11節対山形3-3、幸運なドロー、課題だらけ

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2007年 4月 25日(水)19:00 ベガルタ仙台3-3モンテディオ山形 NDスタ



萬代 中島
(永井)(関口)
ロペス   梁
    
ジョニウソン  千葉

田ノ上 白井 木谷 菅井
 
シュナイダー
サブは萩原、磯崎、熊林、永井、関口。山形の財前、木村はベンチ入りせず。佐々木、石井が先発。

激しい雨の中、応援に行かれた方は本当にお疲れ様。選手もご苦労さん、と言いたいところだが。。。

チーム内に、なにか、たるんだ雰囲気があるのではないだろうか。一応先行はしていたけれど、内容的には完敗。中島の孤軍奮闘と相手のミスでなんとか3点とれ、むしろ幸運なドロー。たが、山形の決定力がもう少しあれば、大敗していただろう。そういう意味では、山形も長い数的有利の時間がありながら、引き分けどまり。ホームのドローで満足しているようでは、今後は厳しいだろう。

「激闘で勝ち点を分け合った」のではない。ともにチャンスを逃し、ミスから勝ち点2を失ったのだ。危機感を持って修正していかなければ、負けなしという名の勝ちなしに酔い続け、ともに失速していくだろう。まったく動き出しが遅いベガルタ。セットプレーではやられ放題。雨は言い訳にならない。山形は要所では動けていた。

久々にだらしない試合を見た。結果の勝ち点1については、今のベガルタの力では、幸運と言っていいだろう。以下、文句たらたらになるので、先に、唯一及第点をあげられる中島のプレーについて触れておこう。
先制点は、5分、中央からロペスのスルーパスに鋭く反応して、DFの間を駆け抜け、キーパーとの1対1を確実にインサイドキックで決めた。20分の2点目は、山形レオナルド・臼井のオウンゴールだが、梁のクロスに競っていたのは中島。それでクリアボールがキーパーの逆をつき、ころころとゴールに吸い込まれた。白井の退場で9人になった後の、後半8分の3点目のPKも、カウンターから中島がエリア内に侵入したところを小原に倒され、ロペスがPKを決めた。
だから、全得点に中島がからんでいる。雨の中、ほとんどの選手が、出足悪くボール・ウォッチャーと化している中、ひとりダッシュ良く動き出し、相手DFにも体をぶつけ、チャンスを作っていた。中島がすべて先行の点をたたき出していたのに、守り切れず、チーム調子が悪いながらもチャンスのあった勝ち点3を、自ら手放した。

試合は、激しい雨の中で始まった。ベガルタには、一節休みのアドバンテージは全く感じられず、激しい練習のし過ぎで疲れているのだろうか、選手の動きは一様に重い。ピッチは重馬場で、次第にボールが止まるようになる。中3日の山形が基本通り、浮き球でそれなりに精度よくつないでくるの対し、中10日のベガルタは、適当キックに、無理なグラウンダーや、パスにこだわり過ぎのシュートタイミング逃しで、チャンスをものにできない。

開始2分で、山形にきわどいクロス2本を放り込まれ、中央フリーでシュートを許す。これは、はずしてくれて助かる。ベガルタ、プレスがない。ボールがつながらず、単発攻撃に終わっていたベガルタが、5分中島が飛び出し先制。これでリズムにのるかと思われたが、山形に次々エリア内に侵入されコーナーを許す。9分、ミドルシュートを枠内に打たれるが、シュナイダー。しかし、12分、コーナーから小原にフリーで頭で合わされ、同点とされる。これで、すっかり山形は自信をつけてしまう。14分、ベガルタがゴールキックからのロングボール、うまく萬代がフリーになりかかるが、トラップミス。シュートチャンス逃す。雨はベガルタにだけ、不利に働くようだ。

その後、一進一退。19分、中島がサイドを抜け出し、最後は梁がエリア内にはいるが、シュートをためらっているうちに詰められる。21分、菅井がようやく上がって、アーリークロス、中島と競ったレオナルドのクリアがゴール方向へこぼれ、キーパーの逆をつき、ころころオウンゴール。2-1。攻め倦んでいたのに、労せずして勝ち越した。23分にも山形ゴール前で細かくつなぎ、遅れ気味ながらシュートは打つのだが、こぼれは押し込めず。

27分には、田ノ上がオーバーラップ、エリア内侵入、しかしクロスは精度なし。角度なくても、キーパーの顔が見える至近距離なら、強くシュート打てば、こぼれがオウンゴールとなったり、悪くともコーナーになる可能性が高い。シュートをはずすのが、怖いのだろうか。かっこいいシュートでないと打ちたくないのだろうか。誰でもいい、何度もチャレンジしないと点は取れない。

そのあと、カウンターを食らって、フリーでシュートされるが、シュナイダー正面。そして34分、山形のコーナーから、豊田に打点の高いヘッド決められ、またしても同点とされる。山形のヘッド要員は、豊田か小原しかいないのに、やすやすとフリーで助走をつけられている。ジャンプして体をぶつける選手がいない。セットプレーの守備は、シーズン初めから、まったく改善されていないようだ。DF、キーパー、マークの選手、守備の連係を見直してほしい。

37分、中島が相手ボールをカット、サイドにフリーで流れて折り返すが、あわせられず。43分、ロペスから左サイドの梁にパスが通り、クロス、しかしボールは誰もいないファーへ。中央には人がいたが、ファーには誰もおらず、ボランチの千葉が、ようやく走りこんでシュートをするが、すでにタイミング遅し。決定機を逃す山形と、決定機が少ないベガルタ、同点で前半終了。

後半。4分、前線参加した白井がレオナルドに滑ったとはいえ、足の裏で行ってしまい、一発退場。出鼻をくじかれる。6分、仕方なく、萬代を下げ、永井を投入。千葉がセンターバックへ、永井ボランチ、中島のワントップ。しかし、直後、カウンター狙いしかないベガルタに、すぐチャンス。中島へのロングパスが通り、DF小原を抜き去りかけたところで、後ろから倒され、PKゲット。中島の出足のよさが生んだチャンス。これをロペスがワン・フェーク入れ、キーパーが倒れた後の、がら空きの左サイドに余裕で決めて3点目。三度勝ち越しに成功。これで、山形にボールは保持されても、中央でがちがちに守って、カウンター狙いで、なんとかなるかと思いきや。。

ここからは、数的優位の山形が完全にボールjを支配。10人のベガルタはコーナーに何度も逃げる。しかし、コーナーでは精度の高いボールを放り込まれ、しばしばピンチに。シュナイダーのパンチングも目の前に落とし、詰められたら終わりというシーンも。山形もシュートに力みが出て、クロスからのフリーのシュートもはずしてくれる。宮沢のフリーキックが直接枠内にくるも、シュナイダー正面で助かる。

一方的に攻められるベガルタも、33分、カウンターで、永井がワンツーから裏を取り、完全にフリー、しかしクロスは蹴り損ない。さらに、ロペスが相手ボールを弾いて、侵入、コーナーをゲット。前線に二人だけながら、ロペスがフリーでヘッド、枠外。もう一点取れていたら、といっても始まらない。そして、ベガルタにも守り疲れが見えた43分、山形のセンタリングから、クリアしきれないところを、ファーサイドの宮沢にミドルで決められ、また同点3-3。こうなると、疲れたベガルタにはドローに持ち込むエネルギーしか残っておらず、なんとかロスタイム4分を耐えて、ドロー。

結果はやむなしかもしれない。しかし、過程はどうだ。こっちが調子が出なくでも、相手が何度も、どうぞどうぞと差し出してくれた勝ち点3を、遠慮深く1点どまりにしてしまった。勝ちきれず、それで良しとしなければならない、力の無さを、選手は誰も歯がゆく思わないのだろうか。10人だから守りを固めても、追いつかれて当然なんだろうか?
試合数の同じ札幌に、勝ち点差1を許し、引き分けの上位地チームに差をつけるチャンスを逃し、皆を喜ばせる結果となった。いつ、自分たちのらしさを出してリードし、みんなで守る、きちっとした勝ちゲームを見せてくれるのだろうか。いや、きちんとなんかしなくてもいい。チャンスがない時の敗戦はやむなし。しかし、得たチャンスは、どんな事をしてでも逃さない、そういうプレーを見せてほしい。

シュート数:8-16、CK:2-8、FK:11-14  得点:中島裕希、オウンゴール、ロペス(PK) (山形)小原、豊田、宮沢 警告:白井=退場、木谷 (相手)秋葉 主審:砂川恵一