2000年 J2観戦記2旬(12-22節)


節 期日 キックオフ 対戦相手 会 場
12 5月14日(日)13:00 湘南 3-2 仙台

 藤吉   小林
  平間 伊藤
    (蓮見)

千葉  リカルド
(中島) (大友) 
賀谷 飯尾ドゥ 田沢

高橋
またしても89分の劇的ゴール、大友初得点が決勝点

仙台スタジアムがホームとなって以来、この世に幸運の女神がいるとは、とても信じられなかったが、今日ようやく、そのうしろ姿を見せてもらった。ツキも実力の内というが、それを呼び込む努力、勝利への執念があったということだろう。

 雨上がり、気温の割りに湿度が高く、蒸す。今日も、例によって立ち上がりはベガルタが比較的自由にボールを支配し、湘南は様子を見るという展開。(開幕戦を思い出す。このあとの流れをつかめず、やられたのだった)いきなりのゴール!はオフサイド。。。その後もいつになく左右に展開して、センタリングからチャンスを掴む。10分位まではいいペース。

 その後ベガルタDFの押し上げがないと見るや、守りを固めて早めにFWにボールを出す展開をされ攻撃のリズムを作られる。20分、ゴールライン近くまで進入されて、松原にヘッドで押し込まれる。GK高橋は逆をとられたのか、緩慢な動きに見えた。

 ベガルタは、これを境にプレーが消極的になり、動きも悪くなる。直樹、伊藤のパスは弱く、中途半端。おまけにボールに寄せるスピードが遅くなり、せっかくボールを支配しても出し所がなく、安易な横パスでしばしばボールを奪われピンチを招くパターン。それでも相手のミスや目が覚めたGK高橋のファインセーブもあって0ー1のまま前半終了。

 後半、立ちあがり、ベガルタは再びサイドに展開するプレーが出始め、シュートまで行くようになる。54分、コーナーキックから小林、飯尾がヘッドでつないで、最後はゴール右隅にいた平間が押し込んで同点!1-1。
その後、湘南も速いカウンターからスピードのあるFWが切れ込んでシュートしてくるが、範夫のセーブやゴールポスト様に助けられ、何となくきょうはツイている感じ。 しかし、あまりにツキに頼り過ぎたか、61分DFの真ん中がぱっくり空いたところをミドルシュートで決めれられ、1-2と再びリードされる。

 いつもならこれで諦めムード。でも今日は少し様子が違う。数は少ないながらDF田沢、賀谷が上がって攻撃参加、何度かシュートを放った。たとえすぐ入らなくも、シュートしなくちゃ点は入らない。68分、結果が出た。田沢が放った強烈なミドルシュートが、相手DFの「ヘディングシュート」を誘い同点、2-2。

 今日は本当についてる!これは勝てるかもしれない。そんなムードがスタンドを包んでいるのに、疲れのせいか、ここからまたしても、ベガルタは消極的な動きに陥る。お前ら同点でいいのか!?

 そこで運動量の落ちた伊藤に代え投入された蓮見が、スペースに走りこんで疲れた相手に揺さぶりをかける。70分、足を痛めた千葉に代わり中島投入。両チームとも攻守の切り替えが早くなる。そして83分、今日はボランチだったリカルドが故障。代わる形でFW大友が入った

 89分、ゴール前で粘った藤吉から出たパスに大友が走り込み、DFとキーパーの間をころころところがるシュート!素早く回り込んで自分で押し込んで逆転!3ー2。5分の仕事で今日から制定されたホームMVP賞コーラ1年分を持っていった。スピードがあるってほんとにいいね。

  どうしても勝ちがほしい2旬目の最初に、調子を落としている湘南とホームであたり、しかも相手MFの出足があまりなかったのが幸いした。ツキでも泥臭くても上位相手に、逆転で、しかも後半だけで3点取り、新人が結果を出す。いいことずくめやんけ!今日は内容はどうでもいいっす。喜ばして下さい~。
13 5月18日(木)19:00 大宮 1-2v 仙台

 藤吉   小林
     (大友)
 伊藤 蓮見
         (中島)
 千葉  リカルド

賀谷 飯尾ドゥバ田沢
(山路)     
高橋
不可解PKで敗れる

平間が警告累積4枚で出場停止。代わりに蓮見が先発。前節の疲れか両チームとも動きが重い。

 それでもベガルタは、例によって立ち上がり10分は生きのいい攻めで再三攻めあがるのだが、大宮はバックラインを上げ、盛んにオフサイドトラップをかけてくる。
ベガルタは、小林の飛び出しとパサーの球出しのタイミングがほとんど合わず、相手の術中にはまってしまう。一方、大宮もパスミス、シュートミスで流れが悪い。しかし、とうとう20分、ゴール前での一瞬に隙をつかれ、先制を許す。

 ベガルタも、点を取られてから慎重に攻め上がるようになり、38分、伊藤がワンツーからキーパーと1対1になり、技ありループでキーパーの頭越しのシュート、同点。

 その後は、互いに足が動かず膠着状態になる。2、3回大宮のサイド攻撃で決定機を作られるが相手のシュートは悉く外れてくれる。ベガルタもセットプレーで何度かチャンスが訪れるのだが、いかんせん動き出しが悪く決定的なシュートチャンスが作れない。

 75分過ぎには、疲れの見えた小林から大友へ。大友がスピードでチャンスを作るがあと一歩ボールコントロールができず、シュートが打てない。さらに延長になって、蓮見に代え中島をいれるが、流れは大宮へ。

 延長105分頃、守りの集中が切れたところでペナルティエリアへの進入を許す。ここで大宮の高さのある見事な飛び込み前転がダイブとならず、PKと判定されVゴール負け。範夫は試合後悔しさで泣いていた。

  この他にも、わずかな接触では笛が吹かれるのに、足をかけられ転んだり、背後から頭部を狙われてもノーファール。不可解だらけ。選手が横たわってもすぐ外に出さない。選手は最強メンバーを求められるが黒服はどうなの?

 飯尾の負傷退場が気になる。肩を脱臼したみたいに見えたが...全治1週間とのこと。
14 5月21日(日)13:00 鳥栖 2-1 鳥栖

 藤吉   小林
(中島)(大友)
平間 伊藤
        (蓮見)
千葉  リカルド

賀谷 山路ドゥバ 田沢

高橋
からくも逃げ切る

各種情報より。飯尾の代わりに山路先発。試合は両チームとも動きが悪く内容的にはいまいちだった模様。コーナーキックが2対9というのも極端。あまり攻め上がれなかったが、少ないチャンスを活かしたということか。

前半29分、賀谷からの縦1本ロングパスが相手DF裏に出た伊藤に通り、伊藤が得意のキーパー頭越のシュートで先制。

後半63分には、クリアミスを拾われて同点に追いつかれるが、すぐ66分に平間が相手ゴール近くに切れ込んでPK(ニュース画像を見る限りやや微妙)を拾い、これを藤吉が決めて勝ち越し。

 終盤、伊藤に代え蓮見、小林に代え大友を入れる。89分には藤吉を中島に代えるまでして逃げ切った。

 このところ勝ち癖がついてきた?点を取られても慌てなくなってきたような気がする。時々DFがぱっくり開くことだけが残念。
15 5月28日(日)14:00 甲府 3-1 仙台

 藤吉   小林
     (大友)
平間   伊藤
(中島)(蓮見)
千葉  リカルド

賀谷 飯尾ドゥバ 田沢

高橋
後半、ゴールドラッシュ!

雨の予想がはずれ、蒸し暑く強い風が吹くピッチ。最高気温は28度まで上がった。
暑さ対策で省エネプレーを図った訳でもないだろうが、前半は互いにパスをだらだら回す眠たいプレーで盛り上がらない展開。

指示があったのか、いつになく左サイドから賀谷のオーバーラップがあったり、ゴール付近まで何度か攻め込み、コーナーキックのチャンスも何本もあったが、ほとんどキーパーにキャッチされてしまう緩いキックばかり。
たまに平間などがドリブルで上がっても、最後のところで相手を振り回すキレのある動きがなく得点できない。甲府は、数少ないチャンスをトップ選手のスピードに委ね、ロングパスのカウンターで決定機を作る。

30分、そうこうしているうちに、相手の繰り返す縦ポンからの二次攻撃でロングシュートを決められてしまい、先制を許す。ここ数試合、問題になっている「パックリDF」がまた出た。2列目の選手への対応がなくて、楽々シュートを打たせてしまった。

後半、ようやく千葉直樹が2列めへの対応をするようになり、相手の攻撃の出足を止めるようになった。60分、疲れの見える小林に代え大友が入り、早速63分、ゴール左への鋭い切れ込みから短いラストパス、これをゴール正面で待ち構えていた藤吉が見事な反転でシュート、同点。コンビネーション良く決まった素晴らしい得点だった。

さらに、70分、今度も左サイドから、大友自身がパスと見せかけて、大きく切り返しDFを一人抜き、角度のないところを左足でシュート、2点め。スピードだけでなく技もあるところを見せつけた

連敗が続いている甲府にはこれで十分だったが、81分には伊藤に代わって後半入った蓮見が個人技で中央から持ち込んで3点目、とどめをさした。さらに藤吉がつかんだPKのチャンスを、大友が蹴って4点目を狙ったがこれはバーにあたって外れ。比較的楽な場面なのに、これはもったいないぞ。

後半途中出場の選手がいずれも結果を出して、前半の眠たいゲームが嘘のような後半のゴールラッシュで、久々にスタンドも沸いた。今日見に来た人は甲斐がありましたね。

ところで田沢、小林の動きに、良い時のような精彩がないのが気になる。疲れているのか?
16 6月1日(木)19:30 札幌 1-3 札幌
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藤吉   小林
(ロドリゴ)(大友)
平間 伊藤
   (蓮見)
 リカルド 千葉

賀谷 飯尾ドゥバ田沢
高橋
エメルソン抑えられず

上村さんほか各種情報より。
ここが正念場。エメルソンを止めて勝ちを拾いたかったが。。

前半15分くらいまでは五分五分。その後札幌に攻められるもシュートははずれ。札幌がもたついている前半に得点し慌てさせたかったが。

 後半攻防の激しい展開の模様。後半51分、平間が先制。しかし54分にエメルソンに決められ同点。これが痛い。
 その後もエメルソンのチャンスメークにやられ、さらにFKで3点目を失う。FWを大友、ロドリゴに入れ替えたが有効ではなかったようだ。結局1-3で逆転敗戦。

残念ながら上位の守りの堅いチームをこじあけるまでには至っていないということか。前節の甲府の逆パターンになってしまった。
17 6月4日(日)14:00 新潟 4-2 仙台

藤吉   小林
   (大友)
平間 伊藤
   (蓮見)
 中島 千葉

賀谷 飯尾リカルド 田沢

高橋
大苦戦をベテランが救う 点差ほどには....

梅雨前で爽やかな風の吹く仙台スタジアム。
試合もすっきりさわやかといきたかったがどうも気の抜けたビールのような冴えない内容。ベテランが抜け目なく得点し、勝ったからいいようなものの....

ドゥバ警告累積で出場停止。やむなくリカルドをセンターバックに、ボランチに中島を入れる。うーん、不安だ。
立ち上がりは五分五分。攻守の入れ替わりが激しい展開。10分、千葉の右コーナーキックがフリーのリカルドに命中、高い打点からリカルドがヘッドで決めて先制。久々にセットプレーがきれいに決まった。

しかしその後はベガルタは、動きが鈍く、中盤で、どうしても、もたもたしてしまう。伊藤は特に最悪の出来。故障があるのかもしれないが、一歩目が遅く、パスを待って受けるので、敵に簡単にボールを奪われてしまう。中島も依然不調。パスが緩く連携もなし。練習していないか、していても反復が足りないかのどちらか。25分、押されぎみの展開の中で、CKからDFを振り切ったセルジオに決められ、同点とされる。前半は本当に不安な内容だった。

後半、不調の伊藤に代え蓮見投入。動きが出る。
50分、相手ペナルティエリア付近でフリーキックを得た。リカルドと千葉が相談してるポーズからボールから少し離れる。相手の集中が途切れた一瞬、いきなり反対側から蓮見が「時間差」キック。ループ気味にゴールにつきささる。2-1。流れの悪さをひき戻す、知恵あり技ありのシュートだった。

リードして少し生き返ったベガルタだが、相変わらず真ん中でこちょこちょボールを回しては、相手に奪われ、カウンターを食らう展開から抜け出せない。55分、FKからロングシュートを食らい、またしても同点に追いつかれる。シーソーゲーム。
ベガルタはその後もいま一つ、動きが悪く凡ミスの山。次第に新潟のカウンターに苦戦するようになる。範夫のファインセーブで防いだり、相手センターFWの動きの鈍さに助けられ辛うじて同点を保ったという感じ。

流れの悪い中、80分、賀谷が相手キーパーの位置を踏まえた「ロングループ」ヘッドを決めて、勝ち越し3-2。ようやく自分のペースをつかみ出す。最後はロスタイムに平間がちゃっかり4点めを上げてトドめを差した。

点がたくさん入り勝ち試合だが、指令塔の不調、若手の動きの鈍さなど気になる点の多い試合だった。このままではいけない。
18 6月10日(土) * 試合無し *
19 6月17日(土)18:30 浦和 2-4 駒場

藤吉   小林
    (大友)
平間 伊藤
         (蓮見)
 リカルド 千葉
     (中島)
賀谷 飯尾ドゥバ田沢

高橋
完敗ながら蓮見が意地の2発

本日も上村さんほか各種情報より。現地雨模様とのこと。浦和は小野、福田先発。

前半12分福田に頭で、18分内館と立て続けに失点。44分にはクビツアにも決められ0-3。ベガルタも20分過ぎに平間の動きからゴール前の藤吉に決定的ないいパスが出ていたが、相手DFに寄せられ決められなかった。

後半早々にも決められ0-4。圧倒的に攻めれている模様。かろうじて76分、89分ロスタイムに蓮見が数少ないチャンスを活かし、2ゴールで一矢報いるが、時すでに遅し。

さて、守りの連携。守りは良くなったと言われるベガルタだが、上位チームとあたった時に問題点が浮き彫りになる。まずDF間あるいはボランチとの間で、コミュニケーションが不足しているのではないかという事。ラインの上げ下げセンターやサイドが出ていった時のバックアップなど、まだ不安が多い。この試合でも、いいように裏を取られていた。

またセットプレーでボールを見てしまい、相手選手に体を寄せきっていない点(テレビの鈴木淳さんと同じ)。この試合でも2点が小野のコーナーキックを簡単に頭で決めれられていた。ボールウォッチングはGK高橋もある。ゴールの隅のボールを触りに行かない時がある。
そして全体にいえるのが、パスが緩く遅いこと。セットプレーのキックのスピードも足りない。

それでも蓮見の2発は素晴らしかった。1点目(右足)も2点目(左足)も、ゴールから離れた地点から、ボールを受けたら直ぐにシュートを放って、得点していた。いつもキーパーの位置を意識して、点を狙いに行っている証拠である。しかも右足、左足ともコントロールされたいいシュートを放つ。
この辺の思い切りを小林や千葉直樹に見習って欲しい。
20 6月21日(水)19:00 大分 1-0 仙台

藤吉   小林
   (大友)
平間 伊藤
   (蓮見)
千葉 リカルド

賀谷 飯尾ドゥバ田沢

高橋
いやらしく勝つ

 スタジアムに着くと何やら長い列。サイン会ではなく生ビールを求める人の群れ。
蒸れといえば、とにかく高温多湿で蒸し暑い。ピッチ上空には靄までかかっている。暑いのは本来慣れっこのはずの大分も今日はまったく覇気なし。敵失もあるが、直樹がここ一番でがんばっての勝利である。

 ベガルタとて、お世辞にもはつらつプレーとは言い難い内容だったが、そこはホームで、口うるさいオヤジの多い仙台のこと(オレじゃないよん。「走らんかい平間、こら!ボケ。」なんて言いません)勝ちに行く姿勢は見せなければいけません。ただ、その差。

 暑さ対策なのか、両チームとも前半から省エネプレー。動かない、パスが緩い、ボールに行かない、イージーミス。次第にホームで勝ちたいベガルタの方がボールを支配し始め、ミスはあるものの、フィニッシュまでは行く。大分はこれまでのような早い動きが全然見られず、引き気味。後半勝負の作戦か?千葉直樹がロングシュートを2発、3発と放つのも簡単に許す。

なめられて怒ったのかどうかは定かではないが、前半39分、最近影の薄かった千葉直樹が粘って得点。左足キックを阻まれ、態勢が崩れかかったのをなんとか持ちこたえ、右足からゴール右隅へ狙いすましたミドルシュート。スピードはないもののファインゴールには違いない。 前後半を通じ、見せ場はこれだけ。

 前半はボールを支配し、リカルドのロングシュート、藤吉のヘッドなどがあったが、完全に崩しきったものはなかった。後半、今度は大分が前がかりになってくるが、仙台以上にミスの多いプレーで、決定機はほとんど作られなかった。珍しくオフサイドトラップも決まって、大分ウィルに仕事をさせなかったという点で、DF陣はポイントは抑えていたという事にしておこうか。また、藤吉だけは比較的元気に動いていた。さすが。

 ただ、DF間でのお見合い、スペースにまったく走ろうとしない平間(後半蓮見と交代)、試合開始から足腰が重く、疲れきった老人ような小林(後半大友と交代)、といささか問題も身受けられた。ま、それでも試合終了直前ロスタイム、「キープ、キープ」の声の中、相手に時間を使わせ、どんどんボールを出して逃げ切った。いやらしい勝ち方ができる、これもプロの戦い方かも。調子が悪いなりに、弱いなりに勝つ。ひと試合位こんな勝ち方もあってもいいだろう。

 尚、財前が十数ヶ月振りにベンチ入りするも出場チャンスはなかった。次回に期待。
21 6月25日(日)14:00 山形 1-0 山形県

藤吉   小林
   (大友)
平間 蓮見
       (財前
千葉 リカルド

賀谷 飯尾ドゥバ田沢

高橋
財前今季初出場、初アシスト

伊藤累積4枚で欠場。代わって蓮見が先発。
梅雨とは思えない青空に強風が吹き、暑さはあまり感じないコンディション。

後半になり60分、ついに誰もが待っていた男、背番号10、財前がピッチに立った。右足にはサポーター、スピードや体のキレはまだ十分とは言えないが、何かをやってくれそうな予感がする。

 パスではいまいち結果を出せなかったが、77分、右コーナーキックをドゥバイッチの高さに見事に合わせ、ドゥバがやすやすとゴール左隅に頭でたたきこんだ。
 強風の中、コントロールされたボールのタイミングが絶妙!体調不十分ながら結果を出す、やはりステージが違う。これで、セットプレーを中々ものにできないベガルタに、ようやく計算できる戦力ができた。ただし、まだフル出場は無理そう。

 試合は、風のせいかどうか分からないが、両軍ともはずしまくり。特にベガルタは前半、小林、蓮見が、後半は平間がキーパーと1対1になる決定的場面でホームラン。枠に行かなければ絶対に得点はない。

 山形が、お付き合いでシュートはずしまくり、センタリングに誰も反応しないような拙攻を繰り返してくれたからいいようなものの、ベガルタも中盤でのイージーなパスミスや、まったく人のいないところへの連携のないロング「キック」など、ぴりっとしないものがあった。もっと動いてボールを動かしていれば、もっと楽に勝てた試合だろう。

 もはや単に1勝を勝ち取るだけではなく、上位のチームに勝つための戦い方、もう一段高い目標に向かう時期に来た。勝てる時は、圧倒的、徹底的に勝つべし。

....とはいうものの、行き帰りの「さくらんぼ狩」渋滞も気にならなかった。とにかく2試合連続完封な訳だし、財前のプレーが見られたのだから。
22 7月1日(土)19:00 水戸 1-0 仙台

藤吉   小林
   (大友)
平間 伊藤
         (蓮見)
千葉 リカルド

賀谷 飯尾ドゥバ田沢

高橋
運動量あるのはサポーターだけ?辛勝。

今日は運動量が凄かった、サポーターが。暑さの中、途切れることなく応援が続いた。しかるに、12301人の前で、暑さ対策か、省エネ試合。確かに勝つには勝ったが、これで上位に立ち迎えるのか~。

 夜になっても体感30度超で蒸し暑く、ビールやジュースも早々に売り切れ。前座試合や前期の最終戦で共通券の使い納めということもあってか、子供達がよく入り、応援諸氏にも力が入る....

 暑いので、得点経過からいこう。
前半35分、オーバーラップした田沢がサイドを良くえぐり、センターの小林へ、それをDFを背負いながら目の前の伊藤にちょこんとパス、伊藤がキーパーをうまくかわして、得意のループで先制し、1-0。連携に緩急が加わった今日の数少ない見せ場だった。これ以外では後半、平間のセンタリングにどフリーになった藤吉のシュート場面(ホームラン)くらいだろうか。

 前半から動きの遅いベガルタは、水戸の出足に攻めあぐね、DF陣で横パスを回すか、ロングシュートのの打ち放し。せっかくボールをキープしても狭いところで危険なパス回しをするだけで、スペースへの展開がほとんどない。また、ボンズ頭の平間が珍しく、評価すべき「無駄走り」で展開を図っているのに、パーサー達の視野は極端に狭い。球だしが遅いので、相手の裏をほとんどつけない。唯一、流れを作れたのが、得点シーンだった。

 後半になると、水戸のパス回しが早くなり、しばしば中央突破されそうになるのを、首の皮一枚で守るという展開。1点しかとっていないのに、攻めへの姿勢がほとんど感じられず、次第にバテバテに。とくに小林は、痛々しいほど走れない。残り15分位で大友、蓮見をいつものように投入し、大友が1対1どんどん勝負してチャンスメークしたが、いかんせん回りは動けず、残り時間も少ない。それもにばてばての小林ではなく、藤吉と交代させたのはなぜか。

 要所を守って、3試合連続完封1-0勝利。
確かに進歩はある。リカルドや飯尾は良く働いている。しかしそれだけで満足していていいのか。この試合でもDF陣でのお見合いや、マークの不徹底があり、さして決定力があるとは思えない水戸に中央突破を許しあわやのシーンが後半見受けられた。もっとスピードがある相手の場合では、通用しない。攻撃ではスペースへの展開がほとんど見られず、ロングシュートに頼ることが多い。相手を崩し、守りは簡単には崩れない、そんな戦いをしてほしい。上位にも通用する戦い方を常にしていなければ前進はない。

 ところで、伊藤の靴がシュートチャンスで脱げ、すっころぶ珍事。見事、全国放送されてしまった。素足で蹴って得点したら伝説になっていたかも。