2004年J2第3クール(23-33節)


節 期日 キックオフ 対戦相手 会 場
23 7月24日(土)18:30 大宮アルディージャ2-2 埼玉ス
ヌネス(中原)
寿人  大柴
(西谷)    
村上     梁
      (石井)
千葉 シルビ
根引 ゴッツェ 小原
高桑
2PK相手10人活かせずドロー

 萬代、中田、森川が累積で出場停止。ファビオ・ヌネスが初スタメン、ゴッツェがリーグ戦初登場(登録名セドロスキー)。サブは、小針、石井、西谷、西、中原。

 応援バスの途中休憩でも、降りるたびに熱風を受け、早々にバスの中に避難する暑さ。
 埼玉スタジアム到着の4時は、まだあった西日も、試合開始頃にはようやくかげってきて、やや風もでてきた。湿度はさほど高くないが、動けば大量の汗が出ることは違いない。オレンジ化計画はハーフ・ゴールドで道半ば。ゴール裏に限ってはベガルタが3倍の人数。しかし試合内容はそれに応えるものではなかった。

 開始早々、リャンがクリアしそこねたところをつかれて一気にゴール前に放り込まれ、走りこんだバレーがフリー、しかし、シュートはバーの上。助かる。しかし、この後はバレーの走りこみにおびえながらの展開となってしまった。ツゥットの方は昔のキレを失い、ボールを奪うことができる存在になっているが、バレーは調子いいようだ。

 ベガルタもシルビーニョを中心にボールを回し、攻め込むが、相手の戻りが早く、パス出しをためらってると、たちまち囲まれ、出しどころがない。千葉直樹の中途半端なパスも目立ち、カットされていしまう。FW孤立。それでも8分、小原が思い切りよくクロス、相手DF裏に抜けた寿人が切り返したところを倒され、大宮若松一発退場となり、PK.。これをヌネスが、だいぶ時間をかけられたにも関わらず、落ち着いて決め、先制

 リードし、開始10分で相手10人じっくり攻めればいいと、気が抜けたのか、その後の攻めが遅く単調になる。大宮は442を432とし、攻撃はトップの外人二人にまかせ、中盤とDFがきれいにラインを作って、組織的に上げ下げ、引き気味にスペースを埋め、ベガルタのスピードを封じる。
 それに対し、ベガルタは、シルビーニョがヌネスへの難しいスルーパスを狙っては、カットされるという単調な攻撃を繰り返す。サイド攻撃もリャンが時折試みるが、クロスまでに時間がかかりすぎ、シュートまでもいけない。また相手を引き出すロングシュートもなく、放り込んでは弾かれる虚しい攻撃が続く。12分にヌネスがドリブルで持ち込んで大柴シュートした後は、しばらくシュートがない時間が続く。

 30分、大柴のドリブル突破からコーナーを得るが、直後相手のカウンターでツゥットに狙われるも高桑が弾く。大宮側に「やれそう」という感じが出てしまう。35分にもセットプレーからのこぼれ球をロングシュートで枠に打ち込まれるが、高桑キャッチ。
 そして36分、コーナーからの競り合いで破れ奥野に長いヘッドを決めれ同点とされる。またもセットプレーでの失点。攻撃の方では、コーナーからここしばらく得点できていないことを考えると、この差が大きい。攻め切れないベガルタも、43分に久々村上にロングシュートを打たせるが、ホームラン。まったく数的優位を感じられないまま前半終了。

 後半。開始早々、またも寿人が切れ込んでPK奪取。今度は自分で決め、2-1。ようやくベガルタにも元気が出て、3分には左フリーキックで、シルビーニョがさわれば入る絶妙のキックを入れたが、詰める人間がいない。10分には、シルビから大柴へのクロスが通るが大柴トラップミス。またゴール前に寿人が持ちこんでも、周りがついていかない。カウンターで深追いしない大宮のボールを再三カットして、反撃に行く形は作っていたものの、次第にベガルタは攻め疲れ、リードしながら不安な感じになってくる。

 26分、ヌネスに代わりに中原投入。しかしマークに思うように動けない。逆に28分、大宮は疲れの見えるツゥットではなく、中盤の金澤に代え補強の森田を入れ、パワープレーで点を取りにくる。森田は入るなり、カウンターからベガルタ陣内で根引を振り切り、同点弾を入れられる

 35分には寿人を代え、西谷入れる。裏へのパス出しや、39分には、千葉のクロスを受けての頭でのシュートもあった。が、彼は相手をひとりで振り切って点を取るストライカーではない。他の選手と連係をとることで脅威になれる。時間が足りない。ここで、リヤンに代え、石井。しかし、何か、どっちが数的に優位かわからない感じで、疲れた村上の後ろをどんどん突かれるようになる。村上は疲れてくると、プレイが投げやりになる。疲れてきた後が勝負だ。粘れ。41分、カウンターからバレーがどフりー、万事窮すと思われたが、ホームランに救われる。ロスタイム。互いにコーナーのチャンスがあったが不発でドロー。


 点をあげたあと、たたみかけて、スピーディーに攻めることができない。相手が気落ちしている間に振り回す速攻が欲しい。判断をひとコマずつ早める。それにつきる。 期待のゴッツェは、攻撃のセットプレーでヘッドで折り返したチャンスがあった。球際には強い。おとりにしたり、ポストさせたり、彼をうまく使ったセットプレーでの攻撃をみたい。

 大宮とベガルタではベガルタにダメージがある。しかしよく考えると内容的には大宮にとっても勝てた試合。バレーは二つはずしている。勝ち点1でも無駄にしたくない。そのためには次の試合をまず勝つこと。勝負は疲れてきた後の粘り、勝利への執念だ。

シュート数:11-13、CK:6-7、FK:8-19 得点:ファビオヌネ、佐藤寿人=以上PK (大宮)奥野、森田 警告:梁、村上 (相手)若松=退場、ツウット 主審:村上伸治
24 7月27日(火)19:00 ヴァンフォーレ甲府 3-1 仙台
ヌネス(西谷)
寿人  大柴
(萬代)   
梁     財前
      (村上)
千葉 シルビ
根引 ゴッツェ 森川
高桑
後半苦しむも、久々の先行逃げ切り

サブは小針、小原、村上、西谷、萬代。甲府はバロン、小倉の先発。観客14,122人。

 気温はさほでなくても湿度が高く、中2日で消耗戦。先にしかけたベガルタ。集中を欠いてミスを連発してリズムにのれない甲府につけこんで、右サイド財前が走る走る。開始3分、千葉のアーリークロスにフリーだった寿人が躊躇なくボーレーで決めて先制!

 その後も、前へ前へと千葉や森川がプレスをかけてボールを奪う。そして中央ではゴッツエのロングフィードがぴたりと、サイドの選手に納まる。しかし甲府もサイドからバロンに合わせてくる。しかし、前半のバロンはエンジンかからず、へなちょこシュートや明後日弾で、甲府のリズムが狂う。30分、財前が個人技でDF二人をかわしクロス、逆サイドに詰めていたリャンが給金直し記念のローボール・ダイビングヘッドで押し込み、2点目
 前半で2点リードでスタジアムも最高潮。しかし、疲れが出たか、この後はべガルタの運動量も落ちてきてくる。終了間際の44分甲府フリーキックからこぼれ球をバロン押し込みにくるも高桑セーブ。やはり油断ならない。

後半、いきなりコーナーキックで攻められ高桑のパンチングで防ぐ。今日はこころなしか高桑が思い切りよく前に出ていたような気がする。後半の甲府は左サイドを中心に見違えるようなスピードで速攻をしかけては、早いタイミングでクロスを放り込んでくる。ベガルタDFがなんどか体を寄せ、わずかにシュートのタイミングをずらせてしのぐ。しかし甲府も中央のこぼれ球は小倉がポストで変幻自在のパス、マークをかわされピンチの連続。10分、その小倉に中央で粘られ、コースが空いた一瞬、強烈なミドルを打ち込まれ1点返される。

 16分、前のプレーで足ひきづり気味の財前に代わり、村上入る。ひさびさの右サイド。元気な村上がなんとか相手の右サイドの突破を遅らせて、小倉のマークで疲れ気味の左のリャンの負担も減る。このあたりから、後半は押され放しだったベガルタが、ようやく中盤でタメができるようになる。
 20分、コーナーのチャンス、寿人がヘッドで当てたがもうひとつヒットせず。カウンターのピンチをしのいだ後、25分、右サイドのフリーキック、今度はヌネスの頭に合ったがバーの上。30分、こぼれ球がゴール前フリーの大柴へ飛んできたが反応が遅くシュートできず。ここでまた、甲府のカウンター速攻からゴールライン間際で粘られ、角度ないところからシュートされるが、高桑なんとかセーブ。その後も、疲れてプレスできなくなってきたベガルタの中央を、時折するすると上がられピンチを招く。

 31分、寿人に代わり萬代入る。萬代、元気よく裏を狙いに走り、甲府の連続攻撃に楔。そして39分、さしものダイナモ大柴も、きょうはお疲れで運動量いまいちかと思われたが、最後の粘り、ひとりで突破し、ペナルティエリア内での勝負、甲府DF覚悟のファールを誘い、PK奪取。これを目下の「PK王」ヌネスがきっちり隅に決めてダメ押しの3点目。これで甲府の反撃もやや鈍る。43分コーナーからチャンスで大柴ヘッド。   44分には、ゴールまえ混戦からヌネス正面フリーでシュートが放つがキーパー正面。ロスタイムは4分。ここでヌネスに代え、西谷投入。わずかな時間だが、相手ラインの裏にスルーパスを通し、めずらしくズデンコがよっしゃの拍手。最後は萬代らが時間を使って逃げ切った。

 それにしても、前半は森川が、後半は根引が、思い切り前に出て攻撃参加していた。3リベロかい!これもカバーのゴッツェが、当りでバロンに負けず、ハイボールも弾いてくれると信頼があるからであろう。でもちと怖いときもある。FW3人も前節の修正からか互いの間隔を広げ、財前とリャンのサイドからの食い込みとも連動が良くなった。あとはさらにヌネスが球離れが早くなれば。だいぶよくなってはきたが。

 今節は他所の対戦が引き分けが多く、是が非でも勝ち点3取りたかった試合。先制点で気を緩めず先手先手で攻めたことが勝利につながった。暑さの中全員で守りきったともいえる。リーグの団子状態はますます熾烈で、今後も勝試合であっても楽勝はありえず、今日のような厳しい戦いが続くだろう。勝利の喜びを味わい続けるためには、もっともっと厳しく攻め、守らなければいけいない。まずは次節、アウエーでも、もうひとつ勝つ。

シュート数:11-10、CK:6-6、FK:12-31 得点:佐藤寿人、梁勇基、ファビオヌネス (甲府)小倉 警告:ベガルタなし。 (相手)富永、金澤、山本 主審:吉田光寿
25 8月1日(日)19:00 サガン鳥栖2-1 鳥栖ス
ヌネス(西谷)
寿人  大柴
   (萬代)
梁     財前
      (村上)
千葉 シルビ
根引 ゴッツェ 森川
高桑
萬代の勝ち越しゴールで辛勝

サブは、小針、小原、村上、西谷、萬代。前節とメンバー同じ。スクリーン観戦記。

 心配された台風の影響なく、ただピッチが重そうなのと蒸し暑いだけ。互いにどフリーはずしまくり、大味な試合も、大柴が執念でねじこんだ先制、終盤萬代がリヤンとのコンビできれいに決めたヘッドでかろうじて勝ち点3。苦しくても何でも勝ちが重要。

前半10分、ヌネスがドリブルでDF2人をかわし、前を向いてフリーでシュートを打ち、キーパーが弾くところ大柴がとびこんで押し込み先制。持ちすぎといわれる彼だが、この場面、フリーでのシュート体制まで持っていければ、よしとしたい。飛び込んだ大柴の嗅覚が良かった。しかし、キーパーとの接触で大柴に大事をとり、5分後、萬代が代わりに、急遽入る。

 試合開始早々の得点で、優位に試合を進めるかと思いきや、相手のペースあわせる悪い癖が出て、ベガルタはゴール前にボールを運ぶだけの展開となる。たった1点で守りに?誰も動いてボールを貰おうとしないし、パススピードが弱く、相手のカットを招く。攻撃陣は、囲まれたヌネスを遠くで見やるだけ。近づいたり離れたりがない。次第に鳥栖がペースがつかみ、サイドから簡単に侵入を許し、折り返されてはピンチを招く。今日は財前やシルビーニョにいつもの精彩がない。財前ほとんど上がれず、かとって守れず、状態はかなり悪いようだ。
 それでもチャンスもないわけではなかった。25分、千葉のパスがフリーの萬代に通り、狙い済ましてのグランダーのシュートも、わずかにゴール左横を通過。スラディングしてくるキーパーの頭越しにループを打てれてば楽に点になったのだが。35分、中央のフリーキックをゴッツェがシュート、グランダーで枠内へ、キーパーはじくところ詰め切れない。鳥栖のキーパーはグラウンダーに弱いようだ、次の対戦では、そこをつきたい。40分、今度はカウンターから森川抜かれ、鳥栖のどフリーも、シュートミスにも助けられ、いやなムードのまま後半へ。

 後半、財前に代え、村上入り、左へ、左のリャンが右に入る。しかし、右サイドを簡単に破られるようになると、ベガルタはかなり攻められる。2分、コーナーのチャンス、久々萬代の頭にヒットするもバーの上。ついで4分、村上が上がってのクロス、中央抜け出た千葉がキーパー前で頭に合わせるが、バーの上。さらに、リャンのクロスに村上がロングを放つがキーパー正面。とシュートを打てるようになる。しかし、鳥栖も負けじとボール際で粘り、サイドをえぐってくる。互いに攻め合う展開。
 20分、コーナーのチャンスからの相手ゴール前での、混戦、ゴッツェのシューは決まらず。逆に25分、かんたんに右サイドエリア内に侵入を許し、振り回されて同点とされる。その直後もカウンターから高桑と1対1を作られるがシュートがポストで救われたり、相手のミスキックで何とかしのぐ。

 33分、ヌネスに代わり西谷はいる。35分、村上のグランダーミドルを相手キーパー弾き、コーナー。右サイドのショートコーナーから、中央後ろでフリーだった萬代が走りこむ所にリャンが絶妙のクロスをあわせ、萬代がヘッドできれいに決めて勝ち越し。おろらく練習どおりだっただろう。ワンパターンで攻め手がなかったセットプレーからの得点。これで完全に気持ちベガルタ優位。鳥栖の足も鈍ってきて、ミスキックが多くなり。攻め込まれる場面もあるものの、ベガルタのプレスもようやく復活。43分には、大きなサイドチェンジから、西谷が相手DFをかわし、キーパーと1対1のチャンス。惜しいシーンがあった。が、そのままロスタイム3分もしのいで何とか勝ち越し、勝ち点3。

 監督の大目玉必至だが、得点シーンだけは、いい連係があった。まずは勝つこと、そこから始まる。誰よりも中味のことは選手が分かるだろう。次の試合に向けて修正し、勝ちにいく。今度は軽いプレーやラッキーでは勝てない。今日のようにボールから目を離したり、集中を切らすとやられる。相手を上回る運度量、そして自陣ゴール前での落ち着きを取り戻し、上を目指す。

シュート数:18-8、CK:9-3、FK:14-20 得点:大柴克友、萬代宏樹 (鳥栖)田代 警告:なし。 主審:穴沢 努
26 8月8日(日)19:00 川崎フロンターレ2-2 仙台
寿人 ヌネス
財前
 梁     村上
(萬代)    
千葉 シルビ
(熊谷)  
根引 ゴッツェ 森川
     (小原)
高桑
ロスタイム、寿人の2連発で劇的ドロー

サブは、小針、小原、熊谷、西谷、萬代。

 2点リードされての試合終了直前、ロスタイム4分間に、寿人が2連発で奇跡のような同点劇。他チームが勝てない相手からの貴重な勝ち点1。しかし、これも次で勝たなければ、プラス1としての意味がなくなる。次節が重要。

 風はあるものの、相変わらず蒸し暑い仙台スタジアム。雷の光りはあるが、シャワーはない。久々に18,751人。アウエー席もほぼ満杯。

 前半。川崎に負けない早い球回しで互角の戦いをしていたものの、トップスピードで左右に動き回っていた財前が疲れてくると、素早くラインを下げられ、次第に有効な裏への飛び出しやシュートが打てなくなってくる。互い攻守がめまぐるしく入れ替わる、展開の速い試合。10分、ジニーニョにどフリー許すもシュートは枠の外。ベガルタも23分、ファビオのパスが寿人の飛び出しに合って、ゴール!と思いきやオフサイド。しかし、相手カウンターを恐れてサイド攻撃ができなくなると、川崎の前3人による、ためては、飛び出す仲間にボールを出すという展開にやられ、次々とゴール前で決定機を作られる。これを、高桑や森川が飛び込んでなんとかしのぐ。

 一方ベガルタは何とか中盤で相手ボールを奪うとカウンターをしかけ、財前などが突破をはかり、何度かコーナーのチャンスは得る。そこで千葉や寿人の頭にヒットはするのだが、最後のこぼれを押し込めず、得点できない。右の村上もときおり、中央に切れ込み、得意のミドルを打つものの枠に行かず。
 35分、中盤でボール失うと飛び出したマルクスにサイドを抜かれ、最後はジニューニョに詰めれ先制許す。シュート前までのパスの展開では、ベガルタもかなりいいところまで、いくのだが、肝心の最後のシュートを誰がつめてどう打つかのイメージが共有され切っていない。その差が出た。しかし、その形はできつつある、と見た。終了直前、森川がプレー外のところで、倒れて担架で外に出るが、復帰。

 後半。開始早々から川崎がスピードアップ。次々にサイドの裏に走りこんで、クロスを放り込んでくる。ベガルタ中盤でのプレスが甘くなり、いいようにタメをつくられては、パスを通される。それでも7分、フリーキックからファーの寿人の頭に合うがシュートは枠の外。8分、腹部を抑えて不調らしき森川に代え(脳震盪とのこと)、小原入る。さらに10分には、千葉に代え熊谷入り、初出場。さっそく相手にしつくこくからんで、クロスを上げる。しかし、なかなか相手のラインを破れず、放り込みが多くなる。

 19分、リャンに代え、萬代を入れる。財前がトップ下から、左サイドに回るものの、守備には動く余力がない。20分、カウンターを食らって、つめていた逆サイドのアウグストに合わせられて2点目を失う。試合展開と、時間からいっても万事窮すを思われたが。。熊谷が入って、シルビーニョに代わって、前線にボールを供給できるようになり、ゴッツェも前線参加、次第にベガルタが押し込めるようになる。
 川崎は2点で安心したか、選手交代の時間稼ぎで、逆にロスタイムを増やしてくれ、3点目を取ることをさぼってくれる。そしてロスタイムは4分。

 まず、ロスタイム2分、シルビーニョからのラストパスに寿人がDFの間を抜け出し、最後はキーパーもかわして1点返す。さらにその直後、村上のパスをゴッツエが走りながら頭で前へ落とし、走りこんだ寿人が、またもゴール隅に決めて同点。代表玉ちゃんを彷彿とさせる2連発のゴールで奇跡のような同点に持ち込んだ。場内大興奮。選手も寿人を抱きしめたりして、ピッチの外で喜ぶ合う。当然かもしれない。

 しかし、しかし、まだ勝ったわけではない。本当はその後、熊谷の取った行動が重要だ。全員に早く戻れ、とうながし、とぼとぼ歩いて戻るゴッツェを叱りつけて、ゲームを再開させようとした。そう、彼は3点目を狙っていたのである。相手を考えると、これが目一杯だったかもしれない。また、残された時間も実際数十秒だった。結果は分からない。しかし、自らチャンスを放棄することはせずに、勝ちに行く態勢は取るべきだった。

 厳しい条件の中、選手達は良くがんばった。しかし、貪欲さを忘れてはならない。ベストゲームは勝ちゲーム。同時に残る試合に勝っていけば、この勝ち点が実質的にも活きてくる。準備は整った。ブレークすべし!中2日で次の試合。選手も興奮があるだろうけど、いいイメージだけを持って、今日はさっさと寝なさい。

シュート数:15-17、CK:10-5、FK:11-25 得点:佐藤寿人2 (川崎)ジュニーニョ、アウグスト 警告:千葉 (相手)伊藤 主審:西村雄一
27 8月11日(水)19:00 モンテディオ山形2-2 県総合
ヌネス
(萬代)
寿人   財前
     (西谷)
村上     梁
     (中田)
千葉 シルビ
根引 ゴッツェ 小原
高桑
2点差追いつかれ、またもドロー

サブは小針、熊谷、中田、西谷、萬代。

[スクリーン観戦記]
 いきなり映し出されたべすぱは、バックスタンド中央で、青とベガ色に2分され、頼もしい限り。入場12000人の半分がベガサポ。しかし数にかわらず、ここはアウエーには違いない。それを忘れるとしっぺ返しに合う。それにしても、軍曹克友とファイター森川の不在は大きかった。

 開始1分でリャンのクロスに寿人が頭で合わせてキーパー動けない先制点。相手を早めのプレスで追い込んで、ボールを奪いチャンスにつなげるベガルタペース。24分にも相手ボールカットから、シルビーニョが持ち込んで、ヌネスがうまくDFを引き付けてからフリーの財前にパス、これを財前決めて、2-0とリード。
 ベガルタ断然リードと思われたが、ここで悪い癖の中途半端なシフトダウン。次第に球際が遅くなり、相手ボールカットまではよくても、パス・スピードがへなちょこ。ただクリアするようなボールが続き、ピンチはさほどないものの、山形に息を吹き返される。

 後半。立ち上がりこそ、ゴール前でボールを回し、村上に2本をミドルを打たせるが、いずれもホームラン。メンバーを代えてきた山形に対し、マークが混乱、次々にボールを前に運ばれ、ピンチが続く。前半とまるで逆の展開で防戦一方。特にサイドを上がってくる選手に付き切れず、スペースを与えては、逆サイドどフリーを許す。ベガルタはカウンターの格好になるが、守りから戻るスタミナなく、ときおりのセットプレーがチャンスなのだが、活かせない。シュートも激減。15分、ヌネスを下げて萬代投入。しかしボール後追いの流れは変わらず、ついに18分、21分(オウンゴールだが、完全にフリーを許した)と連続で得点を許し、同点とされる。

 29分、久々にシルビーニョからスルーパスが寿人に通り、キーパー前に出るが、右で蹴れずシュートできない。33分、抜かれ放しのリャンをようやく中田に代えるが、相手の出足が良く、彼を走らせるようなパスが出せない。次第に集中も切れて、ルーズボールに寄らない選手が増えてくる。
 それでも終盤38分、フリーキックから財前がゴール前でフリー、狙ったシュートはバーの上。その財前に代えて西谷は入る。西谷、早速ボールキープして中央にクロスを入れるが、誰もいない。もっと簡単に。そして44分、連続のコーナーのチャンスから西谷がフリーでになるも押さえこまれ、コーナーこぼれ、また、球を押し込んだ寿人のシュートはDFに弾かれるなど、決めきれず、またしても山形戦ドロー。

 楽勝のはずが、負けなくて良かった状態の情けない試合となり、勝ち点1だけだが、ゼロではない。2点は取れても3点目が取れない、これが両チームの今の順位を象徴している。それでも、2位チームが勝てないジンクスが効いて、勝ち点差4でまだ首の皮はつながっている。納得などできない試合だが、ぐちぐち引っ張っていてもしょうがない。

 もう2日で水戸戦。勝ち点3だけでなく、点も取って、生き残りを図るのみ。今の上位チームは、これまでの節では下位とあたってきたので比較的勝ち点3を取り易かった。しかしこれからは、、潰し合いでかならず半分は伸び悩む。ベガルタはとにかく勝ち続けて、チャンスを待つ。切り替えろ。


シュート数:17-9、CK:7-1、FK:27-25 得点:佐藤寿人、財前宣之 (大宮)オウンゴール、星 警告:千葉 (相手)デーニ、星 主審:吉田寿光
28 8月14日(土)19:00 水戸ホーリーホック1-1 仙台
ヌネス(萬代)
寿人  大柴
(西谷)   
梁     財前
(村上)      
シルビ 熊谷

根引 ゴッツェ 森川
高桑
動き重く、ロスタイムPKで辛うじてドロー

サブは小針、小原、村上、西谷、萬代。水戸は小林、磯山の2トップ。

 久々涼しい風の吹く仙台スタジアムにもかかわらず、疲れからか全員の動きが重い。シルビーニョ他全員のパスに鋭さがさなく、ボールを受ける動きも少ない。内容的には今季でも最悪に部類の試合だが、ロスタイムのPKでなんとか引き分けに持ち込み、またもギリギリ皮つなぎの勝ち点1。

 水戸はライン2本で守りをかため、攻撃は前2人だけにやらせるパターン。ベガルタは攻め手がないまま、ロングボールを前線に入れるが、長すぎたり、クリアされたり、高さがない分、ポストプレーができない。さすがのヌネスも3人に囲まれては自由にならず、しかも寿人、大柴とも距離がありすぎて連係できない。両サイドのふたりも相手カウンター狙いの防御で手一杯。たまにフリーになっていても、サイドチェンジする送り手がいず、孤立。5分、相手にフリーキックを与えるが、直接のシュートはバーの上。10分、寿人にロングボールが会うがボレーシュートはヒットせず。
 
 ついに前半16分、中央のパスカットをそのまま持ち込まれ、高桑とDF陣が重なるところ磯山に決められ先制許す。直後、ベガルタにもフリーキックのチャンス。左からリヤンが蹴るがキーパー正面。水戸は守りを固め、シルビーニョにはマンマーク気味について、ベガルタはボールを持たされるだけで、なすずべなく、緩いボールを左右に横パスするだけ。水戸は前2人だけで裏をとってのカウンターでチャンスを作り、40分にも、小林に抜け出されあわやのシーン。ここ2試合であった、前半だけでも鋭い攻撃が鳴りを潜め、攻め手のないベガルタ。42分、久々の大柴のロングシュートからようやくベガルタも攻めこんだものの、シュートまでも行けず。


 後半、開始早々、ベガルタも押し込み、連続コーナーなどのチャンスを作るが、シューターにヒットせず。7分逆に、こぼれをカウンターで運ばれ、どフリー許しピンチを招く。高桑が指1本で掻きだして、クリア。一時高桑にバツ印でる(指脱臼、トレーナーが嵌めたとのこと)が、なんとか続行。8分、相手DFのクリアミスをヌネスが拾って前につめるが、キーパーに阻まれる。10分、左サイドでリャンが相手のまた抜きで裏に通し、熊谷がゴールライン際をゴールに向かって進むが、シュートはとしては角度なく、パスとしては味方がさわれないキックで決まらず。

 12分、リャンに代わり村上入る。15分には、ヌネスに代え、萬代。今日の萬代は、いつもより中央で待ってヘッドでのシュートなど狙うが、いずれも惜しくも枠の外。
 20分、左サイドから財前がひとりで持ち込みPKゲット。しかし寿人がはずし、いやなムードに。PKを誰が蹴るか、譲り合うようなシーンが見られたのが情けない。人のボール奪ってでも、俺が決めてやるという、どあつかましさがベガルタには足りない。

 その後は次第に、カウンターでの攻守が激しくかわる展開で、ピッチを広く展開するのは水戸。ベガルタはパス出し、動き出しがもうひとつで、常に狭い領域に押し込まれ、早い攻撃ができない。40分、村上がサイドからえぐって、萬代に頭にどんぴしゃも、DFに体を入れられ、枠をとらえられず。42分、寿人から西谷に代わる。森川のロングスローからまたも萬代の頭に合うが、キーパー正面。43分にはカウンターから完全に相手独走を許すが、水戸のシュートはポスト、まだ運はある。

 そして、ロスタイム、コーナーから混戦、ゴールへ押し込んだところ相手DFハンドで退場となりPK、これをゴッツェが相手キーパーを弾き出すシュートで決め同点となるが、流してくれれば、もう少し時間があったような気がする。バスケットカウントはないものか。

 がっかりだけど、とにかく次も勝ち点3を狙うだけ。とりあえず休め。そして、気をつけ!前へ進め。

シュート数:20-11、CK:10-3、FK:13-18 得点:セドロスキーPK (水戸)磯山 警告:熊谷 (相手)北島、小椋、柴小屋(退場) 主審:柏原丈二
29 8月21日(土)19:00 アビスパ福岡 0-1 博多の森
中原(萬代)

寿人 大柴 財前
  (ヌネス)
梁  シルビ 熊谷
(村上)      
根引 ゴッツェ 森川
高桑
前半の決定機逃し、89分PKで失点

サブは小針、小原、村上、萬代、ファビオ・ヌネス。

 W杯予選帰りのゴッツェがスタメン。ワントップの中原久々の先発。U-19 上がりの萬代もベンチ入り。

 試合開始早々はベガルタがチャンスを作った。キックオフの返しを大柴が追いかけてあわやキーパーと1対1に。3分には、財前の切れ込みからチャンスを作り。コーナー。右からのキックのファーに森川飛び込むがDFに体を入れられる。しかし、次第に福岡が中盤を支配し、ベガルタが後追いの時間になってくる。ベガルタはカウンターによる放り込みのみ。

 13分、中原が相手DFのボールにうまくつっかけて2人をかわし、どフリー、右サイドから慎重に入れようとするがキーパーにつめられチャンス逃す。15分には大柴の突破からリャンがミドルを打つがバーの上。相手の攻撃をしのいでの25分には、財前からのスルーパスにうまく裏をとった中原がシュートのチャンスを得るが、角度ないところからループを狙い、はずす。逆サイド、寿人もいたのだが。30分にもフリーキックから、財前が意表をつくパスでシルビーニョにシュート打たせるがホームラン。シルビーニョは今日も動けない。いいときの反転力がない。明らかにおかしい。内転筋は完治しているのだろうか。

 このあたりから、急激にベガルタの運動量が落ちてボールウォッチャーが増える。それというのも、福岡がワンタッチプレーでボールを動かし、寄られたら背中を向けて走りこんだ味方にパスするという簡単なプレーをやってくるので、飛び込めないのだ。ましてや、ベガルタの運動量が少ないので、二人で囲むということもできない。中央で人はいるのだが、ずるずると下がるばかりでつっかけるダイナモが不在。結局FWまでが自陣奥までさがって守り、反攻したくても前には人がおらず、中原はかこまれてキープできない、という状態が続く。
 34分、バックパスを狙われ、クロスを放りまれるがシュートは高桑弾く。44分にも決定機を作られるが、なんとかしのぐ。

 後半、中原に代えて萬代。しかし後半も福岡が完全にボールを支配、ベガルタはさわることもできない状態が続く。シュートをうたれ、コーナーに逃げるという展開。セットプレーの中央での守備はなんとか、体をいれてフリーで打たれたのは1本くらい。しかしピッチ中央でのこぼれ球に対するプレスがまったくできず、ことごとく拾われては、サイドからえぐられる。ピンチの連続。ベガルタは単発的に相手ボールを拾ってカウンター。

 それでも20分、財前がGKにチャージ、相手のキックをひろってあわやフリーとなりかけるが、もう一歩足らず。25分熊谷の突進からコーナー得るが、決められず。26分、リャンから村上へ交代。勢いよくドリブルで進むが持ちすぎてボールを奪われる。福岡の方が依然寄せが早い。29分には寿人がうまく相手DFの裏をぬけるが、シュートはキーパーに阻まれる。逆に31分、福岡にどんぴしゃクロスを頭で合わせられるが、高桑の正面でキャッチ。40分、大柴に代えてヌエスをいれるが、流れからの攻撃はなかなかできない。次第に集中が切れてマイボールでさえ簡単に奪われるようになる。

 そして、攻められながら無得点に押さえ、引き分けも見えた89分、根引が裏をとられかかり福岡の選手と交錯、PKを取られる。判定微妙だが、裏にパス通された時点で終わり。万事窮す。ロスタイム、速い展開と放り込みで押し込むが、シュートを打たせてもらえない。この早いサイドへの展開をもっと早くだせればチャンスも増やせただろう。


 ベガルタのシュートはわずかに5本。しかしその中には、決定的なシーンが3回あった。ひとつは決めれば、劣勢の試合でも勝つことはできるはずだ。とにかくFWは何度失敗してもすぐ起き上がり次を狙う貪欲さが欲しい。下向いていてもシュートは打てない。
 中3日で次の試合。痛いのかゆいの言ってられない。動ける選手を中盤に入れ、もう一度、勝ちを目指す。戦術、布陣以前に、運動量で負けている。もう一度原点にもどり、自分から動いて、自分から声を出し、人は使い、簡単なプレーでゴールを目指すべし。

シュート数:5-14、CK:4-6、FK:12-20 得点: (福岡)山形PK 警告:熊谷、根引。 (相手)なし 主審:辺見康裕
30 8月25日(水)19:00 湘南ベルマーレ4-1 仙台
寿人 ヌネス(中原)
大柴(西谷)
梁     財前
    
シルビ 熊谷
(千葉) 
小原 ゴッツェ 森川
高桑
PKに退場、敵失逃さず4-1で久々勝利

空に月。ベガルタにツキ。早くも秋の気配を感じる仙台スタジアムに久々のゴール・ラッシュ。

 サブは小針、村上、千葉、西谷、中原。根引が累積出場停止、久々に小原がスタメン。前節機能しなかった3331を352に戻し、大柴トップ下。

 前半43分の相手ハンドのPKでヌネス先制から始まって、湘南に退場者が出た後半、その割りは、数的優位をいかしたとは言いかねる展開ではあったが、最後は大柴、財前、寿人とゴールに飢えた攻撃陣がそれぞれ味のあるゴールを決め、大味でもうまい、勝利に。

 つい一週間前までは猛暑で蒸し暑かった仙台も、半袖では肌寒いくらいの夜。乾いた風も吹く。空に半月。平日の試合とはいえ夏休み、13135人は寂しいが、無理して来た人にはご褒美。
 試合は初めからベガルタがボールキープ。引き気味湘南はカウンター狙い。ベガルタは相手サイドでボールを回すが、横パスばかりで縦の動き、サイドチャンジのロングパスが影をひそめ、狭い地域でのパス交換。なかなかラインを崩せない。相手には省エネ防御となり、またもボール持つだけの、悪い入りを予感させた。しかし湘南も体が重いのか、前半はパスミスやイージーなシュートが多く、ベガルタのペースは揺るがない。

 7分大柴のクロスに、シルビーニョが飛び込んでのヘッドはキーパーキャッチ。しかし8分、今度は、湘南に速攻で裏を抜かれ、サイドからきれいなパスに、中央詰められるが、なんとかDFが体を寄せ、高桑がセーブ。20分頃まで、中央でのせめぎあいから湘南ペースに変わり、サイドなどからせめてくるが、ここはベガルタも守りを固め、しのぐ。

 19分なかなか中に入れないところで、大柴が久々のロングシュート、枠外だが、一呼吸いれる。25分、リャンから寿人でシュート、相手が弾き、コーナー、ゲット。27分、寿人と財前で中央突破を図る。30分過ぎからは、なかだるみ、両チーム決め手を欠く、眠たい展開。そして43分、湘南ゴール前の混戦からDFのハンドでPK.。ここはベガルタの「PK王」ヌネスの、自身通算4点目となるPKを、今日もグラウンダーでしっかり決め、先制!決定力不足に悩むチームとしてはどんな形でも先制はありがたい。相手の敵失を拾って確実に勝利に結びつけるのがサッカー。これで楽になった。直後には、寿人が相手DFとの競り合いから、ボールを奪って一瞬フリー、間髪いれず、シュート。相手キーパーの美技に阻まれるが、気持ち楽になった寿人の動きにキレが出てきた。

 後半。ヌネスに代え中原が入る。開始早々、寿人、から中原、そして大柴がシュート。前半にないゴール前でのタメが出てきた。そして5分。寿人が裏に飛び出し突進するところ湘南城定の後ろからのファールでイエロー2枚目の退場。リードしての相手10人。
 ベガルタは大きい展開がようやく出始め、次々速攻からシュートチャンスを作るが、シュートまでに手数かけすぎなどで、なかなかゴールできない。湘南はパラシオスを入れてくる。
14分、ようやく財前が中に切れ込み、寿人がシュート、こぼれたところ低空バイシクルシュートで素早く大柴が振り抜くと、これがゴール隅に決まって2点目。一気にベガルタペース。直後、中原のポストから、リャンのパス、またも財前が中央に切れ込んで、今度は自分でDFを切り返しでかわしての、左足シュートで3点目。


 2分後、完全に大量得点ペースと思いきや、ペースダウンを図ったのか熊谷が自陣でボールをこねているところを奪われ、あっというまに1点返される。イケマセン。
 今日は運動量豊富に攻守に活躍した熊谷であるが、どうも相手を必要以上に引き付けすぎるきらいがある。まだ完調ではないのだろうが、本人のイメージほどボールはキープできていない。球離れを良くして貰いたい。そのあとも10人の湘南が、ワイドに展開、意地を見せてカウンターで走りこんでたびたびピンチも、なんとか、ひとりは付いて、シュートコースを高桑正面に限定させる。

 20分、シルビーニョに代えて千葉が入る。相手のマークにつき、カウンターを遅らせる役目。パス出しはいまいちだが、守りでは仕事した。その後も前がかりの湘南のスペースをついて、ゴッツェの攻撃参加など、どんどん速攻するのだが、シュートまでが思い切りわるく、守られてしまう。それでも38分、大柴が右に抜け出し、中央の寿人の上がりにどんぴしゃクロス、寿人、思い切りジャンプしてのヘッドが決まり4点目。エースらしい得点への意欲を感じる快心のゴール。

 後は中原待ちだったが。。。途中の肩強打もあり、集中が切れたのか、コーナーが始まってるのにボールから目を離すなど、せっかくの得点への機会でも消極的。ポストをやれとの指示だったかもしれないが、ペナルティエリアに入ったFWは王様。ゴールのために何をやってもいいはず。突き進んでほしい。できる力はある。元気だせ。野獣打つべし。

 終盤。中央でパスカットされ、あきらめない湘南の、カウンターや、パラシオスの高い打点のヘディングシュートなどでピンチもあるも、体を寄せて辛うじて防ぐ。最後は大柴に代え、西谷をいれ、財前とふたりで時間を使い、4-1。久々の大勝に、V花火が在庫一掃、5発10発と、澄んだ七北田の空に打ち放たれた。


 大きく前進、小さな反省で、今日はいい汗流して、中3日次の試合も取りにいく。今はただ、目の前の試合を勝ちに行くだけ。

シュート数:20-9、CK:11-2、FK:17-19 得点:ファビオヌネスPK、大柴克友、財前宣之、佐藤寿人 (湘南)柿本 警告:ベガルタなし。 (相手)金、城定2=退場 主審:小川直仁
31 8月29日(日)19:00 横浜FC 0-0 三ツ沢
中原
寿人  大柴 
(村上)(萬代)
 梁     財前
      
シルビ 千葉

小原 ゴッツェ 森川
高桑
雨中でミス多し、勝ち点1

サブは小針、根引、石井、村上、萬代。

今のベガルタは相手に合わせてしまう癖がある。だからピリッとしない相手とは同じようなプレー試合になってしまい、むしろシビアなチームと対戦したほうが、緊迫感の中でいいパフォーマンスが出せる。よそのことを言えたギリではないが、ミスの出し合いで互いにチャンスを潰しあい、結局スコアレス・ドロー。

 前半。いきなり横浜FCがコーナーのチャンス。相手シュートはホームランで一息つく。5分ベガルタもサイドの振ってチャンスを作るが、有効なクロスが入れられない。7分、左サイドベガルタ陣内でFKのピンチも、なんとかしのぐ。その後も雨の降りしきる中、ベガルタの細かいパスはうまく通らず。中盤のルーズボールをしっかり支配する横浜FCの時間が続く。11分、ゴールライン際にパス通されるが、中央での相手シュートの空振りに救われる。

 12分ようやくベガルタも中央付近からリヤンがシュートする。14分、うまく中原が相手DFをかわし、右サイドからアウトにかけたゴロのパス、これが左から上がってきた寿人にぴったり合うが、スライディングのシュートは上がってしまい、バーの上。中原今日ほとんど唯一の、しかしベストなプレーだったが決まらなかった。しかし、これでベガルタにも勢いが出てきて、19分、リャンがDFをかわしてクロスを入れるも決められない。

 その後はベガルタの攻撃も単調となるが、26分には、大柴が意表をつくミドル・ループ、相手キーパー。しかし、その後は中盤での争いで勝てず、シュートも打てないない時間が続く。28分には、縦にゴール前に通され大ピンチも、相手シュートは高桑がじき出す。横浜FCも攻めてはいるが、持ちすぎやロングパスのミス、真中のホームランで勝っ手にリズムを崩してくれる。

 後半。ベガルタがややプレスを早め、ようやく中盤でボールを支配できるようになる。12分、ゴールからは離れているが、中央でフリーキックのチャンス、うまく裏にいた中原に合うがヘッドはバーの上。15分、大柴に代え萬代入る。直後、シルビーニョのスルーパスがうまく寿人に通るが、DFに挟まれる。20分以降はベガルタもプレスもあまくなり、こぼれ球をひろわれてせめこまれるが、相手の方もラストパスの精度を欠き、凡戦模様に。

 26分、ひさびさ相手陣左45度のフリーキックを得るが、キックは流れる。33分には財前が右からキーパーとDFの間に早くクロスを入れ、寿人がうまくラインを振り切ってヘッドでひねるが惜しくも枠の外
 34分、寿人に代わり、村上入る。入るなり相手陣で不用意に手を使い、イエロー。無駄。加えて、ピッチ上で一番興奮している人のためにカード乱舞。キーパーチャージのような危険なプレーは見逃され、軽い接触はいきなり黄紙。さすがに国際舞台を知っている人は試合の流れを切るのがうまい。42分には、中原が相手選手のヘッドでの競り合いで2枚目イエローとなり、退場。10人となって、大柴、寿人という運動量が多い二人が抜けては、負けないのが精一杯だった。
 
 失ったものを嘆いても仕方ない。上位潰し合いの中で、ないよりマシの勝ち点1。次節京都戦、中原、大柴が出場停止だが、西谷にヌネスもいる何がなんでも、どんな形でも取りに行く。勝てば含み勝ち点が出てくる。今日雨の中応援し続けてくれた人達の意気をついで、ホーム京都戦を勝利すべし。

シュート数:9-10、CK:3-5、FK:24-34 得点:なし  警告:千葉、大柴、リャン、財前、村上、中原2=退場、セドロスキー (相手)真中、中島 主審:塩川拓司
32 9月4日(土)19:00 京都パープルサンガ4-3 仙台
寿人 萬代
(熊谷)(西)
財前
 (根引)
梁     中田
    
千葉 シルビ
小原 ゴッツェ 森川
高桑
激闘、勝ち切る。財萬寿寿

サブは小針、根引、熊谷、西谷、西。京都はチェと田原の2トップで黒部はベンチ。

 試合終了直前ロスタイム3分、スタジアムにフォルツァの声が地鳴りのように響く。前半から激しく降っていた雨も気がつくとやんでいる。残り20分を10人でしのぎながら、勝ち越し点も奪い、最後は逃げ切った。選手たちの勝ちたい気持ちが伝わる激闘は、ベガルタの勝利に終わった。まだまだ、物語はこれからだ。

 試合前から落ちていた雨が激しくなる。気温以上に蒸し暑くて、スリッピーなコンデションでも、早めのプレスから相手ボールを奪っていたのはベガルタ。京都はアーリークロス気味に2トップに合わせてくるが、精度いまいち。しかし、5分京都にコーナーのチャンスを作られるも萬代がクリア。直後りゃんのクロスに萬代飛び込む。ベガルタは執拗に京都DFの裏を狙う。しかし、前半13分、左サイドでフリーキックを与えオフサイドトラップかけそこないからチェにフリーを許し、先制される。

 しかし、早い段階の失点でかえってふっきれたように、3分後、リャンのクロスに財前が裏を取って胸トラップ、キーパーと1対1は、逆を取り左足で流しこんで同点。いやなムードを一掃する。何よりも今日はシルビーニョが復調、随所でキラーパスを通す。中田もしばしば得意の上がりを見せるもクロスがもうひとつ。しかし、相手サイドに完全に意識をさせた。中央でのプレスもベガルタの方が早く、森川、千葉が相手ボールをしばしばカット、前線につなげる。

 23分、ベガルタ陣内で寿人粘り、相手ボールを奪って、前を向いたシルビーニョへ、シルビすかさずが萬代へのスルーパス、押し上げていた京都DFのラインを抜け、萬代キーパーとの1対1をを早めに仕掛けてインサイドで右隅に決めて2点目、勝ち越し。その後も、シルビーニョのノールックパスが千葉に通り、財前がシュートなど、ベガルタペース。しかし30分カウンターでサイドを抜けられ、チェに合わされるが森川が体で飛び込んで阻止。今日の森川は身長差をもろともせず、果敢にチェに体をぶつけて、やる気をそぐ。
そして38分、またもシルビーニョのスルーパスが裏をつき、寿人がDFの間に走りこみ思い切り良くダイレクトで打つと、これが決まり3点目。今季初、前半だけで3点。しかも決定機を逃さず決めた。

 後半。さすがに京都もだまっていない。ワンタッチ・プレーでベガルタのプレスをかわし、追い越した選手がクロスを上げる戦法に出てきた。疲れの見える、中田、萬代、財前のプレスも甘くなり、中盤を支配され、ベガルタはカウンター狙いと、前半と逆の展開。ついに15分、ゴッツエ攻撃参加のうしろをつかれ、するすると上がられて田原に失点3-2。

 この後は防戦一方。さらに22分、小原2枚目イエローで退場、10人となり苦しくなる。25分、やむなく財前に代えDF根引を入れる。しかし10人では引かざるを得ず、しかも寿人以外は前に走りだす余力もなく、苦しい展開が続く。相手はどんどんクロスを放り込んでくるが、途中出場の黒部がいまいちで助かる。そして35分ころからは、京都も攻め疲れで戻りが遅くなったところを、ようやくベガルタもカウンターで攻め上がれるようになる。
 37分、押し上げた千葉のスルーパスがDFの間の寿人に通り、インサイドで決めて4-2。10人になって流れから取った得点。しかし、2分後集中切れから中山に左サイドをつかれ、1点差まで追い上げられる。40分萬代に代わり西入る。京都も疲れが出て中盤崩せず、ロングシュートに頼る。ロスタイム3分、最後はベテラン熊谷を投入して、中盤でキープ、チームを引き締め逃げ切った。

 試合後、途中退場となってしまった小原がベンチ前で出迎えて、選手ひとりひとりと握手していた。頭をみんなに小突かれながらも、うれしそうだった。ほっとしたことだろうう。欠場者が出ても、これまでいろんな選手を使ってきたことで、強敵にも互角に戦える。次節は大柴、中原が戻る。全員が同じ方向を向いて力をあわせれば何かがおきる。

 今日は何より勝ち点3がすべて。戦う気持ちがすべて。評論は必要ない。激闘を勝ちきった自信を胸に、次も勝ち行く。次の試合に向けて、また挑戦しよう。挑戦する選手たちは、どこまでも応援する。


シュート数:7-13、CK:2-5、FK:13-28 得点:財前宣之、萬代宏樹、佐藤寿人2、 (京都)チェ、田原、中山 警告:シルビーニョ、小原2=退場 (相手)手島、チェ、金、萩村 
主審:大西弘幸
33 9月11日(土)19:00 コンサドーレ札幌0-1 札幌ド
中原(西)
寿人 大柴
 (関口)
梁     財前
    (中田)
千葉 シルビ
根引 ゴッツェ 森川
高桑
動き重く、敗戦。

サブは小針、村上、中田、関口、西。

中盤でのプレスで競り負け、FW陣の連動を作る余裕もなく完敗。
相性だろうか、対戦で分のいい成績の札幌は動きが良く、逆にベガルタはドームのピッチに合わないスパイクを履いているかのように滑り、動きも重い。[スクリーン観戦記]

 2分、いきなりサイドを上がられてクロスを入れられる。中盤でもこぼれ球がことごとく札幌へ。10分、ベガルタも速攻、大柴がクロス入れるが、シュートまでいけず。12分、左サイド財前の裏をとられ決定機を許すが、札幌のクロスは高桑かき出す。13分、中央でパスをうけた中原、反転シュートするも力なくキーパ正面。ついで左フリーキックのチャンス、ゴッツエの頭にヒットするが、これまたキーパー正面。さらに、リヤンから大柴、寿人と通るが、かわせず。

 さらに、寿人がひとり抜けだして、エリア内で後ろからチャージされ、PKかと思われたが、取ってもらえず。30分には裏に抜け出した中原がこぼれ球をゴール入れるが、オフサイドの判定で、幻のゴール。その後は、嫌なムードを切り替えられずにいると、次第に足がとまり、札幌にボールを支配され、ミドル、ロングをシュートを次々許す。ついに、35分、中盤でカットされ、簡単に千葉の裏に走りこまれたを決められて、先制される。

 後半。立ち上がり寿人が、裏へ走りこんだリャンにパス、えぐってチャンスを作るが、中央詰めきれず。ようやくベガルタも前がかりで、相手ボールをカットできるようになるが、全体の動き出しが重く、また札幌の後ろからのチャージに悩まされる。8分、財前に代え中田入る。しかし、前にスペースなく、得意の上がりをあまりかけられない。それでも相手サイドの上がりは押さえ、ようやく中央でベガルタが攻撃をしかけられるようになる。

 しかし要所でボランチ二人がプレスを受け、FWの反応も遅くなり決定機がなかなかできない。そんな中、カウンターから寿人が抜け出し、中央後ろから上がってきたゴッツエ?にあわせるが空振り。札幌は引き気味になりカウンター狙い。ベガルタもコーナーなどでチャンスはあるのだが、押し込めない。30分、大柴のミドルは惜しくも、キーパー正面。40分、大柴に代え関口、中原に代え西を入れる。直後、右フリーキックからヘディングシュートを相手キーパーこぼすが、関口もう一歩詰められず。。。焦るベガルタは小さくつなぎ過ぎ、前線は固まって張ってるだけになり、ロスタイムは札幌に時間を使われて終了。

 内容最悪だが、ぼやいていても次が勝てるわけではない。切り替えて、動ける選手をタイミング使っていってしかないだろう。次は鳥栖とホームで、中3日で甲府。厳しいけれど連勝を狙っていくだけ。それにしても、ポストが必要なら、この際、ゴッツェを最初からFWにしたらどうだ?疲れてから上がっても点取りにくいだろうて。

まだまだ、これから。残り全勝できるチームがあるわけではない。強いの弱いの言ってると、さほど強いとも言えないチームにただ昇格を差し出すだけなる。選手は一年勝負。チャンスがあるのだから、今、勝負する。まず次。

シュート数:7-11、CK:6-4、FK:23-21 得点:(札幌)砂川 警告:中原、セドロスキー (相手)権東 主審:池田直寛