最終節:対神戸2-0、雨の中、赤嶺の2発で快勝、逆転4位

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J1 34節 2011年12月3日(土)15:30 ベガルタ仙台2-0ヴィッセル神戸 ユアスタ仙台


太田  赤嶺
(武藤)
梁   関口

松下 富田
(ヨシキ)   
田村 鎌田 曹 菅井
      (広大)
サブは、桜井、渡辺広大、細川、高橋義希、ディエゴ、武藤、中原。神戸はポポと吉田の2トップ。大久保、ボッティ、宮本が先発。

当日券が全く無い満員札止にもかかわらず、激しい雨と風が舞うユアスタ。18,575人。ほとんど水たまりが出来ることのないユアスタに、何箇所か光るところがある。試合開始から、合羽が必要な試合は初めてかもしれない。

さて、4試合無得点が続いていたベガルタは、ボールが雨で止まったり、伸びたりするピッチ状態の中、歯切れのいいプレーと、運動量で神戸を上回っていく。ひとりがトラップミスしても、すぐにフォローに入り、相手のミスは逃さず攻撃につなげる。

18分、梁のクロスをDFがクリアミスしたころを、逆サイドの松下が絶妙の折り返し、ファーで太田が粘って頭で落とすと、中央に赤嶺が頭で押し込み先制。ボールコントロールで体力を消耗する試合、ベガルタが優位に立つ。しかし、その後の再三の攻撃も相手キーパーのセーブなどに阻まれ、追加点を奪えないまま、前半終了。

後半。雨が次第におさまってくる。ベガルタは連続コーナー4本などでチャンスを作るが、どうしても押し込めない。しかし、神戸の攻撃にはフリーでのシュートはほとんど許さない全員守備で、再びリズムを持ってくる。35分、右コーナーのこぼれを松下が左足のミドルシュート、これを中央の赤嶺が、左足ヒールに当てるコース変えで決めて2-0。

その後も守備に集中して、決定機を作らせず、快勝。4位だった横浜FMが分けたために得失差で上回り、4位浮上。いろいろな意味で苦しかった今季をチーム史上最高の成績で終えた。


前半。
ほぼ満員のユアスタ。雨が無ければ超満員だったはず。神戸サポも100名近くいたか。神戸の「絆」フラッグがまぶしい。バックスダンドで「アリガトウ」の人文字。雨が強くなり、風が舞う。スタンド上段までずぶ濡れ。水はけのいいユアスタのピッチに、水溜りが出来るのを始めた見た。ただその分気温は下がらず、寒さはひどくない。

立ち上がりから両チームトラップやドリブルに苦戦する。3分、梁のセンタリングに赤嶺が落とし、中央に飛び込んだ関口、しかしボールが止まる。4分、神戸がコーナー。これは守る。6分、こぼれ球を関口がシュート、キーパー。さらに中央遠目で赤嶺が反転してミドルシュート、枠外。今日はシュート意識が強いベガルタ。7分、ベガルタが攻め込むがシュートまで行かず、逆に神戸のカウンターを食らう。コーナーを与える。これは守る。その後、一進一退。どんどん強くなる風雨に、選手もボールコントロールに手こずる。ベガルタとしては、ポポなどのスピードを抑える結果となり好都合。

13分、右ラインぎわ35mのフリーキックのチャンス。こぼれ球を中央から関口が、ダイレクトでミドルシュート、わずかにバーの上。15分、今度はベガルタゴール前で、チョが雨でコース変わりキックミス、それを拾われてシュートされるが、林。16分、神戸ゴール中央40mのフリーキック。梁が、雨を利用して、ワンバンさせるシュートで直接ゴールを狙い枠内も、キーパーに抑えられる。

18分、左から梁のクロスを相手DFがクリアミス、右の松下が拾ってセンタリング、これを太田がDFと競りながらゴールポスト際で落とすと、詰めていた赤嶺が頭で捻じ込み、先制!5試合ぶりのベガルタゴールはエースの得点。攻めながら点が取れなかったので、これでベガルタが楽になる。20分、神戸のコーナー。フリーのヘッドを許すが枠外。

23分、太田が中央から反転ミドル、キーパー。26分、相手のパスをカットした太田がフリーで、左サイドをドリブル前進、センタリングを中央に入れるが、赤嶺空振り、さらにフリーの梁が狙い済ましてシュートを打つが、バーに当る。惜しい。28分にも、攻め込み、神戸陣内でパスを回すが、打てず。すると、神戸のカウンターにフリーになられかかるが、相手のミスで救われる。

34分、田村がクリアし切れず、拾われて裏を取られる。センタリングを入れられるが、富田が戻ってクリア。コーナーを与える。これも守る。35分には、梁から中央へ、クリアされコーナーを得る。37分、赤嶺がヘッドでパス、受けた太田がヒールで浮かせてシュートしようとしたが決まらず。決まればオサレだったが。39分、相手陣のスローインから赤嶺がエリア内侵入、左コーナーをゲット。この梁のキックにファーサイドの菅井が頭で折り返し、中央で太田が頭でシュートするも、キーパー。

結局前半は1点リードで終了。

後半。
ベガルタは前半途中で足を痛めた感のあるチョを下げ、渡辺広大を入れる。神戸は吉田を下げ、都倉を入れる。しかし、神戸は長身FW都倉になかなかボールが来ない。後半序盤も雨脚がまだ強く、最初は蹴り合い。お互いにパスがなかなかつながらない。7分、神戸がカウンターで攻勢、しかし、途中でボールが止まり、終了。8分、ポポがロングシュート、枠外。

13分、ベガルタのコーナー。田村がダイビングヘッド、バーに当る。惜しい。今日は守備でシツコさを見せ何度もピンチを救っていた田村だけに、ご褒美ゴールが欲しかった。15分、神戸がボッティに代え小川を入れる。16分、神戸ゴール中央40mのフリーキック。松下が蹴る。ベガルタ、ヘッドで押し込もうとするが、きまらず。17分には、自陣ゴール前からのカウンター、太田がドリブルで前進、クロスのこぼれ球を松下がミドルシュート、コーナをゲット。

これは決まらず、逆に神戸のカウンターを受け、ピンチに梁が戻って守備。今日は全員守備の意識が徹底していた。20分、ベガルタゴール左30mで神戸のフリーキック。これは守る。21分、梁のシュートのこぼれを赤嶺押し込めず。22分、神戸のサイド攻撃からヘッドも、林が押さえる、と目まぐるしい。26分には、カウンターから中央の赤嶺が前進、左の関口へのスルーパス。しかし流れる。

28分、菅井のシューズが壊れたのか?いったんピッチを出る。29分、神戸がベガルタ右サイドライン際30mのフリーキック。菅井が戻る。守る。31分、左エリア横でフリーキックのチャンス。こぼれ球を関口がミドルシュート、バーの上。これも強烈シュートだった。33分からベガルタがコーナー連発。ヘッドなどでつないで、こぼれ球を押し込もうとするが、決まらない。

すると35分、右コーナーキックのチャンス。梁のキックをクリアしたボールのこぼれが中央後ろのいた松下の前にころがる。松下これをグラウンダーのミドルシュート、前にいた赤嶺が左足バックヒールでコースを変える、こじゃれたシュート、決まって2点目。赤嶺、これで今季14得点。鹿実の同級生コンビで決めた。37分、太田に代え武藤入れる。40分鎌田にイエロー。これでベガルタゴール、右奥でフリーキックを与える。

41分、神戸のコーナー。しかし、囲んでボールを奪う。逆に関口がカウンター、倒されフリーキックをゲット。神戸、相馬にイエロー。フリーキックは決まらず。44分、松下に代え高橋義希を入れる時間使い。しかし、ロスタイムは4分間。ベガルタは遅攻。赤嶺が左サイドでキープ。フリーキックも得るが、追加点は奪えず。

結局、ベガルタは赤嶺の2得点で、完封勝ち。横浜FMを抜いて4位浮上。獲得賞金が4千万から6千万にアップしたほか、自身が天皇杯で優勝するか、天皇杯で名古屋か柏が優勝すればACLの出場権が発生する。


試合後のセレモニー
社長、市長、監督の挨拶は、寒さで口が回らない感じでたいへんそう。今年は、日本の各チームサポーターを含め、国内向けと、直接チームの支援いただいた韓国、ブラジル、オランダ、アルゼンチン、ブルガリア、イタリア、セルビアの言葉で感謝を表す横断幕を、選手、スタッフ、アカデミーの選手などが持って行進。

年間MIPにはDF菅井直樹、MVPにはDF鎌田次郎、後期MVPはGK林卓人と、34試合25失点と、リーグ最小失点を支えた守備陣が選ばれた。


これから
3月11日の震災以後、サッカーどころではないのではないか、というところから、各所からの支援と選手のがんばりで、鹿島や浦和、磐田、横浜FMといった歴史のあるチームより上位の結果を得た。
天国にいるサポーターに捧げる結果・内容だったと思うし、多少なりとも東北に人を元気づけられたのではないかと思う。

長いシーズン、偶然や復興へのモチベーションだけでは、この結果は得られないと思う。補強の成功と選手の努力と成長、終盤まで怪我人も少なく、プレーに自信をつけてきた、ということだろう。

ただ、他のチームも巻き返しを図って、成長していく、今年は今年。さらに、補強しレベルアップを図る必要がある。若手の育成も課題。不断の努力を怠れば、チャンピオンチームでも、たちまち降格争いに巻き込まれるのがJ1。

まずは天皇杯、点を取って勝つのが条件という試合で、どこまで果敢にいけるか、再びチャレンジしていただきたい。シーズンはまだ終わっていない。

 

シュート数:18-13、CK:10-6、FK:21-12 得点:赤嶺真吾 警告:田村 (相手)相馬、 主審:佐藤 隆治