スタジアムには照明点灯。3377人。秋田サポも100人くらいか

前半。
開始早々得たコーナーキック。キッカーは梁。弾かれたボールを外で張っていた佐々木が右足で振り抜くと、強烈なシュートがぐぐっと伸びてネット突き刺し、開始53秒でゴール。いきなり先制。これで楽になったベガルタ。いつも手こずる天皇杯初戦で、近年に無い展開。その後は余り無理せず、守り固める態勢になった。

一方、秋田は熊林が自由に動き回り、つなぎ役からラストパスまで狙う。3分、秋田が細かいつなぎからロングボールを入れるが、流れる。6分にも同じ形を作ってくるが、ラストパスの精度を欠いてつながらない。ベガルタのパスも2本以上つながらない序盤。9分、左サイドのフリーキックから中原のヘッド、浅い当りで枠外。

10分、秋田がベガルタの左サイドをえぐるがクロスはオフサイド。11分、松下のクロスに赤嶺が高い打点のヘッド、当りは弱かったが、たたきつけ、枠内。しかしキーパーに触られ、コーナー。このコーナーはクリアされる。14分には、富田のロングボールを中原がキープして持ち込むが、結局コーナー。秋田のキーパーは、やや一歩目の反応が遅い感じ。

18分、ベガルタの左サイド角で秋田のフリーキック。キッカーは熊林。これはオフェンスのファールで終了。20分、蜂須賀と武藤が左サイドのワンツーで、上がっていく。しかし、ラストパスに至らず。24分、バックパスを狙われ裏取られそうになるが、佐々木が猛スピードで戻り、クリア。25分、秋田のカウンター、右サイドを攻められる。

27分、ベガルタも右サイドでパスをつなぐが、シュートまでいけず。28分、熊林にイエロー。31分、ベガルタがゴール前でつなぐが、パスが単調でつながっていかない。32分、角田のサイドチェンジ、中原が落とし、武藤がキーパーと1対1になるが、足元に詰められ、シュート打ち切れず。惜しい。

35分、ゴール前の回しから、最後は富田のミドルシュート、枠外。ようやくシュートが出だす。36分、相手DFのクリアミスでコーナーをゲット。雨でボールが滑ったか。このコーナーのこぼれ球を、中原がボレーで決めようと足を倒すが、シュートブロックされる。39分、武藤がドリブルでエリア内侵入、クロスは無人地帯にころがるが、佐々木が猛然とダッシュで拾い、再びクロス、これに赤嶺のヘッド、枠外。

41分にも、武藤のドリブルからのクロスに赤嶺のヘッド、枠外。その後、今度は、蜂須賀が上がってクロス、中原のヘッド、コーナーを得る。このコーナーで中央の蜂須賀がどんぴしゃヘッドを打つが、バーに当る。惜しい。43分、裏を取られてなんとかクリア。コーナーを与える。キッカーは熊林。これは守りカウンター、武藤からのパスを受けた富田フリーだったが打たず。パス先を探す。追加時間1分。結局前半は1点リードして終了。

後半。
雨は強くはないが、降り続く。後半になるとベガルタがプレスを強め、ワイドに展開して主導権を握る。開始1分、佐々木のクロスに飛び込んだ赤嶺、どんぴしゃヘッドも枠外。2分、赤嶺のパスを武藤がシュート、キーパー正面。3分、秋田13番にイエロー。フリーキックの距離不足か。5分、松下が相手ボールをカット、そのまま左足のシュート、枠外。

9分、ゴール前での回しから、赤嶺がシュート、あたりが弱くキーパー。赤嶺、動きにいつものようなキレがない。まだ本調子ではないようだ。12分、松下がエリア内にもぐりこみ、左サイド近くまで流れながら、強引にシュート、角度はぎりぎり、わずかにポストの外。今日も松下は絶好調。これでキーパー触っていたかコーナーをゲット。ここで梁はゴールから離れていた松下に戻すサインプレー、松下がダイレクトでシュート狙うが、ホームラン。

13分、秋田が前山に代え鈴木を入れる。15分、ベガルタのカウンター、松下のパスから赤嶺がクロス入れるが、流れる。そして16分、相手エリア左横でフリーキックのチャンス。梁の巻いたボールに走りこんだ赤嶺が、しっかり頭で合わせ2点目。赤嶺4ヶ月ぶりの復活弾。赤嶺の動きに秋田DFついていけなかった。18分、秋田はFW松田を下げ、ベガルタからレンタル移籍中の島川を入れDF強化。

20分、秋田がクロスを放りこみ、角田がクリア。21分、ベガルタのカウンターからのクロスも中原の頭上を通過。23分、ゴール前に武藤持ち込むが、なかなかシュート打てず。それでも右コーナーキックをゲット。角田のヘッドはどんぴしゃだったが、DFにクリアされる。25分、関が飛び出してクリアしようとしたが、触れず、ゴールががら空き。しかし、すぐに立ち上がり、シュートをセーブ。

ここで中原に代わり柳沢が入る。柳沢が前からプレス。27分、中央に回りこんでの武藤のシュート、キーパー正面。28分、赤嶺に代わり太田が入る。柳沢のワントップか。29分、秋田のシュートは関。その後、秋田が押し上げてボールを回す。ベガルタはパスが単発。33分、武藤のパスを受けた太田がドリブル前進。抉ってのクロス、コーナーを得る。左コーナーでキッカーは松下。決まらず。

36分、佐々木から太田へパスが通り、クロス。武藤が頭で落とし、フリーの松下が、バウンドをうまく合わせてゴール。だめ押しの3点目。武藤も最後に点に絡んだ。37分、秋田のカウンター、シュートされるが、DF足にかけコーナーを与え、守る。38分、3点取ったこともあり、ベテラン佐々木に代わり、藤村が入り、ボランチへ。松下が右SBに回る。藤村、公式戦初出場。

その後、一進一退。藤村は、寄せられても慌てずにうまくつないだり、ゴールを狙ったか中央に張ったりするが、パスが来ない。43分、秋田がロングシュート、ボールが伸びるが、バーの上。追加時間3分。ベガルタがプレスを緩めず、時間が経過。そのまま試合終了。

3回戦は10月13-16日のいずれかに水戸ホーリホックと対戦。去年に例だとユアスタになる可能性あるが、まだ未定。

シュート数:19-5 CK:8-2、FK:22-12  得点:佐々木勇人、赤嶺真吾、松下年宏   警告:(秋田)熊林、新里、半田  主審:今村義朗


秋田が自陣から細かくつなぎ、遅攻のような形が多かったので、ブロックを組んだベガルタとしては、急造DFラインでも対処できた。裏への突破のスピードと、ロングパスの精度があれば、苦しめられただろう。唯一のピンチも佐々木の猛スピードDFでクリア。

攻撃ではチャンスを数多く作ったものの、シュートのタイミングに躊躇いがあって、ブロックされる面が多かった。角度無くてもダイレクトで狙ったり、雨のピッチを考えて、少々強引でもミドルをもっと打って欲しかった。実際、秋田DFがなんでもないバックパスをクリアミスでコーナーにした場面があった。

それでも早い先制で楽になり、待望の赤嶺の得点、最後は藤村も出せて、ベガルタとしてはプランどおりの展開になったと思う。佐々木も母校の小学校を訪問したばかりで、先輩の面目が立ったことだろう。

ブラウブリッツはとにかく、よくつないでいた。秋田のパスは、ロングボールが滑っており、ピッチが濡れていなければ、もう少しチャンスが作れたかもしれない。

それにしてもクマタッチの多いこと。熊林はどんだけボールに触るのか、その運動量。一度、引退をも考えた選手が、サポの声援を受けて現役を続行し、今またこうして、地元のチームの中心選手として愛されているのを見るのは、うれしいことである。

つくづくロペス選手が、チームを去る時に言った言葉が思い出される。「サッカーを続けていれば、またいつか会えるよ」