天皇杯準々決勝:対川崎2-1、延長で振り切り劇勝、ベスト4

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89回天皇杯準々決勝 2009年12月12日(土)13:00 ベガルタ仙台2-1(延長)川崎フロンターレ ユアスタ仙台



中原 中島
(平瀬)(ソアレス)
梁     関口
                
千葉  田村     
      
朴 渡辺 エリゼウ 田村
(一柳)                  

サブは、萩原、一柳、木谷、永井、斉藤、平瀬、ソアレス。川崎は、怪我のジュニーニョに代わり黒津が入りテセ、レナチーニョの3トップ。中村憲剛、谷口のほか、サイドバックに森、村上が先発。

昨日の激しい雨が嘘のように、穏やかな曇りで、この時期としては暖かいユアスタ。18,340人。
何度フリーのチャンスをはずしても、めげずに守り、再びカウンター。疲れ切った相手を追い詰め、勝ちきった。
まさに、ユアスタ劇場。魔物が棲むのか、今年は負け無し。

代表クラスがごろごろおり、J1の最多得点でリーグ2位の川崎相手に、堂々のがっぷり四つに持ち込んで、焦りを誘い、しっかり勝利。賞金2千万確定。そして29日は初のナショナル・スタジアムで準決勝です。

前半35分、関口のスルーパスから中島が決めた先制弾でリードしながらも、後半44分、相手の猛攻に、林が飛び出たところを触れず、川崎の村上に落ち着いてがら空きゴールに決められ同点。直後カウンターから梁がフリーで1対1、しかし川島に詰められ、勝ち越しを逃し延長へ。さすがにこれは川崎ペースかと思われた。

延長に入ると川崎がスピードアップしたパス回しから、怒涛の攻め。何度もエリア内に侵入されながら、ぎりぎり広大、エリゼウらが体を入れて守ると、延長後半へ。

ここから信じられない光景が。。
延長後半に入り、100分経過して、両チームとも足にきている選手が多くなり、プレーが雑になってくる中、なんとベテラン千葉直樹が、この時間でも猛然と、前からプレス。こんなに直樹に執念があったとは。

そして、それにつられるように、今日久しぶりにボランチで先発の田村がすっぽん守備。関口、ソアレスが前からボールをひっかける。

こうして相手の攻めを遅らせると、カウンターから関口が、実に、けしからんプレー。

前の相手とは距離ありながら、またぎフェイントなど、おちょくったようなプレー。自分も疲れていることを隠すプレーなんだろうが、傍からは見み見え。
しかし、左サイドからクロスを中央に放り込むと、DF一人背負った平瀬が、これまた、けしからんバックヘッド。これが、あっさり決まって勝ち越し点。攻守の川島の手の先。
けしからん、実に、けしからん、しかし最高にうれしいプレーで、ベスト4になっちゃいました。

生真面目な菅井や梁がフリーをはずし、中原、ソアレスが力んで、本領を発揮できない中、さすがに場数を踏んだ平瀬が、思い切りのいい勝ち越し弾。力まずに、自然に狙えるところが経験の差か。パパは今日も男を上げました。

勝利を呼び込んだ粘り強い守備、何度が失敗もあたっが、持ち味のカウンターからのチェンスメークと、ベガルタが持ち味を発揮して、堂々のベスト4。これでJ1チームを3タテ。しばらくは勘違いしてもバチは当たらないでしょう。

ほぼ満員のユアスタに1000人くらいは来たのだろうか、川崎サポのコールが響く。人数もあるが、ユアスタでは最もドスの効いたビジターの声援だ。ベガルタ側も応酬。

前半。
ベガルタは、このところ好調のボランチ富田がメンバーにおらず、田村が代わって出場(練習中の怪我らしい)。
立ち上がりは川崎がボールをキープして、サイドからどんどん仕掛けてくる。しかし、様子を見ているのか、思いのほかスピードは無い。それでも、2分、3分とサイドからフリーでシュートされるが、枠外。しばらく守りを固めていたベガルタだが、4分、フリーキックからつないで、ようやくボールを持ち上がり、菅井が中央に切れ込んでのミドルシュート、ヒットせず。

5分、左コーナーキックのチャンス。流れて、今度は右コーナーをゲット。しかし、こぼれを拾われてカウンターを食らうが、エリア近くで田村が追いついてクリア。さすがに速攻は速い、川崎。その後、8分までは川崎にボールを回される。9分、ベガルタがカウンター、梁から中原のポスト、最後は中島がフリーとなってシュートもヒットせず。ようやく、川崎の様なスピードはないが、相手の攻撃にも慣れ、連携が出来てきた。12分、相手エリア右横からのフリーキックのチャンス。つながらず。しかし、その後、中島のスルーパスに、攻撃参加していた菅井が裏を取り、フリーでのシュート、しかし枠外。最初の決定機。

14分、ライン際を持ち込まれ、クロスを入れられるが、菅井がクリアー。川崎のコーナー。林がパンチングするときファールを受け、ピンチを脱出。16分、関口から中島へのクロス、もう一歩。18分、川崎がボールをつなぐ。レナチーニョのポストプレーから谷口のミドルシュート、枠外。20分、ベガルタが逆にボールを回すが、シュートまではいけない。21分、中央で中島倒され、フリーキックをゲット。距離30m、梁の射程距離だが。シュートはバウンドして、キーパー正面。

22分、川崎がコーナー。これは決まらないが、その後も縦にボールを簡単につないで、シュートを打ってくる。林セーブ。さらにテセの裏の飛び出しがあったが、オフサイドにかける。今日のベガルタは思い切ってラインを上げてオフサイドを、そこそことっていた。32分、ベガルタも攻め込むがラストパスは出せず。34分、裏に中原が抜け出るがパス選択、クリアされる。直後、川崎の中村にミドルシュート打たれるが、バーの上。さらに関口がパスカットされ、カウンターを受ける。しかし、これは守り、35分、梁から関口へ。そのままドリブル、前にいた中島へのスルーパス。中島、うまくDFの間に入ってフリー、左45度からのグラウンダーのシュート、川島触るが、サイドネットの刺さって、ベガルタ先制!押され気味の中で、一瞬の隙をついた。場内、狂喜乱舞。

これで相手を慌てさせるプランに嵌った。ベガルタのボール回しに余裕が出てくる。40分、朴のクロスに走りこんだ中原もう一歩。42分には、サイドに流れた梁がルックアップ、相手DFが真ん中をケアそしているところ見て、大外に走りこんできた菅井に合わせる。菅井DFを振り切りヘッドも大きく枠外。決まれば、何故ココ攻撃が決まるところだった。しかし、直後、今度は川崎のレナチーニョが抜け出し、どフリー。しかし正面で1対1のシュート林が足で止め、こぼれへのシュートにも反応、ピンチを救う。
前半は1点リードして終了。

後半。
リードされた川崎が前がかり。いきなりコーナーを与える。フリーでテセに頭で合わせられるが、バーの上。さらに5分、ベガルタエリア左奥でフリーキックを与える。エリア内で広大とテセが交錯。6分、ベガルタがようやくカウンターで梁のクロスに中原のヘッド、もうひとつ。7分、川崎が圧を高めてせめてくる。10分、やや力みが見える中原に代え平瀬が入る。直後、相手のクリアミスを中島が梁へ。フリーで抜け出た梁であったが、シュートは川島にうまく詰められ、弾かれる。

すると今度は川崎がカウンター。中央から谷口のシュートが飛んでくるが、林がセーブ。12分、関口がうまく相手に当ててコーナーをゲット。しかしこれはしのがれて、逆にカウンターで一気にレナチーニョの侵入を受ける。エリゼウが後追い気味に引っかかり、レナPKをアピールするがノーファール。ベガルタもカウンターで中島が出るがもう一歩。このあたりから川崎がセカンドボールを抑えて、次々放り込んでくるが、ベガルタはオフサイドの網にかける。17分、プレスをかけてボールを奪い、梁がフリーで抜け出す。最後は関口に出すが、打ち切れず。

20分、上がった菅井が、パスをインターセプトすると、そのまま、中央からドリブルで3人かわし、エリア内侵入、フリーでシュートもキーパー正面。弾くところ、今度は千葉直樹のミドルシュート、枠外。さらにスローインから右に流れた中島がシュート。バーの上。22分、川崎にゴール前で回され、最後は中村のシュートはバーの上。ここで中島に代わりソアレスが入る。今日のソアレスは、気持ちが空回りか、なかなかゲームに入れない。田村が相手ボールをクリア、上げてボールにもくらいつく、ひとりDF。今日の田村は高い位置でプレスをかけ、千葉と共に、相手の攻撃を遅らせていた。

25分、川崎のコーナーキック。さらにテセのセンタリングにレナチーニヨが入ってくるが、抑える。28分、至近距離からシュート打たれるが、林が好セーブ。1分後にも回されて、黒津のシュートを許すが、枠外。31分には、ベガルタエリアの左横から川崎のフリーキック。キッカーは木村。決まらず。35分には、川崎のコーナー、これは平瀬がヘッドでクリア。川崎に押されていたが、関口が森からボールを奪いドリブル前進、しかしシュートは打てず。さらに川崎の攻撃は続く。テセがエリア内侵入も、ファールで救われる。

39分、裏に抜けた平瀬がライン際までえぐって、センタリング。平瀬がわにキーパーが寄っていて、がら空きのゴールに、関口が胸から突っ込んでゴールインするが、ハンドを取られノーゴール。直後、今度は川崎の中村に侵入され、マイナスの折り返し、中央のテセがバックヒールで狙ってくるが、ベガルタDFも反応し、クリア。40分、ベガルタが久々のカウンター、ソアレスがひとりで持ち込み、狙いすましたシュートも枠外。42分、広大にイエロー。43分、朴が足攣り。一柳に交代。ここでブロックに緩み。ロスタイム、川崎の放りこみに、林が飛び出すが触れず、転び、ゴールが無人。こぼれを元ベガルタの村上に左足で決められ同点とされる。ロスタイムは5分間。まだ時間はある。

テセにイエロー。その後、川崎に正面からのシュート許すが林がセーブ。今度は関口がドリブルで前進、倒され、川崎ゴール正面35mのフリーキックのチャンス。キッカーは千葉。シュートはバーの上。さらにカウンターからソアレスから菅井とつなぎ、最後は梁がフリーでキーパーと1対1、しかしまたもキーパーに詰められ決められず。結局、2点目が決められず1-1のまま延長戦へ。


延長前半。
川崎がパススピードを上げ、ワンツー多用で、怒涛の攻め。いきなり高速クロスに黒津が頭で合わせるが、ヘッドは枠外。さらにレナチーニョがヘッド、枠外。3分、テセのクロスは林が抑える。ワンタッチパスで回され、防戦一方の時間が続く。7分、ようやく千葉のミドルシュート、バーの上。ここへ来て千葉、田村の運動量が落ちず、前からプレスを緩めない。10分、ボールを回され、最後はテセのシュートはポスト。すかさず、これを林が素早く菅井に回すが、つながらず。川崎の猛攻を耐えて、延長前半終了。

延長後半。
川崎のジュニオールがカウンターからひとりでドリブル、シュート、なんとか足に当ててコーナーを与える。このコーナーのこぼれを関口がつないでカウンター、ソアレスが受けて左に流れてのシュート、キーパーに弾かれる。2分、関口のクロスに平瀬のヘッドはヒットせず、キーパー。3分、関口がドリブルで、またぎフェイントなど、少し相手を弛緩させたところから、中央へクロス。中央の平瀬がDF一人を背負いながら、意表をつくバックヘッド。これがゴール左上に決まって2点目。場内大興奮。川崎の選手の顔がひきつる。またしても、タイトルが。。。

前がかりの川崎も、延長前半で飛ばしすぎたか、足を引きずる選手が増えて、ボールへの対応が遅れる。ベガルタも同様だが、ここにきて、千葉、田村が前からプレスで、相手の速攻を分断。6分のコーナー連続を林のパンチなどでしのぐと、8分、カウンターでソアレス独走、右にフリーの梁もいたが、自分で左に流れてシュートもキーパーに弾かれる。今日の中原、ソアレスは少し力みがあった。その後も川崎に侵入され、中村などのシュートもあったが、疲れもあって、決まらず、そのまま試合終了。

ジュニーニョがいないとはいえ、ほぼベストメンバーの川崎に、先制し、自分たちペースで試合を進められた。さすがにスピードのある川崎の攻撃には、綱渡りの面もあったが、しぶとく守って、カウンターのチャンスを何度も作った。そしてベテランが奮闘でベスト4。もちろん、ホームの大声援も力になった。

課題も見えた。トラップの正確性、フリーシュートでの落ち着き。そして試合終盤での、ペース配分。2試合連続ロスタイムで被弾している。ここを断ち切りたい。準決勝は、広大は累積で出場停止。木谷が出るのか。
それでも、何かは起こせる。ここまできたら「億」狙い。いい準備を。

シュート数:18-22、CK:3-8、FK:31-26 得点:中島裕希、平瀬智行  (川崎)村上 警告:関口、渡辺広大、千葉、平瀬 (相手)鄭 主審:東城 穣