19節:ベガルタ仙台 4‐3 山形、打ち合い制して劇勝。最後はATで武田のFK弾

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2025 J2 19節 6月15日(日)16時01分 ベガルタ仙台 4-3 モンテディオ山形 NDソフトスタジアム山形


荒木 エロン
(中田) (小林)

情滋     郷家
(髙田)      .
鎌田  松井
    (武田)
石尾 井上 菅田 真瀬
(奥山)      .

小林心が2点に絡む

サブは、梅田、マテウスモラエス、髙田、奥山、石井、南、武田、中田有(特指)、小林心。

山形は、GK寺門、DF西村、安部、城和、MF髙江、國分、中村、FW氣田、藤本、阪本、土居。は、ベンチスタート。ディサロ燦シルヴァーノ、髙橋潤哉、イサカゼイン、南はベンチスタート。



梅雨入りでも雨は免れた天童だが、16時でも気温26度、湿度70%と蒸し暑いピッチコンディション。

ベガサポは制限されたエリアいっぱいに2000人が入り、黄金の壁を作る。山形サポは配布の青のフラッグで応援。

勝ちだけが求められるみちのくダービーは、点の取り合いから、劇的な武田のFKで4-3と、ベガルタが勝ち切った。


この試合、ベガルタは、天皇杯をターノーバーで、主力を完全休養させて臨んだが、山形は天皇杯もガチメンで、GKと3CBなど守備陣はフル連戦、攻撃陣も交代ありながら、ほぼ全員連戦。

蒸し暑さに加え、みちのくダービーの異様な雰囲気が、いつも以上に山形選手のに、心身の疲労をもたらしたのではないか。

ベガルタを勢いづけるエロンの先制点も、CB城和のなんともないトラップミスが起点だったし、後半出て来た山形の強力3トップが、いつもの迫力を欠き、GK寺門は終盤で足を攣っていた。


これぞダービー、勝ちたい気持ちで上回ったベガルタ

序盤は山形がボールをつなぎながら、ベガルタが一瞬の隙を突いて、先行すること2度。しかし、点を取る度に直後に追いつかれる。

前半22分までに互いに2点を取り合う、打ち合いの様相に。


前半9分、ベガルタが相手ミスを突いて、情滋がエロンにつなぐと、エロンが中央からDF3人の間から先制ゴール。DFの足に当たってコースが変わったこともあるが、早いタイミングで振り抜いたエロンの積極性が決めた。

しかし、3分後に、ベガルタの右から、坂本にカットインシュートをぎりぎりに決められ1-1。

18分には、真瀬のクロスに郷家がヘッドで決めて2-1と勝ち越し。郷家3試合連続、今期6点目。
郷家が決めると負けないベガルタ。

しかし、すぐ4分後、今度は山形のデザインプレーのコーナーで、ペナ侵入を許し、藤本のシュートをクリアしきれずOG。珍しく林もばたばたしていた。

やられたら、やり返す。これがダービーか。


その後、両チーム少し固いプレーが続いたが、後半、山形が前3人を交代。

31分、イサカゼインに左から突破されると、ゴール前のクリアし切れないボールを高江が浮き球パス。

裏抜けしたディサロの頭で決められ2-3と、この試合初めてリードを許す。


逆転の少ないベガルタ、他の試合なら、このままやられていたかもしれない。

しかし、勝ちたい気持ちでベガルタが上回った。


リードされた5分後に、移籍してきたばかりの小林心のタメから、中央の真瀬が右に流し、ペナ内まで走り込んだ髙田が地を這うシュート。これがGK寺門の脇を抜けゴール。3-3同点!逆王手。

そしてベガルタは、長身中田と、イサカ対策の奥山を投入したところで、今度は、中央で小林が倒れながらもボールをキープして、ファールを貰い、FKをゲット。

するとAT2分、じっくりと時間をかけて、間合いを図った武田。鎌田のキックフェイントで一瞬キーパーの間をずらし、武田が左のFK25mを、直接捻じ込んでゴール、4-3。


この時、NHKの映像では、山形ベンチが土居はじめ、ぐったりと、お通夜状態になってるのが映っていた。

確かに、残り時間はわずかだが、昔の山形なら、ベンチ総出で、まだやれると鼓舞していたと思うが、連敗中のチーム状態のせいなのだろうか。

ベガルタは、残り時間、長身中田や郷家らが時間を使い、5バックにして逃げ切って、みちのくダービーの痛快な勝利。

あわせて昇格戦線に留まる貴重な勝ち点3を得た。


真瀬が2アシスト、髙田は起死回生ゴール

この試合の真瀬は絶好調。

前半は右SBで、例によって、鎌田、松井らとの連携で、上がっていく。

ドリブルで当たられても簡単には倒れず、ボールも失わなかった。

動き出しの速さと、果敢な上がりで、2点目の郷家ゴールをアシスト、

低い弾道ながら、早いタイミングでニアの郷家に合わせ、低い姿勢から突き上げるような郷家のヘッドにつなげた。


そして、後半リードされた後の3点目は、MFのポジションで、ハーフスペースというより、中央まで寄っての攻撃参加。

左の小林からパスを受けた時、右を振り向かず、即、上がってきた髙田へ落とす、前方へのパス。

これを髙田が濡れたピッチを滑るようなシュートで、決めた。

ちなみに、DAZN解説では、このノールックパスは、後ろから髙田が声をかけたのでは、と言っていたが、映像をよく見たら、ペナ内前方の郷家が指をさして、髙田が上がっている事を、真瀬に教えていた。

恐らく練習でも、このシュート・パターンをやっていたのだろう。


小林心は後半2点の起点

6月から、高知から、J3で13試合10得点の実績を引っ提げ加入した、FW小林心が、ベガルタでの初陣。

後半27分にエロンに代わってトップに入ったが、動きにもキレがあり、実に落ち着いていた。

ベガルタの選手もどんどん小林にボールを集め、小林はスペースに走り込んで、キープ。

2-3とリードされた5分後には、左から中央の真瀬に丁寧にボールをつなぎ、髙田の同点ゴールの起点となった。


そして、後半終了間際には、中央で倒れながらボールをキープ。フリーキックをゲット、武田の決勝ゴールにつなげた。

4-3とリードしてからは、自陣での守備もしっかりこなし、勝利に貢献。

上々のデビューである。

ゴールこそならなかったが、相手にシュートを匂わせて、引きつけながらキープもできるし、スプリントも早そう。

他のFWとはまた違ったタイプで、大いに期待できる。


ついに決めた、武田、悪魔の左足でFK直接

それにしても、ついに武田がやってくれた。

今期序盤は巧みなパス出しで、攻撃をリードしていたが、相手のマークもきつくなる中、なかなか思うようなプレーができなくなっていたし、フリーキックやミドルも惜しいシュートばかりで、決まっていなかった。


それがである。

このダービーの雰囲気の中、しかもAT。

左足には自信があるとのことで、浦和時代にも凄いフリーキックを決めてはいるが、まだ今期得点無しの中で、壁を越えすとんとおとすシュートをファーに決めた。

うまいだけでなく、何かを持ってる男。

今後もずばずば決めて欲しい。


3失点は反省点

見てる分には、3失点でも、4点取って、最後は逆転での勝利で、言う事なしだが、混戦のJ2を勝ち抜いて行くには、やはり3失点の反省はしないといけない。

監督、コーチが目を真っ赤にして分析中とは思うが、ピッチ上での守備での連携が増すまず重要になる、後半戦。

前半の2失点は、坂本のカットインシュート、山形のコーナーとも、氣田の、横へのドリブルが起点になっている。縦の突破については、ほぼ完ぺきに石尾が抑えていたが。

CB陣が、横に流れる相手に対して、積極的に奪いに言った時など、カバーが遅れ、ずるずると中央へのドリブルを許していると、マークもずれて、パスやシュートコースを作られてしまう。

ゴール前のシュートブロックなど、強固になってきたベガルタだが、相手の揺さぶりへの対応は、連携を、もう一段上げていきたい。


前半
山形は3-5-2、ベガルタは4-4-2。

⚽9分、ベガルタ、山形の城和のトラップミスを情滋が拾って、エロンにつなぎ、中央からエロンのゴールで先制1-0。

⚽12分、山形、阪本、ベガルタの右からカットインシュート、決まって1-1。

⚽18分、ベガルタ、右サイド真瀬のクロスを、ニアで郷家がヘッドでゴール、2-1。

⚽22分、山形左コーナーのデザインプレー、ショートコーナーからつないで、藤本のヒールシュートを、クリアし切れず、ベガルタのオウンゴール。2-2。

前半、ベガルタのシュートは5本、山形は6本。


後半
ハーフタイムに散水。

16分、ベガルタ、松井に代わり武田が入る。

23分、山形3枚代え。氣田に代えイサカゼイン、土居に代え高橋潤哉、藤本に代え ディサロ 燦シルヴァーノが入る。

26分、ベガルタ、荒木にイエロー。

27分、ベガルタ、エロンに代わり小林心、オナイウ情滋に代わり髙田が入る。

30分、山形、阪本足攣りで、吉田に交代。

⚽31分、山形、高江の浮き球パスに、裏を取ったディサロがフリーのヘッドでゴール、2-3と逆転。

⚽36分、ベガルタ、小林からパスを中央で受けた真瀬が右に流し、上がった髙田のシュートで3-3。

42分、山形、國分に代わり堀金入る。
ベガルタ、荒木に代わり、特別指定の阪南大3年、中田有祐、石尾に代わり奥山が入る。

⚽AT2分、ベガルタ、小林が粘り、山形ゴール中央やや右25mで、フリーキックをゲット。これを武田が、左足で直接決めて4-3と勝ち越し。これが決勝点。

AT6分、山形城和にイエロー。

AT8分、ベガルタ、中田に遅延行為でイエロー。

後半、ベガルタのシュートは5本、山形は2本。


シュート数: 10-8 CK: 6-2 FK:16-13   得点:エロン、郷家友太、髙田椋汰、武田英寿(FK) (山形)坂本亘基、OG、ディサロ燦シルヴァーノ   警告:荒木、中田 (山形)城和  主審:須谷雄三  入場:15,413人