2011年1月7日から29日までの約3週間、カタールで行われたアジアカップ2011は、主力選手の怪我、毎試合ビハインドや数的不利の厳しい条件の中、粘り強く勝ち抜いた日本代表の優勝で終わりました。
世界ランキングに関係なく、代表同士のガチンコとなると、如何に勝ち抜く事が難しいことか。様々な厳しい条件の中でも、勝ち抜いたことは素晴らしいですね。
特に、今までの代表には見られなかった諦めないメンタルを見せてくれたのは、サッカーファンならずとも感じるところがあったのではないでしょうか。
さらに、優勝によって大陸対抗のコンフェデ杯に出場できるとのことで、次のワールドカップに向けて最高の強化試合の切符を自ら手に入れたのも大きい。
控え選手が結果を出したり、FW陣がマルチの得点、10番となった香川も決めたと、自信にもなったことでしょう。もちろん、内容的にはまだまだなのは選手も自覚しているでしょうし、「勝ちながら課題を修正・レベルアップ」に進むという点で、この時期としては上々の成果だったと思います。
戦術や選手の起用はこれから徐々に変化したり、練られていくものと思います。今回は、攻撃マインドを植えつけたというところまでで、いいのではないでしょうか。
ただ、4年前から決まってる日程に協会の準備ができていないとか、大会のレギュレーションを知らなかったという事は、もう無しにしていただきたい。
さて、現在の代表フィーバーは一週間もすれば、嘘のように消えてしまうでしょう。毎日のように野球のキャンプ情報でマスコミも埋め尽くされる。そのままではJリーグの盛り上げにはつながらない。去年のW杯以降のJの状況が証明しています。
Jリーグ各チームは、ステークホルダーならぬチケットホルダーに、どうアピールしていくか。あの手この手で顧客満足度を上げようと努力するチームがある一方で、「サポーター」という言葉に甘えて、黙って金出せ的な、Jリーグバブル時のままの発想から抜け出せないようなチームもあるようです。
Jリーグ全体として、各チームとして、不況下の日本で、現存のサポだけでなく、まだJリーグを生で観戦したことがない、ほとんど行ったことがない、という層を取り込む不断の努力が求められるでしょう。代表の盛り上がりを直接間接に利用するあり方も検討してもらいたいです。
日本代表は日本人のこころをつかんだが、Jリーグの各チームがそうなるかは、これからの話です。
☆AFCアジアカップ2011メモ
オーストラリアとの決勝戦(ドーハ)相手のロングボール攻撃に苦しみながら、川島の再三のファインセーブでしのぎ、スコアレスで延長へ。延長後半途中出場の李が長友のクロスを左足ボレーでたたきこんで、苦しかったこの大会を制しました。MVPは本田。
韓国との準決勝は、延長戦終了直前で日本が追いつかれ2-2、PK戦へ。川島の2本連続セーブもあり韓国が3本連続はずしでPK戦3-0で勝利。
決勝対オーストラリア1-0(延長:得点李) 準決勝対韓国2-2(PK3-0)(前田、細貝) 準々決勝対カタール3-2(香川2、伊野波)
予選Bグループ1位 対1-1ヨルダン(吉田) 対シリア2-1(長谷部、本田圭PK) 対サウジアラビア5-0(岡崎3、前田2)