リズムとシュート

13節の札幌戦が0-1で連敗となり、シュート数も少なかったことで、心配される向きも多いようですが、ドガッチなどを見ると、記録5本のシュートの内、3本は決定的なチャンスがありました。これを1本きめれば、最低勝ち点は得られたわけです。枠に飛んでないのが残念でした。

ところで、極論ですが、勝ち点を取る、勝利するということは、チャンスに決めるか決めないか、相手のミスを逃さず決めるか、にあるわけで、途中の過程は、手段に過ぎません。シュート数1本、1-0勝利でもいいわけで。どんな形でも勝ち点3を取る、最後まで諦めない姿勢は持ち続けてほしいものです。負けても内容が良かったと評論家に褒めて貰うために、リーグ戦をやってるわけではないので、選手自身やチームの未来を切り開くのは勝利のみ。内容が悪いなら悪いなりに、少ないチャンスでも決めていく、それだけです。

勿論、チャンスをより多くするためにも、過程がいいにこしたことはありません。が、相手がある話。どんな相手でも、いかなる時でも、こちらの思い通りに行く万能の戦術は存在しません。 いつも完璧な内容で、パスがびゅんびゅん通るというのは、ありえない話で、相手がスペースを消したり、激しいプレスをかけてくれば、そんなに思い通りにはいきません。本来は時間をかけて訓練し、ひとりひとりがキープ力を上げる必要があるのですが、それもなかなか難しいので、連係でボールを保持していくのが基本線というのはその通りでしょう。

しかし、パスによる崩しがうまくいかないとき、どうするか。リズムを変えなきゃと、頭で分かっていても、うまくいかない。いろいろ細かいテクニックはあるのでしょうが、もっとも簡単なのは、シンプルにシュート打て、ということはではないでしょうか。ここから前段と矛盾する話になっていくのですが(笑)

試合の入りが悪いな、と思ったら、ロングシュート。単リズムを変えるだけでなく、キーパーの位置にもよりますが、背走させれば、途中ですっころんだり、イレギュラーしたり何かが起こる可能性がある。また、相手のプレスで、フリーなのに、出しどころに迷って、横パスでピンチになるより、一番安全なロングシュートで、ペースを変えてみることが、たまにあってもいいのでは(やり過ぎはいけないが)。

一方、つなげられる時でも、リズム良く、テンポ良く、なるべく早くシュートまで持ち込む。しかも、シュートは、誰かに頼るのではなく、パスとみせかけてシュートとか、キーパーが弾かざるを得ない、シュート性のクロスとか、たとえDFであっても、積極的に相手に仕掛けてほしいものです。相手が待ち構えているリズムと違うリズムで打てば、可能性が広がる。

菅井の場合などは、やり過ぎだ、パス出せと指示されているのかもしれませんが、あれくらいでちょうどいい。相手ゴール前で意外性や、一見「無駄」に見えるシュートがないと、次なる決定的場面を作れません。リズム、シュート。早めにシュート。迷ったらシュート、手詰まりならシュート。勿論、枠に飛ばす自信があるときのみ。また、そういう自信がつくような練習をしておくべきでしょう。