2003年 J1観戦記2ndステージ後半(9-15節)


節 期日 キックオフ 対戦相手 会 場
9 10月4日(土)14:00 ガンバ大阪 1-0 金沢

金 山下

寿人   望月

石井 シルビ

根本 渡邉 ファビ 村上

小針
トンネルを抜けると勝利が待っていた

 新潟を過ぎると延々とトンネルが続く。幾つ暗い道を通っただろうか。日差しこそ秋晴れの爽やかな空ながら、ほの暗い日本海を右手に見ながら、目的地は遠く、疲労は増してくる。朝5時にバス3台で出発してすでに7時間、誰もが表情は硬く、笑顔がない。

 しかし、トンネルを抜けると、そこには待ち焦がれたものが待っていた。対ガンバ大阪1-0、半年ぶりの勝利、勝ち点3。帰路に向かうベガルタサポーターたちの笑顔、笑顔、笑顔。自分が楽しくなり、人も楽しくできるもの、他にあるか。決勝点をあげた寿人が、誰よりも深く腰を折ってサポーターに挨拶していた。それを思い出すとこみあげてくるものがある。若いのに苦労している「スター」なんだよ。かっこつけで、あんなことできるかい!


 サブは高桑、中田、森保、、財前、福田。心配されたファビアーノが先発出場。予想通り、寿人を左サイドの配置、望月が右で先発。観客7776人の石川県西部緑地公園陸上競技場。試合前に若干の天気雨。ピッチはやや傷んでいる。

 試合開始、互いの動きはやや重い。前半はベガルタが風下。開始早々はベガルタも相手陣まで攻め込み、一進一退だったが、5分過ぎには裏を取られ始める。9分にはCK2本連続で攻められる。

しかし、今日は右DFに入った村上が落ちついている。全体を引き気味に、無理してサイド攻撃をしかけず、攻撃は前4人で一気に攻めるという監督の方針は守られている。結果、攻められてはいても、中央でファビアーノ、渡邉がマグロンのポストを自由にさせず、右サイドは村上、望月が、左は根本と寿人が連係して、相手の上がりを遅らせている。そのため完全にフリーしたのは少ない。しかし、中央からのミドルは打たれている。

 19分、押されていたベガルタが、久々攻撃、根本のアーリークロスに金がヘッドで狙うも枠の外。直後、早いカウンターから山下粘り逆サイドの望月がフリー、狙い済ましたシュートは惜しくもバーの上。

 25分過ぎからはセカンドボールを拾われ、防戦一方。31分には中央からのミドルを狙われるがバーで救われる。34分には連続攻撃受け、ピンチも寿人がチキアルセを抑えてことなきを得る。今日の寿人はかなり後ろにいて、チキアルセなど相手のサイド攻撃をケアする時間が長かった。

36分、右からのクロスからヘッドで狙われ、やられた、と思うもまたしてもバー。40分、望月のロングスローからチャンスメークしようとするも、つながらず。残り5分もガンバの攻撃に苦しめられるが、中央でセンターバックの二人ががんばり決定機までは作らせない。両チーム、無得点のまま前半終了

 後半。開始3分、山下と相手選手が衝突、セルフジャッジでガンバが一瞬止まったところ、望月がボールをそのまま拾って、左に開いていた金にパス、金がキーパーとDFの間にパスを流して、詰めていた寿人が押し込んで、先制!

それまで、クロスの精度を欠いて、MFとしてはいいところがなかった寿人が、FWとしての嗅覚を発揮、久々の先制点。負け続けていたチームが勝つにはまず先手をとって、弱気を払拭する必要があった。時間帯もいい。守備重視のため、決定機どころか、シュートまでもいけない状態が続いていただけに、値千金。

 しかし、このあとガンバの大攻勢が始まる。52分にはマグロンのヘッドを小針ファインセーブ、こぼれを押し込まれそうになるところを、ファビアーノ、渡邉が辛うじてクリア。仲間同時でぶつかって倒れる。54分、ひさびさ攻め込み、望月がロングスローを決めようとするが時間がかかりすぎイエロー。ガンバはベガルタ陣内で左右にボールを回し、ラストパスを狙うが、ベガルタ守備陣が粘り強く人について、簡単にはシュートをさせない。

焦る、ガンバはミドルを放つものの、ことごとくバーの上。グランダーのシュートがほとんどない。60分からはベガルタもカウンターに出るが、疲れからかパスミスが目立ち、フィニッシュまでいけない。特に金と山下の呼吸が合わず。70分には裏に走った寿人がペナルティエリアまで侵入するものの、シュートが打てず。

 その間にもガンバに次々クロスを放り込まれるものの、マグロンをファビアーノらが抑え、攻撃を遅らす。右サイドではフィットしてきた村上が、簡単に抜かせず、またヘッドでも諦めずにクリア、ピンチをしのぐ。80分、ベガルタに左45度フリーキックのチャンス。根本が蹴るがキーパーがキャッチ。根本も今日は指示どおり、上がりは2回ほどに押さえ、その代わりチキアルセ封じに活躍した。

 ロスタイム3分、次々とガンバがボール放りこんでくる。心臓に悪い。まさに「金沢の中心で"クリア!"と叫ぶ」時間が続く。それでも守備の集中は最後まで切れず。最後は相手も焦るところ、ベテラン望月が慎重にサイドラインで時間を稼ぎ、試合終了。20試合ぶりの勝利を無失点で飾った。

 内容的には、攻撃陣での連係ミスやシュートに行かない消極性もあって、いまいち。しかし守りを固めて、まず失点を防ぐという超守備的布陣に徹する点では、監督の考えが浸透していた。しつこく相手に体を寄せたことが、相手のシュートミスを誘った。運は呼び寄せたものだ。

 とにかく結果が欲しいこの試合、粘り強く守り、少ないチャンスを抜け目なくものした、という点で新しい戦いに向けてのきっかけとなったと思う。連係の問題は、蔵王でのミニキャンプなど、この2週で調整すればいい。やればできる。

 苦しんだ分だけ成長した。苦しんだ分だけ強くなった。新しいベガルタを創造するための試練を、ひとつ超えた。まだまだ油断できない状態は続くが、臆することなく前を向いて、チャレンジ精神を発揮できれば、必ず結果はついてくる。


シュート数:2-25、CK:0-9、FK:14-10 得点:佐藤寿人 警告:望月 (相手)松下 主審:奥谷 彰男
10 10月18日(土)16:00  ジェフ市原 1-2 仙台

福田  山下
   (岩本)
寿人   望月
  (金)
石井 シルビ

根本 渡邉 ファビ 村上

小針
岩本の強烈先制弾も、終盤逆転許す

 サブは高桑、数馬、千葉、岩本、金。市原は阿部、中西が出場。中島浩司ベンチいり。開始前の河北の30段紙フラッグ林立は圧巻ではあるが、紙とインクが薄いぞ。これじゃセレッソ色だ~と八当り。仙台スタジアムでは、いまや少なく感じる18858人。

 やれ3バックだ変則5バックと言われながら、結局4バックでコンパクトに守る布陣。岩本はベンチスタートで左には寿人が入り、福田が初先発。

 前半、市原の攻撃をDF陣と小針がゴール前で辛抱強くしのいでいたが、攻撃は寿人と望月が引いて相手サイド攻撃を封じる方を優先したか、あまり攻撃参加できず、中盤からのスルーパス回し主体の攻撃となるが、前線と意図が噛み合わず、シュートは福田と山下が強引に1本ずつ打ったくらい(それでもいい。形にこだわらず、打っていくことが次につながる)。

 しかし、守りではコンパクトにサイドを固めたので、市原も最終ラインでボールを横パスするしかない場面が多かった。相手のチェは、渡邉が徹底マーク、いらつかせて、まともなシュートはほとんど打たせなかったが、時折パスをキーパーとDFの間を通され、きわどい場面もあった。この形でもう少し攻撃の意図がつながれば、今後の戦いにつながると思う。

 後半、山下に代わって岩本が入り、寿人がFWに。DFに挟まれながらも反転シュート、惜しくも枠を外れる。しかし55分、岩本ゴール正面35mのフリーキックを、まさに弾丸シュートで、一直線に豪快に決め先制。しかし5分後に、左右に振り回されて最後は佐藤勇人にミドルを打たれて同点とされる
 その後、前がかりになったベガルタの裏を早いカウンターで狙われ、中盤を省略しての攻守の激しい展開に。しかし次第にベガルタの中盤でのプレスがなくなり、相手の後ろからの攻撃参加におされ気味。

 それでも、ベガルタも岩本が、ドリブルでエリア内に侵入、ラストパスを出す寸前にDFに阻まれる。また望月に代わって金が入り、右サイドに回った寿人が攻撃参加するなど、ようやく攻撃にバリエーションも出始める。だが決め切れないうちに市原の素早いサイドチェンジについていけなくなる。終盤87分、疲れの見えた中盤をかき回され、、混戦から佐藤勇人にヘッドで押し込まれ、逆転を許す。ロスタイムのコーナーキックのチャンスも、もう一歩押し込めず、そのまま試合終了。

 全体に選手に疲れが見える。根本や望月、山下が本来の動きでなかったように見えた。タフネスのシルビーニョと1.5試合休んだ岩本は元気。驚異のミドルシュート以外でもゴール前に詰めて飛び込んだり、前からのプレスもそれなりにやっていた。 厳しい中、テルが当り出した。これからこれがものを言うはず。

 寿人はやっぱり前目の方が活きる。サイドに回るとボールタッチが少なくなっている。前に上がったときは、DFにはさまれながらの反転シュートで惜しい1本があった。
 福田はヘッドでかなり競り勝ってポストプレーはできていた。自分の欲しいところをパサーにもっと伝えて欲しい。
 岩本が入って攻撃のバリエーションが出来、いくつか決定機もあった。これでズデンコも寿人の使い方を固定してくるだろう。後は、後半での守備か攻撃か時間帯ごとの徹底。選手は分かってるいるはず。

次の2試合で勝ち点を積み上げる。緑は青信号。


シュート数:9-17、CK:4-7、FK:17-26 得点:岩本輝雄 (市原)佐藤勇人2 警告:石井俊也、ファビアーノ、シルビーニョ、金 (市原)林、崔、阿部 主審:柏原丈二


◎後座試合:ユースは横浜FCユースに4-0で圧勝。カウンター攻撃にロングシュート、やりたい放題。トップチームもこれくらいスペタクルなら。。。

FW高橋正人が2ゴール1アシスト(実質3ゴール)の大活躍。小柄ながら球際に強く、出足良く相手を抜き去る。シュートも正確。楽しみ。もう1点はMF佐々木浩司のロング。MF千葉賢弘のテクニックも将来が期待できる。大久保はメンバーにいなかった(前節鹿島戦で退場のため)。明日のサテライト用か?

11 10月25日(土)18:00 東京ヴェルディ1969 0-0 味の素

寿人 福田
(山下)
岩本  望月
    (石井)
森保 シルビ

根本 渡邉 ファビ 村上

小針
しのいで勝ち点1。自信持て

 勿論勝ち点3は欲しい。しかし、いまは、相手がどこであれ五分以上にやれる力がついてきたと認識せよ。すでに確率を超えた戦いになっている。前半は引いてしのぎ、後半は裏に飛び出す戦術がはまってきた。調子のいい者が出て、疲れた選手は交代。明解だ。あとは思い切ってやるだけ。

 サブは高桑、数馬、石井、金、山下。
味スタについたのは4時半頃。思いのほか寒い。しばらくすると楕円の空がピンク色に染まってきた。次第にその色は広がり、空全体が染まった。ベガルタにとってこれは夕焼けではなく、夜明け前の光ではないか?バスは10台。最初は1000人くらいだったアウエー側スタンドが、徐々にベガルタ色に染まっていく。試合開始前には3000人に膨らんだ。

 試合開始。いきなり相手ファールで、遠目ではあるが、いきなりフリーキックのチャンス。岩本が挨拶がわりに放つ。3分、平野と小針が交錯、平野は結局負傷退場。平野には悪いが、これはついている。

 予想通り、東京Vは、エムボマにあててのワンツー攻撃を繰り返す。エムボマには渡邉などがついて、フリーにはさせない。明らかに、いやがってる様子。寒さもラッキー。山田には岩本がついて、上がりを防ぐ。途中膠着状態もあるが、前半はベガルタがひいて、相手の中央から突破を粘り強く守る展開。前を向かれてはしまうが、シューターのところで体を寄せ、完全フリーのチャンスは与えなかった。先発の森保が左右に動いて相手のミドルシュートを防ぐ。東京Vに焦りがある。ゴール前のFKはホームラン。

 31分久々ベガルタのコーナーのチャンスは惜しくも弾かれ、カウンターから、ひとり抜け出されフリーにされかかるが、村上が飛ばして、諦めずに追いかけ、事なきを得る。43分今日最大のピンチ。コーナーから長身ロペスにヘッドを許すが枠の外。体を寄せていなかったら危なかった。


 後半。望月に代え石井が攻撃的MFに入る。ここからベガルタ攻撃モード。相手が前がかりでくる裏をついて、寿人を走らせる攻撃。48分、クロスを福田がヘッドで落とし、寿人がこぼれを拾ってキーパー前に。押し込もうとするが、キーパーに阻まれ枠の外。これはねじこんで欲しかった。直後49分には、相手ゴール前でのパス交換から、スペースのできた右サイドに飛び込んだ石井がフリーでヘディングシュート、これも惜しくもバーの上。ともかくも決定機。思い切りだけが足りない。

 後半になってベガルタのプレスが早目に、そして人数をかけるようになり、相手ボールを奪って、攻守が完全に逆転。東京Vがむしろカウンターのみになっていく。63分、エリア内で、寿人倒され、PKと思われるがノーファール。

65分、70分にもフリーキックやカウンターから寿人がゴール付近まで侵入するが、あと一歩届かず。72分、根本が粘って、シルビーニョへ。そのまま上がってのシュートはバーの上。いい時のベガルタのように、ようやくシルビーニョがシュートに行けるようになってきた。攻撃するときに、厚みを持たせる意識統一はできてきた。

 75分を過ぎると寿人に疲れが見え、裏に走りこめないようになってきた。すかさず山下に交代。この出場の順番は逆の方が効果的かもしれない。山下も前節よりは動きがいい。終盤は東京Vに攻め込まれる、疲れからカウンターに人数をかけられなくなってきたが、88分、久々に石井がドリブルで独走、相手DFとの競争となったが、逆サイドの山下を意識して迷っているいる内にシュートのタイミングが一歩遅れ、阻まれる。ロスタイム東京Vに攻め込まれても、最後まで集中切れず、森保、DFを中心にDFが守りきって、貴重な勝ち点1をゲットした。

 オジーに「最悪の試合」と言わしめた。首位にいて楽しくサッカーをやっている、などと外野が言っていても実際は選手は固くなるもの。お互いに人間がサッカーをやっているわけで、こちらの弱い面は相手も持ち、相手の強い面は自分にもある、そう考えるべきた。

この時期順位は意味がない。上位のチームほどベガルタとはやりにくいはず。攻守のメリハリの意識統一が見て取れ、動きも内容も上がってきている。

 勝ち点1は前進。いいときのイメージだけを思い出し練習。あとは迷ったらシュート。シュートでリズムを作る。それが勝ちにつながる。


シュート数:6-11、CK:1-5、FK:22-23 得点:なし 警告:森保、福田、村上 (相手)相馬、小林、柳沢、桜井、ロペス、根占 主審:高山 啓義
12 11月8日(土)15:00 ジュビロ磐田 0-1 磐田

寿人 福田
(金) (山下)
岩本  望月
(阿部)  
石井 シルビ

根本 渡邉 ファビ 村上

小針
ロスタイムPKで0-1

 サブは高桑、數馬、阿部、金、山下。本日経過のみ。

 仙台サポーター1500人。1分、いきなり名波のシュートを小針弾き、コーナー。5分、磐田左30mのフリーキック、またも小針弾く。6分福田にイエロー。7分成岡のシュート。ファビアーノひじうちされ出血、一時外に出る。次々ゴール前に放り込まれピンチの連続。それでもベガルタはライン上げる。11分相手ミスを拾い寿人上がるもパス福田には通らず。

 13分、前田、グラウのシュート、シュミレーションもどきも、もなんとか防ぐ。17分、久々右からのベガルタの攻撃もカットされる。18分、小針のファインセーブで切り抜ける。磐田が名波中心にしつこく攻めるところを、何度もDFで守る。21分ベガルタもカウンター岩本。 24分過ぎ磐田がボールキープ、グラウ、成岡がシュートするが、しのぐ。

 27分福田から寿人で、裏とりかかるが、オフサイド。28分村上の上がりから逆サイド根本のシュートは相手キーパーが弾く。ベガルタのコーナー初。この辺から、ベガルタが相手のミスなどを拾い、ベガルタもチャンス出始める。33分山西にイエロー。磐田もペースダウン。今日も渡邉、ファビアーノの粘り強い守り。

41分石井がボールを奪ってカウンター。ジヴィコビッチが、けがで外。43分磐田のFKからピンチも相手シュートは外。44分、望月から寿人へのパス通らず。ロスタイム、グラウがペナルティエリア内侵入でゴールキックかと思われたがコーナー取られる。小針にイエロー。
守りきって前半終了。

 後半開始。2分ベガルタのフリーキック、根本、村上攻撃参加。4分山西と望月交錯、望月外へ。5分、石井が反撃をするが、福田がトラップミス。岩本、根本が相手ボールを奪って攻め込むがゴール前に人数少ない。6分岩本がコーナーからファビのヘッドはキーパー正面。互いに攻守が激しく変わる展開に。12分、福田に代わり山下入る。磐田は中盤選手も攻撃に参加。14分、磐田西野が決定機、枠をはずす。

磐田の攻勢続くが渡邉の徹底した守り。村上から寿人、村上が左に回ってのクロスはキーパー。18分続いて望月が攻め込み、右サイドでフリーキック得る。岩本から渡邉のヘッド、惜しい。今度はベガルタの時間。相手のパスミスが多くなり反撃するるが、フィニッシュまでいけない。名波からグラウで大ピンチも、またも小針とめる。25分、小針も超えられるがファビが頭でクリア。27分ゴール前、相手フリーキック、ジヴィコビッチの左足は枠の外。

30分、久々望月のクロスはクリアされる。寿人に代わり金入る。ジヴィコビッチのどフリーのピンチも枠に行かず。34分相手が中盤でボールをまわすところ、根本がボールを奪い金へのパス。しかし、磐田の逆襲。34分岩本に代わりに阿部。名波-福西でペナルティ内侵入されるもシュートは打たせない。磐田D二人残して攻撃してくる。ベガルタ防戦一方。ここからだ。阿部がボール奪われピンチも小針セーブ。ベガルタが反撃で、服部にイエロー。41根本のカウンターから縦パスに金反応できず。グラウのフリーもしのぐ。

 センター付近で金キープから山下シュートもキーパー正面。43分相手フリーキックもDFかき出す。グラウ、シュミレーションでイエロー。ロスタイム磐田のコーナー。小針パンチング。ファビアーノが西野倒したでPKとられる。しかしイエロー理由は異議?グラウに決められ0-1。最後の攻めを見せるもそのまま試合終了。
 仕方ない。振り返っても意味はない。次の試合勝ち点3を取りに行くだけである。


シュート数:3-16、CK:3-5、FK:15-31 得点:(磐田)PKグラウ 警告:福田、小針、ファビアーノ (相手)山西、服部、グラウ 主審:上川 徹
13 11月16日(日)15:00 京都パープルサンガ 3-1 仙台
寿人 山下
(金)  
岩本   望月
   (財前)
森保  シルビ

根本 渡邉 數馬 村上

小針
全員守備、全員攻撃、実る。寿人2発に望月


 ひさしぶりに小春日和の仙台スタジアム。しかし試合が始まる頃には陽が傾き、早くも照明がともる。出足が遅くて心配だった入りも結局19332人。バックスタンドの人文字FORZA☆が浮かび上がる。もう、やるしかないでしょ。

先発は出場停止のファビアーノに代わり久々數馬が入る。ツートップは山下、寿人でこれもしばらくぶり。サブは高桑、矢畑、阿部、財前、金。

 試合はベガルタが走り勝ったといえる内容。実に7ヶ月年ぶりホームでの勝利は、ボールを持たれてもカウンターが嵌って、決定機はベガルタの方が多く、快勝。

 得点した寿人、望月の活躍は勿論だが、山下のキレ復活、森保、渡邉の守り、そして數馬が松井、黒部をねちこく止めて相手をいらつかせ、仕事をさせなかった。後半は相手に中盤でボールをもたれたが、しつこく守ってボールを奪い、カウンター攻撃。やってきた事がようやく形になってきた。チームに力強さが出てきた。練習の成果だ。

 今日は守備について、まず記そう。前半から數馬、渡邉の"画数多いコンビ"が、黒部めがけて放り込まれるボールに、体を寄せてヘッドでせる。村上は、望月、シルビと連携、松井封じに落ち着いて対処する。ズテンコのつなぐサッカーを体現して、あわてず前につなぐプレー。

根本は、守備にオーバーラップに大忙し、時には中央でのクリアーにも顔を出したりで、さすがに終盤では疲れていたが、今日は余裕があって、視野広くサイドチェンジのロングパスも繰り出し、相手の裏をつく。

 そして、森保。今日はキレキレ。出足よく危険地帯に顔や足を出し、得点をアシストするパスも放る。レジが露骨にそのしつこさを嫌がっていた。ボランチはこうでなきゃ。若手が今日の森保の動きを上回るのは大変だ。「若い」。そして、前線からは山下、寿人が守りに猛スピードで戻ってくる。いつもの2倍は、運動量があったのではないだろうか?シルビーニョ、望月は、当り前のようにいつも通りの汗をかく。岩本でさえ(失礼)、攻めで、ゴール前に飛び込んだと思ったら、自陣近くでクリアしたりしている。すなわち全員守備。

 全員が走り回るから、セカンドボールや相手のミスキックをことごとく、マイボールにできる。そうするとツキも出てくる。渡邉や蹴ったボールや相手のキックで、もの凄い回転がかかったボールが、次々とベガルタ選手の前にころがる。今まで少し意地悪だった仙台スタジアムのピッチも今日は味方。


 さて攻撃は、徹底的にカウンター。動きの硬い京都に対して、森保を中心としての粘り強い守りから、カウンターで何度も相手DF裏に山下、寿人が飛び出す。たとえオフサイドを取られても、繰り返すことで、相手DFが分断されてくる。

前半30分の先制点も、相手のゴールキックのこぼれを奪って、すばやく森保がロングフィード。寿人がDFと交錯しながら倒れず、キーパーが構えるタイミングより早く、左足先でゴールに突き刺して先制!その後も、後ろからのボールに寿人が飛びこんだり、山下が岩本のクロスでゴール前に飛び込むなど、ラインを上げている京都のスペースを自由に動きまわって、パス、クロス、飛び込んでシュートまでのリズムが、気持ちいいほど決まっていた。

 後半も、リードされて前がかりになった京都にボールを持たれるが、シュートコースは切って、セカンドボールを拾い、前線につなげる。調子のいい山下が早い球出しで、寿人を走らせたり、寿人がヘッドで折り返して、山下のシュートをアシストしたりと、久しぶりに見るツートップのいい連携。後半25分、望月のロングパスから岩本が抜け出し、併走してきたどフリーの寿人にパス、ごっちゃんゴールのはずが、枠をはずす。
 しかし、その直後、守備にハーフライン近くまで戻っていた山下が右サイドから左足で前方の寿人に、どんぴしゃのロングパス。これに寿人が、今度こそとDFをかわして、キーパーの頭上を高く抜けるループでゴール2点目。さらに、5分後、右サイドゴール前30mで、望月がDFとマッチアップ、キーパーの位置をちらと見ての大ロングループは、またもゴールに吸い込まれ、とどめの3点目。勿論、狙ったシュートだよね(笑)

 終盤、寿人に代え金を入れ、望月のところには財前を入れて攻撃陣にスタミナ補給。チャンスはいつくかあったが、決まらず、逆にロスタイムに縦1本でレジにヘッドで決められ1点許すも、そのまま試合終了。思えば、この1点と、試合開始早々に、やはりレジに打たれたシュートくらいが危ない場面で、それ以外はセットプレーなどで何度も攻めれられたが、良く集中して、ペナルティエリア内でも落ちついてクリアしていた。

 それでも、得失争いもある中、どフリーをはずしたり、ロスタイムの1点は余計。今日はお祝いしていいが、ひと晩寝て、疲れを取ったら、次に向けてもう一度、気持ちを締めなおそう。

 でも、結果も内容もいい試合だったよ。お疲れさん。


シュート数:15-10、CK3-8、FK23-26 得点:佐藤寿人2、望月重良 (相手)レジ 警告:シルビーニョ、森保、佐藤寿人 (相手)中村、斉藤、ビジュ、レジ 主審:岡田正義

14 11月22日(土)14:00 横浜F・マリノス 0-4 仙台
寿人 山下

岩本   望月
    (財前)
森保  石井
   (福田)
根本 渡邉 ファビ 村上
    (數馬)
小針
動き硬く、完敗。最終節にすべてをかける。

サブは高桑、數馬、財前、金、福田。

 前半から横浜が、引き気味のラインからサイドからカウンターをしかけ、動きの硬いベガルタを圧倒。DF陣が横浜の揺さぶりに対応しきれない。10分、30分に自由に動き回る久保をフリーにしてしまい、2点のビハインド。その他にもキーパー前にあわやの飛び込みを再三されるが、相手のミスと小針のセーブで追加点は辛うじて防ぐ。

 後半から石井、ファビアーノを下げ、福田、数馬を入れ、寿人トップ下気味の3トップ。しかし後半も、ボールを持たされても、じっくり守られ、じれたベガルタのミスを、速攻につなげられる苦しい展開。前半にクロスを入れても中沢に高さに弾かれたところを、福田を入れることで、ポストプレーに期待したのだが、中沢につぶされ、山下、寿人とも、もうひとつフィットしない。15分、石井を下げ財前入る。しかし財前も相手カウンターを警戒して、もうひとつ前に行けない。

 それでも20分、ようやくベガルタの時間。思い切ってラインを上げ、相手セカンドボールを拾うと、寿人がペナルティエリア内で粘り、詰めていた山下に潰されながら折り返し、山下フリーでシュート!しかしカバーした相手DFに弾かれる。ついで、村上のクロスから寿人がヘッドで前え流し、福田がDFと競ながらねじ込もうとするも、惜しくも枠の外。

 この時間だけは相手DFを振り回していたので、ここで攻め切れなかったのが痛かった。直後、オフサイドもどき(とにかく副審は旗を上げていた)で止まったところを、3点目を取られ、DFが戻れなくなってきて、カウンターで4点目を奪われる。その後は、点を返そうと攻めの姿勢を見せるものの、前半で振り回されたツケがきて疲労困憊。どの選手も足元がおぼつかなくなる。村上が、根本が、そして渡邉までも前線参加。それでも懸命にボールを前に運ぶ。しかし時間がない。そのまま試合終了。


 ライバルより先に勝ち点3を取るために、勝負をかけた。届かなかった。それは過ぎ去ったこと。時間は前にのみ流れている。タイムマシンはない。過去を呪うのではなく、未来のためにやれることをやれ。チャンスを与えられた。前を向け。結果は一緒に背負ってやるよ。

京都との得失差3。京都大量得点がないかぎり、勝利で大分、京都を上回れる。
最後に勝つ!


シュート数:9-11、CK1-5、FK30-21 得点:久保3、大橋(以上横浜FM) 警告:岩本、望月、山下 (相手)那須、遠藤、中澤、佐藤一樹 主審:山西博文
15 11月29日(土)14:00 大分トリニータ 1-1 大分ス
寿人 山下
(福田)  
根本    岩本
    (財前)
森保  シルビ
(金)   
數馬 渡邉 小村 村上

小針
対大分:1-1 残留かなわず

サブは高桑、ファビアーノ、財前、金、福田。主審岡田正義。

 勝負は紙一重。決定機は何度かあった。最後は運に頼らない、もう一段の強さが足りなかった。以下テレビ映像による経過のみ。

 前日の雨もあってか予想どおり大分スタジアムのピッチはずる剥け状態。観客33000人。ベガサポも1500人。
そんな中、最初の10分ほどは互いに様子見、岩本がロングシュートを放つ。8分、山下のボレーシュート。

大分は中盤でボールを拾うと、簡単にサイドに振ってゴール前にもってくる。大方の予想より攻撃的だ。シルビーニョが守備に走らされる。9分、寺川に上がられピンチ。12分右サイドを駆け上がる寺川の放りこみで、中央梅田がフリー、簡単にあわされ先制を許す。勝ちが必要なベガルタには苦しい展開。

 次第に中盤でボールがキープできなくなる。シルビーニョも怪我(脇腹骨折)の影響か、動きが重い。大分の出足に、ボールウォッチする選手が多くなる。27分久々、根本からのワンツーが通り、シルビーニョがフリーでミドルシュート。しかし、全体に攻めは単調。逆にプレスをかけられてボールを奪われ、コーナーなどでピンチを招く。

30分、たまらず、岩本に代え財前、森保を下げ金を入れてスリートップ。その後はようやくベガルタもターゲットができて、ボールを持てるようになる。37分コーナーからのこぼれ球、ゴール直前で小村のボレー。しかしキーパーに弾かれる。

 後半。いきなりのコーナーのピンチ。相変わらずベガルタ中盤から前線までのパスが遅い。しかし大分も疲れが見え始め、プレスが甘くなり、ベガルタにもチャンスが。特にコーナーからの混戦で再三押し込むチャンスがあるのだが、相手DFに押し返され、ポストに嫌われる不運。20分、寿人に代え福田。

 それでもベガルタの流れがなんとかできて、26分、山下のクロスから、福田がヘッドで落とし、詰めていた根本がボールをたたきつける同点弾!その後も相手のクリアミスからもう一歩で押し込めるチャンスもあったが、決められず。最後はゴール前に運ぶ運動量も落ちて、引分けで試合終了。

勝ち点3が必須だったベガルタは年間15位にとどまり、1度目のベガルタのJ1は、2年で終わった。


シュート数:13-10、CK6-4、FK19-27 得点:根本裕一 (相手)梅田 警告:森保、村上、數馬、財前 (相手)寺川、吉田 主審:岡田正義