01節対徳島0-3 寒さしみる試合

  • 投稿日:
  • カテゴリ:
2005年3月5日(土)14:00 ベガルタ仙台0-3徳島ヴォルティス 仙台



バロン シュウエンク
    (松浦)
梁       中田
     (財前)
千葉 熊谷
(清水)
磯崎 根引 森川 富田
 
小針
 昨日の大雪が嘘のように晴れて、ボランティア各氏の懸命の雪かきでピッチが顔を出した。寒風の中でも17,375人が4.6度に耐えられる内容 の試合を期待したのだが、まだ春は来ていないようだ。

サブは高桑、三田、清水、財前、松浦。

完敗。前半25分と後半5分の2失点は小針のキャッチミスがらみ、3点目は守備の集中切れをコントロールシュートで狙われてダメ押しされた。

しかし個人のミスというより、守備攻撃とも明らかに練習不足が感じられる内容。組織の守備も局面での寄せで優位を奪われ、攻撃に至って は、サイドをえぐりながら、まともな高さのクロスがほどんどあがらない状況。バロンの動きも重い。「自由な攻撃」が、ピッチが悪い状態のなか 、球離れ悪くドリブル多用になってしまった。ロングボールで早い展開でしかける徳島とは対照的。で連係不足。なぜ自信なさげなのか、答えは簡 単。状況を想定した練習が不足しているから。

 試合開始15分までは、緊張も見える徳島相手にサイドから次々切り崩し、守りでは磯崎らが競り勝ってクリア、もぐりこませない。2分ゴー ル前こぼれを中田が左足シュート。4分、富田のクロスにシュウエンクがDFを背にシュートも、ヒットせず。6分には右コーナー、リャンのキック はシュウエンクの頭をかすめる。その後、徳島がベガルタゴール前まで初めて侵入。10分熊谷にイエロー。その後中だるみ。17分、右ペナルティエ リアぎりぎりのところでシュウエンクがフリーキック。惜しくもサイドネットをかすめる。20分には、左サイド磯崎、リヤンとからんで、クロスあ げるもクリアされる。今日のクロスはことごとく低くバロンの高さにヒットしなかったのが残念。このあたりから徳島もロングボールを多用、中央 にあてては、後ろからスピードに乗ってフォローするという、縦の動きでベガルタをくずしてくる。

 そして25分、右サイド縦の徳島のロングフィードを小針がキャッチミス、側にいた大島に押しこまれ先制許す。これでベガルタの動きがぎ くしゃくしてくる。余裕をもった徳島に振り回されるようになる。そんな中、千葉直樹がひとり落ち着いてボールカットや、カーブをかけてのパス でサイドを走らすなど、調子の良さが目立った。しかし、、攻撃陣はマイボールの時でも、一体誰がラストパスを出し、だれが決めるのかイメージ の統一がなく、ひとりでプレーする選手が目立ちち、得点の匂いがしない。バロンにあててワンツーするとか、ドリブルする選手をフォローする選 手がいない。それでも27分には中央のフリーキックが壁、29分には富田が自分で持ち込んでシュート。

 後半5分。相手中央のフリーキックを小針、正面でキャッチ、のはずがうしろにこぼれて、そのままゴールへ。ボールを追う余裕もなかった 。悪夢だ。気分転換に練習方法を変えてもらうのも一方だろう。キーパーもロボットではいけないはずだ。7分、ボールが落ち着かないのを見て富田 に代え財前入る。中田がDFに回る。財前が入って起点はできるものの、徳島も研究済み。二人三人と囲んでくる。このときもフォローが遅いので 、クロスを出すまでに時間がかかってしまう。財前のいいパスは1、2本きり。徳島は2点の余裕もあり、引き気味カウンター狙いで、前がかりのベ ガルタのスペースをついてくる。ベガルタは両サイドもあがるツーバック気味な攻めまで見せての姿勢をとるが、シュートまでに至らず、逆にカウ ンターで背走させられることしばしば。

 17分千葉に代え清水入る。確かに運動量豊富に、かく乱するにはいい選手なのだが、これもまわりとフィットしないと孤立。25分財前が相 手DFを振り切り、絶好のクロスを送るもシュウエンクのヘディングシュートは枠外。それでも、このコンビの熟成は意外と早いと見た。直後、シ ュウエンクに代え松浦入る。しかし下がった徳島のラインでスペースがなく、松浦のスピードが生かせない。そして39分、カウンターから逆襲くら い、シュートコースの空いた一瞬をつかれ、コントロールシュートを決められ3点目万事窮す。  その後も、リャンが単独突破から絶妙のラストパスを送るが、ゴール前を素早く固められ弾かれるなど、決定的場面を作れないまま完敗。

 千葉、磯崎のいい動きやシュウエンクのシュートになど(決まらなかったが何度かコースには入っていた)にわずかな光明があるものの、 全体にボールに寄らない消極的なプレーが多いこともあり、今後、試合しながら修正するのは容易でない。ただ、ここで一気に挽回と焦ると、ズル ズルいく。問題は複数ある。ひとつひとつ解きほぐす具体的な指示が必要だ。抽象論や根性論では選手に自信はよみがえらない。どのスポーツでも やり直す時は「型」を繰り返し、体でリズムを覚えていく。ひとつひとつ。自信をつけてはじめて自由なプレーに移れる。ひとつずつだ。いっぺん に劇的に、ではない。


小針については、「かわいそう」なんて言わない。誰だってミスはする。しかし、ミスしたら当然非難される。見返すには自分で這い上がるしかないのだ。精神的に強くなるための試練。キーパーという孤独な仕事を選んだ以上、批判は甘んじて受け、納得いくまで鍛えて、戻ってきて欲 しい。


シュート数:10-9、CK:6-0、FK:32-22 得点:大島、石川、大場(以上徳島) 警告:熊谷 (相手)秋葉、谷奥、片岡 主審:廣瀬 格