いまいち決め手なし

入れ替え戦があったために、監督の去就や来季に向けての戦力確定、補強作業が遅れている。

まずは、船頭たる監督を決めなければならない。戦力策定との兼ね合いもあり、時間はあまりない。

現監督続投支持の人の中には、主力選手を引き止めるためとか、毎年監督変わるのがよくないとか、馴染んだひとと別れたくないという理由を上げる人もいるが、これほど誠監督に失礼な理由はない。それは、つまり現状維持さえできれば、誰でもいいと言ってるのと同じである。
また、選手が監督を決めるようなチームは、あまたの例があるように、必ず腐敗する。

当然ではあるが、「誠監督でなければならない」、という積極的な理由があるかどうかで、決めるべきだ。満点ではなくても、采配や起用に合理性があり、指導力があり(または指導を任せる態勢を作り)、来季に勝利を増やす引き出しがある、と思えるなら、それで決める。そのほかのことは気にしない。

ただ、そこが自分には、どうも微妙。「人もボールも動くサッカー」の継続といっても、下位の守備的なチームを除き、上位チームはどこでもやっていること。そして、今年、ベガルタも、そういうサッカー標榜していたが、必ずしも徹底されたともいえないし、ベテラン頼りとなって、やむなくできなくなった面もある。

昇格ということに限れば、ベテラン監督を擁した山形が、外国人FW無しに、指導力を発揮し、監督就任一年目で昇格を決めている。逆に監督が数年変わらずに、「らしい」スタイルが定着してきたと思われる、J2のいくつかのチームは、結局、今年も昇格を逃している。

つまり、J2の場合は、監督の形態やスタイルの追求で、必ず昇格が決まるという法則は無いのである。去年、昇格なんて考えずに(自分の好きな)監督が続けさえすればいい、といった評論家がいたが、もうバブルの時代は終わったのである。どんどんチーム状況は厳しくなるから、最短距離は目指さないといけない。勿論、できれば、ころころ変えない方がいいには決まっている。

まだ、未知数な点として、現監督が、見知った若手選手ではなく、補強で得た、中堅とか外国人などの、自分が知らない選手のいいところを引き出し、戦力として仕立上げる力があるのかどうか、という点が気になる。そこに力があるのなら、期待もできるのだが。
来季は51試合と今年より9試合も増える。若手や補強組をうまく使えない選手層の薄いチームは、間違いなく沈没する。

今季の評価も、入れ替え戦進出を良くやったと見るのか、勝ちきれず自動昇格を逃したと見るのかで変わってくる。自分的には、入れ替え戦進出は一定の成果で、続投を求める権利は監督にあるとは思う。梁の主将起用も当たった。一方、やむを得ない面もあるとはいえ、ベテランに頼りすぎて、若手が経験値を上げられなかった面もある。決断の遅さも気になった。どうも、両手を上げて賛成とも言い切れない、ひっかかりもある。


いずれにせよ、チームの方向性に沿った監督にやってもらわないと困るのだが、正直、どんな監督でも、やってみなけりゃ分からない面が多いと思う。どういう選手を集めるかのにもよるし。
続投を含め、全否定はしないが、決め手もない。ただ、もし、続投するなら、少なくとも、コーチ陣に、違う発想を持った、経験豊かな人を入れる事が必須条件になると思う。