プロだから上を目指す

 プロだから上を目指す。そこそこちやほやされて、サッカーで飯が食えるから、今のままでいいと思っている選手は、ひとりもいない、はずである。昇格も通過点。ここでまったりしていたら、世界相手の戦いなぞ、夢のまた夢。もちろん、今、目の前のハードルを越えることも、同じ目標を持つ競争相手が立ちはだかるから、生易しい事ではない。

 相手より厳しい練習と強い闘争心なしには、一歩も前には進めない。戦う選手=プロとしての誇りを持つべきだ。ここは、結果を問われない同好会でも、育成優先、勝利二の次のサッカース・クールでもない。
 監督やコーチは専門職。新人選手とは立場が異なる。初心者ですからと言い訳なんかできない。医者や運転士がそんなことを言って通るだろうか。メンバーは違うとはいえ、一年目で優勝昇格した監督がいる。上位をキープし、昇格争いにしっかりからんだ監督もいる。目標に対する成果を求めないのは、プロたる監督に対する侮辱である。

 プロなら誰にも負けたくないはず。勝利のために、強い闘争心で最善手を打つ。相手がそれを上回るなら仕方ない。ただ、自分から恐れおののいたり、勝利とは直接関係のないこだわりに囚われて、同じ間違いを繰り返すのはプロではない。まず自分に勝ち、前のめりに倒れよ。戦う姿勢、自分を出し切る姿だけが、我々を感動させる。戦う選手がいるから支えられる。そして、今のベガルタ戦士達は、それができるメンバーであると信じている。

(2005.3)