14節対山形3-2、後半大逆転。平瀬、梁、佐藤

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2008年 5月 18日(日)13:00 ベガルタ仙台3-2モンテディオ山形 ユアスタ仙台



平瀬  中島
(富田)(中原)
梁     関口
    
千葉  永井
     (佐藤)
田村 岡山 木谷 菅井

サブは、萩原、田ノ上、富田、佐藤、中原。山形は、財前、リチェーリ、宮崎がベンチスタート。
ここ数試合ホームゲームは肌寒い試合となっていたが、今日は爽やかに五月晴れ。日差しは脳天から強く降り注ぐが風は乾いて涼しい。ただピッチの上は、昨日の雨もあって少し蒸し暑いかも。山形サポも例年通り来ていて、力強い応援。ベガルタサポも負けじと音量アップ。16,931人。

前座で、U-13ポラリスベガルタ仙台Jr.ユース対山形Jr.ユース村山の試合があった。なかなかの伯仲した試合。終了間際に、ベガルタが、サイドから正確なクロスを入れて、ヘッドで押し込み、見事にベガルタが勝利。ジュニアユースが勢いをつけてくれた。


試合は立ち上がりから苦しかった。前半いいところなく2点取られた。が、後半、相手10人をついて一気に逆転。終わってみれば、最高のカタルシス。2点差から3点取って逆転したのは、中原の2発が出た2004年8節福岡戦以来か。ベガルタサポーター、今日初めてユアスタにきた人には堪えられないドラマチックな試合だったと思う。

前半は完全に山形ペース。山形は鋭い出足からプレスをかけて、ボールを奪い、早い展開で左サイドバックの石川らがクロスを入れて攻め込んでくる。ベガルタは防戦一方。マイボールの時も単発の動きで、連係とれず、シュートすらほとんど打てない。
開始早々山形のコーナー、しかし山形のファールで終わる。押され気味のベガルタだったが、5分、岡山のロングフィードに、裏に走りこんだ梁が左サイドをえぐり、クロスを上げるがキーパー。7分、山形がベガルタゴール前でボールを回し、中央からシュートを打たれるが枠外。10分、山形が左サイドから40mのフリーキック、これが直接枠内、林が抑える。11分にも、速攻で攻め込まれてコーナーを与えるが、山形のエリア内ファールで終わる。

15分、ようやくベガルタのチャンス。相手ゴール右、タッチライン際30mのフリーキックを関口が蹴ると、中央の岡山が頭ひとつ抜け出てヘッド、しかし、DFに寄せられバーの上。直後の16分、山形がするするとベガルタゴールライン際まで攻め込むと、岡山と林の連係悪く、譲り合いのような感じのところに、うしろから詰めてきた秋葉にループで決められ、先制許す。ベガルタが攻撃のリズムを全くつかめていないところでの失点。これで勢いづく山形が、出足を早めて次々ベガルタゴールに押し寄せる。19分にはベガルタのコーナーからのこぼれを、長谷川にひとりで持ち込まれるが、シュートは林がキャッチ。

25分、フリーキック、コーナーと攻め込まれる。26分、梁が相手ボールをカット、攻め込んでフリーキックを得る。山形ゴール中央、やや左20mの絶好の位置。これを関口が直接枠内狙うが、わずかに外、惜しい。その後、ベガルタが田村のドリブルでの上がりから、ラストパス2本、しかし、前と呼吸が合わず。32分、山形FW根本が自傷で退場、リチェーリが入る。すると、35分、山形に左からパスを通され、中央からフリーでのシュート打たれるが、林クリア。危ない。ワンタッチパスで連動する山形に振り回されるベガルタ。ボールが奪えない。

そして40分、エリナ内にドリブルで入ってきたリチェーリに、ひとりでかわされ、ライン際から折り返されると、フリーで入ったきた長谷川に合わされて、2点目を失う。今日は、後手後手で一方的にでおしまくられていたベガルタだが、2失点で、さすがに前に出て行く。43分、エリア角でフリーになった中島の左足クロスを、永井が頭ですらし、さらに、DFと競りながら平瀬が頭で合わせ、枠内に飛ぶが、これは相手キーパーのファインセーブで弾き出される。少しベガルタが前がかりになるも、2点リードで余裕を持った山形のプレスで、突破口が見つからないまま、前半終了。

後半。
永井や梁が積極的に前に出て、ドリブル突破をはかる。しかし、最初の5分はまだ山形ペース。7分、山形ゴール左30mでフリーキックのチャンス。関口が蹴るが、これはキーパー。そして8分、右サイド上がっていた菅井と永井のワンツーから、相手エリア内までドリブルで侵入した永井が折り返すと、ニアで中島が胸で落とし、がら空きになったゴールに、平瀬が頭で押し込んで1点返す。早い時間に1点返せて、チームの活力が戻る。さらに押し込むベガルタに、山形宮沢が平瀬を倒し、2枚目イエローで退場。山形10人。

するとベガルタがセカンドボールを支配し、次々に攻め込む。13分には、スローインから、中島がためてパス、走りこんだ梁がフリーでシュート、しかし枠外。16分、山形がカウンターでのロングボール、林がキャッチしようとするところ、長谷川に激しくチャージされ、長谷川にイエロー。林は起き上がった長谷川に凄い形相でつめより、チームに気合を入れる。ゴールキックのボールをボーイから受けとろうしたところで、なぜか林にイエロー。その後も、前半とは逆に、受身に回った山形は運動量が落ちて、間延び。リチェーリの個人技に賭ける。20分には木谷の裏へのキックに、千葉が相手エリアまで入ってクロスをあげ、中央平瀬のヘッドも寄せられる。23分にも、山形エリア左角でのフリーキックのチャンス、木谷がファーから頭で折り返すが、DF。

その後、ベガルタは攻めてはいるが、連動が減って、関口のドリブルにフォローなく、なかなかシュートまでいけなくなる。33分、永井に代え佐藤が入り、前へ。千葉のワンボランチ。さらに35分には、中島に代え中原が入る。直後、ベガルタゴール前で、リチェーリに中央にフリーで飛びこまれるが、シュートミスで枠外。助かる。そのゴールキックから、簡単につなぎ、中原が前が空いたと見るや、ミドルシュート。バーに当たって大きく弾くところ、詰めていた梁が、体を倒して抑えた右足ボレー、ゴール隅に決まって、2-2同点。まさにピンチの後にはチャンスあり。激しくガッツボーズを取る、キャプテン梁。もう、引分けでは満足できない。こうなると、勝つしかない。久々に聞く地鳴りのような、手拍子とスタジアム一体の応援。

しかし、山形もカウンター一発で、リチェーリに託してくる。40分には、山形にゴール前で回されて、リチェーリにうまくキープされ、中央からヘッドを打たれるが、林正面。ここで、またもピンチの後にチャンス。カウンターで平瀬から梁へ、梁がエリア内にトップスピードで走りこんで、左足で高速パスをファーに送ると、がら空きのゴールの前には佐藤由紀彦が。左足で合わせて勝ち越し弾。ごっつぁんです。今日も決めたぜ、9時消灯の由紀彦パパ。「点がほしいときに、点を取れる場所にいて、点を取る」プロです。サポーター席にまっしぐら。

そのあとは、中原や関口がうまく体を使いながら時間を使う。43分、平瀬に代わり富田が入る。山形は、後半のベガルタの揺さぶりに疲労がきていて、足が動かない。パスミス散見。最後は、スタジアムの後押しを受けたベガルタが、きっちりと守って、ロスタイムを含め10分を、逃げ切った。

前半は受身に回って、ボールが支配できず、攻撃を封じこめられた。リチェーリのようなリズムの選手への対処は課題。しかし、きわどい戦いであったが、最後は持ち味を出して、気持ちで上回った逆転勝利での4連勝。次ぎにつなげる要の試合を取ったのは大きい。セレッソと勝ち点25で並ぶが得失点差で2位浮上。勝ちながら修正。広島勝ち点29を追いかける。


試合後は、ミスで失点の岡山が泣き崩れるなどしたが、最後はいつもの劇場で、楽しい帰り道。まだまだ幾つもの山を越えなければならない。泣くのは優勝した時にとっておいて。ミスがあっても、次ぎのプレーで取り返せばいいのだ。それに、ミスをカバーし合い、お互いのいいところを引き出す。そういうサッカーが楽しめた。胸を張ってくれればいい。

シュート数:11-9、CK:4-8、FK:23-8  得点:平瀬智行、梁勇基、佐藤由紀彦  (山形)秋葉、長谷川  警告:林  (相手)清水、宮本2=退場、長谷川、リチェーリ     (主審)松尾 一