リアル・ゴールド

 開幕も、もうまもなく。この時期、チームを応援する者としては、全ての選手に期待する。シルビーニョ、村上、萩原など怪我の選手は、忍耐強く回復を図ってもらうより他ない。

 チーム内に競争がある。松浦や中原などが調子を上げているFWと、ようやく磯崎が参戦したDFは、いい競争が働いて、むしろ決めやすいのだろうけど、中盤には、苦労しているようにも見える。決めるのは監督のマター。固定観念にとらわれず、調子のいい選手から使ってもらいたい。

 われわれが出来ることは、開幕のスタジアムを埋め尽くすこと。新人の渡辺広大がくそ真面目な顔でインタビューを受けていて、途中、「仙台スタジアムで早くやりたい」というところでは、思わず笑みが出た。自分のプレーしている姿をイメージしたのだろう。

 高級レストランで待受け、有名シェフが作った料理で堪能する味もあれば、無骨な料理でも、みんなで役割分担しながら作って、かぶりつくバーベキューの旨さもある。ベガルタには与えられるだけでなく、与える喜びがある。「レアルな」ゴールドには無縁だが、厳しさを乗り越えて、ひとつになって共に戦うリアルな気持ちは、輝いて見える。おおげさだろうか?スタジアムに行けば、それが分かるだろう。

 3月1日は卒業式か。今春、仙台を離れる人もいるだろう。3月5日は土曜。記念に、みんなでベガルタの開幕戦を見ておいては。

(2005.2)