天皇杯3回戦:対熊本、延長戦1-2、最低の試合で敗退

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第92回天皇杯3回戦 2012年10月10日(水)19:00 ベガルタ仙台(延長)1-2ロアッソ熊本 ユアスタ仙台



柳沢 赤嶺
(中原)(武藤)
梁   関口

松下 富田
(太田)  
内山 鎌田 広大 田村

桜井
サブは、林、原田、角田、太田、武藤、中原、ウイルソン。熊本は、武富、斎藤の2トップ。藤本、蔵川先発。観客4,269人。気温18度と冷える。

ないない尽くしの試合で、ブーイングにすら値しない試合。

ハードワークしない、テクニックもアイデアも無い。一番問題なのは、「冷たい雨の中でやりたくないな」かのように見える、覇気の無さ。いや、一生懸命やっているのに、あのパフォーマンスだとしたら、そちらの方が問題だ。熊本は中2日でちゃんと動けているわけだから。

予想通り、前からどんどんプレスをして、ボールを奪ったら連動してワンタッチで攻めてくる熊本。雨の上に根付きの悪いピッチだから、トラップでボールを不安定にするより、ダイレクトにボールを叩きに行った方がコースが安定するようだ。それを愚直に繰り返したのが熊本。動かずに足先だけでボールを収めようとして、奪われるベガルタ。

球際で競り負け、スピードで裏を取られ、やっとつかんだ、どフリーのチャンスは、はずしまくり。情け無い。

試合前から冷え込んで、小雨。緩いピッチは、滑り易さが加わってさらに扱い難い。
しかし、熊本がワンタッチパスを小気味良くつなぐのに対し、トラップがどこに行くかわからないようなべガルタは、思うような展開できない。実は、熊本にも、ところどころでパスミスがあり、つけこむチャンスがあったのに、拾い切れなかった。

前半。
熊本がバックパスミスでコーナーのチャンス。2本連続、広大のヘッドはバーの上。2分、今度は熊本が、ベガルタゴール左35mのフリーキック。直接飛んでくるがサイドネット。3分、熊本の攻撃をクリアしきれず、コーナーを与える。何か鎌田、広大の動きが重い。鎌田は休養十分のはずだが。コーナーは防ぎ、カウンターから関口が上がるが、決まらず。7分、赤嶺のパスを関口がロングシュート、キーパー。8分、ベガルタの右サイドをつかれコーナーを献上。ヘッドを打たれるがクリア。

熊本は引いたりせず、ラインを高く保ちコンパクトにして、前から執拗にボール保持者にプレスしてくる。それに慌てるベガルタ。10分、裏に抜けられパスを通されるが、鎌田がスライディングで何とか、クリア。12分、片山のミドルシュート、枠外。ボールが行き交うところ、柳沢がカットして、赤嶺へ。フリーでシュート、キーパーに触られ、コーナー。決まらず。14分、熊本にカウンターからパスを通されるが、桜井が押さえる。

17分、斎藤?に、体をこじ入れられて、鎌田、広大が振り回され、コーナーを与える。これは守る。18分、今度はベガルタのコーナー。赤嶺ヘッドもヒットせず。その後、一進一退。23分、熊本サイドチェンジから速いクロスを入れてきてあわや。さらに熊本は、ベガルタのライン裏のスペースに、浮球で何度も走りこんでくるので、守備に追われるベガルタ。27分、ようやくベガルタも相手エリアでボールを回し、最後は富田のロングシュート、枠外。

28分、内山が囲まれ、カバーの広大も振り切られて侵入されるが、熊本のラストパスのミスで助かる。その後、赤嶺から柳沢へのパスが通るが、打たず。30分、関口がドリブル前進、オーバーラップしてきた田村がクロスも、コーナー。この辺はベガルタのリズム。コーナーでも田村がヘッドするがバーの上。30分、関口のクロスがクリアされコーナーを得る。ショートコーナー、クロスもキーパー。33分には、相手エリア左奥からのフリーキック。いったん戻して鎌田の速いクロス。赤嶺に合わず。

36分、サイドを攻めて、最後は富田の左足シュート、枠外。38分、熊本がロングボールを裏に通して、フリーを作られるが、オフサイド。38分、梁から松下で、カーブシュート、キーパー弾いてコーナー。ここでも田村がヘッドもバーの上。その後は、チャンス作れず、結局前半はスコアレスで終了。

後半。
開始早々、浮球パスに梁が裏とるが、打てず。後半になっても熊本の運動量は落ちず、ねちこくボールに寄せてくる。3分、左からの速いクロスに、鎌田が裏取られ、斎藤に中央フリーで決められて先制許す。これで運動量が落ちなくなった熊本。ユアスタは雨が降り出す。情けなさに号泣か。その後も、ワンタッチでつながれ、食いつくと、走りこんだ選手にパスを通される悪循環。8分、こぼれ球を熊本に拾われ、広大の裏取られて、ヘッドも枠外で助かる。9分、カウンターから田村がロングシュート。

12分、ようやくベガルタがボールを回し、コーナーを得るが、シュートはキーパー正面。13分、内山が裏取られ、フリーでシュートされるが、枠外。危ない。田村の裏も狙われているが、どうにも内山のところが危なっかしい。15分、ベガルタのCB二人が翻弄されて、シュートされるが、桜井が抑える。18府、ここでベガルタベンチもたまらず、松下に代え太田、柳沢に代え中原を入れる2枚替え梁がボランチに下がる。18分、相手エリア右横25mのフリーキック。こぼれを太田(公式HPに関口となっていたがやはり太田の模様)が縦のクロス、相手クリアの浮球をつないで、最後は、広大が頭で合わせてゴール、同点。

しかし、波に乗り切れない。23分、鎌田のパスをカットされ、クロスからフリーでシュートされるが、枠外。逆にカウンターから梁のシュート、キーパー。24分、雨が一段と激しく落ちてくる。28分、カウンターで赤嶺から、走りこんできた太田へパス、合わず。さらに相手ゴール前でボールが行き交い、最後は中原、打ち切れず。29分、田村が裏取られ、えぐられてのクロスにヘッド合わされるが枠外でタ助かる。

29分、熊本は五領から市村に代わる。30分、太田のクロスのこぼれを富田がシュート。31分、ベガルタがボールを回して、最後は中原のヘッド、キーパー。32分、田村の裏取られ、えぐられてクロス、中央フリーで飛び込まれてシュートもバーの上。助かる。34分にはクリアミスを拾われて、そのままシュート打たれるが、バーの上。35分、赤嶺に代わり武藤が入る。ここで雨は小降りに。

次第に時間が無くなってくるが、なかなかリズムに乗れない。43分、カウンター、鎌田から梁、しかしパスはカットされる。44分には、突進した武藤が倒され、ゴール中央25mで絶好のフリーキック。しかし梁のキックは壁。ロスタイムは3分間。カウンターから太田がドリブル突破。最後は中央フリーの関口がヘッド、枠内もキーパーにさわられ、コーナー。しかしこのコーナーはクリアされる。結局90分では1-1の同点で、延長戦へ。

延長前半。
開始早々、太田からのパスに武藤が侵入して振り向き様のシュート、コーナーをゲット。このコーナーで太田がどんぴしゃヘッド枠内も、カバーしたDFにゴールライン際でクリアされる。惜しい。5分、熊本がキープしてボールを回す。ベガルタは疲れが見え、追えない。8分、熊本のミドルシュート、枠外。

9分、抜け出した梁からゴール横でフリーの中原にパスが通るが、至近距離でのヘッドはヒットせず。キーパー。さらに10分、カウンターで裏取った武藤から、フリーの中原へ。中原キーパーと1対1、グラウンダーのシュートはころころと枠外へ。決定機2度逃す。12分武藤倒され、ゴール中央25mのフリーキックを得るが、梁のキックは壁。12分、熊本は藤本に代え、大迫を入れる。結局、延長前半はスコアレス、依然1-1。


延長後半。
2分、広大が相手のシュートをブロック。4分、カウンターからシュート打たれるが枠外。7分、ベガルタのカウンター、田村からのパスを武藤がシュート。決まらない。ここで熊本は、片山から田中に代わる。8分、相手エリア左35mからのフリーキック。合わせたのは、田村のヘッド、バーの上。10分、ゴールキックをバックヒールで相手の裏スペースに出す武藤のアイデア。しかし、その後が続かない。

12分には田村が上がって攻撃参加、コーナーを得る。しかし、決まらず。その後、カウンターを簡単に前線につながれ、鎌田が緩慢な動きで反転するのが遅れているいるところ、一気にえぐられ、中央でフリーで詰めてきた養父に、楽々決められ勝ち越し許す。前半から守備に追われたベガルタは疲労困憊、気力も失せてそのまま試合終了。完敗。


トーナメントでは思わぬ敗退はある。また、ロアッソ熊本のハードワーク、ワンタッチプレーの連携は確かに良かった。しかし、その前にベガルタのベテラン陣のキープ力の無さ、DF陣のスピード負け、そして緩慢なプレーと、自滅のような試合。リーグ優勝を目指すチームとは思えない内容。

たしかに若手を出しても、結果は変わらなかったかもしれないが、経験値の上積という収穫は残る。ましてや運動量やスピード勝負してくる相手に、今日のようなパフォーマンスの選手が起用される、というのはどういうことなのだろうか。中2日だから、相手はすぐ疲れるとタカをくくったのではないか。この試合については監督の責任もあると思う。

最悪の試合だが、無理やり、空元気をつけるとしたら、広島同様、リーグ戦に専念できるようになった、ということはある。しかし、これで出場歴の少ない若手を試すチャンスが、少なくなってしまったともいえる。

幸い浦和戦まで10日ほどある。この試合を教訓に、残るリーグ戦は激しい闘志と冷静な頭でやってほしい。


シュート数:18-13、CK:12-3、FK:22-9 得点:渡辺広大 (熊本)斎藤、養父  警告:なし 主審:西村雄一