秋春制に強引に突き進もうとする流れがあるようです。意見を聞くのではなく、結論ありきで、「改革者」に従え、雪国や寒い地域のチームは、観客もチームも我慢しろというやり方では納得できません。
少なくとも、冬場に、仙台や山形に来て、ガラス張りの特別室ではなく、実際に日陰のスタンドで、試合を最後まで見る「現場主義」が求められると思います。
実は、欧米でも、国ごとの気象条件に合わせ、秋春制でない国もある ということです。大物選手の移籍が、し難くくなるからといって、地域の実情も無視して、北国のチームは我慢我慢というのは、いかにも日本風。
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北京五輪女子サッカーで、決勝進出を狙った、「なでしこジャパン」が、アメリカに2-4で敗れた。まだ3日後にドイツを3位決定戦がある。疲れているだろうが、少しでも疲労を取って、がんばってほしい。
この試合、最大の敵は相手やモチベーションではなく、「疲労度」だと思ったが、やはり準々決勝の中国戦のような動きはできなかった。人もボールも動くサッカーを体現している「なでしこ」も、中2日の連戦となると、スピードや対人での粘りに翳りが出てくる。動きは少ないが、アメリカの力強いロングパス、シュートに対抗できなかった。
やっぱり、男女とも、体格差やパワーの差はいかんともしがたい、それを補うための、「人とボールが動くサッカー」だ。つなげ、つなげ。果たして、そうなのだろうか?
元々完全無欠な戦術など存在しない。大柄な欧米選手にスピードやスタミナがない、とでもいうのだろうか。単純に考えても、相手も同様の戦術を取ってきたらどうなるのか。矛と盾どちらが強いか。最後は個人の力の差である。そして、ゲームの中で選手は疲労・消耗していく。選手はサッカーゲームの駒ではないのである。つないで崩すところ、ロングフィードからフリーで走らせるところ、チャンスを作る引出しは多い方がいいに決まっている。
一方、CLで優勝したスペインやメッシなど小柄な選手でも、個人で勝負できる選手もいるのが、世界の状況。何が違うのか。色々あるだろうけど。むしろ個人の力で局面を打開できる何かを持っているから、小柄な選手でも生きていけてるのだろう。
個人の強さが十分でないのに、「人とボールが動くサッカー」だけを頼りに、金科玉条のプレイを続けていても、突破できない。チェンジ・オブ・ペース、そして1対1での駆け引き(特にゴール近くで)、この鍛錬がないと、戦術はただのスローガン、パスを回して終わり、になる。
型にはめて戦術を徹底するところと、場面に応じてそれを崩せる共通理解というか頭の柔軟さ、体力差を補う1対1での駆け引き、それらが揃って初めて対抗できる。
なんとなく、はやりの型を練習していると、それだけで強くなったような勘違いは捨ててほしい。相手がひとりなら抜き切る自信、個の強さ無しに、スローガンだけでなんとかなる時代ではない。これはベガルタの話。
EURO2008が終わりました。録画忘れもあったりして、ぽつぽつとしか見れませんでしたが、まだまだ日本のサッカーとは根底から違うなあと、思わざるを得ませんでした。
技術では世界に通用する選手もぼつぼつ出ている日本ですが、世界では、「上手い」のは当たり前で、それにスピード、強さ、スタミナがないと、対等にわたり合うには厳しいですね。全盛期の久保竜の身体能力に、俊輔のテク、松井のドリブル、玉田のスピードを合わせ持つようでないと(人選に異議あり?はひとまず却下)
しかし、優勝したのは4-4-2や4-1-4-1で、「ファンタジスタ(死語?)」と「スピードスター」ばかりのスペイン。あれだけ個人の力が卓越して、連動ががっちりできていると、それを生かす布陣の方が「トレンド」より強いということでしょうか。
そもそも「誰が」「どんな選手」がサッカーをやるかが初めにあって、布陣はそれを活かすためのものに過ぎないと思います。個々の選手・チームの力量が、高いレベルで拮抗してきているヨーロッパでは、あるいは、相手との相互関係で、布陣が大きなウエートを占めるのかもしれませんが、日本は、例えばトラップ技術、ボールキープの仕方ひとつとっても、まだまだな段階です。
190cmの選手でもスピードがあってサイドバックをし、それに対して170cmの選手がボールをキープできるような地域です。ヨーロッパやスペインから学ぶことは多くても、形だけ真似ても、すぐに同じサッカーはできないでしょう。
それと、まだ、ヨーロッパとは異なるスポーツをやっているような気がしました。それは、ジャッジの問題。というか、プロサッカーの歴史の違いかもしれません。日本の審判がいいとか悪いとかではなく、審判に対する要求が違っているのです。アマチュアとか「体育」の延長線上にプロがあると思っているように見える日本と、鍛えられた肉体を持つ選手だけが出る場がプロという、あちら。極端に喩えると、日本はアマチュア・レスリングの基準で、プロレスを裁く感じではないですか。ユーロの審判もミスはあります。技術的には遜色ないかもしれません。しかし思想が違うのです。
少々のコンタクトでは笛は吹かないし、アドバンテージを良く取って、ゲームを簡単には止めません。混乱の元となる、判定で迷う様子は見せません(たとえ見間違いがあっても)。もちろん、年代によっては、世界ユースなど、日本に近い「教育的笛」が吹かれているようですが、トップ・プロの大会は明らかに別物です。ルール自体は同じでも、日本でのプロリーグのルールの適用・運用は、世界とは異なる思想で貫かれているように思えてなりません。
個々の選手の視野の広さ、高い技術とスピードに加え、それを妨げないレフェリング。布陣の研究も世界と戦うための大事な要素だと思いますが、まず日本で行われているプロのサッカーのルールの「基準」を見直してほしいと思います。日常のゲームの土俵が違うのに、世界への対抗策を付け焼刃で練習しても、効果が薄いと思います。
それにしても、スペインのサッカーは美しく、そして強いサッカーでした。小柄な選手たちでも互角に戦うところが見れたのは爽快でした。あそこまでいかなくても、1対1で強くなった上で、連動して勝っていくサッカーを見たいですね。日本でも、ベガルタでも。。。
やたらと敵チームを持ち上げたくないが、試合前の鳥栖のシュート練習で、感心したところがある。
ゴール脇からコーチが浮球のパスを出すと、選手がふたりずつ組んで、クロスして走りこみ、どちらかが、ボレーか頭で合わせる。前の選手が弾いたり、パスが飛び越えたら後ろの選手が決める、というもの。実戦を意識したダブルスでのシュート練習だ。
ベガルタは、と見ると、いつものように、足元へのイージーなパスを受けて、一人で、ぽわーんと打っている。勿論、試合前のウォームアップが主目的だから、そんなにシャカリキになる必要もないのかもしれないが、控えの選手が、無人のゴールにただ蹴りこんで、しかも、次々はずしている緊張感のない様を見ると、なんだかなあと思ってしまう。
あるいは、普段の練習ではやっているのかもしれないが、たとえ試合前の短い時間でも、実戦に近い動きから、枠内にきっちりと決めにいく姿勢が欲しい。それも、一発狙いでなく、仲間と連動する形で。
平瀬の活躍、梁と関口の好調ぶりで、核ができた感のあるチームだが、まだ、何かもの足らないような気がする。やっぱり若手FWが元気であってほしい。長丁場を平瀬だけに頼っていても乗り切れない。中島、中原、西山、田中ほか、眠れる獅子にも覚醒してもらわなければ。昇格を目指すうえで、補強を検討する必要がない位に、集中を高めてゴールに向かってチャレンジしていって貰いたい。
ここに一人のプロ・サッカー選手がいます。
元ブランメル・ベガルタ仙台にも在籍していた伊藤壇選手。北海道出身。仙台大から入って、いまだに若々しいイメージしか記憶にありませんが、もう33歳になりました。
ご承知の方も多いと思いますが、彼は、ベガルタを退団した後、活躍の場をアジアに求めて、シンガポール、オーストラリア、ベトナム、香港、タイ、マレーシア、モルジブ、ブルネイと日本を含め9カ国でプレー経験があります。現在は、ブルネイのQAFというチームで、契約を更新したとブログで書いています。まさに、ひとりパン・パシ、ひとりアジア選手権のようです。
実は、彼には10カ国でプレーする、そしてその経験を引退後の仕事に生かすという目標があるそうです。そして、いまだに代理人をつけずに、自分ですべて契約交渉を行っているとのことです。現役時代の条件をただ上げるためでない、将来のためにサッカーをする、という彼独特の理論。
それについては賛否両論あるでしょう。しかし、いわゆる一流選手でなくても、人生計画の中に組み込まれたプロ・サッカープレーヤー生活がある、という考え方は、ユニークです。
勿論、彼は計算だけでサッカーしてるわけではありません。いわゆる「外国人助っ人選手」として、それなりに結果も出さなければなりません。外国人だからといって孤高になっていてはボールはこないし、連係無しにチームも勝てない。それぞれの国の独自の文化習慣も理解しなければならない。何より、チームが優勝すれば共に、涙する感情も持っています。サッカーが好きでなければ、そして強い意志が無ければできないことでしょう。
そういえば、JFLのソニー仙台に、レンタル移籍した大久保選手も5試合で9得点と活躍していますが、プロ契約は彼くらいで、他の選手は、会社の仕事をした後に練習しています。彼もまた、自分自身の目標だけでなく、プロの責任というものを感じ、これまでにないモチベーションを持ったのではないでしょうか。
サッカーを仕事にしている。プロ選手は、生き様をピッチの中で見せているわけです。誰のためでもなく、自分が納得できるプレーができているかです。
