「謙虚さ」こそが自信の表れ

はっきりと数字で見よう。残り12節、2位山形との勝ち点差11、消化試合数は1ゲーム多いが、直接対決はもうない。山形は、ベガルタより2敗1分しても上回れる。全勝しても自力だけで昇格圏内はない。勝ち数山形17勝、ベガルタ11勝、この差が出ている。しかも直接対決で2敗している。これが現実。山形のミス待ちなのである。

 そして、30試合中13分けは、自信にはなりえず、アン・ラッキーでもなく、順位に関係なく相手を上回る力がなかったということである。これまでは。それは事実。

それでも3位狙いなら、湘南との直接対決もあり、自力ではないが、1ゲーム差なので、まだ可能性は高い。未来につなげるには、(口にする必要はないが)相手の強さと自分の弱さを認めたうえで、足りなかったところを補い、一勝ずつ我慢強く戦うしかない。諦めてはいない。選手の意地には期待している。そこで邪魔になるのが、監督のビックマウスである。

弱い犬ほど良く吠えるというが、監督は試合の前から自分に負けているのである。
敗戦や勝ち切れないもどかしさを十分感じながら、それを悟られるのが恐いのだ。もちろん、人間誰しもそうだ。たとえ実力はなくても、プライドだけは失いたくない。新人監督だから見逃してくれと、言い逃れもできる。
しかし、プロサッカーの監督の資質として、うまくいかないとき、それをどう乗り越えるかを、人は、サポーターは、選手は見ている。

本音は言う必要がない。勝てば官軍。人間性なんてどうでもいい。後ヅケだ。しかし、結果が長く出ないのに、嘘や子供じみたこじつけばかりでは、他の要素に関係なく、信頼を失う。ほとんどの監督は本音はともかく、敗戦や勝ち切れない試合が続いているときに、「相手は下位だから圧倒する」とか「あんなチームとは違う」というような、今時、高校の監督でも言わないような強がりは言わない。

本心はともかく、相手をリスペクトしたことを言う。その上で勝つ。誉めた相手に勝つのだから、我々は、いい点がある相手をも上回る実力があると、選手やサポに自信を与えることになる。 敵に敬意を表せるは、自信があるからこそ。相手をおだてるというより、味方を鼓舞するために、そう振舞うのだ。そのかわり、試合では結果を出す。自信の無さを、負ける恐怖心を、大口で誤魔化そうとしても、すぐに分かること。その脅え、余裕の無さは選手に伝染し、サポをしらけさせる。

もうひとつ。結果も出ず、連係がばらついて、確率の低い形でのシュートで終わるようになった終盤戦の今、勝ち切れず、逆転もできなかった結果の連続は自信にはならない。最下位から上がって来たチームではないのだから。引分けを良しとして、敗戦のように真摯に向き合わなかったツケが、今の位置である。

戦術や、ベテランに甘く若手に厳しい起用法にも納得がいかない点もあるが、相手があることではある。しかし、試合前に何をどう言うか、結果が出ないときに批判も甘んじて受けるかは監督の胆力次第。明日からもできることである。自分は冷静に相手も自分のチームを捉えてているからこそ、勝ちに行けるということを、表現して貰いたい。

監督の口先が変わるだけで、チームは変わる。サポもまとまれる!?謙虚になったからといって弱気に見えるどころか、変わろうとうする努力を感じて、全体が改善に向かう。誰の力も借りずに、自分だけで実行できる。なんと簡単なことだろう。