伊藤 高良
(井上)(小野)
嘉数 安本
高橋 上辻
佐々木 長船坂井 中村
(山本)
天野
神戸は、道上、田中陽子、川澄の3トップ。田中明日菜スタメンも、澤、仲田、ゴーベル ヤネズは、ベンチスタート。宮城スタジアムは4,840人の観客。
川澄、チソヨン他、神戸の選手との個人技の差は歴然だったが、前半立ち上がりはコンパクトに守れていた。しかし、10分で攻守の要の伊藤が怪我で退場すると、戦術的にも精神的にも押し込まれ苦戦。
鮫島、小山、下小鶴、伊藤と主力4人不在で、結局、大量失点し、チーム発足以来のリーグ戦での敗戦は、王者相手に大敗となったが、課題を見直す、いい機会となった。そして新人の井上の果敢なドリブル突破から、嘉数が落ち着いシュートを決め一矢報いた場面に、次につながる光明は見えた。伊藤の怪我だけが心配。
前半立ち上がりはコンパクトに守れていた。
開始早々、川澄のキープから田中陽子のシュート、枠外。4分、カウンターから高良上がり、左からクロスも、シュート打てず。5分、神戸にコーナーを与えるが、守る。
スペースを埋め、高良、伊藤が前でカウンターを狙う。
しかし、10分で、相手選手と競って粘り、チャンスを作った伊藤が、膝を痛め退場。代わって井上が入り右MFに。安本がFWに上がる。15分、安本が裏に走りこむが打てず。その後、間延びしてパスがつながらない。
攻守の要の伊藤がいなくなると、次第に押し込まれ、カウンターも、行ってこいしか出来なくなる。さらにチソヨンをフリーにしてしまうと、相手ペースに。23分にはミドルを打たれ、ポストに救われる。そして、27分に、川澄のクロスがファーサイド奥の中村の頭上を越えると、田中陽子にフェイントでかわされ、先制許す。
これで動揺したのか、ラインが下がり始める。カウンターでも高良、井上がチャレンジするが、フォローがなくキープできない。36分は、ベガルタゴール前でボールを左右に回されて、最後はベガルタ右サイドからのクロスに、中央フリーのチソヨンのヘッド、0-2。これで完全に神戸ペース。
ベガルタはクリアだけの展開となり、43分にも、クリアしきれないボールをつながれ、最後はチソヨンのミドルシュート、DFに当ってコースが代わり、3点目を許す。そのまま前半終了。前半だけで3失点と苦しい展開になった。
しかし、後半になると意地を見せ、前からプレスでボールを取りにくと、チャンスが生まれるようになる。ボールへの寄せはもう一歩ながら、得点の匂いもしてくる。
後半、右SBの中村に代え、山本を入れる。すると1分、相手ゴールから40mのフリーキック。上辻のキックにファーの長船がブロックに入り、フリーでなだれこんだ坂井がフリーでヘッド、しかしヒットせず。キーパー正面。得点には、ならなかったが、練習通りのプレーではなかったか。
3分にもフリーキックのこぼれ球を高良が左足で狙うが合わず。4分、川澄の侵入からシュートされるが、枠外。5分、ベガルタのカウンター、坂井のパスから安本のシュート、こぼれるところキーパーの至近距離で長船、押し込めず。惜しい。ベガルタペースの10分間だったが、12分には回されて、最後は川澄のヘッド、枠外。15分には、こぼれ球を上辻がシュート、ヒットせず。
16分、神戸は田中陽子に代え澤を入れる。やらしいところに顔出す澤によって、また流れを引き戻されそうになる。21分、川澄がドリブルから侵入、コーナーを与える。その後、中島のクロスがシュート性、バーに当り、枠内ゴールラインを越え4点目を失う。やや不運ではあったが、これは痛かった。疲労もあり、ベガルタの足が目に見えて止まってくる。
27分、ようやくベガルタがワンタッチパスでボールをつなぎ、最後は井上から安本でシュート、ネットを揺らすがオフサイド。これで元気が戻る。31分、山本?のクロスにキーパーが飛び出て、DFがカバーするキーパー無しゴールへ高橋がループシュート、しかし弱くてクリアされる。惜しい。35分、ベガルタが相手最終ラインへのプレス、しかし、ボールを奪っても、なかなか足が動かない。
神戸は道上に代え仲田。そして36分、井上が、右サイドを上がり、ドリブルで相手2人をかわして、クロス。中央で小兵の高良が懸命に潰れ、フリーとなった嘉数が落ち着いファーサイドに決め、1点返す。ようやく、らしさが出たゴールだった。しかし38分、川澄にするすると持ち込まれ、シュート打たれるが、天野がファインセーブ。
39分、坂井がFWに上がり、高橋がCBに回る。40分、高良に代え小野が入る。しかし、なかなか坂井にボールを集められない。追加時間は4分間。うまく時間を使われ、コーナーを与える。その後、仲田のクロスに、2列目から突っ込んできた澤にとどめの5点目を決められ、試合終了。
ヤネズを温存して、チームとしては出来は良くないと追われる神戸だったが、ボール際での個人の強さとキープ力には明らかな差があった。ベガルタとしてはフィジカルを強化しながら、ボールへの寄せの速さを、他のチームとの対戦の時から強めていかないと、なかなか王者は倒せないだろう。
それでも、フルメンバーが揃い、厳しいプレスが実践できるようになれば、勝つチャンスは出てくると思う。次の対戦までに、個々の課題を鍛え上げ、今度は自分達のペースで試合を作れるようにしたい。今日からが、新しい目標へのスタートである。
シュート数:9-15、CK:2-4、FK:6-11 得点:嘉数飛鳥 (神戸)田中陽子、チヨソン2、中島、澤 警告:なし 主審:高橋早織