2022 J2 13節 5月1日(日)16時03分 ベガルタ仙台3-1ブラウブリッツ秋田 ユアスタ仙台
富樫
(カルドーゾ)
氣田 遠藤 名倉
(加藤 皆川 鎌田)
中島 デサバト
(吉野)
内田 キム 若狭 真瀬
小畑
サブは、ストイシッチ、福森、吉野、鎌田、加藤、皆川、カルドーゾ。
秋田は、GK新井、DF藤山、千田、池田、飯尾、MF才藤、稲葉、小暮、高瀬、FW斎藤恵太、青木。武颯、吉田伊吹、茂平はベンチスタート。
子供の日も近いGW期間中、唯一のホームゲームということで、気温一桁、強い雨が降り続く生憎の天気ながら、子供の観客も多く、開幕戦に次ぐ9,612人入場のユアスタ。
サッカーの楽しみ方は人それぞれだろうが、誰もが楽しめるのは、応援しているチームが勝利し、子供も大人も憧れるような、かっこいいプレー、全力プレーを、選手が披露してくれる事。
この試合では、遠藤がスタメントップ下で出場、こじゃれたシュート、パス出しと、さすがのプレーを見せれば、まだ七分ぐらいのデサバトもフル出場、的確な位置取りとか、ダイビング・ヘッドまで見せ、後半出場のカルドーゾは、無双のキープ力+パス出しのセンスまで開陳。
さらに、富樫がFWらしい先制点、GK小畑は、ファインセーブ連発や、雨のピッチを利用したゴロパスフィードでスタンドを沸かせ、中島は守備やボール奪取でも魅せ、氣田も盛んに仕掛けやヘディングシュート、キムテヒョンの精度の高いサイドチェンジ、吉野はシュートの上手さも見せゴール、などなど、見所満載の試合となった。
加えて、試合が盛り上がったのは、秋田が、スピードあるカウンターやスペースへの走り込み、ロングスローなどを多用して、ゴール前に放り込み、ガチムチのFW陣が、ベガルタのDF陣に空中戦で競り勝ち、あわやなシーンをたくさん作ってきたこと。
スコアは、決定力の差で、小畑のビックセーブもあり3-1となったが、秋田もシュート16本(ベガルタは19本)打っており、点差ほどの差があったわけではなかった。
試合は、守りを固めて来た秋田に対し、ボールを持てたベガルタは、ワンタッチ多用でパスをつなぎながら、チャンスを窺った。
ただ、前半は、少し選手間の距離が空き過ぎて、秋田に的を絞った守備をされていたが、同点に追いついた秋田が前に出始めると、スペースが出来てきて、後半は、逆にベガルタがカウンターでスペースを突いたり、仕掛けて、最終的には決定力の差が出て、勝ち切った。
最終節、アウエーで、また対戦がある。
ひょっとすると、ベガルタにとって、重要な試合になるかもしれないが、簡単な試合にはならないだろう。
それでも勝ち抜けるチームになっていたい。
さて、たまの現地応援で、ワーワーな気分を味わったので、役者たちを。
「デサバト、七、八分でも魅せるプレー。先制点も呼びこむ」
⚽先制点は10分、デサバトからのパスを受けた遠藤から、右の真瀬に回す。デサバトは中央からするすると、ペナ内に入る。そこに真瀬からの低い弾道のクロス。
デサバットが、ダイビングヘッドでシュートを狙うと、キーパーが弾く。そこを一瞬早く詰めた富樫が蹴り込んでゴール、先制点。
富樫のFWらしい動きは勿論だが、デサバトのパス&ゴーと、各選手の連係がゴールにつながった。
デサバト、守備では、CBの間に入り3バックを形成したり、適宜プレスや、つなぎに入り、キープ時では、少ないタッチで相手をかわすさすがのプレー。
セレッソ時代のボールハンターの状態には、まだ少しという感じだが、動きも向上、フル出場できて、今後の活躍が期待される。
「やっさん、なんですか!あの"ドロップゴール"は。やさしいパスで吉野にもゴールを進呈」
前半27分、秋田に、ロングスローの流れから武にヘッドをねじ込まれ、1-1となり、攻防が激しくなった。
後半の27分、遠藤から、右サイドに侵入した、富樫に代わって入っていたカルドーゾに縦パスを通すと、カルドーゾは、横の真瀬へパスで広げる。真瀬が遠藤に戻す。
⚽遠藤は、前が空いたので、右45度からループ気味に、ファーにシュート、決まって2-1と勝ち越し。
得点後のスクリーンに映った、背後からの映像を見ると、ふわっと浮いた後に、急激に落ちる"ドロップゴール"としか、いいようないシュート。ラグビーじゃないけどw
これは、子供も大人も憧れるプレー。
⚽そして、32分には、左で内田からパスを受けたカルドーゾが、右前で一人浮いていた遠藤にサイドチェンジすると、遠藤がためる。中央には吉野が猛然と走りあがっており、遠藤からのいいタイミングでのエンゼルパス。吉野は走りながら、ダイレクトで振り抜くと、ニアを巻きながら決まってゴール!とどめの3点目。
吉野、そんなに足の運びは速くないが、ものすごく懸命に走っていって、シュートがうまい。
遠藤は、この他でも、要所で、タメたり、パスを流したり、カットインからシュートを狙ったりと、いトップ下というより、ピッチを、左右に大きく動いてマークをかわしながら、ゴールを演出した。
遠藤の技に、周りがうまく絡んで、1G1Aにつながった。
「カルドーゾ、ユアスタのピッチで、マタドール級巨人になる」
2試合連続ゴールで波に乗ってるカルドーゾ。後半18分から、富樫に代わって出場のこの試合、恥骨炎も癒えたのか、動きが軽快。
ごつい猛牛のような秋田の選手相手に、フィジカルで負ける事なく、足技も冴え、あっさりかわしたり、キープしての反転パス出し、ドリブルからのシュートと、ボールに絡む度に、スタジアムも全体から思わず感嘆の吐息が出る。オーレ!と言いたくなるマタドールぶり。
後半22分には、左サイドでキープして、氣田にスルーパスを出し、氣田のドリブルからのシュートをお膳立て(惜しくも枠外)。
後半27分には、カウンターでパスを受けたカルドーゾ、ひとりかわして、侵入、右に流れて角度ないニアから強烈シュート。サイドネット。これ好きなんだね。彼なら切り返して、ファーにも打てそうなんだけど。しかし、近い内にニアをぶち抜きそうではある。
32分には、前述の遠藤へパス供給。
試合終了前には、コーナーで、鎌田とふたりで時間使いのボールキープもこなして、仕事した。
去年よく倒れて、フォール貰いしてた選手とは別人のようであるが、これが本来の姿なんだろう。日本人選手の嫌がる間合いを研究したり、デサバトから聞いたりしたのかわからないが、下位相手では、楽にキープして、自分も打って、周りを使う。
これで今後、相手チームは、二人以上で止めに行かねばならず、ほかの選手がフリーになってくるだろう。さらになる武器を手にいれたベガルタ。
ベガルタ仙台は、これで、中山、氣田、遠藤、富樫が4得点、カルドーゾ2得点など、ポイント・ゲッターが目白押し。鎌田、中島若手テクニシャンも加わり、中山が復帰したら、誰を出すかで監督も贅沢な悩みになりそう。
もちろん、この試合、課題もある。
前半27分の失点シーンは、課題のセットプレーの守備。セットプレーは、攻守の研究合戦なんだろうけど、守備で、他の試合でも背後を取られるシーンが多く、この試合でもロングスローから失点した。
ボールへの寄せ、キーパーと守備陣の連係など、ここらはブラッシュアップして、上位対決でも失点を無くして貰いたい。
尚、秋田のスタメンにも、千田(ベガルタユース)、斎藤恵太(聖和学園)、ベンチには伊吹(ベガルタユース)と宮城県出身者がおり、元ベガルタの飯尾もレギュラーでいるという、縁のある東北チームとの対戦だったの事。詳しくは小林さんの記事で。
前半16分、斎藤のひとりドリブルからのシュートが、バーに当たった時はヒヤッとしたが、小畑が触ってたんだね。
とても寒く、雨にも多少濡れた試合だが、存分に楽しめた。もっともっと勝って、喜び合いたい。
シュート数: 19-16 CK:7- 4 FK: 6-5 得点:富樫敬真、遠藤 康、吉野恭平 (秋田)武颯 警告:(秋田)稲葉、藤山 主審:長峯滉希 入場:9,612人