17節対草津5-1、ボルジェスがハット。内容いまいちでも大勝

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2006年5月20日(土) 14:00 ベガルタ仙台5-1ザスパ草津 ユアスタ仙台



ボルジェス

チアゴ  ロペス
 
熊林 千葉 梁
(池田)     
村上 白井 木谷 菅井
         (磯崎)
高桑
サブは小針、池田、磯崎、関口、萬代。
この試合は苦言大臣のご意見を拝聴するまでもなく、個々のプレーではミスが多く、フリーでシュートも打たれ守備では課題多々。しかし、4戦勝ちなしで、ホームでどうしても勝ち点3を取りたい試合。相手10人となったあと追加点で点を稼いだのは今後につながる。初めて見る人には、ブラジルトリオのボールキープ力やボルジェスのハット・トリック、カウンターの爽快感で楽しめたのではないだろうか。まず勝って味方のゴールを楽しむ。内容の吟味はそれから。何より選手自体が分かっているはず。

 曇り空から真夏並みの日差しに変わり、朝方まで降っていた雨で湿度も高い。ユアスタは運動会や青葉まつりで14,103人。まずまずか。子供の団体がたくさん来ているようだ。
試合は草津ペースの立ち上がり。蒸し暑さは連戦で疲れ切った選手の集中力を奪う。しかし、同条件ながら草津はボールへの寄せがはやく、ベガルタの気を抜いたパスを奪って速攻、サイドからえぐっていきなりコーナー。フリーでのシュートは、コースが代わりポスト。肝を冷やす。ベガルタの動きは悪い。村上の出足はいまいちで、梁や休養十分のはずの千葉までがトラップミス。不安をかきたてる。6分には右サイドを破られ、えぐられてフリーのシュート許すが枠外。ベガルタは得意のカウンターでパスミスが多く有効な攻撃ができない。

しかし、10分、ボルジェスのポストプレーからチアゴが左からエリア内侵入、キーパーを引きつけて、逆サイドフリーで上がっていた菅井の前へエンジェルパス。菅井が難なく押し込んで先制。早くも今季5点目。驚異の点が取れるディフェンダー。しかし喜びすぎの(看板越え自体は問題ないあが、すぐにピッチに戻らなかったという警告対象の)「遅延」行為で菅井にイエロー、次節出場停止。これは無駄。いけません。
ベガルタがようやくペースをつかんだかに見えたが、3分後、自陣右サイド奥でフリーキックを与えてしまい、これを高田にどフリーで頭で合わせられ、同点とされる。勢いづく草津。ボールへの寄せでべガルタを上回り、サイドを簡単にえぐってはクロスを入れてくる。しばしばピンチ。

16分、スローインからチアゴがエリア内に侵入、フリーでシュートも右足でふかしてしまう。互いに速攻の応酬。21分、熊林が相手陣内奥までルーズボールにプレスに行き、コーナーをゲット。このプレーはチームにカツを入れた。25分には相手ゴール右でフリーキック25mのチャンス。チアゴのキックはバウンドして枠内も、キーパー。30分には、ロペスのミドルシュートもキーパー。草津も、カウンターでベガルタ陣内に侵入。31分、村上が相手ボールをうまく体をこじ入れてエリア内侵入。シュートは角度なくサイドネット。今度は草津のコーナーキック、また合わされて高桑辛うじて弾く。35分、草津のカウンターから中央でフリーをとられかかるが、白井がファールで止める。白井にイエロー。これはやむなし。37分、ベガルタ、ワン・ツーで右サイドで展開、村上のクロスはコーナーに。前半終了間際にも、チアゴ、ロペス、とつないでいくがゴール奪えず前半終了。ミスの多い展開に今季初、スタジアムにブーイングの嵐。

後半。右足負傷の菅井に代え、磯崎が入り左サイドに。村上が右サイドに入る。これで相手の右からの攻撃を磯崎のところで遅らせることができるようになる。ベガルタのボール回しもよくなり、相手のプレスをかわしてワイドな展開が始まる。7分、ベガルタゴール前で磯崎がしつこい守りで相手ボールを奪うと、簡単にロペスへ。ロペスの縦1本が、右で張っていたボルジェスに通り、出足よくフリーとなると、キーパをひきつけてチップキックで決め、2対1、勝ち越し。これで、調子が出てきたブラジルトリオが、疲れが見え始めた草津の選手を、あざ笑うようなボール回しを始めると、11分、カウンターから梁のクロスが村上へ。草津の中井たまらずファールで止める。それが2枚目のイエローで退場、10人。倒された村上が(すでに旗を上げていた)副審に強くアピールし、それを主審が確認して退場となった。

これで草津は前ががかりとなり、マークが緩んでくる。16分、相手のバックパスをカットしたボールが、ボルジェスへ。相手DFひとりをかわすと、どフリー独走、今度は中央からグラウンダーでサイドに決め3点目21分には、ロペスからチアゴへのパス、チアゴがエリア内でキーパーをひきつけ、最後は右サイドフリーのボルジェスにパス、ポジション取りでフリーとなったボルジェスが押し込んでハットトリック達成。簡単そうに見えるが、この確実性は、よい子も真似して貰いたい。4対1。このあたりでベガルタは、守りを固めるかと思いきや、千葉や村上が菅井ばりにが上がって攻撃参加。しかし、シュートまでいかないと、戻る足が残っておらず、簡単にカウンターを喰らう。草津は諦めず2バックで攻めてくる。30分にはロングシュートを枠に当てられひやり。ベガルタもカウンターで応酬。ロペスとチアゴが自由に両サイドに流れて裏を狙うがシュートはDFに阻まれる。

その後も、ときおり見せる草津のカウンターにひやひやしながらも、高桑の好セーブもあり得点は許さない。35分、熊林に代え池田が入り、そのままボランチへ。池田が今季初出場。さすがに動きはいい。相手のゲームメーカー島田にまとわりつく。36分、ベガルタのカウンター、千葉から梁、最後はチアゴが右から侵入、そのままDFの間からの強引シュートが決まり5点目。39分には、チアゴのセンタリングでロペスがうまく胸トラップ、ボレーシュートをフリーで打つが、ふかして6点目はならなかった。40分、逆に草津にカウンターでサイドを抜かれシュートまで行かれるが、枠に当たるがゴールならず。最後まで守備で苦しめられるが、そのまま試合終了。
 ちなみにベガルタのハットトリックは2001年4月J2京都戦のマルコス以来、5点とったのは2002年J1の柏戦以来と思われる。

大勝の割りには、すっきりしないのは、セットプレーでどフリーを度々許していること。逆に攻撃のセットプレーでは、シュートまでなかなかいけてない。村上や熊林、梁はかなり疲れているが、この一週でうまく休養して、集中力を戻してほしい。疲れたからといって軽いプレーになっては命取り。
いい点は、もちろん、ボルジェスの爆発。勝ち点3と得失点差稼ぎ。ホームでハットは、彼自身もチームも乗ってくるはずだ。まあ、今日一日は喜んでいいでしょう。試合後の高桑、ロペス、チアゴの「ロペスダンス」、光る男の白井とボルジェスがアフロかつらで一周も、サポと一緒に喜びを分かち合ういい時間。だって、鬱々とした時間も共有してたんだからね。
次節は菅井がいないので、今日の後半の布陣になるのか。控え陣の出番もありそうだ。セットプレーでの守備を修正して、自信を持って力強くプレーしてほしい。


シュート数:18-17、CK:9-11、FK:17-20 得点:菅井直樹、ボルジェス3、チアゴ (草津)高田 警告:菅井、白井、村上 (相手)中井2=退場、佐田、依田 主審:辺見康裕