FW大柴克友選手、引退

2007年4月、大柴克友選手の引退が発表された。今後はミズノサッカースクールでコーチとなり、子供達の指導にあたるとのこと。現役続行が叶わなかったが、指導者としてサッカーに関わる仕事に携われることになり、良かったと思う。新しい目標に向けてがんばってほしい。

大柴選手といえば、まず、チーム内で最もベテランでありながら、若手を上回る運動量が凄かった。前戦で攻撃参加したかと思えば、自陣深くまで戻っての守備。監督が誰になろうと、チームスローガンが何であろうと、常に汗を惜しまなかった。そして胸の亀裂骨折や、膝の痛みに耐えながらも、いつも通りの動きで、出場を重ねた。

そして、何よりも、口先でなく、自分のプレーでチームにカツを入れる、文字通りの軍曹だった。前線で勇気を持って体ごとキーパー前に飛びこむプレー。鋭い切り返しで、相手DFをおきざりにするプレー。ラインぎりぎりからのラストパス。厳しい局面での諦めないシュート。

味方の緩慢なプレーには、外国人選手もしかり飛ばしていた。同時に、佐藤寿人やバロンなどとは、阿吽の呼吸の連係プレーで、ゴールを演出することもたびたびあった。いつも孤高の人だったわけでもないし、ほんとはおちゃめな面もあったはずだが、緩みがちな若手を引き締め、マスコミの前では、強面を演じていたのだと思う。

チームが低迷していた2004年から2006年の厳しい時代の中で、プロのありようを見せてくれた選手。彼がいなかったら、年間チケットを買い続けることも、なかったかもしれない。
今後は指導者として、熱いハートと優れたフィジカルを持ったFWを育ててくれればと思う。サッカーに携わっていれば、また、いつか会えることもあるだろう。ありがとう、そして、今後のご活躍を心から願っています。