2001年 J2観戦記4回戦(34-44節)


節 期日 キックオフ 対戦相手 会 場
34 9月23日(日・祝)13:00 湘南ベルマーレ3-2 仙台
苦しみながらロスタイム執念の決勝点、3-2

大友 マルコス
(中村学)  
財前 山田
(蓮見)  
中村 千葉
(光岡) 
賀谷渡邉リカルドヴィエラ

高橋
足小指ひびで欠場の藤吉に代わり大友が先発。そのほかは前節と同じ。ヴィエラが右DFに。サブにはDF登録の村上に、久々MF中村学、蓮見、光岡、前川。前日大宮が敗れ、3位上昇のチャンス。

 仙台スタジアムは一気に秋の気配。快晴、気温20度、微風、サッカーには絶好のコンディション。やっぱりベガルタが好きな13000人。試合開始前にはアメリカテロ事件の犠牲者に向けて黙祷を行った。世界中の人々がサッカーを楽しめるようになりますように。
強い日差しを考えてか、珍しくアウエーゴール側サイドからのスタート。

 前半初めから攻撃的な湘南。ボール支配でベガルタを上回る。中盤ではこぼれ球をことごとく拾われ、左右からDF裏に次々攻撃をしかけられる。スピード、体つき、早い展開、正直どっちが上位か分からない。特にベガルタ右サイドを徹底的にえぐってくる。
ベガルタは攻め手がなく苦しんでいたが、6分、カウンターから、マルコスがヘッドで競り勝ちポストプレー、走りこんだ大友へ、大友ダイレクトでグラウンダーのシュート、これがキーパーの手の先をすり抜けてゴール左隅に決まり、先制!マークがきついマルコスをおとりにしてポストプレーをさせることが今後につながる。ようやくそれが出てきた。

 16分には、マルコス、山田、千葉、マルコスとつながり、最後マルコスはショートバウンドを即シュート、これがキーパー一歩も動けないミドルシュートとなり2点目。20分過ぎからは、押されながらリードしたことで、ようやく攻撃にもリズムが出てくる。相手へのよせも早くなり、ボールを支配できるようになる。全員にスピードが出てくる。

 25分から30分中だるみ、その後はめまぐるしい攻守の入れ替えで両チームとも消耗戦。ベガルタもマルコス、財前などが次々シュートを放つ。35分、上がったDFが守りがもどり切れず、完全に数的優位を作られ失点許す。2-1。しかしその後は、マルコスまでも守備に走り、何とかリードを守って前半終了。

 後半。
立ち上がり、いきなり相手コーナーキックに飛び出したGKノリオが返しのシュートに際どく反応何とか守る。55分過ぎからまたも湘南が息を吹き返し、スピードに乗った攻撃をしかけてくる。中盤でボールを拾われ、また押され気味。それでも、60分過ぎにはしばしば中村伸が2列目から飛び出し、攻撃にバリエーション。しかし、68分またもカウンターから、右サイドを破られ完全に数的優位を作られ2-2。追いつかれる。

 68分、財前から蓮見。73分には、その蓮見がペナルティエリア内に侵入、中村伸、山田とわたるがシュートは決まらず。75分中村伸から光岡。3トップ。80分過ぎにはマルコス、光岡にフリーでシュートのチャンスがあったが、決まらず。徐々にベガルタペースになるが点にならない。しばしば見せる湘南のカウンターにひやひやするが、肝心のところで湘南がファールしてくれるので、流れはこちらのまま。両チーム追加点がないまま残り時間が刻々と少なくなっていく。87分大友から中村学。

 そしてロスタイム。92分、山田の右隅からのフリーキックからDF渡邉のヘディングが、マルコスの足先と、キーパーもすり抜けてゴール左隅に決まり、勝ち越し3-2。残り時間の湘南の猛攻もクリア逃げ切った。

 藤吉、岩本、森、村田、飯尾と主力5人を欠きながら、調子を上げている相手に最後は執念で粘り勝ち。戦力的に厳しくても何か違うものを感じる、今までブランメル・ベガルタ時代を通じて足りなかったもの、具体的な目標に向けての「勝利への執念」が見えてきた。修正すべき点も多々ある。選手のやり繰りも苦しい。しかし、これから続くタフな試合でも、これがものをいってくれるだろう。
35 9月30日(日)15:00 川崎フロンターレ0-2 等々力
ミスから失点。首位に並ぶチャンス逃す。


大友  マルコス

財前 山田
(光岡)  
中村 ヴィエラ
(蓮見)  
賀谷 渡邉 リカルド森
(村上)    
高橋
前節の借りは返したかったが。チャンレジャーはこっち。相手のペースにはまるな。森が謹慎とけて復帰したが千葉直樹警告累積で欠場。サブは前川、蓮見、光岡、中村学、村上(DF登録)。川崎は阿部ヨシが先発。K氏情報ほかより本日経過のみです。

 雨。前半立ち上がり15分までは六四で川崎のペース。ベガルタ守りにやや落ち着きなしとのこと。26分マルコスに警告。

後半。52分箕輪のヘッドにやられ失点。56分、中村伸に代わり蓮見投入。守りのミスから65分今野にやられ0-2。粘れ!68分財前から光岡。3トップ総攻撃。山田、技を見せろ。79分、賀谷から村上。サイドから攻撃せよ....

相手にしっかり守られ、首位に並べる緊張からか、それを崩せなかった模様。そのまま試合終了。

やはり直樹の欠場が痛かったか。戦いは、まだ始まったばかり。ホームで。
36 10月6日(土)15:00 アルビレックス新潟 4-2 仙台
後半リカルド他一気に4得点で逆転


大友 マルコス
(光岡)    
岩本 山田

千葉 ヴィエラ
    (財前)
村田 渡邉 リカルド森

高橋
観客増で勢い調子の出てきた相手。新潟は寺川が出場停止。ベガルタは5試合ぶりの岩本復活で差をつけられるか。
サブは前川、財前、蓮見、中村伸、光岡。

 久々の秋晴れ。バックスタンドは西日が当たり暑く感じるほど。飛行機雲が北に向かって白い尾を伸ばす。これは吉兆か。

 開始早々の岩本のコーナーキックがマルコスにどんぴしゃで、今日は幸先いいと思ったが、実は攻めらしい攻めはこれくらいの前半。とにかくベガルタの動きが鈍い。集中が早くも切れたかのようなパスミスのオンパレード。新潟の早い球回し、早い戻りにカウンター一発しか攻め手がなく、容易に守られてしまう。

 25分過ぎには新潟にも攻め疲れが見られるのだが、それをつくベガルタの攻めも単調。逆に、29分、岩本がスルーしたボールをうまくサイドに振られ、フリーの鈴木に決められ失点、0-1。その後も新潟のパス回しに振り回される重苦しい展開。しかしギリギリのところで、なんとかDFがしのぎ追加点は与えず、なんとか後半に望みをつないだ。

 後半になり、ベガルタも攻めだすのだが、いかんせんパスがイージーでつながらない。58分、たまらずヴィエラに代わり財前投入、ここから攻撃の起点が増え、やや疲れた新潟相手に反撃開始。千葉直樹のワンボランチになって動きがスムーズになり、相手とボールの間に体を入れて動き回る。
60分、財前がファーサイドのリカルドにどんぴしゃの左コーナーキック。リカルドこれを狭いサイドから確実にヘッドで決め、同点。チームの重苦しい雰囲気を一気に晴らす貴重な得点。リカルドの今季初得点。ひょとすると今シーズンの流れさえ変えたかもしれない勝ちある同点弾。ベガルタ息を吹き返す。一気に流れはベガルタへ。新潟足が止まる。

 続いて67分には、ほとんど岩本の直接ゴール(新潟のヘッドになりオウンゴール)のようなCKで2-1。71分、大友から光岡。75分、新潟は一気に3枚変えで流れを変えようとするが、リズムの出てきたベガルタの攻撃を止められない。
80分山田から絶妙のパスが走りこんだ光岡へ、光岡がゴールライン付近で粘ってセンタリング、マルコスが詰めて押し込み3-1
85分、独走のマルコスを新潟セルジオが後ろから倒して一発レッド。マルコスがこのPKを止められ、キーパー弾くところを、今度は光岡が詰めて4-1。終了間際にクリアミスでオウンゴールを与えるものの、4-2で90分勝ち。サバイバルに勝ち点3で生き残った。

 それにしても選手の重い動きが気になった。疲れがたまっているのだろうか。連戦だが最後の勝負どころ。十分にケアして、カッコ悪くても泥だらけでも勝利をもぎ取っていきたい。最終節まで縺れてくるはず。必ずチャンスはある。
37 10月13日(土)14:00 モンテディオ山形 2-0 山形県
対山形2-0。宿敵破り、勝ち点で首位京都に並ぶ


マルコス 大友
    (光岡)
岩本 山田
     (蓮見)
中村 千葉
(財前)  
村田渡邉リカルドヴィエラ
 
高橋
「みちのくダービー」で昇格を争う時代になった。アウエーでも負けられない。

 会場の天童市は低く黒い雲からぽつぽつと雨が降ったかと思うと、夏のような強い日差しが雲間から照りつけ、不安定な天気。しかし風は秋らしく乾いている。芝のコンディションは良さそうだが、雨上がりでスリッピー、これがどちらに運をもたらすか。12000人の半数はベガルタ色。山形サポーターもふだんより多く集まり、「ダービー」にふさわしい盛り上がり。

 山形はDF鈴木(健)が、ベガルタは森が警告累積で出場停止。ベガルタのサブは前川、蓮見、財前、賀谷、光岡。他のサブがベンチに待機するなか、ひとり、スタンド下でストレッチする財前。何を思っていたのだろうか。

 前節に引き続き、前半は「死んだふり」というか、山形の方が決定機が多い。早いサイドチェンジ、2列目のオーバーラップから早いセンタリングと、教科書通りの攻めを着実にしかけてくる。一方、ベガルタは球出しが遅く、コースを読まれてしまう。ヴィエラのサイドバックも、ボールを待ってから動きだすので冷や冷やもの。
 28分には、DFの間を抜かれ、あわやのピンチをリカルドが間一髪救う。渡邉も今日はいまいち、相手FWに競り負け、抜かれることしばしば。勿論ベガルタも時折岩本のセンタリングやフリーキックから攻め、チャンスを作るのだが、完全に相手をくずすまでは行かない。前半は山形ペースで終了。

 ハーフタイムに大宮敗れるのアナウンス。今日勝った方が2位以内になる。勝ちたい。どうしても。

 後半。立ち上がり3分、互いに早い攻めからチャンスを作る。当たりも強くなり、動きが激しくなる。58分、岩本のロングシュート惜しくもキーパーに弾かれるが、CKのチャンス。これは決まらなかったが、このあたりから次第にベガルタペースに。

 65分、中村から財前投入。攻撃布陣に。68分には攻め込んだ山田に慌てた山形DFが、キーパーにバックパス。珍しい間接フリーキックをペナルティエリア内で得た。思えば3年前にもドゥバと千葉直樹の連携で山形からこの形で得点をあげている。ここでまた得点か。。。久々にドキドキするシーン。大友に代わり光岡が入る。こういうシーンで飛び込む男だ。岩本がキック!。。。。しかし、ここは山形が守る。

 76分、光岡が相手DFをかわしてペナルティエリア内にキレこんで、たまらず山形がファウル。PKをもらう。これをマルコスが、キーパーの逆をついて決め先制。待望の得点!しかしここからややベガルタに守りの気持ちが出て、押し込まれる。サイドから次々放り込まれるが、なんとか相手に体をよせシュートをはずさせる。山形も焦りからかホームランも出て、次第に時計が進む。

 なかなか山形がゴールを割れないでいるうちに、ベガルタはカウンターでチャンスを作れるようになる。ついに、87分、カウンターから珍しく千葉が相手エリア深く侵入、ゴール正面フリーの財前にきっちりパスが渡り、これを財前がグランダーで左ゴール隅に確実決めて2点目。89分には山田に代え蓮見をいれ、時間を使う。その後のロスタイム4分にも2点の余裕で逃げ切り、勝負をつけた。
 今は、何か財前、光岡が出てくると点が取れ、勝てそうな予感がしてくる。

 山形ー天童間のシャトルバスは12Kmに1時間かかる渋滞で試合開始に遅刻。おまけにイベントが重なり台数不足で行き帰りスシ詰め。しかし、そんな疲れも飛ぶ快勝?おまけに京都が敗れたこともあり、勝ち点でトップ・タイに並んだ。ただ、まだまだ団子状態。すぐ水曜には大分戦。チャレンジ精神で!
38 10月17日(水)19:00 大分トリニータ2-0 熊本陸上

マルコス 大友
   (村上)
岩本 蓮見
    (光岡)
中村伸 千葉
(中村学)  
村田 渡邉リカルドヴィエラ
高橋
またも後半勝負、零封で2-0!

チャンスは必ずある。耐えて待て。台風も近づいて、文字通り泥だらけの勝利か~!
 財前、山田はいないが、蓮見ほか、最近の控え組みの活躍期待。サブは前川、賀谷、村上、中村学、光岡。
本日経過のみ。

 やはり相当風が強そう。12分大分のDF中村に警告。開始早々はコーナーなどで攻めたてるも次第に風上の大分ペース。かろうじて守る。
 後半はベガルタが風上。両チーム決定機を決められない。65分蓮見から光岡。76分、中村伸から中村学。ついに83分大友ややラッキーなグランダーのミドルが決まりゴール!
84分大分ベンチーニョ下げて船越。87分、今度は岩本の豪快なミドルがゴール右隅に決まり、2-0。そして89分、お約束の時間使い、大友から村上の交代。で試合終了。

京都も2-0で勝っているが、きっちり並走、ナイスポジション!
39 10月21日(日)13:00 大宮アルディージャ1-1 仙台
光岡執念のドロー


マルコス 大友
   (蓮見)
岩本 山田
    (光岡)
中村伸 千葉
(財前)  
村田渡邉リカルドヴィエラ
       (賀谷)
高橋
19,215人で超満員、入場者記録の仙台スタジアム

薄曇り、風もなく絶好のコンディション。息のあったサポーターのコールがスタジアム全体を一体化する。サブは前川、賀谷、蓮見、財前、光岡。

 試合は、立ち上がりベガルタの動きに固さが目立つ。開始早々バレーにラインを突破され、GK範男がヘッドでクリアー。しかし、直後に今度は相手ゴール正面のフリーキックを岩本が強烈なシュート、惜しくも外れる。最初から緊張感が漂う。しかし全体にはベガルタが押され気味の展開。足が動かず、相手パス回しに翻弄されるシーンが目立つ。特に大友が固い。中途半端なプレーが目立つ。

 15分過ぎからようやく、ベガルタの動きもほぐれ、相手陣内に攻め入る。しかし、流れからのシュートまで至らず、セットプレーで攻め立てる。18分にはペナルティアーク付近でフリーキックのチャンス。しかし決まらず。一方、大宮はカウンターから左右に散らし、バレーをターゲットに放り込んでくる。なんとかリカルド、渡邉が体を寄せて守っていたが、クリアが小さくDFのマークが緩んだ34分、バレーに押し込まれ失点。

 後半から右DFに前半負傷(肋骨?)のヴィエラに代え賀谷投入。後半もベガルタはセットプレーで、大宮はカウンターからの攻め合い。ベガルタのシュートは相手キーパー正面となる不運もあって、なかなか得点の気配がない。56分、中村伸から財前投入。攻撃態勢。しかし財前の足の状態はいまいち。いつもキレがない。山田も同様。65分、今度は岩本が足負傷で光岡を入れる(次節は大丈夫そう)。岩本抜き、怪我もちの山田、財前では、いつもの展開ができず、攻撃に時間がかかり過ぎ、流れからの決定機が思うように作れない。大宮は守りを固めてくる。

 残り時間も少なく敗色すら漂う85分、一人元気な光岡が、またチャンスメークしてくれた。ペナルティエリア内に相手DFの間を突進、PKを誘う。これをマルコス慎重に決め同点。その後、にわかに、おせおせムードから勝利への期待が高まるが、決定機を作り出すスピードがもうひとつ。マルコスのヘッドは十分な態勢が作れず、バーの上。コーナーキックから、オーバーヘッドキックでゴールを狙うがキーパー正面、きょうのツキは同点どまりか。

 延長になると疲れから、集中を欠いたプレーが出だして苦戦。97分、大友から蓮見。大宮もさかんにワントップで裏を狙ってくるが攻撃が単調、どフリーには範男がファインセーブ連発、互いに決め手を作れず、そのまま1-1のドローとなった。

 大宮との勝ち点差は縮めず、勝ち点1を辛うじて死守し、最低限のノルマは果たした。次節まで、ようやく一週間、間が空く。負傷の選手をケアをしながら、ひとつひとつ拾っていくだけ。自力で優勝も可能である。
40 10月28日(日)14:00 水戸ホーリーホック3-2 笠松
辛勝3-2、しかし一歩前進の勝ち点3


マルコス 大友
   (光岡)
山田 財前
    (蓮見
中村伸 千葉

賀谷渡邉リカルドヴィエラ
高橋
....3-2とリードしていた93分、水戸のコーナーキックがどフリーの水戸須藤にどんぴしゃ、延長かよ!と思ったらバーの上。ツイております、勝ち点3。内容はいろいろあるが、とにかく一歩前進。

 笠松競技場に入ると強い雨。紅葉が仙台以上に進んでいて、落ち葉の美しい公園の道を会場へと向かう。トイレさえちゃんと作ってくれたらなあ。雨にかかわらず集まりました仙台サポーター2000人。みんなずぶ濡れなんだから、90分の勝ちで決めてくれないと怒るよ!
サブは前川、森、蓮見、光岡、中村学。岩本は前節の負傷がまだ癒えていない模様。

 試合は水戸が最初からいい動きで、須藤に合わせたり、左右に展開したりして、すっかりリラックスした戦いぶり。ベガルタもそれほど固くならず、まずまずの展開。
8分、大友のシュートが弾かれ山田の前に絶好のパス、これを山田が狙い済ましたミドルで思い切り決めて先制!早速やーまーだのコール。怪我から復調したようで、前半の動きはいい。実はこの直後カウンターからマルコスが抜け出してキーパーと1対1これを止められた。後半にも同様のチャンスがあり、それを決めれば展開はかなり楽になっていた。技を持つ選手だけに、マルコスにはもうひとがんばりして貰いたいところ。

 その後は一進一退の攻防から次第に水戸のぺースへ。須藤のポストプレーから左右に振られ、ベガルタは振り回され始める。29分、ついにスローインからゴール前の混戦を押し込まれ同点にされる。しかし最近のベガルタは得点されても慌てない。そのあとの10分で水戸も攻め疲れで中盤でボールが行き来する、まったりの展開。これがすこしずつベガルタに攻めてをつくり、前半終了直前44分、財前の左コーナーキックからマルコスが角度のないところをヘッドで鮮やかに決めて勝ち越し2-1。

 後半、立ち上がりはベガルタペース、ようやく球回しもスピードが出て、山田がサイドチェンジのロングパスでリズムを作る。52分、相手ゴール近くでボールに関与する意思を示さずオフサイドを逃れた中村伸の陰から大友がラインを突破、マルコスにパスをわたし、マルコスこれを簡単に決め3-1。それまでセンタリングで空回りしていた大友が、ついにチャンスメーカーとなった一瞬。

 しかし、ここからがいけない。雨の中、水戸の早いボール回しへの応対で疲れが出てきたのか、ベガルタの足が止まりだす。前半好調だった山田も足を出すだけのプレーが目立つ。DF間でも譲り合いのようなプレーが出だして、2点リードの余裕が感じられない。74分、ついにフリーキックからヘッドで押し込まれ3-2。

 俄然いきおいづく、水戸。運動量が落ちない。サイドと中央を交互に攻めて、決定機を何度かつくる。70分、大友から光岡。光岡が動きよく相手DFをひきまわして、ベガルタに流れを引き込もうとするが、水戸もカウンター、早いリスタートでどんどん攻めてくる。
 80分財前から蓮見。しかし最後は水戸の決定力不足もあり、ベガルタが辛うじて逃げ切った。冷や冷やものではあるが、勝ち点3で、ずぶ濡れ往復10時間の長旅もなんとか癒された。
41 11月3日(土・祝)13:30 横浜FC 2-1 仙台
またも89分辛勝、それでも大きく前進


マルコス 大友
   (光岡)
山田 財前

中村伸 千葉
(蓮見)
賀谷渡邉リカルドヴィエラ
高橋
応援に行かれた方、90分勝利ありがとう!
5シーズン目にして、渡世の義理で初めてホームゲームを欠席したが、究極の結果オーライ(笑い)だったみたいで。。。。寿ぎの宴とともに、めでたい事が二つ重なった日。
〔ビデオ観戦記〕
肌寒い仙台。しかし19049人の観衆は圧巻。
サブは、GK前川、MF中村学、DF森、FW光岡。
さて、試合は勢い込む仙台が得点をあせり、縦ポンの攻撃が多くなり、中盤と前線の間が大きく空いて、いつものつなぐサッカーができない。しかし、山田のロングフィードからの大友、マルコスの突破で決定機まで、もう一歩まではいく。

一方、失うもののない横浜FCは伸び伸びサッカー。4FWの威力をいかして、次々にサイドを振りまわし、中央では神野が意表をつくシュートで、ベガルタDFはしばし棒立ち。
30分過ぎには、明らかの横浜ペース。前半だけで8本コーナーキックで攻められる。ベガルタは展開がワンパターンでコースを読まれ、しばしばボールを奪われてはピンチを招く。前半終了間際には、フリーを作られ再三際どいシュートを放たれ、ひやりとする。

 後半、立ち上がり、山田の左からのマルコスを狙ったロングボールを横浜DFがクリアミスでそのまま、ゴール、ラッキーな得点で先制
 しかし、その後ベガルタが守りの気持ちが出て、またも次第にずるずる下がる展開に。
ついに57分、やはりコーナーを取られ、ゴール前クリアが不十分だったところを小野に狙われ失点。1-1。どうしてもホームでは勝ち点3をとりたいベガルタ。しかしこのところ失点しても慌てない。というか、かえって落ち着き開き直りが出て、動きが変わる。監督の「慌てるなという指示が効いているのだろう」、とテレビ解説の風間氏。

 60分、中村伸に代え蓮見。中盤からも思い切りのいいシュートがで出す。このあたりからベガルタのパスがようやくつながりだし、らしい攻撃。山田のパスが光り出す。横浜も盛り返し一進一退となってきた63分、大友に代わり光岡投入。しかし今日の光岡はいつも切れ味なく、有効な突破ができない。40分、財前のコーナーキックがファーサイドのリカルドにどんぴしゃだったが、ヘッドはおしくもキーパー正面。ベガルタの攻撃にもようやく勢いが出てきたが、時間が足りない。

 ついにロスタイム3分目。ヴィエラの右後方からのロングパスをマルコスが胸でトラップ、シュートゾーンに一発で落とすと、グランダーで落ち着いてゴール左隅に決勝点!またも89分のドラマ。勝ち点3で大きく夢に前進した。

 前半は大観衆の前ではやく点をとりたいという焦りがあった。横浜FCも小野と神野を中心に思い切り良く攻めてきた。苦しんだが、最後は勝利への執念で優った。
 尚、試合後のインタビューでマルコスは「この得点を(顎を骨折している)村田選手にプレゼントする」と語っていた。ほんとに日本人以上に気配りするやつ(^^)
42 11月6日(火)19:00 ヴァンフォーレ甲府 0-3 小瀬
マルコス 大友
   
山田 蓮見
  (中村学)
中村伸 千葉
(光岡)
賀谷渡邉リカルドヴィエラ
(森)         
高橋
0-3完敗。プレッシャーか。

 40節で川崎を3-0で下すなど、頑張りを見せている相手。財前の警告累積の出場停止、岩本のけがもあり、タフな局面も出てくるだろうが、落ち着いて勝利をめざせ。蓮見先発。サブは前川、森、村上、中村学、光岡。
水戸は太田のワントップ、4-5-1の格好。現地強風の模様。

 13分、コーナーキックから甲府の金子どフリー許し、ヘッドで先制される。やはりベガルタは固い。慌てずに行こう。風下で甲府のロングボール苦しむ。30分までベガルタもシュートなし。35分、大友からいいセンタリングがマルコスへ。ようやくベガルタもペースを掴む。次々コーナーで攻めるがシュート1本。動きは甲府の方。

 後半。今度は風上。中村伸に代え光岡投入で攻撃的布陣へ。早々にシュート。3分山田、左からのフリーキックでチャンス惜しくも外れる。風上でようやくベガルタペース。60分コーナーからマルコス惜しいハーフボレー。この後また中だるみ。

 67分蓮見から中村学、賀谷に代え森。一気に2枚代え。直後フリーキックであわやを範男ファインセーブ。77分一瞬の隙からロングを入れられ0-2。その後足が完全にとまり、87分3点目を決められる。コマ不足とはいえ、完敗。絵に描いたようなプレッシャー。これがサッカー。京都山形も延長に行って1点ずつおまけしてくれた。いいのかな?後で効くぜ。
 ベガルタは、ここから開き直って切り替えていけばいい。しかし、強気で攻めなくてどうする。迷ったらシュートじゃ!最低の試合、これ以上落ちることなし(^^;
マジックが増えたわけじゃなし、残り2試合勝って自力で決めていけばよい。
43 11月11日(日)13:00 サガン鳥栖2-3v 仙台
試合終了直前の痛いPKからVゴール負け


大友 マルコス
(光岡)  
財前 山田

中村伸 千葉 
  (蓮見)  
賀谷渡邉リカルドヴィエラ
(森)    
高橋
 ホーム最終戦、19412人。快晴。前日からの徹夜組を含め、9時30分には5000人以上の開門待ち。それでもまだ何かが足りないというのか。。。。サブは前川、森、蓮見、村上、光岡。

 前半13分、20分とうまくフリーのマルコスにボールが渡り、キックで正確なシュート2得点、大量点のチャンスと見えたが、直後の21分DFの集中が切れて1点返される。
 さらに後半一進一退状態で追加点を奪えない。72分中村伸から蓮見。後半終了直前の89分、カウンターからDF賀谷裏を取られ、たまらずファール。PKで追いつかれて延長へ。

 賀谷から森。延長もロングパスなどでチャンスを作るが得点できない。97分大友から光岡。103分、カウンターから左右に振られVゴール負け。

 後半から中盤にぽっかり穴があく悪い癖。ヴィエラのDFは不安定。最後の勝負をかける京都戦は森で勝負したい。山形との得失差は2。状況は厳しいが、山形も90分で決めなければならないプレッシャーは同じ。ベガルタは90分勝ちでとにかく締め、後は神様の領域だ。
 試合後のセレモニーで、いつもは試合への目標など曖昧にして語らない清水監督が「京都で勝ちます!」とはっきり宣言した。勝つための冷徹な采配を望む。

 川崎の意地に期待。石崎監督に阿部良!目の前で決めれられてもいいのか?!失礼しました。せめて、長ーく試合して頂けるだけで幸いです。
44 11月18日(日)13:00 京都パープルサンガ1-0 西京極
J1への道、最終章は財前が締めくくる


マルコス 大友
  (光岡)
 財前
岩本 山田
    
 千葉

村田渡邉リカルドヴィエラ
高橋
 初めて訪れる西京極。紅葉が美しい。駅を降りるとベガルタカラーの人、人、人。ダフ屋も多数。12000人の入場者のうち2000人弱は仙台サポーターではないだろうか。弾丸ツアーのバスは10台超、飛行機、新幹線、そして主に首都圏からバス参戦組。

 整理にあたっていたサンガスタッフが思わず「こんなに入ってめちゃ、うれしい」とつぶやいていた。チームのために陰で汗を流している者にとって、たとえアウエイチームであっても大量の動員はうれしいもの。彼らがどんなに動員で苦労してきたか手に取るように分かる。ベガルタも昨年レッズ戦でその思いを強くした。興行は、まず、お客が来てナンボである。

 さて、西京極の天気は、勝利の女神のように気まぐれ。晩秋とは思えぬ強い日差しが照りつけたかと思うと、黒い雲が広がり天気雨。冷たい風さえ吹いてくる。おまけにピッチはかなりスリッピー。試合中も両軍あちこちで、すってんころり。


 早々にJ2チャンピオンを決めた京都に対して、下位チームに連敗したベガルタ。もう開き直るしかない。当方も、もうドキドキ感はない。むしろ結末を見られるワクワク感だけ。いつもやってる事をやればいいのだ。俺の「仕事」はこの観戦記を書くことだろう。
たまたま同じ飛行機になったイレブンの表情もさばさばしたもの。顔見知りの応援団もちらほら。岩本、村田の顔が見られるのもこころ強い。この二人は先発し、監督の公言どおり、中盤を最初から攻撃的なダイヤモンドにして、千葉のワンボランチ。サブは前川、森、村上、中村伸、光岡。

 試合開始からベガルタは当然エンジン全開。財前、岩本の切れ味鋭い、圧倒的なパス交換を中心にスピードと球回しで一気に京都ゴールを攻撃する。仙台を冷やかしにきていた関西サポーター?でさえ、「これはおもろいで」と、途中から野次より感嘆の声が多くなった。見事な切り替えしで二人三人と抜いていく財前は絶好調。スピードに乗った岩本に裏へのパスでチャンスメーク。京都はそれに気おされ気味で、カウンターからトップの黒部の個人技に期待する構え。

 15分ころには岩本にたて続けにフリーキックのチャンスがあったが惜しくも得点ならず。その後もこぼれ球をベガルタが完全に支配、財前、岩本が攻撃だけでなく、守備にも運動量豊富に大活躍。完全にベガルタペース。しかし左右のコーナーキックなどからチャンスを作るがもう一歩で得点までいかない。

 25分過ぎはややスローダウン、しかしボールは支配している。
30分、京都がマルコスと得点王争いしている黒部を交代、ケガのためか?しかし京都にしてみれば天皇杯をにらんでエースをつぶす必要は何もない。何はともあれ、ベガルタには危険度が減ってありがたい。総じて前半はベガルタがボールを圧倒的に支配し、シュートを数多く放つも、完全なフリーを作るまでには至らず、というところ。

 後半。天気雨に冷たい風がとおり抜け、強し日差しが顔を出す。開始早々、互いにDF裏を抜けあわやのシーン。京都も攻撃のリズムがで出す。60分には相手ゴール正面の位置から絶好のFKのチャンス。岩本惜しくもはずす。70分前後には互いに攻め疲れから、一進一退。マルコスの惜しいシュートなどでベガルタが攻め立てるが、なかなか決まらない。やや攻め疲れの気配。マイボールをパスミスで相手に渡してしまう、悪い癖が出てしまう。

 しかし、今日のDFは気迫が違う。寸前で相手の前に体を入れる、MF陣も守りに精を出す、いつになく早いつぶしに京都も焦り、シュートミス。
 しかしそれでも流れは京都へ。カウンター一気の攻めを受け、悪夢が蘇る。70分、大友から光岡。その後ベガルタもセットプレーから何度もチャンスを作るが得点まで至らず。そして時計が....

 それでもシナリオ通り?ドラマがやってきた。87分、早い展開、光岡からパスを受けたマルコスがフリーから得点決めた!と思ったらずいぶん前のファウル主審がやっと気がついて、ノーゴール???

 過去2試合ならこれでベガルタは切れていただだろう。しかし、ここからが腹をくくった者、修羅場をくぐってきた者たちの底力が出てくる。ロスタイム、岩本の左からのセンタリングを山田がヘッドでつないで、財前がボレーでゴール!財前が体を倒して枠内に入れるコースに足を振った時、全ての時間が止まった。

 またもロスタイム。日本代表としてありあまる素質をもちながら気性の荒さで多くのチームを渡り歩いた二人がお膳立て、中田と並び称されながら、靭帯損傷で2年あまりも棒にふった男が、確実に決めた。
 後は残り時間を慎重に消化して勝ち点3をゲット。ベガルタらしい攻撃的なサッカーで最後を締めくくり、山形延長突入の報にベガルタ仙台J1昇格が決まった。

 。。。サポーターの前に来たリカルドが泣いている。ヴィエラがサポーターのもっていた大旗を振り回す。(「中村伸」と大書してあるんだが)。助っ人として苦労したきた彼らこそ、この昇格の意味を一番知っているのだろう。
(今日19日テレビで見たら、岩本も、あの山田も財前もみんな泣いていた。地元テレビ各局のインタビュー。ようやく選手が主役になってきた)

ようやく晴れ渡った京都の日差しが、まぶしかった。ベガルタ仙台昇格、バンザイ!

 そして、全力で戦ってくれたパープルサンガ、そしてフロンターレ、ありがとう。

 諦めなければ、夢はかなう。