前線には軍曹が必要

 素人がいくら理屈をこねてもプロの監督や選手に敵うわけがない。それは重々承知之助。ただ、プロでも、あまりにも蓄積があり過ぎて、考え過ぎてしまうことはあると思う。
 調子のいいものから使うというのは当然だが、各選手が潜在能力を全部アピールできていない場合もある。ここはシンプル・イズ・ベスト。DFからのビルドの形を考えるのが正攻法なんだろうけど、フィニッシュは誰がするのかを考えてみる。「誰に点を取らせるか」という逆の出発点から考えて、チームを組み立ててみると、素人的には分かりやすい。

 シュウエンクがいまいちで、バロン、シルビーニョがいない今のメンバーでは、実績として、大柴が最も点を取っている選手。キーパーの前に飛び込んだり、意表をつくシュート、そしてラストパスにも精度がある。体調が万全なら運動量もあるし、組んだ選手を活かす力もある。その大柴に誰を組ませるのか、と考えて見る。裏で勝負したいシュウエンクや、ポジション取りでゴールを狙う中原も生きてくるのではないか。あるいは左サイドに持ってくることもありだろう。

 何より、前で闘争心剥き出しに動き、攻撃陣を鼓舞する大柴「軍曹」の存在は、今の沈滞ムードを変えるきっかけになると思う。

(2005.3)