なでしこ02節:ベガルタ仙台レディース0-0INAC神戸、新戦力もフィット、堂々の互角

2019なでしこリーグ1部 02節 2019年3月24日(日)13:00 マイナビベガルタ仙台レディース0-0INAC神戸 ユアスタ仙台

浜田 白木
(有町)  
宮本  安本
(小野)  
松井 樫本
  
万屋 奈良 坂井 奥川

池尻

サブは、齊藤、北原、三橋、佐藤瑞夏、小野、武田、有町。INAC神戸は、FW河野、MF岩渕、イ・ミナ、八坂、中島、杉田、DF牛島、羽座、三宅、高瀬、GK武仲。京川、増矢、仲田、鮫島はベンチスタート。

21日の試合から中2日で、ホーム開幕戦。ベガルタはスタメンを3人、INAC神戸は4人入れ替えてきた。ベガルタでは白木、宮本、樫本が初スタメン。神戸は岩渕が初スタメン。

試合は、ベガルタがラインを高く保ち、中盤でも厳しく圧をかけてボールを奪い攻撃。前半は、決定機も何度か作ったが、決めきれなかった。後半疲れてきて、相手の裏に飛び出る選手に、苦労しながらも、粘り強く守り、堂々互角のスロアレスドロー。

GK池尻、ボランチの松井のルーキー二人は、神戸相手にも、落ち着いたプレーで、早くも中心選手。池尻は、相手のどフリーを2本止めた。松井は、神戸の中島ばりに、キープからボールを展開。ただ、終盤はさすがに疲れていた。

FW白木も、序盤はとまどいあったが、徐々に間合いに慣れてきて、ボールを運び、決定的なスルーパスも出しており、今後が期待できる。既存メンバーも、攻められても、連携で切り抜けたり、オフサイド・トラップを、面白いように決め、岩渕選手や、イ・ミナ選手を抑え込んだ。

また、ただ守るだけでなく、CB奈良とボランチ松井から、ボールが散らされるので、チャンスを創出。万屋、宮本、安本が、次々と仕掛けていった。

INAC神戸には、カップ戦では、2018年5月に勝利があるが、リーグ戦は、2017年5月以来の勝利。

以下、簡単に試合経過。

全国的に寒さの戻り。朝方には、雪もちらついた仙台。試合開始時には晴れてきたが、ユアスタも冷たい方が、時折強く巻いている。後半、風は収まってきた。

前半。
中2日ながら、両チームとも、連続出場の選手も動きは悪くない。
開始30秒、神戸エリア右奥35mで、ベガルタがフリーキックを得る。シュートは打てず。ベガルタは高いライン、中盤で激しく当たり、ボールを奪うも、キープし切れず。2分、ベガルタ左から浜田、白木とつなぐが、キープし切れない。3分、松井が裏に放り込んで、左コーナーを得る。キッカーは樫本。ローボールをニアへ。2本連続もシュートは打てず。

5分、今度は神戸が、ベガルタエリア右奥35mでフリーキック。中島が蹴り、こぼれを、遠目からシュートされるが、バーの上。6分、神戸のカウンター、オフサイド。ベガルタのライン高めだが、しっかりコントロールできている。このあたりから、松井が、うまく体を回転させながらキープ、左右にボールを捌いていく。8分、宮本から白木、間に入られる。10分、万屋のパスカットからつないで、安本がパス出し、最後は浜田が、フリーシュートも、角度なくキーパー正面。一工夫ほしい。

11分、神戸に回されるが、最後は奥川がクリア。13分、宮本のパスを受けた浜田が、ヒールパス、クロスで入っていった松井のシュート、キーパー正面。流れは良かったが。14分、池尻のゴールキックから、裏に抜けた白木、ドリブルから早めのミドルシュート、枠外。さらに松井から左の宮本に展開。高いボールでクロス、キーパー。その後、神戸が連続して、ボールを裏に出して来るが、落ち着いてオフサイドにかける。

18分、高瀬が左から右にポジションを変えるなど、神戸もいろいろやってくる。19分、岩渕にキープされ、いったん左に預けてから、中央に岩渕が入っていくるが、抑え込む。21分、宮本がえぐって左コーナーを得る。キッカーは樫本。シュートは打てず。カウンターを受けるが、遅らせて戻る。25分、左サイドを攻められ、抜け出されるがしのぐ。26分、神戸に中央のスルーパス出されるが、奈良が読んでクリア。さらに高瀬に浮球入れられるが、ここは池尻がキャッチ。

28分、神戸が間、間に入り込んでパスを回すようになる。しかし、最後の裏へのスルーパス、イ・ミナはオフサイド。さらに神戸が縦パス、流れる。その後、中盤でのせめぎあい。34分、ワンツーから裏に出され、イ・ミナに、フリーでシュートされるが、池尻足でクリア。ピンチをしのぐ。38分、ベガルタ右サイドを攻め込まれるが、ベガルタ守備陣が、ワンタッチで3人でボールを回してクリア。ボール際にも厳しく体を張っている。その後、樫本が神戸エリアに侵入、クロスに宮本シュートチャンスも、ブロックされる。

さらに左から、宮本のドリブルから、追い越す万屋へスルーパス、万屋のラストパスに、最後は右から安本がシュート、弾かれ、右コーナーを得る。右は奈良が蹴る。2本連続も、打てず。40分にも、万屋のドリブル侵入、左コーナーを得る。これも打てず。43分、神戸がまた裏に出してくるが、オフサイド。44分、牛島に、ドリブルで上がられ侵入されるが、最後は坂井が体を入れて、ゴールキックにする。

前半は、ベガルタやや優勢ながら、決めきれず。盛り返される時間もあったが、守備は安定で、0-0で終了。

後半。
2分、カウンターで上がるベガルタ、奥川のラストパスは精度欠く。3分、松井が浮き球で裏に出すが、もう一歩。6分、ベガルタがセカンドボールを拾い続けるが、その後に、パスをカットされる。7分、カウンターを受け、裏に出されるが、坂井が走り戻ってクリア。坂井は役割が明確になって、やりやすそうである。9分、神戸はFWの河野に代わり京川を入れる。10分、神戸の攻めをしのいで、万屋がドリブルで上がる、カットされる。

12分、高瀬が上がってきてのシュート性のクロス、松井キャッチ。13分、神戸は八坂に代え増矢を入れる。これで、京川、増矢と裏に飛び出す準備をされた。14分、裏に岩渕に出られ、右コーナーを与える。シュートされるがクリア。15分、ベガルタも宮本に代え小野を入れる。16分、ベガルタがつないで、白木から、右サイド走りこんでいた、フリーの安本へパス。安本のシュートは枠外。これは決めたい。

18分、神戸が大きなサイドチェンジ、高瀬がフリーのシュート、池尻触って出し、右コーナーを与える。ヘッド打たれるがクリア。19分にも神戸にコーナーを与えるが、クリア。21分、また高瀬?に侵入され、シュートされるがクリア。このあたり、ドリブルでキープされ、侵入される時間が続く。22分、浜田に代え有町が入る。23分、神戸がつないで、イから増矢のシュート、枠外。

24分、ベガルタが久々にカウンター、奥川上がってクロスも、つながらず。25分、樫本が相手パスをカットして、白木へ。さらに右の安本とつなぎ、最後は裏に橋込んだ松井へ、もう一歩。26分、神戸エリア右奥40mでフリーキックを得る。奈良が蹴る。27分、上がった白木がドリブル侵入、ゴール前を横切るパスを出すが、キーパー。

28分、万屋が左からのクロス、合わず。その後、神戸がカウンター、京川がクロスを入れるがキーパー。30分、神戸が回し、左コーナー。しのぐ。ベガルタ中盤でのプレスが緩み、守備の時間が多くなる。31分、白木がパスカットしてカウンター、そのまま上がり、小野とのワンツーで、さらに上がっていくが、シュート無し。32分、岩渕に代わり仲田が入る。33分、白木がミドルシュート、バーの上。34分、ハーフ付近からのフリーキック。松井が蹴る。つならがらず。35分、イ・ミナがドリブルでキープして上がってくるが、奥川が体で止める。これは素晴らしい。

36分、右サイドを抉られるが、クロスは上げさせない。37分、神戸に回される。中央でためて、斜めみ走らせる得意の攻撃を仕掛けられるが、ベガルタも粘りの守備。38分、神戸がロングボールで裏を狙ってくるが、オフサイド。38分、奈良が体いれての守備でスローインにさせる。今日は割り切りの守備と、パスを出すところのメリハリが良かった。

40分、イミナが中央ドリブルで突っかけ、落とし、戻して中島がミドルシュート。枠外。その後、フリーキックからシュート狙われるが、小野がブロック。ベガルタは時間を見て、ドローオッケーの守備固め。追加時間は3分。神戸がカウンターからコーナーを得る。これはしのぐが、2分目フリーでのシュート許す。が枠外。

結局、そのまま試合終了。去年から大敗が続いていた、リーグ2強のINAC神戸を、無得点に抑え、連携からのチャンスも作っての、堂々のスコアレスドロー。初勝ち点。勝ちたかったけど。

シュート数:6-6 CK:6-5 FK:17-11 得点:なし 警告:なし 主審:井脇真理子 入場:1,411人


スコアドローながら、見所の多い試合で、寒いスタジアムでも、マイナビベガルタ仙台レディースのサポ・ファンを熱く沸かせたのは、確か。

もちろん、フィニッシュ・ラストパスの精度、高さを活かしたコーナーの攻め、疲れてきた時の守備など、課題はあるものの、去年のように、ばらばらの攻守ではなく、連携して、落ち着いて守り、攻撃での引き出しも増えた。

ただ、これから、ある程度ボールが持てる相手になった時に、パススピードが緩んだり、当たりをさぼると、勝利はやってこない。今日の結果を自信に、さらに磨き上げて、厳しいプレーで、勝ち切れる試合運びに、高めていってほしい。

それにしても、まだ出場していない、隅田や市瀬もうかうかしていられない状況になりつつある。いい競争になりそうだ。

尚、この試合は、今季ホーム開幕ということで、後援会顧問の郡仙台市長、社長あいさつのほか、ティーナ・カリーナさんの国歌斉唱(振袖)、応援歌などのミニライブ。また、昨年リーグ100試合出場達成の田原選手に、ご両親からの花束贈呈などが行われた。
また、後援会の方からエコバック配布、招待券の配布も行われた。