09節:ベガルタ仙台2-1、全員で10人60分を勝ち切る。中島即戦、氣田、富樫がゴール

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2022 J2 9節 4月10日(日)14時03分 ベガルタ仙台2-1レノファ山口FC ユアスタ仙台


富樫 皆川
  (若狭)
氣田   名倉
(内田)(大曽根)
中島 フォギーニョ 
   (デサバト)
石原 キム 平岡 真瀬
   (福森) 
ストイシッチ

サブは、杉本、若狭、福森、内田、デサバト、梁、大曽根。
山口は、GK関、DF石川、渡部博文、ヘナン、橋本、MF佐藤健介、神垣、山瀬、FW高木、沼田、岸田。田中渉は契約で欠場。

この試合前、われわれが想像する以上に、チームは厳しい状況の中にあったと、今更ながらに思う。

松下、蜂須賀に加え、発表があった中山、富田の長期離脱、赤崎の退団(中島を緊急補強したが)。

練習に復帰してきたが、吉野とカルドーゾはまだ、調整中。

さらに、具体的な発表はないが、普通の状態なら、少なくともベンチ入りしそうな、遠藤や、前節活躍を見せた鎌田、加藤の3人がベンチ外。(今日になって、加藤は体調不良だったと分かった)


この試合、そんな、主力級がごっそり抜けている中、5日前にセレッソから来てもらった中島を、いきなりスタメン、ボランチで起用。そして待望のデサバトもベンチ入り。

中島は、力のある選手であることは、新潟で実証済みとはいえ、短期間で連携面など、どうなのだろうと、期待と一抹の不安の中で試合が始まった。

前半
連携の不安は、杞憂に過ぎないと、すぐに分かった。

チーム全体に守備の修正で、ボールへの寄せを早めて相手の攻撃を遅らせ、攻撃ではパス・スピードを上げ、いい位置取りの速攻でチャンスを作る。

特に、久々のスタメン名倉。真瀬とのコンビも良く、終始、物凄い運動量で、ベガルタ右からの山口の攻撃を遅らせたり、カットしてカウンターにつなげていた。

この試合は、10人の時間も長く、チーム一丸の勝利ではある。
もちろん、二人の得点者も見事ではあるが、これまでの試合から一皮むけた名倉は、チームに活力を与えたと思う。

そして中島

攻撃のリズムを作ったり、タメをつくるキープ力、ボールを運んだり、球際でカットしたり、スルーパスなど、最早、前からチームにいたベテランの選手のよう。

さらに、10人になって厳しい時間には、声掛けで、チームを鼓舞したり、本当にいい選手をセレッソは出してくれたと思う。

⚽前半15分、右サイドで中島が寄せて、ずれた相手ボールを名倉がカットしてドリブル、さらに、真瀬へとボールがつなげると、裏に皆川に走り抜ける。

そこに真瀬がタイミングを図って、インサイドキックの縦のスルーパス。これを、えぐった皆川が柔らかく、マイナスの折返し。

中央に詰めていた氣田が、ノー・ステップで、パンチの利いた右足ダイレクトを決めて、先制

まさに電光石火を歌いたくなる先制点。


しかし、好事魔多し。

苦しい人繰りの中で、先手を奪ったのはいいが、19分、25分とキムテヒョンが、正面からの打詰めで、アフター気味に行ってしまい、イエロー2枚で退場。前半の早い時間で、10人となってしまった。

ここで、やむなく、先制点アシストで好調の皆川を下げ、若狭をCBに入れる。

厳しくなったが、リードしてからの10人で、チームは闘志を高めたようである。

スタジアムの拍手応援も、これまでになく力強い。

4-4-1として、ブロックを固めながら、トップの富樫はじめ、名倉、氣田、中島などがつっかけて、相手の攻撃を寸断する。もちろん、相手に持たれる時間も多く、シュートも打たれたが、耐えた。

38分、名倉がパスカットして、スルーパス。飛び出た富樫がフリーでドリブル前進1対1。山口のキーパーは、元ベガルタの関憲太郎。うまく寄せられて、富樫のシュートはファーの枠外。これは決めたかった。

その後、両サイドからの山口の攻撃も続く。

44分、左右に振られて、右サイド一瞬にフリーを作られ、上がってきたDF橋本にシュートを打たれて、GKストイシッチの手先、やられた!と思った瞬間、枠内で平岡がヘッドでクリア

追加時間には、中島のパスをカットされフリーになりかかられるが、真瀬が戻って体を入れる。

10人になって20分間、攻められ続けているが、集中力は高まって、カバーし合い、1-0で前半終了。

後半
開始早々、名倉が飛び出し、DFの間をドリブルで抜けようとするところ、倒されるが、ノーファール。

3分、山口の山瀬が、左からのクロスをフリーでシュート、枠外。危なかった。

4分、山口のコーナーからつながれ、ペナ内で混戦。ヘナンに枠内に押し込まれそうになったが、今度は若狭がダイビングヘッドでクリア!平岡についで、決定機を救った。

⚽7分、防戦一方だったベガルタが、持ちあがり、右サイドで中島がキープ。

名倉につないで、名倉がドリブルで上がると、ペナ右角に寄せていた氣田へパス。氣田はヒールで落とし。受けた真瀬が左に張っていた富樫に、インサイドキックで丁寧にパスを通す。

富樫がDFを背負いながら、ワントラップから反転、左足でニアを抜くシュート、決まって2-0

富樫、2試合連続。今季3点目。

22度と、5月並みに暑くなったユアスタで、見たかった、えぐりからのズドンや、DF背負ってから反転シュートを見れて満腹。あとは勝利のみ。


そこからは、守備意識を高めながら、時々カウンター狙いのベガルタ。

山口は、選手を代えながら、あの手この手で、ベガルタゴールに迫るが、ベガルタも跳ね返す。

引いた事で、スペースがあまりできなかったのも幸い。また、割り切りのクリアで時間を使う。

19分には、逆に、富樫が真瀬とのワンツーで裏に抜け、フリー。ドリブルでまたもGK関と1対1となり、またぎフェイントでチャンスを窺うが、前半からのプレスで疲れもあり、コントロールできず。

すると、23分、山口にコーナーからつながれ、キッカーの石川からピンポイントクロスをニアの岸田に合わされ、ヘッドで失点2-1

石川にフリーでクロスに上げられたし、岸田にうまく守備の背後でフリーになられてしまった。しかし、高い精度は、敵ながらあっぱれというしかない。

次第に疲れから足が止まり出すベガルタ。次々に枠内シュート打たれる。

32分、ベガルタは、走り捲った名倉に代え大曽根、フォギーニョに代え、デサバトを入れ、守備強化。

35分には、山口に、左からのクロスにニアでフリーでヘッド許すが、枠外。

39分、山口が二人選手を代えると、ベガルタも平岡に代え福森、氣田に代え内田を入れる。

41分、こぼれ球をデサバトがダイレクトシュート。その後も、若狭の寄せやデサバトのチャージで、山口の攻撃をしのぐ。

44分、こぼれ球をほうり込まれ、元ベガルタ渡部博文にフリーでヘッド許すが、キーパー正面。

45分、中島がパスカットしたボールが、大曽根の前にころがり、フリー。大曽根GK関と1対1になり、強めのシュートも、うまく詰められて当ててしまい、枠外。

山口のGK、関憲太郎の前に、結局、ベガルタは3度フリーを止められてしまった。

結局、後半はシュート12本を浴びたが、最後はGKストイシッチがゴールキックで時間を使う(イエロー貰ったが)など、時間を使って逃げ切った。

急激に暑くなったスタジアムで、60分以上も10人で戦いながら、チャンスを連携良くつないで先手を取り、勝利。

危機的状況を、結束力とスピードのある攻撃で乗り切り、内容的にも今度につながる大きな勝利。

戦術のあれこれは、識者の方が詳しく分析してくれると思うが、守備の激しさを増し、サイドからの確度いまいちのクロスに拘らずに、三角形で速いテンポで確実につないで、決定機を作れていた。しかも、遠藤無しでもできているので、今後が楽しみである。


さて、前半カード2枚で退場のキムテヒョンであるが、先制した後の、停滞した時間を、自分の働きで打破しようと、少し力んだのだろう。

五輪代表クラスの選手だから、すぐにアジャストして、また活躍してくれると思う。地味で堅実なプレーでも、ここではちゃんと評価してくれる。研究して、力を発揮して欲しい。


それにしても、チームの危機の中、補強の中島が、早くもチームに溶け込んで、鎌田と共に、マルチに働いてくれそうな逸材というのは、なんと幸運か。

点を取り始めたFW陣、氣田と名倉が調子をあげ、デサバトも気分良く始動できたと思う。

後は、体調不良、軽い?怪我人が、戻ってきてくれればというところ。


尚、この試合はスポンサー様の木下グループ所属のフィギュアスケーター、三浦璃来、木原龍一選手の「りくりゅうペア」(北京冬季五輪団体銀、2022世界選手権ペア2位)が来場、いきなりリフトを見せれる大サービスで、ベガルタ勝利を呼び寄せてくれました。

次は序盤の山、いまだ無敗の横浜FCとの対戦。

今日の試合以上に、力強く、スピードアップして挑戦し、勝利をもぎ取って欲しい。

シュート数: 8-17 CK: 2-8  FK: 9- 12 得点:氣田亮真、富樫敬真 (山口)岸田  警告:キムテヒョン2=退場、ストイシッチ、真瀬 (山口)渡部博文  主審:窪田陽輔  入場:7,613人