天皇杯準々決勝:対柏3-3(延長)、PK戦3-5、多彩な得点も10人相手にリード守れず

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第95回天皇杯 準々決勝 2015年12月26日(土)13:00 ベガルタ仙台3-3(延長)PK3-5柏レイソル ユアスタ仙台



ウイルソン 奥埜
(金園)(ハモン)
梁  金久保
     
藤村 富田
   
村上 鎌田 渡部 蜂須賀
(二見)    

サブは、石川慧、二見、上本、野沢、金園、ハモンロペス。柏は、武富、工藤、クリスチアーノがスタメン。大津、太田はベンチスタート。

菅井、石川直樹は欠場。ベテラン村上、ウイルソン、そして藤村が報道の通りボランチでスタメン。試合はクリスチアーノのフリーキック3本ハットで先制、勝ち越し、同点弾を決められた。ベガルタがウイルソンの2ゴールと二見の豪快ヘッド追いつき、逆転したものの、再び追いつかれ、PK戦3-5で敗れた。

ウイルソンの動きが良く、ワンタッチで敵陣までパスをつなぐ、いい流れも見られたが、終盤相手10人になってから、カウンターでのフリーを決められず、PK戦へ。これを1本と落として、万事窮す。

 久々に冬日となった仙台。夕方には雪かもと脅す予報は雨に変わったが、試合開始前のユアスタは、雪雲のような雲に覆われて、煤けた空になっている。

しかし、試合が始まると再び陽が差し始め、バックスタンド側は思いのほか暖かそう。陽の当たらない南のチケットを買ってしまい日陰だったが、風が弱いので、まだ耐えられる。

上位チームと一発勝負で、何かを起こす時、応援する側に求められるのは、根拠の有無にかかわらない自信である。負けそう、勝てる見込みがないと思っていると、本当に負ける。勝つ、勝てると思う自己暗示があると、不思議と選手にも伝わり、いわゆるジャイアント・キリングも起こすことができる。低い確率をもっと下げるのか、上げるのか。

今日のユアスタは1万1千人。柏サポも1500人位はいただろうが、ベガルタ側もこの時期としては、結構入ったのではないか。なぜか知らないが、勝てると思って。当方も、決勝戦のチケットは既に購入済みだったのだがw

試合はカウンター合戦になったが、思いのほかベガルタの選手は動けていたし、特に、半袖、手袋も無しのウイルソンが、かなり復調して、スピードやジャンプが戻っていた。

前半。
試合はいつもとエンドを変えて南側ベガルタで始まる。開始早々、ウイルソンが前進、倒されて、左ライン際のFKを得る。クリアされるが、スローインからつないで、最後は蜂須賀がミドルシュート、枠外。2分、ワンタッチでつないで、最後は蜂須賀のクロス、クリアされる。3分にも、蜂須賀が縦のスルーパスを出すが、つながらず。4分、柏の攻撃、左からクリスチアーノのクロス、フリーで中央に飛び込まれ、ヘッドを合わせられるが、枠外。

5分、奥埜がパスカット、右奥30mでフリーキックのチャンス。クリアされてコーナーを得る。このコーナーから、中央に流れたウイルソンが一瞬フリー、ダイレクトで合わせた強烈シュートは、バー直撃。惜しい。8分、梁?の大きなサイドチェンジ、蜂須賀が上がっていくが、もう一歩。9分、ベガルタエリア右角でフリーキックを与える。キッカーはクリスチアーノ。グラウンダーの強烈シュートは、ワンバンして加速、ニア右隅に決まって0-1。壁に当たったか、体重移動を見透かされたのか、六反が逆をつかれた感じだった。

早い時間の失点で、直後はベガルタも動揺。11分、蜂須賀が裏を取られ、折り返されてシュート打たれるが、枠外。12分、ベガルタ攻め込むが藤村がファール。13分今度は柏のカウンター、これはしのぐ。カウンター合戦の様相になってくる。こうなるとスピードの無いベガルタは不利か?15分、中盤のしのぎ合いから、ベガルタが右コーナーを得る。クリアされる。またカウンターの応酬。蜂須賀のクロスはキーパー。17分、ベガルタの左サイドを柏にワンツーで崩され、裏に入られシュートされるが、枠外。

19分、柏のカウンター、クロスに中央中川?にシュートされるが、ヒットせず助かる。その後、柏がボールをキープ。ベガルタは、なかなかチャンスが作れなかったが、24分、奥埜が相手のミスを逃さず、粘ってボールを奪いそのままドリブル、ゴールライン際までえぐってのラストパス、ウイルソンがシンプルに合わせてゴール、同点。シュートもない時間が続いていただけに、これで「やれる感」が出て来る。しかも、ウイルソンが久々のゴールで盛り上がる。

27分カウンター、梁からウイルソン、通らず。28分、ベガルタエリア中央30mでフリーキックを与える。クリスチアーノのキックは枠内も、六反弾き出す。29分、今度はベガルタが右奥35mのフリーキック。これは決まらないが、その後、細かくパスをつなぎ、最後は奥埜がシュート、キーパ。31分、柏の秋野にイエロー。ここからカード乱舞始まる。ハーフライン付近からのフリーキック。36分、ベガルタエリア左35mで、またまたフリーキックを与えてしまう。これは六反正面で助かる。

37分、ウイルソンの浮き球パスになだれこむが、キーパー。40分、クリスチアーノのシュートはクリア。42分、ベガルタがカウンター、蜂須賀が走り出てフリー、早めのミドルシュート、枠外。44分、柏にエリア内侵入されるが、ファールで終了。その後、藤村がボールキープしながら、前進、ラストパスを出すが、オフサイド。結局、前半は1-1で終了。

後半。
また曇りはじめ、冷たい風が吹き始めるユアスタ。開始早々、ベガルタがボールを回すが、シュートは打てない。3分、ベガルタがワンツーで、テンポよくボールをつなぎ、前進、コーナーを得る。こぼれはつなげない。5分、ベガルタエリア中央35mで柏のフリーキック。壁を作った金久保が、ファールでイエロー。距離不足とファール繰り返し?6分、これでもう一度、柏のフリーキックとなる。クリスチアーノの強烈グラウンダーが、またも決まり、1-2と再びリードされる。六反、逆を突かれている。体重移動を読まれたか。リードされたところで、村上に代え二見が入る。

リードした柏が余裕のボール回し、ベガルタはなかなかボールを奪えない。12分、ようやくパスカットして、梁のクロス、もう一歩。14分、ここで主審が副審のところへ。何か言ったのか、ベンチの柏の控えGK桐畑にイエロー。久々に見る珍事。15分、奥埜に代えハモンロペスが入る。今日のハモンはちょっとプレーに落ち着きが無かった。16分、ベガルタのフリーキックのこぼれを、クリスチアーノに拾われ、そのままドリブルで上がられ、シュート打たれるが、六反押さえる。

17分、ゴール前まで攻め込むがクリアされる。その後、エリアすぐ外でフリーキックを得る。さらにコーナー。つないで、二見のクロスに渡部のヘッド、キーパー。20分、柏は中川に代え山中入る。21分、梁とウイルソンのワンツーでカウンター、最後はハモン、決めきれないがコーナーを得る。シュートはクリアされ、今度は柏がカウンター。工藤のシュートは六反。23分、ベガルタがボールをつなぎ、最後は富田がワントラップからのシュート、壁。25分、秋野が、この日2枚目のイエローで退場。柏10人。追わぬ敵失でベガルタにはチャンス。

このファールで右奥35mでフリーキックを得る。渡部のヘッドはキーパー。26分、柏にコーナー2本を連続されるが、しのぐ。すると29分、金久保のスルーパスで裏を取った蜂須賀が、左サイドフリーになっていた二見に、どんぴしゃクロス、強烈ヘッドが決まって2-2。さっそく数的有利を活かした。31分には、ウイルソンが左サイドをドリブルで上がり、最後はハモンのミドル、枠外。34分、二見にイエロー。35分またも珍事、倒れた柏の選手に一度トレーナーを呼びながら、主審は追い返す。しかし、ピット外に出た選手を見た柏の選手は、バツ印。しかし、結局また試合に復帰。何がなんだか分からない。

36分、柏のコーナー、これは守る。37分、コーナーのチャンス、ファーを狙うが、頭上通過。41分、クリスチアーノにカウンターからドリブル前進を許し、エリアすぐ外で富田がファールで止めてイエロー。レッドを取られかねない状況だった。これでまたまた、アーク付近で柏のフリーキック。これは壁にあたり、コーナー。こぼれをまた放りこまれるが、ヘッドは六反。44分、ウイルソンが裏に出て、クロス、流れる。AT、藤村がエリア内に侵入していくが、キープできず。その後、柏ゴール前での混戦、柏のクリアを拾ってボールが行き交うが、最後ハモンのシュートはヒットせず。

結局、10人の柏相手に、追加点奪えず。延長戦に突入。

延長前半。
開始早々、コーナーを得る。梁のキックに、ウイルソンがヘッドで合わせ3-2。ウイルソンのエース復活を知らしめる、今日2点目の勝ち越し弾。相手は10人、ベガサポなら勝ちを確信したはず。。。

4分には、金久保が切り返しから、左足のミドルシュート、コーナーを得る。これは決まらず。6分、ハモンがドリブルからのシュート、枠外。しかし、7分、柏の山中に左から侵入されて、シュートまで打たれる、枠外で助かる。

8分、ハモンのパスにウイルソンが裏に出て、折り返し、梁が猛然と突っ込んでのダイビング・ヘッド、どんぴしゃだったが枠外。9分、コーナー決まらず。10分、柏は工藤に代え栗澤を入れる。この時間帯、柏もがんばってカウンターで走るが、時折パスミス。疲れが出ている。11分、ウイルソンからハモン、ハモンのクロスはキーパー。どうも今日のハモンは急ぎ過ぎ。13分、柏のエドヴァルドにイエロー。このあたり、藤村も足にきているのか走れなくなっている。

延長後半。
ウイルソンに代わり金園入る。開始20秒、柏にコーナーを与える。こぼれをシュートされ、またコーナー。山中の放り込みは鎌田がクリア。この後、金園にイエロー。3分、ベガルタの左コーナー付近で、柏のフリーキック。5分、ハモンが左からの高速クロス、金園に合わず。7分にもカウンターから、ハモンがフリー、追いつかれるが、自分で強引にシュート、枠外。金園がフリーでいたのだが。直後、クリスチアーノのロングシュート、枠外。柏、輪湖に代え太田が入る。8分、ゴールキックをゆっくりやって、六反にイエロー。

9分、柏のカウンター。10分、またままたベガルタゴール前で鎌田?が引っ張ってフリーキックを献上。アーク付近。クリスチアーノ、今度は右上から巻いて落とす直接シュート、決められ3-3。ここでも六反は一瞬逆をつかれた感じ。フリーキックでハット。駆け引きにやられた。勝利目前で追いつかれた。こうなると、柏が心理的に優位。12分コーナーを得るが、決まらず。AT2分。二見のロングスローもキーパーに取られ、PK戦へ。


PK戦
先攻柏。柏は全員、六反のタイミングをずらし、逆をついていた。ベガルタも3人は隅に決めていたが、梁のど真ん中は、飛んだ菅野とややタイミングあってしまい、残り足で弾かれた。これはやむなし。

クリス○ 山中○ 太田○ 大谷○ エドヴァルド○
ハモン○ 金園○ 梁x 金久保○  --


悔しい敗戦。勝ち切るところでの攻守は、またも課題として残ったが、リーグ戦終盤10試合連続で、1点以内しか取れなかったチームが、いろいろな形で3点取った。テンポの良い展開。えぐりやSBからSBの得点、ウイルソンの復調という収穫があった。

一方、自陣ゴール前でのファールがあまりにも多く、相手にチャンスを与える形となった。藤村が久々出場、石川、菅井がいないにせよ、守備の連係はまだまだ。フリーキックの壁の問題。攻撃では、クロスの精度はまだまだだし、ハモンが少し焦ったプレーになっていた。

来年のメンツがどうなるか分からないが、できたところを発展させ、できなかったところを、個々人とスタッフ共に分析して、修正していってほしい。

シュート数:12-18、CK:10-10、FK:19-31 得点:ウイルソン2、二見宏志 (柏)クリスチアーノ3(FK3) 警告:金久保、二見、金園、六反 (柏)秋野2=退場、桐畑、エドヴァルド 主審:飯田淳平 入場:11,383人