東京2020オリンピック、男子サッカー日本代表、ベスト4

2021年の東京2020オリンピック
今回のサッカー男子五輪代表は、強固な守備を誇るOA3人と、ヨーロッパで経験を積み、一人である打開できる攻撃陣を揃えているということで、メダル、あわよくば、金もいけるかもと思わせるメンバーですが、グループステージから強敵揃い。果たして。

メキシコーフランス戦を見ましたが、メキシコの攻守の速さ、ゴール前になだれ込む攻撃力は、メダル圏内の感じ。暑さでばてて、やや手詰まり感のあるフランスを、4-1と圧倒。それでも最低勝ち点はゲットしたいすね。

日本代表日程・結果

グループステージ(グループA)

  1. 7月22日(木)20:00 日本1-0南アフリカ 東京スタジアム 得点:久保建英

    試合直前まで、新型コロナ濃厚接触の選手が18人とか、十分な練習ができなかったという南アフリカは、5-4-1とがっちり守りを固めてくる。日本はボールを持てるものの、なかなか崩せず、久保や堂安の仕掛けも跳ね返される。
    後半、南アはスピードある選手を入れてきて、カウンター狙いで、時々日本のサイドを脅かす。
    26分、久保が左サイドから仕掛け、左足を素早く降りぬくとキーパーの手をかすめゴール。待望の先取点。
    そのまま逃げ切って、待望の初戦勝ち点3を上げた。元ベガルタ板倉が、CBでフル出場。


  2. 7月25日(日)20:00 日本2-1メキシコ 埼玉スタジアム2002 得点:久保建英、堂安律、ロベルト・アルバラド

    日本は前からプレス、遠藤が鋭い飛び出しでボールを奪い前進。
    前で体を張る林、仕掛けの久保、堂安でメキシコの攻撃を沈黙させる。開始6分、堂安が左サイドをドリブル突破、中央裏でスルーパスを出すと、久保がDFと競りながらなだれ込み、アウトサイドでオチョアの逆を突くシュートで先制。さらに11分には、相馬の仕掛けからPKゲット(VARによる)となり、堂安がど真ん中に決めて2-0と、前半で優位にたった。
    その後のメキシコにボールを持たれても、遠藤や中山、酒井などが起点を阻み、板倉、吉田が体を張ってシュートを打たせない。
    後半、40分にコーナーのこぼれを、ロベルトに決められて1点を失うが、そのまま逃げ切り。2連勝でグループ首位に。この試合も板倉がCBでフル出場、

  3. 7月28日(水)20:30 日本4-0フランス 横浜国際 得点:久保、酒井、三好、前田

    CBに富安、ワントップに上田、左MFに旗手をスタメン起用。
    鋭い出足でフランスを囲み、マイボールにしていくと、旗手の仕掛けやシュート、酒井の上がりなどで、攻め込んでいく。
    27分上田のシュートが弾かれるところ、中央に走りこんだ久保が、ダイレクトで決めて先制。3試合連続弾。さらに34分、またも上田のシュートが弾かれ、高く上がったところを、左サイドがから酒井がダイレクトで決め2-0と、前半で優位に立った。フランスは、前半途中でOAのテジ・サバニエ が交代したこともあり、日本の堅い守備の前に、主砲ジニャクも孤立。シュートも少ない展開。

    後半から日本は、久保に代え三好、酒井に代え橋岡、遠藤に代え板倉、堂安に代え相馬、田中碧に代え前田をいれるなど、徐々に連戦組を代え、余裕の交代。するとリードの展開で、焦ることなく控え選手も活躍しだす。
    35分には、ゴール前にでのつなぎから、最後は三好がカットインでシュートを決め、3点目。さらに、追加時間には厳しい三好のスルーパスに、前田が走りこんで4点目を決め、とどめを刺した。

    フランスは、メンバーが所属チームに反対などで大幅に変わり、戦力ダウンとなっていたとはいえ、4-0快勝でGS3戦全勝。日本は、攻守のバランスが良く、OA組がしっかり攻守で要となり、久保、堂安も絶好調で運動量豊富。メダル、さらに色のいいメダルへの期待が大きく膨らんだ。

ノックアウトステージ

  • 準々決勝 7月31日(土)18:00 日本0-0(PK4-2)ニュージーランド 茨城カシマスタジアム

    日本は出場停止の酒井に代わり橋本、左SBは旗手、前線に相馬、林をスタメン起用。
    前半ニュージーランドは5-3-2と守備を固め、前からプレスと中盤を締める。日本は右サイドの橋岡を中心にチャンスを作る。10分、ショートコーナーから上がっていた遠藤がフリーで合わせるも、枠外。その後は、ミドルレンジのシュートしか打たせてもらえない。一方相手には決定機をほとんどつくらせない。

    後半システムを変え4バックから、攻撃に転じた相手に対し、日本も奥まで迫れるようになるが、ぎりぎりCB陣でクリア。日本の攻撃は選手間が空いて、単発の攻撃になる。
    それでも37分、堂安のゴール前を横切るパスに、フリーの上田が合わせるが、これも枠外。
    試合は延長戦に突入するが、ともに決定機すくなく、PK戦へ。

    すると日本は、上田、板倉、中山と、共に途中出場の3選手が決め、最後は主将の吉田が決め切ったが、ニュージーランドのPKは、GK谷の読みが冴えて、1本を止め、1本は枠外。日本は苦しいスコアレスの試合をPK戦勝ち。スペインとの準決勝に駒を進めた。

    板倉は延長から田中碧に代わりボランチで出場。PK戦でも志願して2番目にしっかり決め、またも勝利に貢献した。

  • 準決勝 8月3日(火)20:00 日本0-1(延長)スペイン 埼玉スタジアム 得点:アセンシオ

    所属チームが反対して、主力が出てないフランス、ドイツと違って法律で五輪出場が義務づけられているというスペイン。大会前の強化試合ではドローだったが果たして。
    日本は富安が警告累積で欠場、板倉がCBでスタメン。酒井は右SBに復帰。林、旗手をスタメンに起用。
    前半守備的にいき、後半勝負とした日本であるが、後半11分に吉田がまさかのPK献上!?と思いきやVARでノーファール、イエローも取り消しで事無きを得る。後半20分から上田、相馬を投入するが、スペインの堅い守りをなかなかくずせず。するとスペインはOAのアセンシオを投入。日本ゴール前でボールを回し続け、連続攻撃。あわやのシーンも再三板倉、GK谷の攻守で無失点に抑える。
    日本は左から久保のドリブル侵入シュートが大きなチャンスだったが、阻まれ延長戦へ。

    両チーム疲労から互いにゴールを割れないまま、PK戦かと思われた延長後半10分、左サイドで絶妙な位置取りをしたアセンシオが、スローインからのボールを反転シュート、これを決められ、万事窮す。
    初の決勝進出は逃し、6日にGSでも対戦したメキシコと3位決定戦を行うこととなった。


  • 3位決定戦 8月6日(金)18:00 日本1-3メキシコ埼玉スタジアム 得点:三苫 セバスティアン・コルドバ(PK)、ホアン・バスケス、ベガ

    出ずっぱりの遠藤、吉田麻也他の選手に疲れが見える日本。パスミスも多い。メキシコの組織的な攻守にチャンスを作れないでいると、前半13分、パスカットされて、遠藤がPKを献上、先制許す。
    さらに22分には、コーナーからヘッドで決められ、2失点。前半から厳しい展開に。久保や堂安の仕掛けを減じられ、遠目から相馬や林がシュートも枠外。

    後半、13分にもコーナーから決定的な3点目を失い、さらに厳しい展開に。その後、上田、三笘を投入。三笘のドリブル突破からチャンスを作るも、メキシコもスペースを埋め、仕掛けを封じる。
    それでも32分、三苫がドリブル侵入からのシュートで1点返し、1-3。

    しかし、その後は、メキシコの的確な寄せと、疲れからか日本にもミスが目立ち、追加点は奪えず、試合終了。
    53年ぶりのメダル獲得はならず、ベスト4。
    試合後、辺りをはばからず号泣する久保が、チームのくやしさを表していた。

    選手層がいまひとつで、暑さの中、選手を休ませられなかった、海外組と国内組との練習時間少ないと言い訳はできるが、地元開催に向けて、組織的なプレーの熟成がどうであったか、などいろいろ検証すべき点は多い。

    それでも、個で対抗できる選手は複数人出てきたことは、基盤の一つはできつつあるともいえる。
    個も組織も両方揃えて初めて世界と戦える。あたり前のことを改めて認識させられた大会だった。
    久々に五輪で夢を見させてくれた選手達、本当にお疲れさん。


  • 決勝  8月7日(土)20:30 ブラジル2ー1スペイン横浜国際
    ブラジルが、暑さの中でも終始攻勢、2大会連続の金メダル