おコラむ2001

2006年・見果てぬ夢
 20XX年。センターサークルで、にやっと笑って握手を交わす二人の選手。いつもは同じベガルタ・ゴールドのユニフォームを着て戦う、チームメート。

 それが今、ワールドカップ決勝の舞台で、互いの国旗を胸に、敵として競い合う。
かつてサッカー後進国といわれた極東の国の、そのまた後進地域に生まれた天才と、その地球の反対側のサッカー王国から、夢をもってジパングにやってきたワンダーボーイが、どんなプレーを、この最高の舞台で見せるか、世界中が固唾を呑んで見守っている....。

 まだ、J1昇格が決まったばかりで、こくな、と言われそうだ。
しかし、とにかくトップリーグに至る道を目指していた時から、さらなるチームの最終目標とは何だと改めて考える時、最も大切なことは、選手が主役になることだと思った。当たり前?本当にそうだろうか。チームを、選手を、何かに利用することばかり考えていないだろうか。地域に密着するとか、地元に熱烈に愛されるチームになるとは、本来、目標というより当然のことのはずだ。

 そこから先、地元、国内はもとより、海外からもベガルタを応援したい、ベガルタでプレーしたいという若者が現れる、そんなチームを目指したい。勿論、そのために、札ビラ切って、スター・プレーヤーを呼ぶことはしないし、できないだろう。無名の俊才の登竜門。選手がどんどんうまくなって、成長し、それを厳しくやさしく、徹底的に応援すること、それこそが目標、喜びである。

vega2006.gif 2006年。ドイツ・ワールドカップの日本ナショナル・チームにベガルタイレブンが名を連ねること。そのためには、それまでベガルタはJ1の中で確たるポジションにいなければならない。
 2010年。静岡県の某市のように、仙台でも、小学生の女の子から魚屋の親父まで、リフティングができるようになっていなければいけない。運営会社の経営も安定軌道に乗っていなければならない。チームはJ1で常に優勝を争う位置にいなければならない。・・・かなりの時間が必要になると思う。乗り越えるべき課題は山ほどある。様々な危機もあるだろう。この道は長く険しい。それでも、

 2006年は、近い目標、さらなる夢の始まり。そして、いつか冒頭のシーンになる。

(2001.12)


前方、ルック・アップ!
 この期に及んで、プレッシャーを言い訳にはできない。だいたい、この時期にプレッシャーなしに戦っているなら、むしろ淋しい。優勝争いやサポーターの期待、自分のサッカー人生、いろいろ抱えて、その中で、上を目指して、プレーできることは選手冥利というもの。緊張でがちがちになり、それが溶けて、エネルギーが充填されたことを実感できる時、驚くほど体が動くことを知ってるはずだ。
入場するとき「俺は猛烈に緊張している~」と叫んでみたら?「確かにガチガチだあ~」ってコールが起きるかもよ。

 急に特別なことをやろうとする必要はない。自分の役割を果たし、簡単にプレー。頭ではなく、体が覚えていることを、そのまま出せばよい。

村田の気迫
 10月21日の大宮戦で後半、村田は頬骨を骨折していた。試合展開に気をとられて、相手選手と衝突後、いつものようにプレーしている姿に、単なる一時的な脳震盪かと思っていたら、試合後、救急車で運ばれたそうである。(ヴィエラではなかった)
 まるで格闘技の世界。K-1ではあるまいし、顔を骨折しながら、よくプレーできたものだ。彼のアグレッシブさに負けないよう、他の選手も強い気持でプレーしてほしい。
 ...村田のその気持、貰った。あんたは無理せず、休んでくれ。(26日の公式ページによると、左上顎骨骨折全治6週間で手術するとのこと)

この際、何でも担ぐぜ!
 いよいよ終盤、大詰め。夢の実現には、実力は勿論だが、何かプラスアルファの力が必要な気がする。
 ....という訳で、個人的に、勝ち試合前の行動パターンをなぞったりしている。中盤では、マスコットのベガッ太人形の頭をポカリとやることだった。最近は某店の「串勝つ」がよく効く。
 実は、先日の山形戦アウエーの時も、山形では名物のソバを食わずに、「京風ラーメン」を食った。そのココロ、分かってくれるよね?

村上は? 岩本はいないわ、財前も不調では、MFはどうするかというところだが、山田もよほど完調でないとフルでは動けない。春先みた村上の動きは、期待するものがあったのだが、彼も体力がまだまだということのようだ。しかしこの際、使ってみたらどうか?・・・横浜FC戦で最後出場。

温度差
 大分戦、審判に対する意見を掲載したところ、通常の3倍以上のアクセスがあった。
私も以前はチーム不利になるタブーとして捉えていたが、選手以上に興奮して笛を吹く人が続け様に現れたので、思うところ掲載した。そもそも批判的な意見が出たからといって「報復的」な笛を吹く、仲間の審判がいるとしたら、そう思うだけで審判の資格がないだろう。選手にプレーで見返せというのと同じように、批判に対しては毅然と高いレベルで審判して、俺は違う、という所を見せてくれれば良い。

 掲示板に様々な意見が寄せられているが、ひとつひとつに肯定も否定もしない。試合を見た人は、ルールを元にそれぞれに意見を言う権利がある。ただ、記録がないからといって、そこで危険なプレーが何もない訳ではないということは抑えてほしい。テレビダイジェストなどは最後の部分しか映らない。また、選手が自分の子供だとして、一方的な判定を受けたら、あなたはどうするか?
 勿論、危険なプレー乱暴なプレーは誰であろうと、警告を受けるのは当然、ピッチに物をなげるのは恥ずべきことなのは言うまでもない。 
Jリーグは、各チームに対して審判の判定の遵守を求めると同時に、審判技術向上に向けて委員会設置、評価制度、プロ化などの対策を取るということになった。ようやく妥当な方向が出てきたと思う。
若い時からの育成システムによって、ワールドクラスの選手が輩出するようになったように、審判の育成にも力を入れてもらいたい。
 ところで、観戦記でも、この文章でも大分戦でのベガルタ選手への判定を変えろとか、そのせいで負けたとか全くいっていない。試合開始30分までに繰り返された大分選手のうしろからのチャージ、リカルドに対する反スポーツ的な挑発プレー、その他大分選手のしつこい異議には.何故警告が「出ないのか」を問題にしたかったのである。選手が判定に異議を出せば警告対象。弁解の余地はない。出場できないという最大の罰を個人的も受け、チームにも迷惑をかける。負けた試合が勝ちになるわけでもない。そんなあたり前のことは、議論するまでもないこと。
 しかし度重なる判定のミスを、誰も何も言わなかったら、またどこかの試合で他所の選手も理不尽な扱いを受けるのだ。それをタブーだとかオアイコなどと言っている人は、一体、選手のことをどう思っているのだろう。サッカーのルールについて書いた本を読んでみて欲しい。何のためにルールがあるのか必ず書いてあるはずだ。



小野とスタンディング・オベーション
 サッカー文化がどうのと、能書きをたれるのは好きではないが、オランダに行った小野が最初の公式戦で、地元フェイエノールト・サポーターに、大きな拍手とスタンディング・オベーションに迎えられた時、かの地のサッカー通の人々が、小野という資質に期待してくれていることに感謝し、これが文化という奴だなと、羨ましく思った。

 サッカーとは異質なものを受け入れることである、とある英国人はいっているが、どうも日本では、みなが同じであること、同じ行動を取ることの確認の方が重要のようだ。いつの間にか、勝利するという本来の目標より、集団として同じ行動をとっているかどうかの方が大切になってしまう。自分たちの目標に力を与えるものなら、どこから来ようが受け入れる。個の独創性を大切にする。日本にも、そんな考え方が根付く日がやってくるのだろうか。

「やませ」かよ!?
 暑い暑いといっていたら、北海道より寒くなっちまった。半袖でも寒いぞい。疲れた選手には、この涼しさが休養になったのではないか。暑くなっても今度は、ブラジルトリオに活躍してもらおう。
幸い、酷暑の西日本でので試合が当面はない。確実に勝ち点を積み上げていきたい。大宮も点が取れなくなってきて必ず崩れるはず。


体温かよ!?
暑い。今日7月23日仙台の最高気温も35度超だが、この暑さは全国的にしばらく続きそう。
22節は京都、23節は大宮(試合は鴻巣)戦と暑いところでのアウエー戦が続く。試合前後の最高気温予想は、京都が35度、埼玉は38度!おいおい平熱じゃないぞ~!昔、 サッカーは冬のスポーツだと思っていたのだが。その昔、某局のブンデスリーガの録画を見ていた頃、観客は分厚いコートを着て、白い息を立ち上らせながらの観戦というのが、サッカーと思っていた。
 選手もきついと思うが、あまり省エネサッカーをやっているとベガルタの場合、歩が悪い。チャンスの時に惜しみなくエネルギーを出せるよう、体調を整えてがんばって欲しい。


"アウエイ"の出店
「アウエイ」とは言っても、相手から見ての話である。
5月の大分トリニータ、横浜FC戦ホームゲームは、なぜかバックスタンド裏奥で、大分と横浜FCグッズを売る店のブースが出ていた。大分の場合、売り子さんはどうもサテライトの選手っぽい、体躯。いつから始まったことなのだろうか?ベガルタがアウエイに行ってグッズを売ったという話はあまりきいていないが、ひょっとして、今年から交換販売協定でもできたのか。ま、仙台スタジアムでの動員力をあてにしてことなのだろうから、別に文句はないのだが、試合内容によっては少々「刺激的」になるかも。ま、今は「余裕」で見ていられるけどね。

ハーフタイムの10番
 5月19日の横浜FC戦、前半15分でファウルを受けた財前は、一度OKが出たものの満足に走ることができず、10分後蓮見に交代した。以前から、後半交代して右足首をアイシングしていることが多い財前だが、今回は本当に痛そう。
 ハーフタイム、一人ベンチに残り右足を箱の上に載せ呆然としてる姿は、せつないものがある。両膝怪我のブランクを乗り越え、2年掛かりでようやく好調時に近い状態になってきたばかりというのに.....。無理せず、体調を整えた上で、またあの素晴らしいプレーを見せて欲しい。

春のポスター  
仙台市営地下鉄などに新しいベガルタのポスターが張り出された。
今回は全面に選手の「顔」を出している。前面に藤吉と岩本、後ろに財前と大友と千葉である。日本代表の経験もあり、写真を撮られ慣れている藤吉と岩本はいいのだが、大友と財前の方は、目つきが凄い。ピッチ内の戦う男というより、車内の危ない男という感じ(^^; ま、これから、慣れていってくれることだろう。

小ベガッ太君  
年間パス購入者が貰えるティッシュカバーは、ベガルタカラーで凄く目立ち、家中でティッシュを探すことはなくなるだろう。また、このカバーには、マスコットであるベガッ太くんの小さいぬいぐるみがついていて、手触りもよろしい。
 さらにいうと、思わず頭をポカスカやりたくなる大きさで、勝っても負けても「ぽか」とやってしまう。最終節の頃にはベガッタ君の頭がどうなっていることやら......。

地元と「シビア」
毎年「人事」の頃は悲喜こもごもであるが、基本的に試合に全然出られない選手の翌年の契約は厳しいというのは常識。だから、将来性があるからであって、地元出身だからという理由だけで残留している選手はいないと信じたいが、監督によれば、今シーズンは「シビア」だそうだから、「昔の名前」だけとか「地元」だけが取り柄の選手はさらに淘汰されて、勝利に貢献できる選手だけがピッチに立つはずである。そういう意味で、すべての選手が改めて正念場であることを応援する側も覚悟したい。


語って下さい
プロとしてサッカーを見せている以上、文化とか言う前に興行であることを忘れてはならない。観客のニーズは様々で、「監督になったつもりで」いろいろ言うのは、観客の楽しみのひとつであるから、様々な意見が出てくることはむしろ歓迎すべきことで、「知らないくせに」などといって、そういう発言自体を封じ込めようとするのは、観客増を妨げるだけ。
 プロサッカーは、そんなに知識がなくても楽しめるスポーツ興行。多少まと外れだったとしても、興味を持って自分なりの意見を持ってくれたということは、「はまり」への第一歩。こういう人達を大事にすることこそサポーターの役目でありまししょう。もっとも、ベガルタに興味があるのではなく、人を中傷することに興味がある人は問題外。

(2001.1)