2025 J2 34節 10月26日(日)14時03分 ベガルタ仙台 3-2 サガン鳥栖 ユアテックスタジアム仙台
エロン 宮崎
(郷家) (小林)
相良 荒木
(中田) (石井)
鎌田 工藤蒼
(武田)
奥山 菅田 井上 真瀬
(石尾) .
林
宮崎2得点、小林心逆転ゴール
サブは、堀田、マテウスモラエス、石尾、石井、武田、郷家、山内、中田有(特指)、小林心。
鳥栖は、GK泉森、DF 長澤 シヴァタファリ、井上太聖、小川、森下、MF松本、新井、西川、西澤西矢、FW山田寛人。新川、ヴィキンタススリヴカ、酒井宣福、櫻井、上原、今津、木本は、ベンチスタート。

降りしきる冷たい雨、苦しい展開
一時雨が上がるかに見えたユアスタは、試合開始前になって、雨脚がぶり返し、強い雨が最後まで降り続けた。
今期のオオヤマ、直上鳥栖との6ポイントマッチ。
ベガサポが青・黄や黄色のフラッグを大量に用意して、チームを鼓舞する。
鳥栖サポも、この試合の重みを同じ様に思っていたのか、750人と、かなりな来訪。
試合は、鳥栖はベガサポを意識してか、コートチェンジを行う。
ベガルタは、大分戦の反省を踏まえて、試合開始から激しくボールを奪いに行くが、鳥栖は、守備時は5バックで固め、攻撃ではテンポのいいパスまわしでかわしながら、素早い縦パスと、サイドWBのランニングを使って攻撃と、せめぎ合う。
25分頃までは、ベガルタも、時折前進して、荒木のシュートや奥山のミドルで脅かすも、キーパー。
しかし、28分、右サイドを西澤、西川とつながれ、新井に侵入されると、外から足を出した真瀬がファールの判定でPK献上。
映像では、真瀬の足は届かず、新井の自爆のようにも見えるが。。。
このPKを西川に決められ、0-1と先に失点。逆転が今期1試合のベガルタとしては、苦しい展開に。
しかし、直後の32分、カウンターからエロンがドリブルで進入、長澤に足を掛けられて倒れたかに見えたが、こちらはノーファールの判定。
その後、リードして余裕の鳥栖は、後ろで回してじらしながら、ずらして縦パス、サイド攻撃で攻めてくる。
攻め込まれたベガルタは、真瀬が左サイドで山田の侵入を阻止したり、奥山が二人相手に、連続してクリアなど、守備で踏ん張り、何とか0-1で前半終了。
2点ビハインド10人から、怒涛の逆襲
後半、ベガルタは、エロンに代え郷家を投入。
郷家は前からプレスを敢行。しかし、鳥栖も寄せが速く、ベガルタのパスは途中でカットされ、中々シュートまで行けない。
3分、右サイドを西澤にキープされ、コーナー付近でFKを献上。これを森下にヘッドで決められ0-2。
ますます厳しくなる。
13分、ベガルタは工藤蒼、奥山に代え武田、石尾を投入。17分、鳥栖も西澤、山田と、脳震盪疑いの西矢の主力3人を交代。
鳥栖は交代で入った18歳新川、ベガルタは相良、真瀬がシュートと、共にチャンスを作るが決まらず。
後半26分、石尾が、ゴール前中央で、勢いつけてスラィデングにいったのを、レッドと取られ一発退場。
これも素人目には、イエロー程度に見えたのだが。ベガルタ2点ビハインドで10人と、絶対絶命のピンチ。
相良を左SBに下げ、4-4-1で、まずは失点を防ぐ体制。
しかし、10人相手に、鳥栖は慎重になったのか、急に攻撃をスローダウン。これがベガルタ10人の捨て身の攻撃を、勢いづけさせる事に。
鳥栖の選手にも走り疲れからか、腿裏を触る選手も出始める。
そして、ついに34分、郷家、武田、鎌田の連携で左サイドを崩し、最後は、宮崎の反転シュートで1-2と1点返し、スタジアム大興奮。
ベンチも、宮崎は残し、荒木、相良に代え石井、長身中田を投入し、4-3-2と攻撃的布陣に。
すると37分、鎌田がパスカットしつないで、また宮崎が反転強引シュート、DFに当たってゴール!2-2同点。
スタジアムは完全に押せ押せムード。選手も10人とは思えない、圧倒的な迫力。
ベガルタは、菅田や真瀬らが背後の守備を懸命行うと、前線の選手は果敢に人数をかけて攻める。
そしてATは8分間。
AT3分、宮崎に代わり6人目の小林心が入る。
そして、AT9分、井上の浮き球を中田が頭でつなぎ、最後は小林心が、DFと競りながらのシュートを押し込んで、3-2、ついに逆転。
後半26分から10人、2点ビハインドをひっくり返す3得点の大逆転劇で、昇格戦線に再び浮上した。
こんな逆転劇は見たことない。
本当にみんなよく頑張った。
ただ、まだ何も決まっておらず、曲者ぞろいのチームと4試合が残っている。
大喜びの後は、しっかり引き締めて、ひとつひとつの試合をチャレンジして、モノにしていくだけである。
最後まで走り切るのみ。やってやろうぜ!
鳥栖の"魔の4分間"、宮崎の2ゴールがベガルタを救う
2-0は、危険なスコア。
相手10人は攻撃を難しくする。
試合時間残り20分0-2で、しかも10人。ダブルで反発ジンクスを得たベガルタ。
チームの闘志と、「レッツゴー仙台!」の大声援を背に受けて、ビースト宮崎が、10人攻撃をもろともせず2得点、鳥栖を追い込んだ。
後半26分、ベガルタが10人の0-2になってから、捨て身の攻撃により、カウンター応酬となり、前半から飛ばし、上下運動で足を使っていた鳥栖の守備の方が、遅れ始める。
改めて映像見ると、宮崎の1点目の前に、既に鳥栖の松本は、腿裏をさすっていたので、攣り始めていたのかもしれない。
そして33分、鳥栖ゴール左で、郷家-鎌田-武田-郷家とワンタッチパスでつなぎ、最後は宮崎が、ボールを受けると、CB森下を腕で引きずりながら、反転、右足トゥーキックで、ファーサイドに流し込み、1-2。
ベガルタが10人で1点返し、スタジアムも選手も大興奮。流れは完全にベガルタ。
さらに、ここで、足攣りの鳥栖のボランチ松本が、ピッチ外へ。鳥栖も一時10人。
スタンドで見ていても、DAZNで見直していても、自分は気づかなかったがw、ヒグチさんのXによると、この「宮崎の1点目の後から、同点ゴールまでの4分間、鳥栖は、松本がピッチ外に出たまま、交代が遅れ、10人だった」という事。
もう一度みると、確かに。
1点取ったベガルタはすかさず、相良、荒木に代え、左SBに石井、トップに中田を投入し、4-3-2と、攻撃的な布陣へ。
しかし、鳥栖は、ベンチが、あと(脳震盪枠を含め)二人の交代枠で混乱したのか、10人のまま、10対10での攻防となる。
試合後、小菊監督が「ベンチも混乱して」というのは、この辺を指すのだろう。
このチャンスを逃さず、37分、鎌田が鳥栖のトラップミスを奪うと、すかさず宮崎へ。
今度は右に流れた宮崎が、またも森下を振り切って、反転即シュート、鳥栖DFのディフレクションで、キーパーの逆をついたボールは、ゴールへ、2-2、一気に同点。
宮崎は、前半から、囲まれながら、強引に前を向いて枠内シュートを打って、感触を得ていた。
さらに、後半には、プレースバックで自陣に戻るなど、強さだけでなく運動量も相当だったが、この時間でも、絡むCB森下を二度振り切って、足を振れた野獣ぶりは、さすがである。
宮崎は、9月20日の山形戦以来の2ゴールで、今期6得点目。
そして、同点になり、ようやく、2人交代で、11人に戻した鳥栖であったが、すでにゲームはベガルタのものになっていた。


"ジョーカー"、59小林心が決勝点
PKやら退場、脳震盪など色々あって、ATは8分間。
時間はある。
もはやベガルタには、勝利しか見えない。
鳥栖のスリヴカにシュート2本を打たれたが、菅田のカットや林の正面。
3分、走り続けた宮崎が足攣りとなり、鳥栖の脳震盪交代枠により、6人目の小林心が代わりに入った。
これも勝負の綾。
5分、心は、郷家のクロスに、早速ヘッド。枠外だったが感触を掴む。
さらに、押せ押せになるベガルタ。
そして9分、鳥栖のカウンターの出鼻を、鎌田がボールをかっさらって、菅田から井上の浮き球パス。
これを右サイドの中田が、丁寧にヘッドで前に送ると、心が、今津ともつれて、倒れ込みながらも、右に流れながら、右足をファーに振って、キーパーの逆をつく、コロコロシュート。
雨で滑るピッチも味方。
決まって3-2。
出れない時、これまでの準備がすべて報われて、ユアスタでの初ゴールは、貴重な貴重な逆転ゴール。
10人で繋いだ大逆転!
5分で結果を出す、小林心。
ゴール前の一瞬のキレ味が素晴らしい。
6月の磐田戦でのゴールも、1-0のAT決勝ゴールだが、決めれば勝利の移籍後2点目。
こういう場面で決め切るとは、持ってるとしか言いようがない。
残る4試合も、宮崎らの対応で相手が疲れてきた時に差す、ジョーカーとして使ってもらいたい。
頼むぞ!
鎌田が、同点・逆転弾を呼ぶボール奪取
立ち上がりから、大分戦よりは、勢いをつけてボールを奪い、攻め込むベガルタであったが、前半は、守備時に素早く5バックで固める鳥栖に、なかなか決定的なパスを出せずに、冴えを見せれなかった鎌田。
攻め倦んでいる内に、PKで失点。
さらに後半頭で失点、中盤には退場も出て、残り20分、10人で2点ビハインドとなる大ピンチ。
しかし、10人になり、吹っ切って全員が反撃指向になり、鎌田も思い切って前からプレス、ボール奪取に行く。
後半33分、まずは郷家、武田との三角形で、左サイドワンタッチでつなぎ、最後は郷家が左前の宮崎につなぎ、同点。
鳥栖も、ひとりピッチ外で10人の4分後にも、鎌田が鳥栖のトラップミスを逃さずボールを奪い、宮崎につないで、宮崎が降り抜き、DFに当たりゴール、2-2。
そしてAT9分、鳥栖のカウンターの出鼻、鎌田が払うようにしてボールを奪うと、菅田、井上の浮き球パス、中田のヘッド落としと繋ぎ、最後は、小林心が、DFに競り勝ち流し込んで、3-2の大逆転をもたらした。
2点に絡み、勝利に貢献した10番。
いつも飄々としている鎌田だが、3点目を決めた後、茫然と座り込んでいる写真があった。
冷たい雨の中、100分を走り切った。
見た目とは違い、内に秘めた闘志を、激しく燃やし尽くした試合だったのではないか。
終盤、菅田、真瀬が止め捲り
この試合、勝利の立役者は勿論、2ゴールの宮崎、最後に決め切った小林心であるが、それを導いたのは2-2になって以降、終盤の10人での守備。
とりわけ、終盤の菅田と真瀬が守備でキレまくり。
菅田はATに入っから、1分、ロングボールの競り合いに、ぎりぎり勝つ。
2分、スリヴカの至近距離のシュートを身体で阻止。
さらにコーナーキックもクリア。
真瀬は、前半から侵入されていた新井へのパスを41分、読みよくカット。
44分にも、新井へのパスをカット。
AT4分にも、新井の侵入をペナ内で止めた。
この二人を代表として、前半で先制を許しながら、井上のブロックや、奥山の一人で二人をカットなど、守備での粘りが勝利への流れを呼び込んだ。
セットプレーで、きれいに決められた2点目
PKと石尾のレッドは不運もあるが、2失点目のセットプレーの守備は少し課題が見えた。
今年のベガルタはセットプレーで、きれいにやられたのは少ない気がするが、今日は後半、FKからの2失点目と、鳥栖のCKでも、しっかりヘッドを当てられていた。
残る4試合、相手もいろんな事をやって来るので、しっかりとセットプレーの守備は整えて頂きたい。
一方、攻撃でのセットプレーは、この試合、荒木をキッカーにするなど、いろいろ試しているようだが、どうも、しっかりシュートまで至っていない試合が続いているので、もう一工夫欲しいところだ。
前半
鳥栖は、3-4-2-1で、DF登録の長澤は左WB、守備時は5バック。ベガルタは、宮崎、エロンの2トップで4-4-2。
⚽31分、ベガルタ仙台、真瀬のBOX内チャージがファールでPKとの判定。鳥栖の西川がゴール右にPKを決め、0-1。
前半、ベガルタのシュートは4本、鳥栖5本。
後半
ベガルタ、エロンに代わり郷家が入る。
⚽4分、鳥栖、右コーナ付近のFKから、森下のヘッドで0-2。
5分、鳥栖、西谷にイエロー。
9分、鳥栖、新井にイエロー。
14分、ベガルタ、工藤蒼に代わり武田、奥山に代わり石尾が入る。
17分、鳥栖3枚代え。西澤に代わりスリヴカ、山田に代わり18歳U-22代表の新川、脳震盪疑いの西矢に代わり櫻井が入る。
26分、ベガルタ、石尾がレッドで一発退場。10人に。
相良を左SBに下げ、郷家が左MFの4-4-1か。10人になってむしろ積極的に前へ。鳥栖の攻撃は遅攻気味。
29分、鳥栖、長澤シヴァタファリに代わり上原入る。
⚽33分、ベガルタ、反転からの宮崎のゴールで1-2。鳥栖、松本、負傷でピッチ外で10人。
35分、ベガルタ、荒木に代わり石井が入り左SB、相良に代わり中田が入る。中田、宮崎の2トップで4-3-2。
⚽37分、ベガルタ、反転からの宮崎のシュートがディフレクションでゴール、2-2、同点。
37分、鳥栖、DF森下に代わり今津、MF松本に代えDF木本が入る。鳥栖11人に戻る。
AT3分、ベガルタ、足攣りの宮崎に代わり小林心(鳥栖が脳震盪交代あったため6人目)が入る。
⚽AT9分、ベガルタ、鎌田のパスカットからつないで、小林心がDFと競りながら、ゴール。3-2と逆転。
後半、ベガルタのシュートは8本、鳥栖10本。
シュート数: 12-15 CK: 5-6 FK:10-13 得点:宮崎 鴻2,小林 心 (鳥栖)西川=PK、森下冷哉 警告:石尾=退場 (鳥栖)西矢、新井 主審:高崎航地 入場:14,207人