ES5節:ベガルタ仙台レディース2-1浦和L、雨中AT劇的逆転ゴールで2位ゲット

2015なでしこリーグ エキサイティングシリーズ5節(最終節) 2015年11月8日(日)13:00 ユアスタ仙台
ベガルタ仙台レディース2-1浦和レッズレディース



井上  有町  
    (小野)
中野    嘉数
      (美和)   
川村 佐々木繭
      (田原)
高良 千葉 山本 坂井
      
武仲

サブは、斎藤、井手上、田原、佐々木美和、安本、浜田、小野。スタメンは前節同じ。浦和Lは、後藤、吉良の2トップ、楢本、栗島、柴田、長船スタメン。白木はベンチスタート。

今季なでしこリーグの最終戦。ES上位リーグは、日テレベレーザの優勝が決まっていたが、2位以下は混沌としており、ベガルタ仙台レディースは、勝利したとしても、他チームの結果次第で、2位から5位までの可能性があった。

雨の中の試合は、前半24分、浦和Lにこぼれ球を蹴り込まれ、先制を許す、苦しい立ち上がり。雨が降り止まず、互いにボールコントロールに悩まされる中、一進一退の攻防。36分、佐々木繭と柴田が激しく交錯して、繭が田原と交代。

後半になると、ベガルタがようやくプレスを強め、浦和Lのパスミスを誘うようになり、シュートチャンスも増えてくるが、決めきれず。

攻め込みながら、ミスでボールを失い、浦和Lの鋭いドリブルでのカウンターを再三受けるが、シュートには、守備陣が体を張り、武仲が反応して、追加点を防いでいると、39分、相手コーナー付近で、中野がプレスしてボールを奪い、そのままえぐってのラストパス、走り込んだキャプテン嘉数が、フリーで決めて同点。俄然ベガルタのペースに。

しかし、その後は、攻め込みながら、決定機をなかなか作れないままATに突入。最後は、川村のカウンターからのパス、小野がタメて、タイミングのいいパス出し。井上が、右サイドでフリーとなって、確実に決め、終了間際の逆転ゴール!

他会場では、勝ち点9で並ぶ、新潟LとI神戸が、共に敗戦、ドロー。唯一勝利のベガルタ仙台レディースが、奇跡の2位浮上。チーム史上最高位の成績と、ESの賞金500万円をゲットした。


冬至の仙台。朝から強い雨が降り続く。浦和サポも50人は来ていたか。
しかし、ベガルタ仙台レディースは雨の中の試合が多く、ほとんど勝っている気がする。

前半。
立ち上がりは浦和Lぺース。ボールへの寄せが速く、押されるベガルタ。いきなりミドルシュートが飛んでくるが、GK武仲正面。2分頃まで、蹴り合いでボールが落ち着かない。スリップするボールに互いにミスも出る。3分、浦和Lのコーナーキック。セカンドを拾われ、シュート打たれるが、流れる。5分、嘉数が右から、左足での巻いたクロス、中野が飛び込むがもう一歩。以降、ベガルタの裏狙いのボールが、ことごとく雨でスリップして、追いつけないシーンが繰り返される。

6分、山本が自陣からのロングボール、相手陣奥まで届くが、つながらず。今日のベガルタは徹底したロングボール攻撃。ラインは上げて、コンパクトな陣形は維持している。7分、ベガルタの左サイドを突かれ、連続シュートを浴びるがクリア。9分、左右にワイドな展開をする浦和L。10分、ベガルタも盛んにロングボール蹴るが、精度が上がらない。

13分、川村がボールを奪われ、中央から栗島にロングシュートを打たれる。バーに当たって枠外。危ない。武仲触っていたか、コーナーを与える。これは守る。15分、ようやくベガルタ反撃、中野がボールを奪ってドリブル前進、裏へのスルーパス、しかし有町には届かず。17分、千葉から井上へパスが通り、落とし、フリーで受けた嘉数がシュート、バー、惜しい。19分には、有町が川村とのワンツーからのシュートもヒットせず。

20分、今度は浦和のカウンター、左からのクロス。これはキーパー。22分にもクロスを放り込まれ、コーナーを与える。そのあとのセカンドボールを拾われ、24分、左からの放り込み、クリアし切れないところを、吉良に左足でシュートされ、先制許す。密集での球際の弱さが出てしまった。

25分、ベガルタも自陣のフリーキックから、井上がドリブルでゴールライン際までえぐり、折り返し、中央から有町がシュートを狙うが、ブロックされる。流れは良かった。26分、浦和L陣内で、相手に激しくプレスした佐々木繭と柴田が交錯。繭は左足首?痛め、いったんピッチ外。ベガルタ、10人となって井上ワントップ。有町以下をひとつずつ下げる体制。

なんとか10人でしのぎ、30分、繭が復帰。31分、浦和Lにキープされ、シュートされるがバーの上。32分、中野がキープして、有町もボール際で粘って、フリーキックを得る。左奥35m。中野が蹴るが、これはシュートに至らず。35分、ベガルタが左右に展開してキープも打てず。ここで足首限界の繭に代わり、田原が入り、そのままボランチ。

37分、井上が左足でのシュート、ヒットせずバーの上。40分、浦和Lエリア左角で、フリーキックのチャンス。さらにコーナー。左コーナーは嘉数が蹴る。42分、中央40mのフリーキックを受け、田原のシュート、バーの上。結局、前半は1点リードされたまま終了。

後半。
雨は降り続く。ベガルタようやくプレスを強める。3分、浦和Lのカウンター、楢本のラストパスはクリア。4分、また浦和Lのカウンターから、コーナーを与える。ドリブルで持ち込まれるが、抑える。この間ベガルタ、攻めてもシュートで終われず、逆襲を食っている。5分には、川村がエリア側でボールを奪われピンチも、なんとかしのぐ。

9分、田原が攻撃参加。クロスから、坂井が中央でヘッド、キーパーに阻まれる。11分には縦パスをつなぎ、コーナーを得る。こぼれ球を坂井が折り返し、井上がシュート。ヒットせず。14分、高良から斜めのクロス、井上が走り込むがもう一歩。16分には、中野から嘉数を走らせるパス、もう一歩。雨のピッチでボールが伸びる。ただ浦和疲れたのか、カウンター狙いなのか、前にあまり出てこない。17分、井上からのパスを川村がシュート、コーナーを得る。ショート・コーナー、こぼれ球は押し込めず。

20分、浦和Lが右からのクロスにヘッド、枠外。22分、浦和Lのコーナー、しのいで嘉数がカウンター、坂井へのクロスは流れる。24分、左奥40mのフリーキック。こぼれ球を田原がクロス。キーパー直。26分、ベガルタのカウンター、嘉数が持ち込み、最後はフリーの川村が中央からシュート、はずす。決定的。しかし、29分、相手コーナー付近までプレスした中野が相手ボールを奪い、そのままエリア内に切り込んでのラストパス、中央に入ってきた嘉数が、フリーで左足シュートを突き刺し、同点。後半、チーム全体で、攻め姿勢を見せていたのが実を結んだ。キャプテンのゴールで盛り上がるベガルタ。

30分、浦和もカウンター、ドリブルでの反撃、シュートまで持ち込まれるが、高良?が体を張ったシュートブロック。31分、浦和Lが、岸川に代え加藤千佳を入れる。33分、スローインから川村のクロス、シュート打てず。35分、浦和Lのカウンター、中央からミドルシュート打たれるが、バーの上。35分、嘉数に代え佐々木美和が入る。36分、浦和Lのクロスは流れる。浦和Lの攻撃が単発になってきている。40分、川村からのパスを受けた有町のシュート、ヒットせず。その後、浦和が縦につないでカウンター、シュートは武仲正面。

42分、井上が競り合いながらエリア内侵入、ファールを取られる。浦和Lは、後藤に代え白木を入れる。その後、浦和Lの連続攻撃、シュートされるが、クリア。ベガルタエリア左横で、浦和Lがフリーキック。こぼれを放り込まれシュートされるが、クリア。43分、有町に代え小野が入る。44分、美和のクロス、流れる。追加時間は3分。浦和Lがベガルタエリア右奥40mのフリーキック。ヘディングシュートを合わせられるが、これは武仲ファインセーブ。

そしてベガルタのカウンター、中央川村から、走りだした小野へパスが通り、DFをひきつけてから小野が絶妙ラストパス、並走していてフリーとなった井上が、右足で強烈シュート、劇的逆転ゴール!そのまま、逃げ切り、試合終了。


しばしば、ヤングな浦和Lの、カウンターから速いドリブルに千切られそうになりながら、雨のピッチはボールが走らず、ベガルタの守備としては助かった。一方で、こちらの徹底したロングボール攻撃も、ボールがスリップして、前で収まらない事が多かった。それでも、終盤、川村が出す時、チップキックで逆回転をかけ、対策していたあたりがベテランの味。

ここ2試合、なぜか乗らない、軽いプレーが見られた川村だったが、繭の負傷退場の後、本来のアグレッシブな動きが出て、後半は、他の選手と共に、どんどんプレスに出たり、危険地帯を予測した動きが出ていたのは、皇后杯に向け朗報。ただ、繭選手は捻挫?のようでしばらくは難しいかもしれない。

今日の試合は、快勝とはいえないが、勝利への意欲で勝り、後半は全体にアグレッシブさが出て、勝利を導いた。そして、前半から飛ばしたキャプテン嘉数、最後まで走った井上に、ご褒美のようなゴールが出て、逆転につながった。チーム史上最高の2位の自信を持って、課題は修正し、皇后杯タイトルも狙っていきたい。まずは、お疲れさん!楽しい日曜をありがとう。

シュート数:9-12、CK:3-4、FK:10-11 得点:嘉数飛鳥、井上綾香 (浦和L)吉良  警告:無し 主審:高橋早織 入場:1,622人  ベガルタは正木コーチが監督代行


試合後のセレモニー。仙台市長からの花束贈呈。やまや賞はチーム全体に、サポ投票による年間MVPは、3分の1の得票ということで、川村優理選手。JALさんから沖縄のリゾートへの航空券、宿泊券ペア・チケットが贈られた。

他チームの結果と2位決定が伝えられると、社長も興奮したのか、挨拶も吹っ飛び勝ちw前節のペットボトル蹴り上げで、この試合、退席処分となった千葉監督は、自虐ネタであいさつ。嘉数主将は来年の優勝を宣言して、セレモニー終了。
トップがなかなか歌わせてくれないホームでのオーラが、ユアスタに響いた。