12節対名古屋4-0、ベスメン相手に球際負けず、4発快勝。

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2012年J1 5月19日(土)18:30 ベガルタ仙台4-0名古屋グランパス ユアスタ仙台



ウイルソン 赤嶺
       (松下)
梁  関口
(太田)    
角田 富田
 
田村 上本 鎌田 菅井
    (広大)    
サブは、桜井、内山、渡辺広大、松下、太田、武藤、柳沢。名古屋は、ケネディ、玉田、永井の3トップ。藤本、ダニルソン、闘莉王スタメン。田中輝希、金崎がベンチ。

ACLの疲れはあるとはいえ、主力を一部温存、代表クラスのベスメンを揃えた名古屋相手に4発快勝。
両チーム、早い球回しと球際での激しい攻防で、目まぐるしい展開。それでも相手ミスを逃さず点に結びつけたベガルタが、着実に加点。終わってみれば、 赤鬼ピクシーに地団駄踏ませるどころか、ベンチに座り込ませ、沈黙させる圧倒的な勝利。 

梁が1ゴール、1アシスト。赤嶺がオウンゴールを誘う高いヘッド。後半途中出場の太田が2アシスト。ウイルソンが、フリーをきっちり決める職人芸。攻撃的SB菅井がCKのこぼれを押し込み4点目と、主力が活躍。

さらに梁のゴールを呼び込む関口のドリブル侵入とシツコイ守備、 闘莉王フリーシュートのボールを弾き返す鎌田の"スーパーセーブ"からカウンター。上本、角田がケネディ、玉田、を完封すれば、小兵の田村や富田がヘッドで互角に競るなど、全員の持ち味が出た。ただ、負傷退場した上本が靭帯の可能性があるということが、気がかり。



昼間は暑いくらいで、五月晴れのユアスタは、次第に陽が落ちて照明が入る。ひさしぶりのナイター。名古屋サポ1000人くらい来ていたか。

前半。
開始2分、名古屋のコーナー2本をしのいだ後、ベガルタのカウンター、菅井が上がっていくが、トラップできず。3分、角田からのロングボールに赤嶺、190cm超の増川に競り勝つが、つながらず。その後、名古屋のボール回し、藤本のクロスはバーの上。名古屋は前半は様子見か、あまり前からプレスしてこない。逆に藤本は、ベガルタの前からプレスを嫌がり、下がってきている。

6分、カウンターから菅井から梁へのサイドチェンジ、上がってきた田村のクロスは低く、クリアされる。しかし、次第にベガルタのリズム。中盤で互いに激しいパスカット応酬。しかし今日のベガルタはワンタッチプレー、パス&ゴーの素早い展開で、名古屋と互角に勝負している。10分、縦のロングボールからヘッド打たれるがバーの上。12分、菅井のロングボールに赤嶺がヘッド、DF。13分、中央から、ウイルソンがドリブル突破を図り、エリア内で倒されるがノーファールの判定。

さらにこぼれ球を、赤嶺が左サイドからシュート性のクロスをいれるが、バーの上。15分、ベガルタゴール中央35mで名古屋のフリーキック。キッカーはダニルソン。強烈なシュート、林が前にハンブルするが、すぐに角田が大きくクリア。コーナーを与える。17分、ウイルソンがワンタッチで梁に出し、梁が左サイドからドリブル侵入、ゴールライン間際までえぐっての、ラストパス。関口フリーで飛び込むが外す。18分、富田がパスカット、ドリブル前進も倒され、中央40mのフリーキック。これはつながらず。

20分、名古屋のダニルソンが自傷か、自らバツで退場。吉村が入る。24分、高いケネディーの肩の上の乗って鎌田がヘッド、ファール取られる。確かに、これなら高さで負けることはないが。27分、ケネディーと藤本ワンツーから、ケネディにシュートされるが枠外。これは危険。ベガルタも、その後のフリーキックからボールをつないで、こぼれを中央から赤嶺のシュート、DFと交錯。31分、名古屋がサイドチェンジからの放りこみ、ベガルタはDFが競って守る。33分、今度はベガルタがキープして攻める。

34分闘莉王にイエロー。中央40mのフリーキック、これは流れる。その後も中盤のせめぎ合いが続く。そして38分赤嶺のパスが相手選手に当り、走りこんでいた関口の足元へ。ゴールライン際までえぐった関口のシュートはいったん吉村に弾かれるが、詰めていた梁が、うまく回りこんでボールを奪い、角度の無いニアから左足シュート、決まって先制。梁の今季初ゴールは、楢崎も悔しがる技ありシュート。流石である。

39分、名古屋もフリーキック、コーナーと反撃してくる。しかしここで名古屋田中のキープに関口がしつこい、しつこい守備。パスせずに、かわして得意のドリブルに持ちこもうとする田中隼磨に対し、まとわりつく関口。じりじりと押し返して、結局、名古屋の自陣まで戻してしまった。名古屋の流れを絶ついいプレー。
42分には、自陣で相手ボールカットした鎌田が自分で持ち上がり、ファールを貰って、中央40mのフリーキックをゲット。このボールに流れた赤嶺シュート狙うが角度無し。そしてロスタイムは4分間。ワンタッチパスと、パス&ゴーで名古屋と拮抗するベガルタ。

関口が相手ボールにチャージ、シュートしてコーナーをゲット。左コーナー。キッカーは勿論、梁。ファーサイドでなぜか赤嶺フリー。両手を挙げて合図している。梁のコーナーキックは、高く上がって、その赤嶺にどんぴしゃ。DF届かない高い打点で叩きつけると、増川はワンバンを膝でクリアするしかなく、これが見事なオウンゴールとなって、ベガルタ2点目。いい時間帯。梁の正確なキックと赤嶺がたたきつけたから、点になった追加点。そのまま、2点リードで前半終了。

後半。
名古屋は田口に代え、金崎を入れる。開始早々、ウイルソンが相手ボールをカット、ドリブル前進するが、倒される。1分、今度は、ベガルタのバックパスを永井にチャージされ、あわや。しかし、ベガルタもすぐ、関口のドリブル突破からコーナーを得る。こぼれをつないで、最後は中央から梁のシュート、これはブロックされる。さらに相手のカウンターを防いで、逆にカウンター。ウイルソンから赤嶺のクロス、これは決まらず。

7分、名古屋が斜めのクロスをベガルタエリアに入れると、中央ケネディが裏に飛び出す、しかしオフサイド。この試合、ベガルタはオフサイドトラップが有効で、名古屋の3トップの出足を止めていた。10分頃までは名古屋がボールを回すが、シュートまでは打たせない。12分、突然角田にイエロー。その前のプレーを流していたのか、良く分からない。12分、カウンター、関口のドリブルから、中央角田のシュート、さらに関口の低い弾道の強烈ミドルシュート、枠内もキーパー。

さらに、梁のクロスに菅井のヘッド、枠外。と攻め立てる。14分、名古屋は玉田に代えダニルソンを入れ、DFを3バックに。闘莉王をFWに上げ4トップで早くもパワープレー。16分、早速阿部のクロスに闘莉王のヘッド、バーの上。しかし、その後はベガルタも粘り強く守って、簡単には入れさせない。ベガルタ22分、フリーキックからコーナー2本のチャンスも決められず。27分ここで、上本が交錯して足負傷、自らバツを出し、担架で退場。急遽怪我から復帰したばかりの渡辺広大が入る。

その後、ウイルソンのシュートのクリアでスローインとなる。名古屋の攻勢。31分、名古屋阿部のクロスは林が直接抑える。33分、赤嶺に代わり松下入る。梁が前目か。35分、ベガルタエリア右横30mのフリーキックを与える。このキックには、林が飛び出てパンチング。さらに1分後、今度は左からドリブル突破され、シュートされるが林。37分、後半は自陣での守備でも働いて梁だが、ここで太田に交代。これが効いた。

40分早速、太田がドリブルで前進、侵入しシュート打つが、DF。41分、相手フリーキックのカウンターから菅井がドリブルで抜け出し、フリーの太田へ。しかしシュートには詰められる。そして42分、サイドでボール受けた"FW"の闘莉王にひとり、ふたりとかわされ、エリア内にフリーで侵入され、林と1対1、シュートを決められた!と思った瞬間、鎌田が猛然とゴールライン際に突っ込んで、クリア

このボールを松下が素早くロングボールで太田につなげると、一気にドリブル前進。DFラインと駆け引きしていたウイルソンへのパスをつなぐと、DF二人の間を走りこんで、最後は楢崎が出るところ少し浮かせてのウイルソンの技ありシュート、決まってトドメの3点目

闘莉王ががっくりと下を向く。ピクシーはベンチにへたり込む。気持ちいいゴール。太田のスピード、パスと、フリーを確実に決めるウイルソンの堅実なプレーで、勝負あった。しかし、今日のベガルタはまだ容赦しない。43分、菅井がこの期に及んで、まだ攻撃参加からクロスを上げてコーナーをゲット。キッカーは太田。

このコーナーキックに、中央であわせた角田のヘッド、これは楢崎が腕1本で弾くファインセーブ、かと思われた。が、こぼれ球を狙っていた菅井が。いつのまにかキーパーの前に走りこんで、アウトサイドで押し込むFW並みの嗅覚ゴールで、4点目。ロスタイムは5分間あったが、余裕のベガルタの前に、名古屋は増川がイエローを貰っただけで終わり、ベガルタが今年も復活の勝利を名古屋から、4点のゴール付きで上げた。


名古屋はACL疲れがあったり、腰痛でいまいちのケネディだったとはいえ、素早い球回し、サイドチェンジと球際の厳しさは流石。ベガルタも少しでも気を抜くとボールを奪われた。

しかし、ベガルタも、この3試合勝ちなしに見られたボール回しのテンポの悪さを修正、素早いパス出し、動き出しで、相手に的を絞らせなかった。守備では、小兵の富田、田村を含め、全員が長身の相手に当っていって、楽にヘッドをさせなかった。そして、しつこくまとわりつく守備で、玉田、永井といったところのギアも上げさせなかった。

攻撃では梁の復活ゴールがチームに勢いを与えた。さらに主力組みがそれぞれに役割を果たし、後半途中出場の太田も2アシストと結果を出して、今年一番の試合を見せてくれた。こんなに楽しい試合なのに、16,317人と2000人も余裕があったのが少々残念。それと、気になる上本の膝や関口、そして赤嶺の怪我が軽いことを祈るのみ。


シュート数:10-8、CK:7-3、FK:21-17  得点: 梁 勇基、オウンゴール、ウイルソン、菅井直樹  警告:角田 (相手) 主審:家本 政明