2003年 J1観戦記1stステージ前半(1-7節)


節 期日 キックオフ 対戦相手 会 場
1 3月23日(日)15:00 大分トリニータ 1-0 仙台
  佐藤寿  山下
(エデー)   
 岩本 シルビーニョ  

 森保 石井
(阿部)  
根本  小村 ファビ 森川
        
高桑
高桑ファインセーブ連発。しぶとく一勝。

サブは小針、中田、千葉、阿部、エデー。
互いに怪我人などで苦しい布陣。しかしベガルタは昨年との違い、「堅守」を見せてしぶとく勝ちきった。

 ようやく春めいてきた仙台。しかし午後3時を過ぎ、ピッチがすっぽり日陰になる時間になると、風の冷たさがしみる。冷えないかと本日初陣のチアガールの臍だしも心配になる。今季リーグ開幕戦とあって社長や市長の挨拶、人文字、そして清貴とゴスペルグループによるOh happy day。入場19174人。春の日差しの中でホームチームの試合を満員のスタジアムで楽しめる。なんと幸せなことではないか。市長の受け売りではないが、早く世界中が平和の中でサッカーが楽しめるように祈りたい。

 さて、試合は開幕早々ファビアーノがかわされ、いきなりのピンチ。しかし、ゴール前でなんとかしのぐ。5分、岩本にシュートチャンス、角度がなくて惜しくもはずれる。今日の岩本はしばしばゴール前に侵入してシュートチャンスが何回かあったが、タイミングがもうひとつ合わず惜しいチャンスを逃した。

 大分は寺川とアンドラジーニャで攻撃を組み立ててくる。そのパターンになれてくると、次第にベガルタのペース。20分、フリーになった石井のロングシュート、低い弾道で相手ゴールを襲う。このあたりからベガルタがボールを支配、シルビーニョがボールを左右に散らして、しばしば根本、森川がオーバーラップ、相手を翻弄する。しかしシュートまでの手数が多く、なかなか決定機までに至らない。
 守りでは、大分のアンドラジーニャは小村、ファビアーノが完封、ほとんど前を向かせない。大分は左サイド一辺倒の攻撃。危険なボールはファビアーノがヘッドでクリア、守備に破綻が見られず安心して見ていられる。

 そして、前半38分左コーナーをシルビーニョが根本にショートで出し、すかさずクロス、相手DFのクリアミスに山下がすぐ反応、押し込んで先制1-0。相手ゴール前でのFWらしい動き。マルコスや寿人が活躍していたナビスコから、山下にも得点が出て、チームはいいムードに。その後も次々に大分へ攻め入るが、完全には崩せない。

 後半になると、大分もサイドチェンジを使いながら早い攻め。そしてしばしばロングシュートを放つ。セットプレーからの際どいシュートも2、3本あったが、高桑がハイボールと強いシュートへは鋭く反応して安定感を見せる。ベガルタは岩本から根本からのワンツーでしばしばチャンクメークするが、ゴール前での争いではマルコス不在でなかなかシュートまでいけない。大分は次第にペースをつかみ、やや守りに回ったベガルタを左右から揺さぶる。いやな時間帯。
 しかし、この流れを断ち切ったのが佐藤寿人。71分、DF二人の囲まれながら後ろからのパスにワンタッチでの25mループシュート。この攻めだけでなく、守りでのスピードを生かし、相手選手をつっかけて、ボール出しを遅くする、いい動きが随所に見られた。このあたりから大分も攻め疲れが見えパスミスが出始める。

 77分、森保に代え阿部入る。今日は珍しいものを見た。セットプレーのこぼれ球を阿部がロングシュート。そうそう、時々打っておくことが大事です。そして81分には寿人に代わって、ついにエデー登場。まさか開幕から出場できるようになるとは、本人も思っていなかっただろう。まだ連携がギクシャクしてはいたが、力強いヘッド、そしてオフサイドで幻とはなったが、左足でのグラウンダーのシュートなど、可能性はアピールできたのではないか。いつ次ぎのチャンスがやってくるとも限らない。大いにコミュニケーションを図って、準備をしていて貰いたい。
 エデーが出たあたりから、完全に大分は足が止まって、ベガルタが時間を使いながらの左右の攻め。そのまま試合終了。
 
 左サイドの根本と岩本のコンビは完成。マルコスがいなくてもシルビーニョや岩本の流れからのシュート、さらには石井や森保の攻撃参加もあって、FW陣がおさえこまれても攻撃のバリエーションはある。時折、寿人がカウンターで走りこむからDFが引き付けられる。さらに、守りの安定感。今日のような厳しい状態で少ないチャンスをものにして、守り切れる勝ち方ができれば、大いに期待できる。後は怪我人の回復待ち。代表招集休みで1週空くのを活かしたい。根本は怪我に気をつけながら、26日から五輪代表入りに向けてもうひとあばれしてくれい。


シュート数:15-11、CK6-5、FK19-31 得点:山下 警告:シルビーニョ (相手)浮気
  主審:吉田寿光
2 4月5日(土)15:00 横浜F・マリノス 1-1 横浜国
  佐藤寿  山下
      
岩本 シルビーニョ
(千葉)
石井 森保
  (阿部)
根本  小村 ファビ 森川
(中田)        
高桑
苦しい状態、一丸で引き分け。
 スタメンは前節と同じ。サブは小針、中田、数馬、千葉、阿部。FWなし。横浜松田、佐藤由紀彦はベンチスタート。本日はテレビ観戦。

 強風で雨。気温8度にもかかわらずベガルタサポーター約千人。。スリッピーなピッチ。

 開始2分、寿人から岩本、岩本が挨拶代わりのシュートするも惜しくも外れる。5分岩本のフリーキック。久保と小村が縺れて、あわやPKもノーファール。横浜は最初から前掛り、こぼれ球を拾い、奥を中心としてアーリークロス、ロングボールで、ゴール前のマルキーニョスや久保にボールを集めてせめてくるが、ベガルタのDF陣は集中を切らさず粘り強い守り。完全に崩されたのは1、2回。雨はますます強くなっているように見える。聞こえるのはベガルタサポーターの歌。雨将軍はどちらに見方するのか。

 しかしボール支配は横浜が圧倒、8分クリアミスから横浜・奥がどフリーでのシュートも高桑、足でクリア。堅守がツキも呼ぶ。15分過ぎ、ベガルタもセットプレーやシルビーニョのスルーパスからチャンスメークするがシュートはヒットしない。20~25分、横浜がボール支配。それでも佐藤寿人の動きは今日もいい。相手ボールにつっかけていく。根本の上がりは警戒され、囲まれている。岩本とシルビーニョがポジション・チェンジ。
 30分過ぎからようやく相手陣内でフリーキックのチャンス。ややベガルタにムードが出てきたところで、37分、ベガルタゴール正面でのフリーキック献上。壁の間からグラウンダーでマルキーニョスに決められリードされる。0-1
 しかしその後を耐えて、前半終了直前44分、シルビーニョからのフリーキックを、胸でワントラップから寿人豪快にボレーで決めた!かと思われたがおしくもファール?でノーゴール。互いに1点ずつ損した格好。

 後半。マルキーニョスが何度も強引にシュートを放つ。ベガルタ攻め込まれながらも、相手の攻撃が単調なこともあり、DFラインで粘り強くしのぎ、カウンターでのチャンスを伺う。55分には、久々にシルビーニョ、山下、寿人、岩本と、きれいに横パスがつながり、惜しいチャンス。次第に互いに疲れが出てきてラインが上がらず、間延びして、攻守の激しい展開に。
 1点ビハインドの62分、(佐藤由紀彦が準備するのを見て相手の右裏を狙ったという)監督が勝負に出た。森保に代え阿部を投入、攻撃的に。65分、横浜突如スローダウン。守りに入ったか?いやいや時間をかけて徐々にベガルタサイドに攻め入り、コーナーキックからのダイレクトシュートは、からくもバーの上。67分には松田、佐藤由紀彦を投入。由紀彦には右サイドからのアーリークロスで攻められる。

 しかしそれでも、ベガルタはワンチャンスをものにする。70分、右サイドでフリーになった、阿部が「右足」からゴール前の寿人へ絶妙なクロス、寿人DFをひとりかわしてのダイビングヘッドで同点。これでさらに勝ちにいける態勢かと思いきや、75分にアクシデント。シルビーニョが右足裏違和感で退場。急遽出場した千葉がそのまま前MFとして入るも、ボールキープする人間がいなくなって、苦しい展開に。ここでベガルタの残りの戦い方が決まった。
 85分には連戦の根本に代わり、中田初登場で左サイドに入っての総力戦。横浜が安永を入れてスリートップで勝ちにくるも、最後までベガルタDF陣の集中は切れず、逆にカウンターで相手陣内に侵入、相手を焦らせて、まんまと引き分け、勝ち点1。横浜FMはこの戦いが後で効いてくるだろう。

 全員一丸となって、得点力のある相手とアウエーで追いついての引き分け。シルビーニョの怪我でますます今週は苦しいが、「トップ下」布陣などで乗り切っていくしかないだろう。そんな中、あれだけ左足一本に拘っていた阿部が、「右足」で決勝点アシストのクロス。前節のシュートといい、今年のキーマンは6番かもしれない。


シュート数:6-12、CK2-8、FK21-16 得点:佐藤寿人(相手)マルキーニョス
警告:シルビーニョ、ファビアーノ (相手)なし  主審:梅本博之
3 4月13日(日 13:00 清水エスパルス 3-1 仙台
  佐藤寿  山下
  岩本 
     
阿部 森保 石井
(千葉)    
根本  小村 ファビ 森川
        
高桑(小針)
とまらない!Hisato Express

サブは小針、中田、千葉、山田、中原。中原2試合連続ベンチ入り。エスパルスは北島、ツゥットのFWにアン、三都主に市川もスタメン。

 気温20度、5月の陽気に、桜も一気に咲く。19000人超で満員の仙台スタジアム。
右の財前、シルビーニョの怪我で、岩本トップ下に3ボランチの布陣。DF陣はファビアーノが戻って今季不動のスタメン。

 開始早々岩本が休養十分で走り回り、左右にボールを散らし、自らもシュート。10分までは、ベガルタは相手を上回る運動量で、ボールキープ、期待のできる展開。エスパルスはロングボールで裏を狙う攻撃だが、三都主、アン、ツゥットはベガルタDF陣とボランチが連携良く、囲んでフリーにはさせない。15分、クリアミスを北島にドフリーで狙われるが、高桑が足1本で防ぎ、リズムを作る。2度ほどいいクロスを放りこまれるが、体を寄せて何とか防ぐ。
 。ベガルタはFKやCKのチャンスや、27分の中央での佐藤、岩本、石井から山下への流れるようなパス交換からのシュートなど、速い攻撃でしばしばチャンスを作るのだが、今日の相手GK黒河は敵ながら天晴れ。前半、決定的なシュートを2、3本止められた。いい攻めをしながらなかなか点が入らず、いやなムードに。

 前半終了間、山下の相手DF二人を振り切っての反転シュートが決まらず、集中が一瞬切れた直後、三都主を初めてフリーにし、ツゥットに飛び込まれて、先制される。いい攻めをしながら点が取れず、逆に先制された。相手GKが当たっているだけに、これは重い点とも思われたが。。。

 後半、開始早々、ツゥットが高桑と交錯して、高桑、右足首を痛め、退場。小針が入る。もうこれ以上の怪我人はいやだ。ベガルタも場内も気が引き締まった。後半は高めの気温のせいか互いに疲れが見えるが、ベガルタは疲れながらも岩本や攻撃陣も全員守備に動き、モチベーションは高い。逆にエスパルスは1点で勝ったと思ったのか、しばしばミスパスや気のないプレーが見える。

 互いになかなか攻めきれない時間が続いていたが、次第にベガルタが押し込み始める。根本が積極的に上がって相手陣で勝負、とられたボールをまた取り替えす粘りや、ころんでもボールを奪う「寝技」を見せる。左がつまると右サイドの森川も上がってのクロス放り込み。中央では石井、岩本が切り込むなど多彩な攻め。

 63分、石井の右からのセンタリングを、相手GKとDFが交錯してはじくところ寿人が粘ってキーパーをかわし左足でゴール左隅に豪快に決め、同点。ちゃんと山下が逆に動いてDFを引き付けている。これは流石のキーパーも取れない。
 さらに、その5分後、また寿人が、岩本のゴール前のスルーパスにスピードで反応、DFをかわして今度はゴール右隅へ強烈な2点目で逆転。

 矢継ぎ早の得点で、DF陣も元気が出、エスパルスの前掛りにも集中して守ることができる。再び三都主などを押さえ込む。
 ロスタイム。ここで阿部に代わり常套手段の千葉への交代。寿人は前線からの守備に走り回り、ついに足がつってピッチで寝ている間に小村が相手ボールをカットして、岩本ポスト、石井が今度は中央から山下へのスルーパス、これを山下ポストに当たるぎりぎりのコースに決めて、だめを押す3点目。そのまま試合終了。

 怪我人多い中、ピンチの時も切れることなく、FW、MF、DF、キーパーそれぞれが役割を果たした。運動量、集中力で相手を上回った。先制されてもあわてずに機会を待つ精神力もある。まだまだメンバー構成はきついが、耐えてのこのゲーム。左には根本、阿部の左利き、右には石井、森川の同級生コンビで固めている。岩本トップ下は窮余の策だが、彼も役割を弁えての動き。苦しくてもこれは期待できる。高桑の怪我だけが残念。時間がかかる場合は小針に萩原でがんばるしかない。
 さあ、山下、根本は代表で思い切りアピールしてくれ。そして寿人はオリンピックに行ってもいいんじゃないか。山本さん、見てたんでしょ。


シュート数:16-10、CK8-4、FK15-15 得点:佐藤寿人2、山下 (相手)ツゥット 警告:森保 (相手)吉田、伊藤輝  主審:柏原丈二
4 4月19日(土)14:00 ヴィッセル神戸 2-1 神戸ウ
佐藤寿  山下
(千葉) 
 岩本 シルビーニョ
 阿部 石井
    
根本  小村 ファビ 森川
        
小針
阿部1アシスト、1ゴール。シルビーニョは頭。

森保負傷もあり、シルビーニョが先発。
サブは、萩原(今季初)、中田、千葉、山田、中原。
本日留守番モード。

 小雨。19度。6300人。たちあがり互いに攻守の切り替え激しい。5分相手FKの後のロングシュート、小針ファインセーブ。8分ベガルタCKのチャンス、こぼれを阿部シュート。CK.2本目。10分、カウンターから神戸次々クロスを放り込んでくるがヘッドでクリア。 戸、アリソンの強烈シュート、小針防ぐ。その後セットプレーからベガルタのチャンス。

 13分、岩本のロングシュート。18分岩本のCKはサイドネット。左からベガルタ攻勢。神戸はしばしばロングボールで一発狙う。神戸GK掛川にミス散見。23分神戸山口にイエロー。25分根本オーバーラップからシルビーニョのシュート。28分石井のミドルシュート。神戸カウンターの後にスペース。アリソンが盛んにロングシュート放つが小針が抑える。シルビから根本へ、アーリー・クロスが寿人にぴったし合ってシュートするもキーパー防ぐ。次いで32分、岩本から山下のヘディングシュート。43分ベガルタ左サイドから神戸のFKは枠の外。ロスタイム今度はベガルタのFKからチャンスも決められず。そのまま前半終了。MLによると73で神戸だが、小針、シルビーニョの動きは問題ないとのこと。

 後半開始。50分ベガルタ、CKのチャンス。岩本から、小村のシュート惜しくも外れる。直後、神戸カウンターからシュート。53分神戸のCKは枠外。54分、相手フリーキック前、小針にイエロー。シジクレイの強烈なキックは掻き出す。57分、ベガルタのシルビのフリーキック。神戸はオゼアスにボール集めてくる。61分神戸岡野投入。神戸の攻勢。
岡野の走り込みは小村阻止。岩本ミドルシュート。今度は根本が入り込んでシュート。岡野の裏狙い。67分、岩本のCK。
 68分、阿部のクロスからシルビーニョ、ヘッドで叩きつけ、先制!ベガルタ押せ押せになるが、神戸もカウンターからオゼアスのヘッド。今度は神戸が前掛かり。75分、小村とオゼアスが接触でひやり。幡戸の侵入、あわやPKもノーファール。78分、シルビ、岩本、寿人で惜しいチャンス。81分、今度は阿部の左足30mロングシュートを決め2点目!神戸もカウンターで攻めるもシュートにはプレッシャーで凌ぐ。84分アリソンのシュート小針ファインセーブ。神戸、次々シュート。カズが入る。超攻撃的。86分コーナーからのこぼれ球北本に返され2-1。直後の山下、シルビが攻撃。89分寿人に代え、千葉直樹投入。ロスタイム3分。岩本、GKと1対1。惜しい。その後の神戸の猛攻を凌いで勝ちきった。


シュート数:16-29、CK6-10、FK20-15 得点:シルビーニョ、阿部敏之 (相手)北本 警告:小針 (相手)山口  主審:岡田正義
5 4月26日(土)13:30 ガンバ大阪 0-2 仙台
  佐藤寿  山下
(中原)  
 岩本 シルビーニョ
     
阿部  石井
(森保)(千葉)
根本  小村 ファビ 森川
        
小針
疲労コンペイトーで完敗

サブは萩原、中田、千葉、森保、中原。
G大阪はマグロン、大黒の2トップ。

 26度と10度以上の急激な気温上昇、雨上がりの重いピッチが連戦のメンバーの体力を奪う。完全な状態で当たり、マルコスがいたら違う展開もあったろう。しかし、たらレバいってもしょうがない。完敗は完敗。ホーム入場者累計100万人。今日の入場者はやや空きのある18000人台。

 暑さと連戦のことを考えてか、互いにゆっくりとした攻め合い。しかし、徐々にガンバがボールを支配し始める。ベガルタは何かがおかしい。動き出しが遅く、きれのいいオーバーラップがなかなかできない。パスミスも目だつ。それでも7分、山下の粘りから敵陣右での岩本のフリーキック、ヘッドでつないで小村が頭でゴール!と思ったらおしくもオフサイド。
 10分を過ぎると、ガンバがシュートラッシュ、マグロンはポストに徹し、サイドから中央からとボールを回されて、次第に中盤が消耗、防戦一方になる。17分、マグロン振り向きざまのループ、小針の頭上を越されたが、からくもバー。ツキはあるのか? その後も出足のいいガンバの攻撃に苦しみながらも、小村、ファビアーノが踏ん張り、ゴールを死守。しかし、ときおりフリーを作られて苦戦。次第に前線とDFの間が開いてきて、有効な攻撃ができなくなる。
 それでも、35分過ぎにやや盛り返し、岩本のミドルシュートや、山下の中央突破からのシュートがあるも、惜しくも決まらない。42分、コーナーキックから一瞬集中が切れ、こぼれ球を押し込まれて失点。何とか守りぬいてチャンスもでき始めたところだっただけに、残念。

 後半開始。5分、中央から大黒に突破され、小村とからみながら角度のないところからのシュートされ、2点目を許す。これで、ガンバは明らかにボールキープの態勢に。
55分、佐藤寿人に代え、中原を投入。さらに60分、疲れの見える阿部に代え、森保も入る。65分には石井に代え千葉が入り、ボランチにスタミナ注入。
 これで、ようやく前線への押し上げができるようになって、中盤でもボールをもてるようになるのだが、いかせんFWの二人ががっち抑えられ、スペースへの動き出しも遅く、なかなかシュートまでもっていけない。
 中原は滞空時間の長いヘディングで競り勝って、期待を持たせるのだが、まだ位置どりに戸惑いがあり、遠慮勝ちな動き。75分過ぎ、それでも、スタジアム全体の応援に力を振り絞り、根本、森川もようやくオーバーラップを見せるようになる。しかし、いつものクロスの精度がない。これも疲れか。シルビーニョや岩本がボールをもったときの動き出し、これを中原にやって貰いたかった。俺が決めるという姿勢だけでも見せて貰いたい。はずしてもいい。FWだからとにかくシュートしてナンボ。

 試合終了前の10分はベガルタの押せ押せムードから岩本、やシルビーニョがドリブルで攻め込むものの、なかなかフィニッシュまで持っていけない。前半守備に振り回されたツケがきて、サイドバックの二人もいつものキレのある動きが出せなかった。
 疲れきったメンバーの中で、一試合休んでいるせいか岩本は元気。終盤でもトップスピードが出せる。オフの鍛え方が違うのだろう。また後半のフリーキックではポストに当たる惜しいシュートもあった。そろそろゴールが出そうな予感だ。

 今季初黒星。こういう時もあるだろう。とにかくできるだけ疲れをとって、次節で違うものを見せたい。苦しい状態が続くけれど、このメンバーなら修正できる。


シュート数:7-21、CK7-7、FK13-11 得点:マグロン、大黒 警告:ファビアーノ、石井
主審:砂川恵一
6 4月29日(火・祝)15:00 ジュビロ磐田 1-1 宮城ス
  佐藤寿  山下
(エデー→中原)   
 岩本  シルビ 

 阿部  石井

中田  小村 ファビ 森川
 (森保)     
高桑
嵐を呼ぶ男、エデーの同点PKで分ける

 根本、五輪代表により欠場。ここは、中田の出番。萩原、千葉、森保に加えFW二人エデー、中原のベンチ入り。監督も勝負に出ている。シルビーニョ下がり気味で3ボランチとも。

 出かける頃の気温は20度。この頃としては蒸し暑い。しかし強めの風が吹いている。山の上の宮城スタジアム、15時開始ともなれば、前節ほどの消耗はないだろう。観客は33443人。2階席以外はほぼ満員。どんなもんだろう、増えすぎて渋滞がひどくなるよりはましかも。

 さて、今日は根本がいない上にマルコスがまだ、ということで、左DFには中田一三が2年ぶり、ベガルタでは初先発。控えにはエデー、中原の若いFWが入った。局面では超攻撃的布陣を考えているのか。。。

 試合立ち上がり、3分、いきなり右からの岩本のフリーキック。続いてコーナーのチャンスから小村が飛び込むも決まらない。その後、中盤では磐田にボールを支配されるも、今日は早めの対応で、フリーにはさせない。15分、中田イチゾーが溌剌とした動き。岩本とのワンツーからオーバーラップ、自らペナルティエリア内に侵入、あわやのタイミングもトラップ決まらず。しかし動きに躊躇はない。

 20分過ぎ、磐田がワンタッチ・プレーからフィニッシュまでしばしばもっていく。きわどいクロスを次々入れられるも、辛抱地強い守り。グラウ、中山に体を寄せ、なんとかしのぐ。ベガルタは、カウンターから、シルビーニョ、岩本がチャンスメークするものの、その先が続かず、シュートが打てない。フォローが守備に追われていることもあり、山下、佐藤のところでキープができない。それでも時折、中田や阿部が思い切って上がって、多少の形はできている。
 フリーキックの連続から磐田の流れになってきたところ、28分、名波にFKを直接決められ先制される。これは仕方ない。その後も、圧力をかけられるが、慌てた感じはない。スタジアムの強烈な応援が、しのげば何とか、という気持ちにさせているかのよう。リードされたとはいえ、流れからのどフリーは、中山のふかし1本くらいに抑えている。押されながらも凌いだという感じで前半終了。

 後半。やや疲れ気味の寿人に代え、エデー登場。入るなり岩本とのワンツーでチャンスメーク。磐田の守備陣もこの重戦車には、「こっちくるな~」という戸惑いが見える。しかしながら、今日のエデーはいろいろ指示があったのだろう、ポストプレーでパスを出したり、いつもよりはチームプレーが見受けられる。まだへなちょこパスが多いけれど(^^;

 なにより、彼が醸し出す、とにかく前へ、前へという気迫がチーム全体にも好影響。65分過ぎ頃から、ベガルタは見違えるような展開で、左から阿部、岩本、中田のオーバーラップ、右は石井とシルビーニョ、森川がリズム良く展開して、やや疲れの見える磐田の中盤を翻弄、しばしば相手ペナルティエリア付近まで、攻め上がれるようになる。山下が相手DFを引き付け、そして中では、エデーがターゲットとなり、相手DFを蹴ちらす。岩本のクロスに、相手を振り切ってのエデーのヘディングシュートは惜しくもサイドネット。次第に得点の予感。

 80分、小村が右足負傷で、森保が緊急にセンターバックに入る。その直後、中央からエデーがDF二人を引き連れ、鈴木のファウルを誘い、PK。これをエデー、左足の低いボールで自分で決めて、初得点は同点弾。喜び過ぎてユニを脱いでしまいイエロー(日本だけのローカルルール。ルールだから仕方ないが、サポータと短い時間喜びあうことがなぜ反スポーツ行為なんだろう。脱がれたから屈辱だと思う相手の選手っているのだろうか。それより、ゆるゆるの靴をはいて、ゲーム中に紐ばかり結んでは時間をかせぐ姑息な選手の方が、よほどだと思うのだけれど。)

 エデーも途中で足を痛め中原を投入。最後の10分も押し気味に攻めながら、さすがに磐田もしぶとい。一方、ベガルタの守備もこの得点で集中が戻り、最終盤ではあまりいいクロスを上げさせなかった。
 ぎりぎりのメンバー、疲れの中で、前王者にしぶとい勝ち点1。勝ちきるには足りないものも、まだまだあるが、選手には自信がついたのではないだろうか。

 エデー。この男、粗にして野だが卑ではない。地を這うような強烈な左足。そしてヘディング。確かに学ばなければいけない課題も多い。けれども、プロ選手にとって最も大事な荒ぶる魂がある。人柄が良いいだけのお嬢さんサッカーやるなら、同好会でもやっていればいい。単なる乱暴者のカード・コレクターでは愚かだが、かといって闘争心のない、ただのサッカー好きでは、プロでやっていける訳がない。どのプロ選手も、そういう魂を持っている。表現の仕方が違うだけだ。中原同様、さらなる進化が楽しみだ。

 おっと忘れちゃいけねえ。中田一三もばっちり。運動量も多く、思い切りがいい上がりは、今後きっと何かを起こすだろう。根本とはまた違った魅力。あれ、でも本当は右だったのでは?器用でもあるよな。小村のけがは、右足裏が痛いらしいが、軽いことを切に祈る。(翌日、半月板損傷で全治1ヶ月の診断・・痛い)


シュート数:4-17、CK2-11、FK19-29 得点:エデー (磐田)名波 
警告:阿部、石井、シルビーニョ、エデー、岩本 (相手)西、福西、鈴木、田中  主審:上川 徹
7 5月5日(月・祝 15:30 京都パープルサンガ 0-1 西京極
佐藤寿  山下
(エデー) 岩本 
 阿部 森保 石井
(千葉)    
中田  数馬 ファビ 森川
(根本)        
小針
攻め手なく、惜敗0-1

シルビーニョ累積で出場停止、小村欠場で数馬先発。岩本トップ下か。サブは萩原、根本、千葉、中原、エデー。京都は松井と角田が先発、黒部はベンチいりせず。本日テレビ観戦記。

 気温33度、湿度20%。まだ5月上旬なのに。風水攻撃か~
試合開始からベガルタは引き気味の省エネモード。20分ころまで京都にボールを支配され左サイドから次々クロスを入れられるが、中盤二人がしのいでシュートコースは限定。30分過ぎにはベガルタの次第に前線でのチャンスができるようになるが、シュートまで至らない。時折フリーキックのチャンスも遠目で、岩本が直接狙った1本のみがシュート。京都はボールを支配するもののミスが多く助かっていたが、前半終了直前サイドをえぐられ数的優位でありながら、中央どフリーを許し、先制される。

 後半開始、中田に代え根本入る。開始早々森川のアーリークロスから、寿人のヘディング惜しくも合わず。京都のどフリーシュートが2本はずれて、ベガルタにも流れかと思われたのだが。。早めのプレスからようやくサイドの攻撃も出るようになるが、押し上げが遅く散発的。61分、阿部に代え千葉、63分、寿人に代えエデーを入れるも、京都の早いプレスに楽な形でクロスを入れられない。中盤が空いたところを京都にカウンターを狙われ、次第に消耗。
 ほとんど中央でタメができず、フォローも遅くてボールをもった選手が孤立、流れがつくれない。期待の根本のクロスで1本惜しいものがあったが、あとは精度を欠き、終盤はゴール近くでのフリーキックもとれない。残り10分では、ファビアーノがリベロで攻撃参加、森保を下げる手にも出たが、回りが動けず効果的な攻撃が続かず、そのまま試合終了。
京都のシュートミスもあり凡戦の中で最小失点になったのが不幸中の幸い。攻撃面の右MFの不在は大きいことを痛感させられた試合。ボールの出場所が複数あって初めてサイド攻撃が繰り出せる。この形を続けるにしても、もう少し時間がかかりそうだ。

 唯一、今まで不安定さを指摘されていた"オールバック"数馬が安定感を見せ始めていたのが、今後の試合を考えると朗報。

シュート数:5-13、CK2-5、FK31-16 得点:(京都)中払 
警告:中田 (相手)町田  主審:岡田正義