天皇杯2回戦:対グルージャ盛岡2-5、球際負けてパニック、茂木がゴール

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第96回天皇杯 2回戦 2016年9月3日(土)19時 ベガルタ仙台2-5グルージャ盛岡 ユアスタ仙台

今年のベガルタの天皇杯初戦は、J3のグルージャ盛岡と対戦。

前半早々に自陣のパスミスを譲り合い、失点すると、一度は石川のミドルで追いついたものの、相手の球際への速い寄せに慌てて、ミスを繰り返し、セルフジャッジで2点目を許すと、その後は相手のカウンターにやられ放題。

攻撃では、ファーサイドがフリーなのに、余裕なく、同サイドの縦パスを繰り返す。終盤、茂木がベガルタでの初ゴールで、2点目をあげたが、時すでに遅し。

天皇杯だが、ベガルタだけでなく、グルージャ盛岡の選手も、顔写真入りでビジョンで紹介。盛岡サポは100名弱か。

前半。
1分、ハモンが裏に走り込むがクリアされる。2分、盛岡エリア内右奥25mでフリーキック。三田のキックはキーパーが弾き、コーナーを得る。左コーナーは藤村が蹴る。これは流れる。4分、左サイドで、藤村、石川のパス交換で、藤村がえぐっていくが、クロスはキーパー。ここまで、盛岡が片方のサイドに寄ってプレスしてくるので、逆サイドが、極端にフリーになっている。そこを突けば・・・

7分、左コーナー、藤村のキックにニアから、平岡のヘッド、枠内も決まらず。盛岡のカウンター、ロングシュート打たれるが枠外。11分、盛岡がカウンターでドリブル前進、ひとりで持ちこむが、途中藤村がカット。そして12分、ベガルタ右サイドでクリアが中途半端、誰も取りにいかないところを攫われ、えぐられてのクロス、2列目から走り込んだ牛之濵に振り切られ、決められ先制許す。守備でのミスからの失点、このところのリーグ戦と同じ。

13分、三田のシュート、ヒットせず。14分、右コーナー。三田が蹴る。決まらず。17分、サイドチェンジからチャンスを作り、最後は中央でウイルソン、シュートも、ヒットせず。直後、こぼれ球を石川がミドルレンジからの左足シュート、決まって、1-1同点。コントロールした鮮やかなシュート。ただ、比較的短い時間で追いついたのが、この後の油断につながった、わけでもないだろうが。。。

19分、盛岡、縦のスルーパスからシュート、関抑える。20分にも盛岡のミドルシュート、枠外。23分、ウイルソンがえぐってのクロス、中央フリーで藤村がヘッド、キーパー正面。このあたりからベガルタの選手間が空き過ぎて、途中カットされるケースが多くなる。25分、ベガルタ左サイドで、ファールと思って(副審が旗を振ったが主審認めず)、ベガルタの選手の動きが止まった瞬間を逃さず、盛岡が簡単につないで、梅内が、どフリーでシュート、決まって1-2。これは恥ずかしいセルフジャッジ。

判定がどうこうの前に、プレーを止めてしまった自分達のミス。これで選手は動揺。連携したプレーが崩れ始める。27分にもカウンターで、盛岡に侵入されるが、ファールで終了。危ない。29分、囲まれて思うようにプレーができない、ハモン、ウイルソンが苛立ち始める。30分、富田の右からのクロスに、ハモンのヘッド、ヒットせず。そして32分、またも盛岡のカウンター、スピードでかわした安楽が、いったん足元でためてかのシュート、決められ1-3。関のタイミングをはずす、落ち着いたシュート。盛岡伸び伸び。

ベガルタはボール保持しても、周りとの連動なく、プレスに慌てて、ぬるいパスを出し、それを取られてカウンターを受けるの繰り返し。スピードに乗ったドリブルで攻められるので、オフサイドも取れない。35分にも、ボールを回されミドルシュートを打たれるが、枠外。41分まで、一方的に攻められる。41分、盛岡の左コーナー。しのぐ。

42分、ハモンがボールを追ってコーナーを得る。右コーナー。弾かれる。AT2分、そのままいいところなく、1-3と2点リードされて、前半終了。

後半。
開始30秒、大岩のクロスに奥埜のヘッド、空振り。しかし、左コーナーを得る。決まらず。5分、ベガルタがボールを持つが、寄せが厳しく、シュートが打てない。10分、ベガルタゴール左25mで盛岡のフリーキック。ボールを回した盛岡、最後はロングシュート、関抑える。この後、藤村が、ボールに行かず、ややためらうようなプレー。11分、藤村に代え茂木が入る。失点するまでは、藤村も積極的だったが。

13分、回されて中央からシュート打たれるが枠外。14分、盛岡の右コーナー、中央からシュート打たれるが、関弾く。右コーナーを与える。盛岡は、FW谷口に代えMF石井を入れる。ここはしのぐ。16分、ベガルタのカウンター、奥埜ドリブルからのシュート、左コーナーを得る。キッカーは茂木。平岡のヘッドもキーパー。18分、パスカットされて、またもカウンターを受ける。最後は梅内にフリーで決められ、1-4

22分、ウイルソンのロングシュート、キーパーが弾いてコーナーを得る。ここで平岡を代え水野を入れる。大岩がCBか。水野がロングスローなどを見せるが、なかなか潜りこめない。26分、盛岡はMF安楽に代えDFの森を入れる。26分、ベガルタの左コーナーキック。決まらず。ボールが緩い。27分、盛岡のキーパーがパンチングミス、これでラッキーなコーナーを得る。しかし、右コーナーで水野が蹴るが、決まらず。

ベガルタ、焦りからかパスが縮こまったり、精度を欠いたりと、相手を脅かす状態になれない。ここで奥埜に代え西村が入る。29分、ベガルタゴール前に攻められると、簡単に裏取られ、鈴木に5点目を許す1-5。さらにダメ押し。30分、富田のクロスに西村のヘッド、ヒットせずキーパー。34分、左サイドから侵入した茂木が、角度無いながら思い切った左足シュート、決まって2-5。茂木がベガルタでの初ゴールで、意地を見せたが、時、既に遅し。

40分、右コーナーを得る。決まらず。42分、左奥35mのフリーキック。こぼれの低いボールを、ハモンがダイビングヘッドで狙うが、枠外。追加時間3分。勝負は厳しい。それでも左コーナーから、ハモンがヘッドを狙うが枠外で終了。惨敗。


練習試合で何度か対戦があったようだが、しっかりと相手を見て、準備する事ができていなかったのか。

言い訳無用。一発勝負での波乱はつきものだし、確かにグルージャの走力、速いタイミングでのシュートは素晴らしかったが、これまでも、1年置きに、下のカテゴリーのチームに、いいところのない試合を繰り返すのは、ベガルタの側に、見過ごせない課題があると考えるべき。

ただ、とんだ試合であったが、リーグ戦でも見られる、ベガルタの欠点を、グルージャが抉り出してくれてた。

「サイドチェンジは、ほとんどしない」「選手の距離間が悪く、プレスをかけると、カバーが遅れる」「ペナ内には、めったに仕掛けてこない」「キックフェイントが少ないので、蹴る先が読みやすい」「DF間で、かぶったり、譲り合いが多い」

根本にはスピードある選手がほとんどいない、という事もあるが、これは分かり切ったこと。これらの欠点は、連携を密にすることでのみカバーできるワケであるが、この試合のようにパニックに陥ると、バラバラになって、個人の自信の無さが露呈してしまう。

勝敗より、がっかりなのは、Jリーグで200試合以上も経験し、様々な厳しい場面を経てきた選手がゴロゴロいるチームなのに、自らと他の選手を落ち着かせ、失点を食い止めることができなくなった点。

たとえ監督の指示がなくても、ゲームの中で修正していく力は、今後、上位を目指す上で不可欠だろう。勝敗は変わらなくても、そういったプロらしさを見せてほしかった。今季のリーグ戦で、逆点勝ちが少ないという事も、そこらに関係しているのだろう。

団体競技のサッカーで、戦犯を作っても意味がない。が、チームプレーだからこそ、ひとりひとりの選手がやり切る、自分のプレーに責任を持つという点を、練習の時から、妥協無しに、互いに厳しく求めあって欲しい。

リーグ戦も残り少ない。タイトルは厳しいが、勝ち点50はまだ狙える。闘志あるプレーで再びサポ、ファンを沸かせてほしい。

最後になりましたが、グルージャ盛岡の健闘を祈ります。次のユアスタ対Honda戦でも勝利を!

(追記)茂木選手のプロ初ゴールは、金沢に期限付き移籍中の、2015年8月30日、ツエーゲン金沢-FC今治戦でのゴールでした。

シュート数:15-15、CK:15-2、FK:16-7 得点:石川直樹、茂木駿佑 (盛岡)牛之濱、梅内2、安楽、鈴木達也 警告:なし 主審:廣瀬 格 入場3,870人